JP2674176B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2674176B2 JP1634189A JP1634189A JP2674176B2 JP 2674176 B2 JP2674176 B2 JP 2674176B2 JP 1634189 A JP1634189 A JP 1634189A JP 1634189 A JP1634189 A JP 1634189A JP 2674176 B2 JP2674176 B2 JP 2674176B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は触媒コンバータの上流側および下流側に空燃
比センサ(本明細書では、酸素濃度センサ(O2セン
サ))を設け、上流側のO2センサによる空燃比フィード
バック制御に加えて下流側のO2センサによる空燃比フィ
ードバック制御及び過渡時(加減速時)に燃料量の学習
制御を行う内燃機関の空燃比制御装置に関する。
〔従来の技術〕
単なる空燃比フィードバック制御(シングルO2センサ
システム)では、酸素濃度を検出するO2センサをできる
だけ燃焼室に近い排気系の個所、すなわち触媒コンバー
タより上流である排気マニホールドの集合部分に設けて
いるが、O2センサの出力特性のばらつきのために空燃比
の制御精度の改善に支障が生じている。かかるO2センサ
の出力特性のばらつきおよび燃料噴射弁等の部品のばら
つき、経時あるいは経年的変化を補償するために、触媒
コンバータの下流に第2のO2センサを設け、上流側O2
ンサによる空燃比フィードバック制御に加えて下流側O2
センサによる空燃比フィードバック制御を行うダブルO2
センサシステムが既に提案されている(参照:特開昭62
−60941号公報)。このダブルO2センサシステムでは、
触媒コンバータの下流側に設けられたO2センサは、上流
側O2センサに比較して、低い応速度を有するものの、次
の理由により出力特性のばらつきが小さいという利点を
有している。
(1)触媒コンバータの下流では、排気温が低いので熱
的影響が少ない。
(2)触媒コンバータの下流では、種々の毒が触媒にト
ラップされているので下流側O2センサの被毒量は少な
い。
(3)触媒コンバータの下流では排気ガスは十分に混合
されており、しかも、排気ガス中の酸素濃度は平衡状態
に近い値になっている。
したがって、上述のごとく、2つのO2センサの出力に
もとづく空燃比フィードバック制御(ダブルO2センサシ
ステム)により、上流側O2センサの出力特性のばらつき
を下流側O2センサにより吸収できる。実際に、第2図に
示すように、シングルO2センサシステムでは、O2センサ
出力特性が悪化した場合には、排気エミッション特性に
直接影響するのに対し、ダブルO2センサシステムでは、
上流側O2センサ出力特性が悪化しても、排気エミッショ
ン特性は悪化しない。つまり、ダブルO2センサシステム
においては、下流側O2センサが安定な出力特性を維持し
ている限り、良好な排気エミッションが保証される。
他方、バルブクリアランス及び噴射弁噴口部へのデポ
ジット付着、シリンダ吸気弁の背面部等へのデポジット
付着による特性変化に対処するために、過渡時(加減速
時)補正としてのデポジット学習制御が行われている
(参照:特開昭59−203829号公報、特開昭59−128944号
公報、特開昭60−204937号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述のダブルO2センサシステムとデポ
ジット学習制御システムとを組合せた場合、通常、デポ
ジット学習制御実行時にも下流側O2センサによる空燃比
フィードバック制御も行われており、この結果、下流側
O2センサによる空燃比フィードバック制御によって触媒
上流空燃比が変化してデポジット学習制御が不安定とな
り、デポジット学習値の誤学習が生じて、エミッション
の悪化、ドライバビリティの悪化、燃費の悪化等を招く
