JP2674215B2 - 被加工材料の焼付防止方法 - Google Patents
被加工材料の焼付防止方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は引抜加工する際の被加工材料の焼付を防止す
る方法に関する。
る方法に関する。
金属材料である被加工材料は、製品の外形の穴形を有
するダイスを通して引抜くことにより、目的とする寸
法,形状及び機械的性質を備えた線,棒,管等の製品に
加工される。
するダイスを通して引抜くことにより、目的とする寸
法,形状及び機械的性質を備えた線,棒,管等の製品に
加工される。
この冷間引抜加工工程では、被加工材料をダイスに導
く途中で即ち、被加工材料の保持治具であるガイドチュ
ーブ内で、ガイドチューブとの摩擦により、被加工材料
にスリ疵が発生することが多い。一方、被加工材料をダ
イスを通して引抜く際、被加工材料はその変形抵抗及び
ダイスとの摩擦により発熱する。従って、前記スリ疵が
原因となってダイスとの焼付が起こる。そこで、前記加
工工程では、ダイスとの摩擦を防ぎ,過剰の発熱を抑
え,平滑な所定の形状寸法を得るべく潤滑剤を用いた潤
滑処理が行われている。
く途中で即ち、被加工材料の保持治具であるガイドチュ
ーブ内で、ガイドチューブとの摩擦により、被加工材料
にスリ疵が発生することが多い。一方、被加工材料をダ
イスを通して引抜く際、被加工材料はその変形抵抗及び
ダイスとの摩擦により発熱する。従って、前記スリ疵が
原因となってダイスとの焼付が起こる。そこで、前記加
工工程では、ダイスとの摩擦を防ぎ,過剰の発熱を抑
え,平滑な所定の形状寸法を得るべく潤滑剤を用いた潤
滑処理が行われている。
一般に、冷間引抜加工における潤滑は、化成潤滑によ
るものと油潤滑によるものとに大別される。
るものと油潤滑によるものとに大別される。
化成潤滑は、化学反応により潤滑皮膜を形成するリン
酸塩等の潤滑剤を用いるものであり、冷間引抜加工する
前に被加工材料を潤滑剤に浸漬させて、その表面に潤滑
皮膜を形成させる。このため、潤滑処理前に発生したス
リ疵はその後形成された潤滑皮膜により被覆され、さら
に潤滑処理後はその潤滑皮膜によりガイドチューブ内で
のスリ疵も発生し難くなり、スリ疵が引抜加工における
焼付起点となる場合は少ない。
酸塩等の潤滑剤を用いるものであり、冷間引抜加工する
前に被加工材料を潤滑剤に浸漬させて、その表面に潤滑
皮膜を形成させる。このため、潤滑処理前に発生したス
リ疵はその後形成された潤滑皮膜により被覆され、さら
に潤滑処理後はその潤滑皮膜によりガイドチューブ内で
のスリ疵も発生し難くなり、スリ疵が引抜加工における
焼付起点となる場合は少ない。
一方、油潤滑は動植物油,鉱油等の潤滑剤を用いるも
のであり、ダイスを通して引抜く直前の被加工材料に潤
滑剤を塗布若しくは噴霧させるか又は、被加工材料が管
の場合は予め潤滑剤に浸漬させて、その表面に潤滑剤を
付着させる。油潤滑の場合は、油潤滑剤が被加工材料表
面に物理的に付着しているため、潤滑処理前に発生した
スリ疵により新生面が露出し易い。特に、被加工材料が
熱間処理又は酸洗処理したままの素管であり、引抜直前
で油潤滑剤を塗布する場合は、潤滑処理前でスリ疵が発
生し易く、その新生面が大気で酸化されないまま引抜か
れるためダイスとの焼付起点となり易い。
のであり、ダイスを通して引抜く直前の被加工材料に潤
滑剤を塗布若しくは噴霧させるか又は、被加工材料が管
の場合は予め潤滑剤に浸漬させて、その表面に潤滑剤を
付着させる。油潤滑の場合は、油潤滑剤が被加工材料表
面に物理的に付着しているため、潤滑処理前に発生した
スリ疵により新生面が露出し易い。特に、被加工材料が
熱間処理又は酸洗処理したままの素管であり、引抜直前
で油潤滑剤を塗布する場合は、潤滑処理前でスリ疵が発
生し易く、その新生面が大気で酸化されないまま引抜か
れるためダイスとの焼付起点となり易い。
ところで、ガイドチューブ内面には、被加工材料装入
時の端面によるスリ疵が生じており、これが被加工材料
のスリ疵の発生原因の一つになっていた。また、被加工
材料が管の場合、ダイスを通して引抜くと同時にプラグ
で管の内側を抑え、管の肉厚を所定寸法にしているが、
引抜加工完了直後、その支持棒であるマンドレルの衝撃
振れが起こるため、ガイドチューブ内面に凹凸部が生
じ、これも被加工材料のスリ疵の発生原因の一つになっ
ていた。そして、ガイドチューブ自身は長大であるた
め、その内面全体を整備することは困難であった。
時の端面によるスリ疵が生じており、これが被加工材料
のスリ疵の発生原因の一つになっていた。また、被加工
材料が管の場合、ダイスを通して引抜くと同時にプラグ
で管の内側を抑え、管の肉厚を所定寸法にしているが、
引抜加工完了直後、その支持棒であるマンドレルの衝撃
振れが起こるため、ガイドチューブ内面に凹凸部が生
じ、これも被加工材料のスリ疵の発生原因の一つになっ
ていた。そして、ガイドチューブ自身は長大であるた
