JP2675384B2 - 組織培養によるアスパラガスの発根方法 - Google Patents
組織培養によるアスパラガスの発根方法Info
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- JP2675384B2 JP2675384B2 JP1024559A JP2455989A JP2675384B2 JP 2675384 B2 JP2675384 B2 JP 2675384B2 JP 1024559 A JP1024559 A JP 1024559A JP 2455989 A JP2455989 A JP 2455989A JP 2675384 B2 JP2675384 B2 JP 2675384B2
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- tissue culture
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はアスパラガスの組織片から植物体再生を行う
組織培養によるアスパラガスの発根方法に関するもので
ある。
組織培養によるアスパラガスの発根方法に関するもので
ある。
［従来の技術］ アスパラガスは雌雄異株であり、雌株は茎が細くて、
食用に適せず、雄株は茎が太く雄株のみ食用に供せられ
る。
食用に適せず、雄株は茎が太く雄株のみ食用に供せられ
る。
雄株は地下約20cmの所に地下茎を有し、該地下茎は年
々外側に肥大して、そこから多数の若芽が生じるので、
該若芽を収穫している。
々外側に肥大して、そこから多数の若芽が生じるので、
該若芽を収穫している。
繁殖は専ら種子によって行われており、播種後５〜６
年で成株となり、15年位まで収穫を行うことができる。
年で成株となり、15年位まで収穫を行うことができる。
しかし、種子の雌雄の割合は通常1:1なので、播種
後、成長するものの半分は雌であり、雑草化する。
後、成長するものの半分は雌であり、雑草化する。
又成長した雌株には種子が生じ、飛び散って芽を出
し、放置すれば更に雑草化の状態が加速するということ
があった。
し、放置すれば更に雑草化の状態が加速するということ
があった。
このため、従来の雄株を株分けによって増やすことが
行われて来たが、優良な苗を大量に増やすことはできな
かった。
行われて来たが、優良な苗を大量に増やすことはできな
かった。
そのため、優良な雄株のみを組織培養して大量に増殖
することにより品質の安定した収量の高い栽培方法が提
案されている。
することにより品質の安定した収量の高い栽培方法が提
案されている。
組織培養によるアスパラガスの雄株のみを大量に増殖
する方法としては、アスパラガスの雄株の生長点を含む
組織片を切断し、従来から一般に用いられている寒天を
含んだMS培地に置床して培養することが考えられるが、
前記ような寒天を含んだMS培地では発根が悪く、培地に
置床したものの中50％は第２図（イ）に示すような糸状
の透明な根６のみを生じ、20〜30％は発根そのものがな
く、第２図（ロ）に示すような土壌に活着し得る白色の
根７を発根するものは僅かに20〜30％である。
する方法としては、アスパラガスの雄株の生長点を含む
組織片を切断し、従来から一般に用いられている寒天を
含んだMS培地に置床して培養することが考えられるが、
前記ような寒天を含んだMS培地では発根が悪く、培地に
置床したものの中50％は第２図（イ）に示すような糸状
の透明な根６のみを生じ、20〜30％は発根そのものがな
く、第２図（ロ）に示すような土壌に活着し得る白色の
根７を発根するものは僅かに20〜30％である。
前記第２図（イ）の糸状透明板６は根としての機能が
なく、土壌に移植しても活着せずに枯死するに至る。
なく、土壌に移植しても活着せずに枯死するに至る。
［発明が解決しようとする課題］ 上記したように従来のアスパラガスの組織片からの組
織培養では、発根が非常に悪く、土壌に活着して充分に
生長する株を得ることが困難であった。
織培養では、発根が非常に悪く、土壌に活着して充分に
生長する株を得ることが困難であった。
本発明はかかる従来の欠点を解決し、発根しにくいア
ルパラガスを効果的に発根させて大量に組織培養するこ
とを目的としたものである。
ルパラガスを効果的に発根させて大量に組織培養するこ
とを目的としたものである。
［課題を解決するための手段］ 本発明は、アスパラガスの組織片から植物体再生を行
う組織培養によるアスパラガスの発根方法に於て、前記
組織片を置床するMS培地にゲル化剤としてゲランガムを
0.5％濃度以上添加して、培地を硬化させ、圧縮強度を
0.05kg/cm2以上にした培地に前記組織片を置床すること