という課題がある。
また、触媒コンバータの触媒は、第3A図に示すよう
に、一般的に、新品であればO2ストレージ効果が大き
く、したがって、触媒浄化性能が高く、逆に、耐久品で
あればO2ストレージ効果が小さく、したがって、触媒浄
化性能は低い。このような触媒浄化性能が高い状態(O2
ストレージ効果が大の状態)で、下流側O2センサによる
空燃比フィードバック制御により制御定数例えばリッチ
スキップ量RSRを変更すると、リッチスキップ量RSRは、
第3B図に示すように、大きくなり、この結果、空燃比補
正係数FAFは非対称となり、その波形はリッチ化傾向と
なる。ただし、触媒内の空燃比自体は上流側及び下流側
O2センサによる空燃比フィードバック制御により理論空
燃比にされる。さらに、下流側O2センサによる空燃比フ
ィードバック制御によるリッチスキップ量RSRの中心値
の学習値FGRSRも、第3C図に示すように、触媒状態(O2
ストレージ効果)の影響を受け、特に、新品触媒時に大
きくなる。したがって、減速時にデポジット学習を行う
と、上記リッチスキップ量RSRの影響を受け、デポジッ
ト学習値(この場合、後述の減速減量係数KDC)が過度
に大きくなり、この結果、減速時に空燃比がオーバリー
ンとなり、エミッションの悪化、ドライバビリティの悪
化を招くことになる。つまり、第3D図に示すように、新
品触媒状態には、その高浄化性能のためにエミッション
の絶対値は小さくなる傾向にあるものの、エミッション
のばらつきは大きくなり、この結果、走行距離(ほぼ触
媒の耐久度に相当)が小さい程、許容範囲を外れる可能
性が大きくなる。
また、同様に、触媒浄化性能が低い耐久触媒状態に
も、デポジット学習値(この場合、後述の加速増量係数
KAC)が過度に大きくなる。
すなわち、このような触媒浄化性能が低い状態(O2
トレージ効果が小の状態)で、下流側O2センサによる空
燃比フィードバック制御により制御定数例えばリッチス
キップ量RSRを変更すると、リッチスキップ量RSRは、小
さくなり、この結果、空燃比補正係数FAFはやはり非対
称となり、その波形はリーン化傾向となる。ただし、こ
の場合も、触媒内の空燃比自体は、上流側及び下流側O2
センサによる空燃比フィードバック制御により理論空燃
比にされる。さらに、下流側O2センサによる空燃比フィ
ードバック制御によるリッチスキップ量RSRの中心値の
学習値FGRSRも、O2ストレージ効果が小さいために、小
さくなる。加速時にデポジット学習を行うと、上記リッ
チスキップ量RSRの影響を受け、デポジット学習値KACが
過度に大きくなり、この結果、加速時に空燃比がオーバ
リッチとなり、エミッションの悪化、燃費の悪化を招く
ことになる。
したがって、本発明の目的は、ダブル空燃比センサシ
ステムとデポジット学習制御システムとの併存システム
においてデポジット学習値の誤学習を防止してエミッシ
ョンの悪化、ドライバビリティの悪化、燃費の悪化等を
防止することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上述の課題を解決するために手段は第1A図、第1B図に
示される。すなわち、第1A図においては、内燃機関の排
気通路に設けられた三元触媒CCR0の上流側の排気通路に
は、機関の空燃比を検出する上流側空燃比センサが設け
られ、また、三元触媒CCR0の下流側の排気通路には、機
関の空燃比を検出する下流側空燃比センサが設けられて
いる。制御定数演算手段は下流側空燃比センサの出力V2
に応じて空燃比フィードバック制御定数たとえばスキッ
プ量RSR,RSLを演算し、制御定数学習手段は空燃比フィ
ードバック制御定数の中心値FGRSR,FGRSLを学習する。
他方、デポジット学習条件判別手段は機関がデポジット
学習条件を満たしているか否かを判別し、この結果、機
関がデポジット学習条件を満たしているときに、デポジ
ット学習手段は上流側空燃比センサの出力V1の偏差に応
じてデポジット学習値KAC,KDCを演算する。また、機関
