JP2676662B2 - 感光性ポリアミド組成物及び光硬化膜の形成法 - Google Patents

感光性ポリアミド組成物及び光硬化膜の形成法

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JP2676662B2 JP35608691A JP35608691A JP2676662B2 JP 2676662 B2 JP2676662 B2 JP 2676662B2 JP 35608691 A JP35608691 A JP 35608691A JP 35608691 A JP35608691 A JP 35608691A JP 2676662 B2 JP2676662 B2 JP 2676662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願の第1の発明は、概略、
感光性芳香族ポリアミドと光重合開始剤とが一般式 R
−O−(C−O−)n−R(nは3〜4であり、
Rは低級アルキル基である。)で示されるポリエーテル
化合物を主として含有する有機溶媒中に、特定の濃度で
均一に溶解している感光性ポリアミド組成物(溶液組成
物)に係わるものである。
【0002】この出願の第2の発明は、前記の感光性ポ
リアミド組成物(溶液組成物)を基材に塗布し乾燥して
感光性芳香族ポリアミドと光重合開始剤とを含有する感
光性組成物の薄膜(感光性薄膜)を形成し、その感光性
薄膜に光照射して、該感光性薄膜を光硬化させて光硬化
膜を形成する方法に係わるものである。
【0003】この発明の感光性ポリアミド組成物(溶液
組成物)は、極めて保存安定性の優れた感光性ポリアミ
ドの溶液組成物であり、少ない露光量の光照射によって
容易に光硬化膜を形成することができる光感度の優れた
感光性薄膜を基材上に容易に形成することができる。
【0004】また、この発明の感光性ポリアミド組成物
を使用する光硬化膜の形成法によれば、基材上に形成し
た『感光性芳香族ポリアミドと光重合開始剤とを含有す
る感光性薄膜』を(必要であればパターン状マスクを介
して)光照射して光硬化膜を形成させ、必要であれば、
現像液で該薄膜の未露光部分(未硬化部分)を除去する
現像操作を行うことによって、電子部材の絶縁保護膜
(オーバーコート膜)を形成したり、カラー撮像素子
や、カラーディスプレー等の微細色分解用のカラーフィ
ルターなどの着色パターン部材を製造することができ
る。
【0005】
【従来技術の説明】従来、感光性ポリアミドは、特公平
3−15929号公報、特公平2−59170号公報、
特開昭60−124624号公報などに示されているよ
うな種々の可溶性の感光性芳香族ポリアミドが知られて
おり、また、感光性ポリアミド組成物としては、感光性
芳香族ポリアミド、光重合性単量体、光重合開始剤、熱
重合防止剤およびN−メチル−2−ピロリドン、ジグラ
イム等の有機極性溶媒からなる樹脂液組成物が、特開昭
61−37808号公報において知られている。
【0006】前記の公知の感光性芳香族ポリアミドは、
溶媒への溶解性が充分ではなかったり、溶媒中でゲル化
したり、その溶液組成物の長期保存安定性が劣るという
問題、あるいは、公知の感光性ポリアミドの溶液組成物
から形成された感光性薄膜を光硬化させるにはかなり多
くの露光量の光照射が必要となるという問題があり、実
用的には必ずしも満足すべきものではなく、特に、無機
充填剤、着色剤などの種々の添加剤と共に使用する場
合、高速で光硬化膜を連続的に形成する場合などには極
めて高い光感度が要求されることがあり、それらの場合
に光感度において必ずしも充分ではないことがあった。
このために、感光性ポリアミドについて、その光感度を
効果的に向上させる試みがなされているけれども、充分
に有効な実用的な手段がなかったのである。
【0007】
【本発明が解決しようとする問題点】この発明は、感光
性芳香族ポリアミドが均一に溶解されていて容易にゲル
化することなく保存安定性に優れている溶液組成物を提
供すること、および、充分に高い光感度を示しうる『感
光性芳香族ポリアミドを主成分とする感光性薄膜』を容
易に形成できる感光性ポリアミド組成物(溶液組成物)
を提供することを目的とするものである。また、この発
明は、感光性ポリアミド組成物(溶液組成物)を使用し
て感光性薄膜を形成し、その感光性薄膜を少ない露光量
で光照射して、光硬化膜を容易に形成することができる
方法を提供することを目的としている。
【0008】
【問題点を解決するための手段】この出願の第1の発明