により根の分化及び発育を促進することを特徴とする組
織培養によるアスパラガスの発根方法、に係るものであ
る。
う組織培養によるアスパラガスの発根方法に於て、前記
組織片を置床するMS培地にゲル化剤としてゲランガムを
0.5％濃度以上添加して、培地を硬化させ、圧縮強度を
0.05kg/cm2以上にした培地に前記組織片を置床すること
により根の分化及び発育を促進することを特徴とする組
織培養によるアスパラガスの発根方法、に係るものであ
る。
［作用］ アスパラガスの雄株の生長点を含む組織片を切断し
て、MS培地に置床して培養する際、培地にゲル化剤とし
てゲランガムを添加して培地を適当に硬化し、組織片の
水分や養分の吸収を抑えると、土壌への活着のよい白色
根が生じ、土壌に移植した際、培養苗の安定した成長が
得られる。
て、MS培地に置床して培養する際、培地にゲル化剤とし
てゲランガムを添加して培地を適当に硬化し、組織片の
水分や養分の吸収を抑えると、土壌への活着のよい白色
根が生じ、土壌に移植した際、培養苗の安定した成長が
得られる。
［実 施 例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第１図（イ）〜（ト）は本発明の一実施例であり、先
ず第１図（イ）に示すように、優良なアスパラガスの雄
株１から生長点２を含む組織片３を第１図（ロ）のよう
に切断、分離する。
ず第１図（イ）に示すように、優良なアスパラガスの雄
株１から生長点２を含む組織片３を第１図（ロ）のよう
に切断、分離する。
次に組織片３を第１図（ハ）のようにゲランガム（Ge
llan gum）を含むMS培地４に置床する。該MS培地４には
植物体再生を促進する植物ホルモンを添加するのがよ
い。
llan gum）を含むMS培地４に置床する。該MS培地４には
植物体再生を促進する植物ホルモンを添加するのがよ
い。
前記植物ホルモンとしては、オーキシンNAA（ナフタ
レン酢酸）約0.1ppmに対してサイトカイニンのKi（カイ
ネチン）約0.1ppm、又はオーキシンNAA約0.2ppmに対し
てサイトカイニンBA（ベンジルアデニン）約0.05ppmの
組合せから成るものが最も適している。
レン酢酸）約0.1ppmに対してサイトカイニンのKi（カイ
ネチン）約0.1ppm、又はオーキシンNAA約0.2ppmに対し
てサイトカイニンBA（ベンジルアデニン）約0.05ppmの
組合せから成るものが最も適している。
前記組織片３から第１図（ニ）に示すように発芽、発
根せしめ、多数の生長点２を持つ苗５に成長せしめる。
根せしめ、多数の生長点２を持つ苗５に成長せしめる。
前記苗５から更に生長点２または節を含む組織片３を
多数切断、分離して、各々を第１図（ホ）に示すように
ゲランガムを含むMS培地４に置床し、前記の操作を繰返
し、第１図（ヘ）に示すように発芽、発根せしめた苗５
とし、１ケ月程順化して第１図（ト）に示すように土壌
に移植する時は、優良な多数のアスパラガスの雄株１を
得ることができる。
多数切断、分離して、各々を第１図（ホ）に示すように
ゲランガムを含むMS培地４に置床し、前記の操作を繰返
し、第１図（ヘ）に示すように発芽、発根せしめた苗５
とし、１ケ月程順化して第１図（ト）に示すように土壌
に移植する時は、優良な多数のアスパラガスの雄株１を
得ることができる。
（実施例１） 第３図に、MS培地にゲル化剤として添加するゲランガ
ムの濃度と発根率（白色根）との関係について行った実
験例の結果を示す。上記第３図のごとく、MS培地にゲラ
ンガムを約0.5％濃度以上（１％前後が最適）添加す
る。このときの培地の硬度は0.05Kg/cm2以上を示した。
ムの濃度と発根率（白色根）との関係について行った実
験例の結果を示す。上記第３図のごとく、MS培地にゲラ
ンガムを約0.5％濃度以上（１％前後が最適）添加す
る。このときの培地の硬度は0.05Kg/cm2以上を示した。
上記によれば、MS培地４からの水分及び養分の吸収が
抑えられることにより、培養に置床したアスパラガスか
ら第２図（ロ）に示すような土壌に活着し得る白色の根
７を、図３に示すように高い発根率（約85％以上）で発
根させることができる。
抑えられることにより、培養に置床したアスパラガスか
ら第２図（ロ）に示すような土壌に活着し得る白色の根
７を、図３に示すように高い発根率（約85％以上）で発
根させることができる。
実験例 培地４の条件 基本培地:MS培地 pH:5.8 糖：ショ糖３％ ゲル化剤（ゲランガム）:0.2,0.4,0.8,1.0,1.2％ ホルモン：オーキシンNAA 0.1ppm＋サイトカイニンKi
0.1ppm ［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の組織培養によるアスパ
ラガスの発根方法によれば、下記の如き優れた効果を奏
し得る。
0.1ppm ［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の組織培養によるアスパ
ラガスの発根方法によれば、下記の如き優れた効果を奏
し得る。
アスパラガスの組織片を置床するMS培地に、ゲル化剤
として0.5％濃度以上のゲランガムを添加して培地を硬
化させ、培地の圧縮強度を0.05kg/cm2以上にして養分及
び水分の吸収を抑えると、根の分化及び発育を促進して
土壌に活着のよい白色根を有するアスパラガスの苗を高
い効率で生産できる効果がある。
として0.5％濃度以上のゲランガムを添加して培地を硬
化させ、培地の圧縮強度を0.05kg/cm2以上にして養分及
び水分の吸収を抑えると、根の分化及び発育を促進して
土壌に活着のよい白色根を有するアスパラガスの苗を高
い効率で生産できる効果がある。
第１図（イ）（ロ）（ハ）（ニ）（ホ）（ヘ）（ト）は
本発明の一実施例の説明図、第２図（イ）（ロ）は発根
の状態を示す説明図、第３図はゲランガム濃度と発根率
（白色根）の関係を示す線図である。 １はアスパラガスの雄株、２は生長点、３は組織片、４
はMS培地、５は苗、６は透明根、７は白色根を示す。
本発明の一実施例の説明図、第２図（イ）（ロ）は発根
の状態を示す説明図、第３図はゲランガム濃度と発根率
（白色根）の関係を示す線図である。 １はアスパラガスの雄株、２は生長点、３は組織片、４
はMS培地、５は苗、６は透明根、７は白色根を示す。
Claims (1)
- 【請求項１】アスパラガスの組織片から植物体再生を行
う組織培養によるアスパラガスの発根方法に於て、前記
組織片を置床するMS培地にゲル化剤としてゲランガムを
0.5％濃度以上添加して、培地を硬化させ、圧縮強度を
0.05kg/cm2以上にした培地に前記組織片を置床すること
により根の分化及び発育を促進することを特徴とする組
織培養によるアスパラガスの発根方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1024559A JP2675384B2 (ja) | 1989-02-02 | 1989-02-02 | 組織培養によるアスパラガスの発根方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1024559A JP2675384B2 (ja) | 1989-02-02 | 1989-02-02 | 組織培養によるアスパラガスの発根方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02203722A JPH02203722A (ja) | 1990-08-13 |
| JP2675384B2 true JP2675384B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=12141516
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1024559A Expired - Lifetime JP2675384B2 (ja) | 1989-02-02 | 1989-02-02 | 組織培養によるアスパラガスの発根方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2675384B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106942053A (zh) * | 2017-03-10 | 2017-07-14 | 江西省农业科学院农产品质量安全与标准研究所 | 一种针对兴安天门冬的组培快繁方法 |
-
1989
- 1989-02-02 JP JP1024559A patent/JP2675384B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106942053A (zh) * | 2017-03-10 | 2017-07-14 | 江西省农业科学院农产品质量安全与标准研究所 | 一种针对兴安天门冬的组培快繁方法 |
| CN106942053B (zh) * | 2017-03-10 | 2019-04-09 | 江西省农业科学院蔬菜花卉研究所 | 一种针对兴安天门冬的组培快繁方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02203722A (ja) | 1990-08-13 |
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