め、その内面全体を整備することは困難であった。
従って、スリ疵によるダイスとの焼付が発生した場合
は、被加工材料を化成潤滑処理にせざるを得なかった。
は、被加工材料を化成潤滑処理にせざるを得なかった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、被
加工材料を所定の材料を介して保持治具に保持させるこ
とにより、引抜加工工程における被加工材料とダイスと
の焼付を防止する方法の提供を目的とする。
加工材料を所定の材料を介して保持治具に保持させるこ
とにより、引抜加工工程における被加工材料とダイスと
の焼付を防止する方法の提供を目的とする。
本発明に係る被加工材料の焼付防止方法は、保存治具
にて保持された被加工材料に潤滑剤を供給せしめること
により、引抜加工する際の被加工材料の焼付を防止する
方法において、被加工材料を、これより軟らかい材質の
材料を介して前記保持治具に保持させることを特徴とす
る。
にて保持された被加工材料に潤滑剤を供給せしめること
により、引抜加工する際の被加工材料の焼付を防止する
方法において、被加工材料を、これより軟らかい材質の
材料を介して前記保持治具に保持させることを特徴とす
る。
本発明の被加工材料の焼付防止方法においては、被加
工材料をこれより軟らかい材質の材料を介して保持治具
に保持させると、引抜加工中に保持治具と被加工材料と
の摩擦により発生する被加工材料のスリ疵が減少する。
工材料をこれより軟らかい材質の材料を介して保持治具
に保持させると、引抜加工中に保持治具と被加工材料と
の摩擦により発生する被加工材料のスリ疵が減少する。
以下、本発明のその実施例を示す図面に基づき具体的
に説明する。
に説明する。
第1図は本発明に係る被加工材料の焼付防止方法(以
下本発明方法という)の実施状態を示す模式的断面図で
あり、図中1は被加工材料である。該被加工材料1は、
硫酸洗により熱間ミルスケールを除去する表面処理を施
した0.4重量%の炭素鋼からなり、直径が48.6cm,厚みが
4.2cmの管形状をなしている。
下本発明方法という)の実施状態を示す模式的断面図で
あり、図中1は被加工材料である。該被加工材料1は、
硫酸洗により熱間ミルスケールを除去する表面処理を施
した0.4重量%の炭素鋼からなり、直径が48.6cm,厚みが
4.2cmの管形状をなしている。
まず、被加工材料1の保持治具である鉄製のガイドチ
ューブ2内に被加工材料1を装入する。このガイドチュ
ーブ2内側には、ガイドチューブ2の内径と略同外径の
塩化ビニール管3が内装されており、従って被加工材料
1は塩化ビニール管3を介してガイドチューブ2に保持
される。そして、保持されている被加工材料1を矢符で
示す如く被加工材料1の長手方向に毎分30〜40mの速度
で引張り、油潤滑剤4を噴霧して超硬合金製のダイス5
へ、また油潤滑剤8を噴霧して超硬合金製のプラグ6へ
導く。前記ダイス5は、目的とする寸法,形状を有する
製品の外径の穴形を有しており、またマンドレル7にて
支持されている前記プラグ6は製品の内径に対応する形
状を有している。従って、油潤滑処理した前記被加工材
料1を、ダイス5とプラグ6との間を通して引抜くこと
により、直径が40.0cm,厚みが3.6cmの目的の寸法,形状
及び肉厚を有する管製品が得られる。
ューブ2内に被加工材料1を装入する。このガイドチュ
ーブ2内側には、ガイドチューブ2の内径と略同外径の
塩化ビニール管3が内装されており、従って被加工材料
1は塩化ビニール管3を介してガイドチューブ2に保持
される。そして、保持されている被加工材料1を矢符で
示す如く被加工材料1の長手方向に毎分30〜40mの速度
で引張り、油潤滑剤4を噴霧して超硬合金製のダイス5
へ、また油潤滑剤8を噴霧して超硬合金製のプラグ6へ
導く。前記ダイス5は、目的とする寸法,形状を有する
製品の外径の穴形を有しており、またマンドレル7にて
支持されている前記プラグ6は製品の内径に対応する形
状を有している。従って、油潤滑処理した前記被加工材
料1を、ダイス5とプラグ6との間を通して引抜くこと
により、直径が40.0cm,厚みが3.6cmの目的の寸法,形状
及び肉厚を有する管製品が得られる。
このようにして、塩化ビニール管3を内装したガイド
チューブ2に被加工材料1を保持させながら、950本の
被加工材料1の冷間引抜加工を行ったところ、2本の被
加工材料1に極微小の焼付が発生しただけであった。
チューブ2に被加工材料1を保持させながら、950本の
被加工材料1の冷間引抜加工を行ったところ、2本の被
加工材料1に極微小の焼付が発生しただけであった。
一方、従来のように塩化ビニール管3を内装せず、鉄
製のガイドチューブ2に被加工材料1を直接保持させ
て、100本の被加工材料1の冷間引抜加工を行ったとこ
ろ、8本の被加工材料1に焼付が発生した。
製のガイドチューブ2に被加工材料1を直接保持させ
て、100本の被加工材料1の冷間引抜加工を行ったとこ
ろ、8本の被加工材料1に焼付が発生した。