がデポジット学習条件を満たしているときに、禁止手段
が制御定数演算手段による空燃比フィードバック制御定
数RSR,RSLの演算を禁止し、ホールド手段が学習された
空燃比フィードバック制御定数の中心値FGRSR,FGRSLが
初期化値近傍の場合には空燃比フィードバック制御定数
RSR,RSLをそのままホールドし、他方、初期化値INIT近
傍以外の場合には、空燃比フィードバック制御定数RSR,
RSLを初期化値INITにホールドする。空燃比補正量演算
手段は、制御定数及び上流側空燃比センサの出力V1に応
じて空燃比補正量FAFを演算する。そして、空燃比調整
手段は、機関が非過渡状態時には空燃非補正量FAFに応
じて機関の空燃比を調整し、機関が過渡状態時には空燃
比補正量FAF及びデポジット学習値KAC,KDCに応じて機関
の空燃比を調整するものである。
第1B図の手段によれば、制御定数学習手段を設けてな
い。この場合、空燃比フィードバック制御定数RSR(RS
L)が初期化値INITの近傍にあるか否かによりホールド
値を変化させる。
〔作 用〕
上記の第1A図の手段によれば、デポジット学習条件成
立時には、空燃比フィードバック制御定数RSR,RSLをホ
ールドするが、そのホールド値は中心値FGRSR,FGRSLに
応じて可変とする。たとえば、上記中心値FGRSRが第4A
図のごとく変化したときには、中心値FGRSR(FGRSL)が
初期化値(INIT=5%)の近傍、たとえば、INIT−0.5
%<FGRSR<INIT+0.5%であればそのままホールドし、
当該近傍以外であれば初期化値にホールドする。これに
より、中心値FGRSR,FGRSLがたとえば初期化値INIT近傍
によりリッチ側にずれた場合には、減速減量係数KDCの
増量を抑制し,また、中心値FGRSR,FGRSLがたとえば初
期化値INIT近傍よりリーン側にずれた場合には、加速増
量係数KACの増量を抑制する。つまり、学習値KDC,KACの
誤学習を抑制する。第1B図の手段によれば、空燃比フィ
ードバック制御定数RSR(RSL)がたとえば初期化値INIT
近傍よりリッチ側にずれた場合には、減速減量係数KDC
の増量を抑制し、また、空燃比フィードバック制御定数
RSR(RSL)がたとえば初期化値INIT近傍よりリーン側に
ずれた場合には、加速増量係数KACの増量を抑制する。
つまり、学習値KDC,KACの誤学習を抑制する。
〔実施例〕
第5図は本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一
実施例を示す全体概略図である。第5図において、機関
本体1の吸気通路2には圧力センサ3が設けられてい
る。圧力センサ3は吸入空気圧の絶対圧PMを直接計測す
るものであって、たとえば半導体式センサであり、吸入
空気圧に比例したアナログ電圧の出力信号を発生する。
この出力信号は制御回路10のマルチプレクサ内蔵A/D変
換器101に提供されている。ディストリビュータ4に
は、その軸がたとえばクランク角に換算して720゜毎に
基準位置検出用パルス信号を発生するクランク角センサ
5およびクランク角に換算して30゜毎に基準位置検出用
パルス信号を発生するクランク角センサ6が設けられて
いる。これらクランク角センサ5,6のパルス信号は制御
回路10の入出力インターフェイス102に供給され、この
うち、クランク角センサ6の出力はCPU103の割込み端子
に供給される。
さらに、吸気通路2には各気筒毎に燃料供給系から加
圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁7が設
けられている。
また、機関本体1のシリンダブロックのウォータジャ
ケット8には、冷却水の温度を検出するための水温セン
サ9が設けられている。水温センサ9は冷却水の温度TH
Wに応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。この出
力もA/D変換器101に供給されている。
排気マニホールド11より下流の排気系には、排気ガス
中の3つの有毒成分HC,CO,NOxを同時に浄化する三元触
媒を収容する触媒コンバータ12が設けられている。
排気マニホールド11には、すなわち触媒コンバータ12
の上流側には第1のO2センサ13が設けられ、触媒コンバ
ータ12の下流側の排気管14には第2のO2センサ15が設け
られている。O2センサ13,15は排気ガス中の酸素成分濃
度に応じた電気信号を発生する。すなわち、O2センサ1
3,15は空燃比が理論空燃比に対してリーン側かリッチ側
かに応じて、異なる出力電圧を制御回路10のA/D変換器1
01に発生する。制御回路10は、たとえばマイクロコンピ
ュータとして構成され、A/D変換器101、入出力インター
フェイス102、CPU103の外に、ROM104,RAM105、バックア
ップRAM106、クロック発生回路107等が設けられてい
る。
また、吸気通路2のスロットル弁16には、スロットル
弁16が全閉か否かを検出するためのアイドルスイッチ17
が設けられており、この出力信号は制御回路10の入出力
インターフェイス102に供給される。
また、制御回路10において、ダウンカウンタ108、フ
リップフロップ109、および駆動回路110は燃料噴射弁7
を制御するためのものである。すなわち、後述のルーチ
ンにおいて、燃料噴射量TAUが演算されると、燃料噴射
量TAUがダウンカウンタ108にプリセットされると共にフ
リップフロップ109もセットされる。この結果、駆動回
路110が燃料噴射弁7の付勢を開始する。他方、ダウン
カウンタ108がクロック信号(図示せず)を計数して最
後にそのボローアウト端子が“1"レベルとなったとき
に、フリップフロップ109がセットされて駆動回路110は
燃料噴射弁7の付勢を停止する。つまり、上述の燃料噴
射量TAUだけ燃料噴射弁7は付勢され、従って、燃料噴
射量TAUに応じた量の燃料が機関本体1の燃焼室に送り
込まれることになる。
なお、CPU103の割込み発生は、A/D変換器101のA/D変
換終了後、入出力インターフェイス102がクランク角セ
ンサ6のパルス信号を受信した時、クロック発生回路10
7からの割込信号を受信した時、等である。
圧力センサ3の吸入空気圧データPMおよび冷却水温デ
ータTHWは所定時間もしくは所定クランク角毎に実行さ
れるA/D変換ルーチンによって取込まれRAM105の所定領
域に格納される。つまり、RAM105におけるデータPMおよ
びTHWは所定時間毎に更新されている。また、回転速度
データNeはクランク角センサ6の30゜CA毎の割込みによ
って演算されてRAM105の所定領域に格納される。
第6図は上流側O2センサ13の出力にもとづいて空燃比
補正係数FAFを演算する第1の空燃比フィードバック制
御ルーチンであって、所定時間たとえば4ms毎に実行さ
れる。
ステップ601では、上流側O2センサ13による空燃比の
閉ループ(フィードバック)条件が成立しているか否か
を判別する。たとえば、冷却水温が所定値以下の時、機
関始動中、始動後増量中、暖機増量中、パワー増量中、
触媒過熱防止のためOTP増量中、上流側O2センサ13の出
力信号が一度も反転していない時、燃料カット中等はい
ずれも閉ループ条件が小成立であり、その他の場合が閉
ループ条件成立である。閉ループ条件が不成立のときに
は、ステップ627に直接進む。なお、空燃比補正係数FAF
を1.0としてもよい。他方、閉ループ条件成立の場合は
ステップ602に進む。
ステップ602では、上流側O2センサ13の出力V1をA/D変
換して取込み、ステップ603にてV1が比較電圧VR1たとえ
ば0.45V以下か否かを判別する、つまり、空燃比がリッ
チかリーンかを判別する、つまり、リーン(V1≦VR1
であれば、スキップ604にてディレイカウンタCDLYが正
か否かを判別し、CDLY>0であればステップ605にてCDL
Yを0とし、ステップ606に進む。ステップ606では、デ