は、感光性芳香族ポリアミドおよび光重合開始剤が、1
〜50重量%の濃度で、一般式(I) R−O−(C
−O−)−R(但し、nは3〜4であり、Rは、
低級アルキル基である。)で示されるポリエーテル化合
物を50重量%以上含有する有機溶媒中に、均一に溶解
していることを特徴とする感光性ポリアミド組成物に関
する。
【0009】この出願の第2の発明は、前記の感光性ポ
リアミド組成物(溶液組成物)を、基材上に塗布し、乾
燥して、感光性芳香族ポリアミドと光重合開始剤とを含
有する感光性薄膜(乾燥膜)を形成し、その感光性薄膜
に光照射して、該感光性薄膜を光硬化させることを特徴
とする光硬化膜の形成法に関する。
【0010】この発明の組成物において使用される感光
性芳香族ポリアミドとしては、特開昭61−37808
号公報などに記載されている炭素−炭素不飽和結合を有
する可溶性の感光性芳香族ポリアミドが、感光性能、耐
熱性などの点において、好適に挙げることができる。
【0011】前記の感光性芳香族ポリアミドとしては、
例えば、下記一般式(II)
【化1】 (但し、Ar及びArはそれぞれ芳香族残基を示
し、Arは感光性基を有する芳香族残基を示す。)で
示される構成単位を40〜100モル%、特に50〜1
00モル%、および、
【0012】下記一般式(III)
【化2】 (但し、ArはArと同じ芳香族残基であってもA
と異なる芳香族残基であってもよく、また、Ar
はAr以外の芳香族残基を示す。)で示される構成単
位を0〜60モル%、特に0〜50モル%の割合で有す
る耐熱性芳香族ポリアミドであることが好ましい。
【0013】前記の感光性芳香族ポリアミドとしては、
一般式(II)で示される構成単位のみからなる感光性
芳香族ポリアミドを40重量%以上、特に50重量%以
上と、一般式(III)で示される構成単位のみからな
る芳香族ポリアミドを60重量%未満、特に50重量%
未満の割合で混合された芳香族ポリアミドの混合物であ
ってもよい。
【0014】前記一般式(II)及び(III)におい
て、Ar及びArで示される芳香族残基は、芳香族
ジカルボン酸類に基づく2価の芳香族残基が最適であ
り、前記芳香族ジカルボン酸類としては、例えば、テレ
フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシビフ
ェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、
4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルなどの芳香
族ジカルボン酸、またはそれらの酸ハロゲン化物を挙げ
ることができる。芳香族ジカルボン酸類としては、芳香
族ジカルボン酸のハロゲン化物、特に芳香族ジカルボン
酸塩化物が最適である。
【0015】また、前記一般式(II)において、Ar
で示される感光性基を有する芳香族残基は、「感光性
の炭素−炭素不飽和結合を有する有機基〔エチレン基、
アセチレン基、(メタ)アクリロイル基〕等の感光性基
を有する芳香族ジアミン」に基づく2価の芳香族残基が
最適である。
【0016】そのような芳香族ジアミンとしては、例え
ば3,5−ジアミノ安息香酸エチル(メタ)アクリル酸
エステル、2,4−ジアミノ安息香酸エチル(メタ)ア
クリル酸エステル、3,5−ジアミノ安息香酸ジグリシ
ジル(メタ)アクリレートエステル、2,4−ジアミノ
安息香酸ジグリシジル(メタ)アクリレートエステル、
3,5−ジアミノ安息香酸ケイ皮酸エステル、2,4−
ジアミノ安息香酸ケイ皮酸エステル等の安息香酸エステ
ル類、3,5−ジアミノベンジル(メタ)アクリレー
ト、2,4−ジアミノベンジル(メタ)アクリレート等
のベンジル(メタ)アクリレート類、4−(メタ)アク
リルアミド−3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
2−(メタ)アクリルアミド−3,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4−シンナムアミド−3,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4’−ジ(メタ)アクリ
ルアミド−3’,4−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジシンナムアミド−3’,4−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4−メチル−2’−〔2−(メタ)ク