従って、被加工材料1よりも軟らかい材質の材料を介
して保持治具に被加工材料1を保持させると保持治具と
被加工材料1の摩擦により発生していたスリ疵発生が大
幅に防止されることがわかる。
して保持治具に被加工材料1を保持させると保持治具と
被加工材料1の摩擦により発生していたスリ疵発生が大
幅に防止されることがわかる。
第2図は引抜加工工程における被加工材料の焼付発生
件数の月別推移を示すグラフであり、縦軸には焼付件数
をまた、横軸には測定した月が夫々とってある。被加工
材料として、0.5重量%の炭素鋼又は1重量%のクロム
鋼を含む低合金鋼を用い、6月までは従来同様、被加工
材料を保持治具に直接保持させて引抜加工し、7月から
は本発明方法即ち、上述した如く塩化ビニール管を介し
て被加工材料を保持治具に保持させて引抜加工した。
件数の月別推移を示すグラフであり、縦軸には焼付件数
をまた、横軸には測定した月が夫々とってある。被加工
材料として、0.5重量%の炭素鋼又は1重量%のクロム
鋼を含む低合金鋼を用い、6月までは従来同様、被加工
材料を保持治具に直接保持させて引抜加工し、7月から
は本発明方法即ち、上述した如く塩化ビニール管を介し
て被加工材料を保持治具に保持させて引抜加工した。
第2図から明らかな如く7月から焼付発生件数が減少
しており、保持治具に塩化ビニール管を内装すれば、被
加工材料とん保持治具とのスリ疵が減少され、従って引
抜加工する際の焼付が大幅に防止されることが認められ
た。
しており、保持治具に塩化ビニール管を内装すれば、被
加工材料とん保持治具とのスリ疵が減少され、従って引
抜加工する際の焼付が大幅に防止されることが認められ
た。
以上、詳述した如く本発明方法の被加工材料の焼付防
止方法においては、被加工材料をこれにより軟らかい材
質の材料を介して保持治具に保持させるので、引抜加工
中における保持治具内での被加工材料のスリ疵の発生が
なくなり、スリ疵が起因であるダイスと被加工材料との
焼付が大幅に防止される優れた効果を奏する。
止方法においては、被加工材料をこれにより軟らかい材
質の材料を介して保持治具に保持させるので、引抜加工
中における保持治具内での被加工材料のスリ疵の発生が
なくなり、スリ疵が起因であるダイスと被加工材料との
焼付が大幅に防止される優れた効果を奏する。
第1図は本発明に係る被加工材料の焼付防止方法の実施
状態を示す模式的断面図、第2図は引抜加工工程におけ
る被加工材料の焼付発生件数の月別推移を示すグラフで
ある。 1……被加工材料、2……ガイドチューブ 3……塩化ビニール管、5……ダイス、6……プラグ
状態を示す模式的断面図、第2図は引抜加工工程におけ
る被加工材料の焼付発生件数の月別推移を示すグラフで
ある。 1……被加工材料、2……ガイドチューブ 3……塩化ビニール管、5……ダイス、6……プラグ
Claims (1)
- 【請求項1】保持治具にて保持された被加工材料に潤滑
剤を供給せしめることにより、引抜加工する際の被加工
材料の焼付を防止する方法において、 被加工材料を、これより軟らかい材質の材料を介して前
記保持治具に保持させることを特徴とする被加工材料の
焼付防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15091689A JP2674215B2 (ja) | 1989-06-14 | 1989-06-14 | 被加工材料の焼付防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15091689A JP2674215B2 (ja) | 1989-06-14 | 1989-06-14 | 被加工材料の焼付防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0318418A JPH0318418A (ja) | 1991-01-28 |
JP2674215B2 true JP2674215B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=15507201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15091689A Expired - Fee Related JP2674215B2 (ja) | 1989-06-14 | 1989-06-14 | 被加工材料の焼付防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2674215B2 (ja) |
-
1989
- 1989-06-14 JP JP15091689A patent/JP2674215B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0318418A (ja) | 1991-01-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |