JP2521259B2 - 制御系補完装置 - Google Patents

制御系補完装置

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JP2521259B2 JP61124922A JP12492286A JP2521259B2 JP 2521259 B2 JP2521259 B2 JP 2521259B2 JP 61124922 A JP61124922 A JP 61124922A JP 12492286 A JP12492286 A JP 12492286A JP 2521259 B2 JP2521259 B2 JP 2521259B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、PID制御系に適用される制御系補完装置に
関する。
[従来の技術] 第5図は従来のPID制御系を示すブロック図である。
1は目標値rと制御量yの偏差を求める減算器、2は補
償器、3はPID調節器、4は負荷Zを与えられる制御対
象である。なお、補償器2の内容は一次遅れ進み特性等
で、一般的に伝達関数で表わすと次式になる。
(1+a1s)/(b0+b1s) 従来は上式のパラメータa1,b0,b1を試行錯誤的に探索
することによって、制御性能の改善を図っていた。ここ
で、sはラプラス演算子である。
[発明が解決しようとする問題点] 上記従来のPID制御系においては次のような問題があ
った。
補償器の内容が(1+a1s)/(b0+b1s)であるた
め、パラメータa1,b0,b1を試行錯誤的に決める必要があ
り、最適なパラメータを設定するまでに長時間を要す
る。
補償器2の構造が制限されているために制御性能の
向上に限界がある。
そこで本発明は、試行錯誤的に探索する必要のあるパ
ラメータが単一のものとなり、短時間内にパラメータを
設定することができる上、目標値と負荷変化に対する制
御偏差を大幅に減少でき、制御性能の向上をはかり得
る、制御系補完装置を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記問題点を解決し目的を達成するために、
次のような手段を講じた。すなわち、PID制御系におけ
る制御偏差と制御対象の負荷の値を補完器に取込み、補
償のための演算を実施後、その演算結果を制御偏差とを
加算器で加算し、その加算結果をPID調節器の入力とす
る補完装置であって、前記補完器を、負荷とPID制御系
の目標値を一定にした状態にて前記加算器の補完器出力
を入力している側を切り離し、そこに突変させた信号を
入力させたときの制御偏差εを取り込み、上記の突変
させた信号と制御偏差εとの関係を伝達関数G
ij(s)で表現できる部分または上記では突変させた
が、突変させずに疑似ノイズにして統計的処理により上
記伝達関数Gij(s)を求める手段と、前述の伝達関数
を負荷レベル別に求めておいて、負荷の値によって前記
伝達関数Gij(s)を切換える手段と、前記制御偏差ε
に対する補完器の出力uiを下記関係式により求め、そ
の演算結果を時々刻々出力する手段とを備えた補完器と
した。
ui=−KiGij -1(s)ε (但し、s:ラプラス演算子、i:制御系の第iループ、j:
数点の負荷(j=1,2,…)、Ki:定数) [作用] このような手段を講じたことにより、試行錯誤的に探
索するパラメータはKiのみとなり、目標値と負荷変化に
対して制御偏差を1/(1+K)に減少でき、制御性能が
向上する。
[実施例] 第1図は本発明の第1実施例の構成を示すブロック図
である。第1図に示すように本実施例は、従来のPID制
御系の補償器2に代えて補完器5、加算器6を設けたも
のである。補完器5は第2図の流れ図にA,B,Cで示すよ
うに ui=−KiGij -1(s)・ε の演算を実行し、uiを出力することによって制御性能の
向上を図るものである。まず第1段階として、負荷Zと
目標値riを一定にしておいて補完装置5の出力を切り離
し、そこにステップ状の信号を加え、その時に得られる
制御偏差εの応答波形から伝達関数Gi(s)を求め
る。そして、数点の負荷Zにおける同様の伝達関数G
i(s)を、下記に示す式Gij(s)と表わし、これらの
関数を準備する。ここで添字jは或る負荷Zjにおける特
性を示す。
Gij(s)=(a0ij+a1ijS+a2ijS2+…amijSm)/(1 +b1ijS+b2ijS2+…bnijSn) 以上述べた部分は以下の演算を実行するための準備で
あって、一度実施すればその後は不要である。そしてオ
ンラインでは負荷ZがZjを通過する毎に対応するG
ij(s)に切換える機能を持たせ、ここで得られたGij
(s)と任意に設定可能なKiにより ui=−KiGij -1(s)・ε の演算を時々刻々と行ないuiを出力する。
第1図において、目標値riに対する制御偏差εの関
係を伝達関数Hi(s)で表し、負荷Zに対する制御偏差
εの関係を伝達関数Wi(s)とし、補完器5の出力ui
と制御偏差εの関係を伝達関数Gij(s)とすれば、 ε=Gij(s)ui+Hi(s)ri+Wi(s)Z …(1) なる関係式が得られる。そして補完器5の出力uiは ui=−KiGij -1(s)・ε …(2) で決めれれるので、(1)式と(2)式より ε=−Gij(s)KiGij -1(s)ε+Hi(s)ri +Wi(s)Z =−Kiε+Hi(s)ri+Wi(s)Z …(3) が得られる。従って、(3)式を整理すると次式が得ら