リロイルオキシエトキシカルボニル〕−3,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル類、
4,4’−ジアミノカルコン、3,3’−ジアミノカル
コン、3,4’−ジアミノカルコン、3’,4−ジアミ
ノカルコン等のカルコン類などを挙げることができる。
【0017】また、一般式(III)において、Ar
で示される芳香族残基は、「感光性基を有していない芳
香族ジアミン」に基づく2価の芳香族残基である。前記
の感光性基を有していない芳香族ジアミンとしては、例
えば、(i)3,5−ジアミノ安息香酸、パラフェニレ
ンジアミン、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミ
ノトルエンなどの1個のベンゼン環を有する芳香族ジア
ミン、(ii)4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、o−トリジ
ン、o−トルイジンスルホン、4,4’−ジアミノベン
ゾフェノン等の2個のベンゼン環を有する芳香族ジアミ
ン、
【0018】(iii)1,4−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキ
シフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェ
ニル)−10−アンスロン、1,5−ジアミノアントラ
キノン、1,4−ジアミノアントラキノン、1−ジメチ
ルアミノ−4−(3,5−ジアミノベンゾフェノン)−
ナフタレン等の3個以上のベンゼン環を有する芳香族ジ
アミンなどを挙げることができる。
【0019】前記の感光性芳香族ポリアミドは、例え
ば、前述の芳香族ジカルボン酸類からなる酸成分と、前
述の感光性基を有する芳香族ジアミン及び前述の感光性
基を有していない芳香族ジアミンからなる芳香族ジアミ
ン成分とを、大略等モル使用して、有機極性溶媒中、8
0℃以下の反応温度で、1〜20時間、重合反応を行う
ことにより製造される。
【0020】前記の感光性芳香族ポリアミドにおいて、
一般式(III)で示される構成単位の存在はポリアミ
ドの熱的性質を向上させる効果があるが、多くなり過ぎ
ると、ポリマー鎖中での感光性基の濃度が低くなり光感
度が低下するので、前記の割合の範囲内となるように適
宜調整することが好ましい。
【0021】また、前記の感光性芳香族ポリアミドは、
該芳香族ポリアミドの濃度が0.5g/100ml;N
−メチル−2−ピロリドンである溶液を調製して、30
℃の温度で測定した対数粘度が0.2〜3.5、特に
0.4〜2.5程度であることが好ましい。
【0022】前記の感光性芳香族ポリアミドは、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、ヘキサメチレンホスホルアミド、ジグラ
イム、トリグライム、テトラグライム、γ−ブチロラク
トンなどの有機極性溶媒に可溶性である。
【0023】前記の感光性芳香族ポリアミドは、芳香族
ポリアミドを含有する溶液中に、メタクリル酸クロライ
ド、ケイ皮酸クロライド、酢酸クロライド、塩化ベンジ
ル、パラアジド塩化ベンゾイル等の反応性有機化合物を
添加し、約−5〜100℃の温度で0.1〜50時間、
反応させて、ポリアミドのアミド結合の水素原子を、ア
セチル基、メタクロイル基、シンナモイル基、パラアジ
ドベンゾイル基等の有機基へと置換反応させた変性ポリ
アミドであってもよい。
【0024】この発明の組成物において使用される光重
合開始剤としては、例えば、ビスアジド化合物、ミヒラ
ーズケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベン
ゾ−9,10−アントラキノン、ベンジル、アニシル、
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、1,5−アセナフテ
ン、チオキサントン又はその誘導体、アントラニル酸ジ
メチルアミノベンゾエート等の光重合開始剤を挙げるこ
とができる。
【0025】前記の光重合開始剤として使用されるビス
アジド化合物としては、4,4’−ジアジドカルコン、
4,4’−ジアジドベンザルアセトン、2,6−ジ−
(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’
−ジアジドスチルベン等を好適に挙げることができる。
また、光重合開始剤として使用される前記のチオキサン
トン類としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2
−クロルチオキサントン等を挙げることができる。
【0026】上記光重合開始剤の配合量は、前記感光性
芳香族ポリアミド100重量部に対して、0.2〜40
重量部、特に0.5〜30重量部程度の割合となる量と
することが好ましい。前記の配合量が少な過ぎると、得
られる組成物の光感度が低くなり、また、多くなり過ぎ
ると得られる組成物から形成される光硬化膜の耐熱性が
低下することがある。
【0027】この発明の感光性ポリアミド組成物(溶液
組成物)において使用する有機溶媒は、一般式(I)R
−O−(C−O−)−R(但し、nは3〜4の
範囲内、好ましくは3であり、そして、Rは、メチル
基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜4の低級ア
ルキル基、特にメチル基、エチル基である。)で示され
るポリエーテル化合物を、50重量%以上、好ましくは
60〜100重量%含有する有機溶媒が好ましい。
【0028】前記のポリエーテル化合物としては、沸点
が200〜300℃、特に210〜280℃程度である
ものが好ましく、特に、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル(テトラグライム)などを好適に挙
げることができる。
【0029】この発明の組成物において使用する有機溶
媒は、前記の一般式(I)で示されるポリエーテル化合
物と共に、沸点が前記のポリエーテル化合物の沸点より
1〜100℃程度、特に1〜50℃程度低く、しかも、
前記の感光性芳香族ポリアミドを、25℃で、0.5〜
6重量%、特に1〜5重量%程度溶解することができる
他の可溶性有機溶媒を、有機溶媒の全量に対して40重
量%以下、特に35重量%以下程度併用することができ
る。
【0030】前記の他の可溶性有機溶媒としては、例え
ば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルア
セトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DM
SO)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグ
ライム)、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒を挙げる
ことができる。
【0031】また、この発明の組成物においては、前記
の感光性芳香族ポリアミドを実質的に溶解しないか、ま
たは、0.5重量%未満までしか溶解しないような貧溶
媒を、有機溶媒の全量に対して10重量%以下、特に5
重量%程度以下であれば、前記一般式(I)で示される
ポリエーテル化合物および前記の他の可溶性有機溶媒と
共に併用することもできる。
【0032】また、この発明の組成物は、種々の配合手
順で調製することができ、その溶液組成物の調製法が特
に限定されることはないが、例えば、感光性芳香族ポリ
アミドを前記のポリエーテル化合物を主成分とする有機
溶媒に均一に溶解した溶液を調製し、その溶液に光重合
開始剤などを添加することによって調製することが好ま
しい。
【0033】この発明の組成物は、該感光性芳香族ポリ
アミド及び光重合開始剤の合計の濃度が2〜40重量
%、特に5〜20重量%程度であり、そして、その容液
の回転粘度(25℃)が0.05〜1000ポイズ、特
に0.1〜500ポイズ程度である溶液組成物が好まし
い。
【0034】この発明の組成物には、必要に応じて、有
機顔料、ジカルボン酸化合物、界面活性剤などの添加剤
を加えてもよく、また、前記の感光性薄膜が支持体(基
材)と充分に密着させるためにシランカップリング剤な
どの結合促進剤を加えてもよい。
【0035】また、この発明の組成物には、ハイドロキ
ノン、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール(B
HT)、メチルエーテルハイドロキノン、フェノチアジ
ン等の熱重合防止剤が配合されていてもよい。
【0036】この発明の光硬化膜の形成法においては、
例えば、前述の感光性ポリアミド組成物(溶液組成物)
を基材上に0〜60℃の温度で塗布し180℃以下の温
度で乾燥して、感光性薄膜(乾燥塗膜)を形成し、次い
で、その感光性薄膜上に(必要であればパターンマスク
を介して)超高圧水銀灯の平行光線を光照射して、該感
光性薄膜を(各パターン状に)光硬化し、その後、必要
であれば、現像溶液に浸漬させて、該感光性薄膜の未露