れる。
ε={Hi(s)ri+Wi(s)Z}/(1+Ki) …
(4) すなわち補完器5を取り外した場合に相当するKi=0
の場合に比べてKiを大きくすることによって、riおよび
Zに対する制御偏差εを小さくすることが可能であ
る。なお、Kiは本 、大きくすればよいが、対象の特性
Gij(s)が補完装置を構成したときの値となんらかの
原因でずれたときに、制御系の安定性が損われないよう
にするために適当な値に設定する必要がある。
上記した実施例によれば、次のような作用効果を奏す
る。
1) 試行錯誤的に探索するパラメータはKiのみであ
る。
2) 第1図の回路構成をとることによって、目標値と
負荷変化に対して制御偏差は1/(1+Ki)に減少でき、
制御性能が向上する。
第4図は本発明を多変数制御系(本例では二変数)に
適用した第2実施例の構成を示すブロック図である。本
実施例においては制御量y1、制御量y2に対する同目標値
をr1とr2にする。減算器11と12は上記y1とr1およびy2
r2とからそれぞれ制御偏差εとεを求める。そして
第1ループの補完器51と第2ループの補完器52に、それ
ぞれの制御偏差εとεならびに負荷Zを入力し、各
補完器51,52の出力u1,u2を各PID調節器31と32の入力側
に設けた加算器61と62にて各制御偏差ε1とそれぞ
れ加算するようにしている。
次に上記構成の補完装置の動作を説明する。まず、補
完器に使用するGij(s)の特性を求める。それには負
荷ZをZjの一定値にして、目標値r1およびr2をステップ
状に変化させて制御量y1とy2が望ましい応答になるよう
にPID調節器31,32の比例ゲイン、リセット率、微分時間
を調整する。以上の準備のもとに、次にr1とy1の間の伝
達関数G1j(s)を例えばステップ応答とか擬似白色ノ
イズを加えて統計処理を行なうことにより求める。同様
にr2とy2の間の伝達関数G2j(s)を求める。そして、
得られたG1j(s)とG2j(s)の各逆関数に係数K1とK2
を乗じたものを、それぞれの補完器51,52の演算内容と
する。すなわち、 u1=−K1G1j -1(s)・ε u2=−K2G2j -1(s)・ε の演算ができるようにする。
以上の説明では、あるZjの時のG1j(s)とG2j(s)
を使用したが、Zjの値によってG1j(s)およびG
2j(s)が異なる場合には、数点のj=1,2,…によって
G1j(s)とG2j(s)を求めて、Zの値によって各Zj
通過する毎にG1j(s)とG2j(s)を選択して使用すれ
ばよい。
上述した本実施例においても前記実施例と同様の作用
効果を奏する。
なお本発明は前記各実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能
であるのは勿論である。
[発明の効果] 本発明によれば、試行錯誤的に探索する必要のあるパ
ラメータが単一のものとなり、短時間内にパラメータを
設定することができる上、目標値と負荷変化に対する制
御偏差を大幅に減少でき制御性能の向上をはかり得る制
御系の補完装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の第1実施例を示す図で、第1
図は構成を示すブロック図、第2図は補完器の内部機能
を示す流れ図、第3図は補完器を付加しないときの各信
号の伝達特性を示す図である。第4図は本発明を二変数
制御系に適用した第2実施例の構成を示すブロック図で
ある。第5図は従来例を示すブロック図である。 1,11,12……減算器、2……補償器、3,31,32……PID調
節器、4……制御対象、5,51,52……補完器、6,61,62…
…加算器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PID制御系における制御偏差と制御対象の
    負荷の値とを補完器に取込み、補償のための演算を実施
    後、その演算結果と前記制御偏差とを加算器に加算し、
    その加算結果をPID調節器の入力とする補完装置であっ
    て、前記補完器は、負荷とPID制御系の目標値とを一定
    にした状態で補完器の出力を突変させたときの制御偏差
    を取込み、上記突変させた補完器の出力と制御偏差との
    関係を伝達関数で表現できる部分または上記補完器の出
    力を突変させずに疑似ノイズにして上記補完器の出力と
    上記制御偏差の関係を統計的処理により上記伝達関数を
    求める手段と、前記伝達関数を負荷レベル別に求めてお
    き負荷の値によって前記伝達関数を切換える手段と、制
    御偏差に対する補完器の出力を下記関係式により求め、
    その演算結果を時々刻々出力する手段とを備えた補完器
    であることを特徴とする制御系補完装置。 ui=−KiGij -1(s)ε (但し、s:ラプラス演算子、i:制御系の第iループ、j:
    数点の負荷(j=1,2,…)、Ki:定数)
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