光部分(未硬化部分)を溶出させ除去する現像を行っ
て、光硬化膜を基材上に形成させるのである。
【0037】前記の感光性ポリアミド組成物(溶液組成
物)を基材の表面へ塗布するには、例えば、回転塗布
法、ロールコート法、浸漬法、スプレー法等の方法によ
り行うことができる。前記の塗布膜の乾燥は、熱風乾燥
器、ホットプレートなどにより、180℃以下、特に5
0〜150℃の温度で1〜60分間、特に2〜30分間
程度行って、有機溶媒を実質的に除去して感光性薄膜を
形成することが好ましい。この乾燥の際には減圧状態で
行ってもよい。
【0038】また、前記の感光性薄膜(乾燥後の皮膜)
の厚さは、通常、0.1〜10.0μm、特に0.2〜
5.0μm程度であることが好ましい。前述のように、
パターン状マスクを介してに光照射されて光硬化した薄
膜(光硬化膜)が形成された基材を現像液に浸漬させ
て、感光性薄膜の未硬化部分を除去する『現像』を行う
場合には、該未硬化部分に超音波を作用させてもよい。
【0039】上記の現像液としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサ
メチレンホスホルアミド、ジグライム、トリグライム、
シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン等の「感光性重
合体を溶解させることができる有機極性溶媒A」からな
る現像液、或いは、これらの有機極性溶媒Aとメタノー
ル、エタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等の「ア
ルコール性水酸基を有する有機溶媒B」との混合系の現
像液を用いることが好ましい。
【0040】前記の混合系現像液においては、前記有機
極性溶媒Aを10〜50重量%の配合割合、及び、アル
コール性水酸基を有する有機溶媒Bを50〜90重量%
の配合割合で含有していることが好ましい。前記混合系
現像液は、前記有機極性溶媒Aの配合割合が余りに少な
くなり過ぎると感光性ポリアミド組成物の塗膜の未露光
部分が充分に溶解せずに着色パターンを確実に形成でき
ない場合があるので好ましくない。
【0041】前述の現像後、パターン状に光硬化した光
硬化膜を、1,1,1−トリクロルエタン、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、水
など水酸基を有する溶媒によりリンスし、次いで、熱風
乾燥器、ホットプレート等により、約250℃以下、特
に230℃以下の温度で、1〜60分間、特に2〜30
分間、熱処理(ポストベーク)することが好ましい。
【0042】この発明の光硬化膜の形成法においては、
例えば、洗剤等で充分に脱脂し乾燥した方形のガラスな
どの基板(一辺の長さ:約10〜15cm)上に、塗布
膜を乾燥した後の感光性薄膜の厚さが0.1〜100μ
m、特に0.5〜50μmとなるように、感光性ポリア
ミド組成物(溶液組成物)をスピンコートで塗布して
(コートして)塗布膜を形成し、約50〜150℃、特
に60〜100℃の温度で、0.1〜50分間、特に1
〜20分間、乾燥させて、有機溶媒を実質的に除去し
て、乾燥された感光性薄膜を形成することが好ましい。
【0043】次いで、前述のようにして形成された感光
性薄膜に、必要であれば4〜100μmまでのストライ
プパターンを有するパターンを介して、高圧水銀灯(5
mW/cm)で露光して、光硬化薄膜を形成し、必要
であれば、光硬化薄膜を有する基板を、前述のように、
現像溶液に浸漬すると共に、高い周波数の超音波を作用
させる現像操作を行って、未露光部分を実質的に除去し
て、光硬化膜(パターン状光硬化膜も含む)が形成され
ている基板を得ることができる。
【0044】
【実施例】以下、炭素−炭素不飽和結合を有する感光性
芳香族ポリアミドの製造例およびこの発明の感光性ポリ
アミド組成物の調製例、ならびに、光硬化膜の形成法の
実施例を例示して、この発明をさらに詳しく説明する。
【0045】参考例1 〔感光性の芳香族ポリアミドの製造〕三ッ口フラスコに
乾燥した空気を通してフラスコ内のガスを置換した後、
3,5−ジアミノ安息香酸エチルメタクリル酸エステル
119.98gを入れ、これにN−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)720ミリリットルを加えて溶解させ
た。この溶液を冷却後、0℃に冷却し攪拌しながら、テ
レフタル酸ジクロライド91.16gを少しづつ加え
た。この際に発熱があり、溶液の温度が上昇するが、約
10℃以下に維持した。この溶液を、さらに、氷水中
で、2時間攪拌し、重合反応を行った。
【0046】次いで、反応液にNMP500ミリリット
ルを加えて希釈した後、この溶液をNMP1リットルと
水10リットルとの混合液に加えて芳香族ポリアミドを
析出させ、その析出物を濾過・回収し乾燥して芳香族ポ
リアミド白色粉末167.8gを得た。得られた感光性
芳香族ポリアミドの粉末の対数粘度(濃度;0.5g/
100ミリリットル溶媒、溶媒;NMP、測定温度;3
0℃)は0.88であった。
【0047】実施例1 〔感光性ポリアミド組成物(溶液組成物)の調製〕有機
溶媒としてのトリエチレングリコールジメチルエーテル
(トリグライム)70gに、熱重合防止剤としてハイド
ロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)60mgを加
えて、均一に溶解させた溶液を調製し、次いで、その溶
液に、参考例1で製造した感光性芳香族ポリアミド(対
数粘度:0.88)5gを加えて、充分に攪拌して、均
一に溶解させて粘稠な溶液を調製した。
【0048】そして、前述のようにして調製した溶液
に、光重合開始剤としてジエチルチオキサントン200
mg、ベンジル75mg、ジメチルアミノ安息香酸エチ
ルエステル150mgを加え、さらに、密着促進剤とし
てγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン200
mgを加えて攪拌し、最後に、その溶液を1μmのフッ
素樹脂製のフィルター(テフロンフィルター)を用いて
加圧濾過し、25℃の溶液粘度が200センチポイズの
感光性芳香族ポリアミド組成物(溶液組成物)を調製し
た。この感光性芳香族ポリアミド組成物は、約1カ月
間、0〜5℃の温度に維持して保存したが、実質的に何
らの変質もなく安定に保存することができた。
【0049】〔光硬化膜(パターン状)の形成〕感光性
芳香族ポリアミド組成物(溶液組成物)を、ガラス基板
上での乾燥膜の膜厚が2.0μmになるように、該基板
上に回転塗布(スピンコート)して塗布膜を形成し、そ
して、その塗布膜を80℃で10分間乾燥して有機溶媒
を実質的に除去し、ガラス基板上に膜厚2.0μmの感
光性薄膜(乾燥膜)を形成した。
【0050】次いで、該感光性薄膜に対して、濃度差が
階段状に付けられた(グレーススケール:kodak
Photographic Step Table N
o.2)を介して、超高圧水銀灯の光源で60秒間で3
00mjの露光量による光照射を窒素雰囲気下で行い、
該感光性薄膜を光硬化した。
【0051】次いで、露光された薄膜が形成されている
基板を、γ−ブチロラクトン及びエチルセロソルブの混
合液(γ−ブチロラクトンとエチルセロゾルブとの容量
比が30:70である)からなる現像液に常温で浸漬す
ると同時に、15Wの超音波(27KHzの周波数)を
作用させながら、90秒間、現像操作を行って光硬化膜
付き基板を形成した。(なお、前記感光性薄膜の未光硬
化部分は、60秒間の前述の現像によって、現像液に溶
解し除去された。)
【0052】その基板について、最後に、エチルセロソ
ルブでリンスし、その後、その基板を200℃で30分
間熱処理して、光硬化膜(厚さ2.0μm)が形成され
た基板を製造した。
【0053】前述のようにして形成された光硬化膜につ
いて、残存膜厚と光照射された露光量を調べたところ、
100%の残膜の必要な露光量は30mjでであった。
【0054】実施例2〜6及び比較例1 〔感光性ポリアミド組成物(溶液組成物)の調製〕有機
溶媒として、第1表に示す種類の混合溶媒などを使用し
たほかは、実施例1と同様にして、第1表に示す溶液粘
度(25℃)の感光性芳香族ポリアミド組成物(溶液組
成物)を調製した。実施例2〜6において調整された各
感光性芳香族ポリアミド組成物は、約1カ月間、0〜5
℃の温度でそれぞれ保存したが、いずれも実質的に何ら
の変質もなく安定に保存することができた。
【0055】〔光硬化膜の形成〕各感光性芳香族ポリア
ミド組成物(溶液組成物)を使用したほかは、実施例1
と同様にして、光硬化膜を基板上に形成した。前述のよ
うにして光硬化膜を形成する際の露光量を、第1表にそ
れぞれ示す。
【0056】
【表1】
【0057】比較例2 トリグライムの代わりにジグライムのみを用いたほか
は、実施例1と同様にして感光性芳香族ポリアミド組成
物を調整した。前記感光性芳香族ポリアミド組成物(溶
液組成物)を使用したほかは、実施例1と同様にして、
感光性薄膜(乾燥膜)を基板上に形成したが、溶液組成
物の塗布膜を高温で乾燥する際に感光性芳香族ポリアミ
ドが簡単にゲル化してしまい、乾燥膜上にパターン状の
光照射をしても未露光部分を除去する現像をすることが
できなかった。
【0058】実施例7 〔感光性ポリアミド組成物(緑色)の調製〕有機溶媒と
してトリグライム50g及びジグライム30gからなる
混合溶媒を使用し、そして、参考例1で製造した感光性
芳香族ポリアミド5g、緑色顔料であるフタロシアニン
グリーン2g、光重合開始剤として、4,4’−ジアジ
ドカルコン200mgを使用したほかは、実施例1と同
様にして、緑色顔料が均一に分散している感光性ポリア
ミド組成物を調製した。
【0059】〔緑色光硬化膜の形成〕前記の感光性ポリ
アミド組成物を使用したほかは、実施例1と同様にし
て、緑色光硬化膜(膜厚:1.5μm)が形成された基
板を作成した。その場合の80%残膜の露光量は50m
jであった。
【0060】比較例3 〔感光性ポリアミド組成物(緑色)の調製〕トリグライ
ムの代わりに、N−メチル−2−ピロリドンを使用した
ほかは、実施例7と同様にして緑色顔料が分散している
感光性ポリアミド組成物を調製した。
【0061】〔緑色光硬化膜の形成〕その感光性ポリア
ミド組成物を使用したほかは、実施例7と同様にして、
緑色光硬化膜(膜厚:1.5μm)が形成された基板を
作成した。その場合の80%残膜の露光量は100mj
であった。
【0062】
【発明の作用効果】この発明は、概略、感光性芳香族ポ
リアミドと光重合開始剤とが、トリグライムなどの特定
のポリエーテル化合物を主成分とする有機溶媒中に均一
に溶解している感光性ポリアミド組成物(溶液組成
物)、また、前記感光性ポリアミド組成物(溶液組成
物)を使用して感光性薄膜を形成し、光照射して光硬化
膜を形成する方法に係わる。この発明の感光性ポリアミ
ド組成物は、保存安定性が優れていると共に、容易に塗
布膜および乾燥膜(感光性薄膜)を形成することがで
き、また、その感光性薄膜は、少ない露光量で光硬化膜
を形成することができる優れた光感度を有するものであ
る。
【0063】この発明の感光性ポリアミド組成物は、そ
の組成物の塗膜(皮膜)を基材上に形成し、その乾燥膜
上に少ない露光量で光照射してパターン状に光硬化さ
せ、最後に、現像液で該塗膜の未露光部分(未硬化部
分)を除去する現像操作を行うことによって、光硬化膜
(着色光硬化膜も含む)を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−1141(JP,A) 特開 平2−242254(JP,A) 特開 昭61−37808(JP,A) 特開 昭63−12123(JP,A) 特開 平4−180993(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光性芳香族ポリアミドおよび光重合開始
    剤が、1〜50重量%の濃度で、一般式(I) R−O
    −(C−O−)n−R(ただし、nは3〜4であ
    り、Rは、低級アルキル基である。)で示されるポリエ
    ーテル化合物を50重量%以上含有する有機溶媒中に均
    一に溶解していることを特徴とする感光性ポリアミド組
    成物。
  2. 【請求項2】感光性芳香族ポリアミドおよび光重合開始
    剤が、1〜50重量%の濃度で、一般式(I) R−O
    −(C−O−)n−R(ただし、nは3〜4であ
    り、Rは、低級アルキル基である。)で示されるポリエ
    ーテル化合物を50重量%以上含有する有機溶媒中に均
    一に溶解している感光性ポリアミド組成物を、基材上に
    塗布し、乾燥して、感光性芳香族ポリアミドと光重合開
    始剤とを含有する感光性薄膜を形成し、その感光性薄膜
    に光照射して、該感光性薄膜を光硬化させることを特徴
    とする光硬化膜の形成法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR3118051A1 (fr) 2020-12-21 2022-06-24 Arkema France Compositions durcissables par rayonnement actinique contenant un polyamide

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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