ィレイカウンタCDLYを1減算し、ステップ607,608にて
ディレイカウンタCDLYを最小値TDLでガードする。この
場合、ディレイカウンタCDLYが最小値TDLに到達したと
きにはステップ609にて第1の空燃比フラグF1を“0"
(リーン)とする。なお、最小値TDLは上流側O2センサ1
3の出力においてリッチからリーンへの変化があっても
リッチ状態であるとの判断を保持するためのリーン遅延
時間であって、負の値で定義される。他方、リーン(V1
>VR1)であれば、ステップ610にてディレイカウンタCD
LYが負か否かを判別し、CDLY<0であればステップ611
にてCDLYを0とし、ステップ612に進む。ステップ612で
はディレイカウンタCDLYを1加算し、ステップ613,614
にてディレイカウンタCDLYを最大値TDRでガードする。
この場合、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに到達し
たときにはステップ615にて第1の空燃比フラグF1を
“1"(リッチ)とする。なお、最大値TDRは上流側O2
ンサ13の出力においてリーンからリッチへの変化があっ
てもリーン状態であるとの判断を保持するためのリッチ
遅延時間であって、正の値で定義される。
ステップ616では、第1の空燃比フラグF1の符号が反
転したか否かを判別する、すなわち遅延処理後の空燃比
が反転したか否かを判別する。空燃比が反転していれ
ば、ステップ617にて、第1の空燃比フラグF1の値によ
り、リッチからリーンへの反転か、リーンからリッチへ
の反転かを判別する。リッチからリーンへの反転であれ
ば、ステップ618にてFAF←FAF+RSRとスキップ的に増大
させ、逆に、リーンからリッチへの反転であれば、ステ
ップ619にてFAF←FAF−RSLとスキップ的に減少させる。
つまり、スキップ処理を行う。
ステップ616にて第1の空燃比フラグF1の符号が反転
していなければ、ステップ620,621,622にて積分処理を
行う。つまり、ステップ620にて、F1=“0"か否かを判
別し、F1=“0"(リーン)であればステップ621にてFAF
←FAF+KIRとし、他方、F1=“1"(リッチ)であればス
テップ622にてFAF←FAF−KILとする。ここで、積分定数
KIR,KILはスキップ量RSR,RSLに比して十分小さく設定し
てあり、つまり、KIR(KIL)<RSR(RSL)である。従っ
て、ステップ621はリーン状態(F1=“0")で燃料噴射
量を徐々に増大させ、ステップ622はリッチ状態(F1=
“1")で燃料噴射量を徐々に減少させる。
ステップ618,619,621,622にて演算された空燃比補正
係数FAFはステップ623,624にて最小値たとえば0.8にて
ガードされ、また、ステップ625,626にて最大値たとえ
ば1.2にてガードされる。これにより、何らかの原因で
空燃比補正係数FAFが大きくなり過ぎ、もしくは小さく
なり過ぎた場合に、その値で機関の空燃比を制御してオ
ーバリッチ、オーバリーンになるのを防ぐ。
上述のごとく演算されたFAFをRAM105に格納して、ス
テップ627にてこのルーチンは終了する。
第7図は第6図のフローチャートによる動作を補足説
明するタイミング図である。上流側O2センサ13の出力に
より第7図(A)に示すごとくリッチ、リーン判別の空
燃比信号A/Fが得られると、ディレイカウンタCDLYは、
第7図(B)に示すごとく、リッチ状態でカウントアッ
プされ、リーン状態でカウントダウンされる。この結
果、第7図(C)に示すごとく、遅延処理された空燃比
信号A/F′(フラグF1に相当)が形成される。たとえ
ば、時刻t1にて空燃比信号A/Fがリーンからリッチに変
化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′はリッチ遅
延時間TDRだけリーンに保持された後に時刻t2にてリッ
チに変化する。時刻t3にて空燃比信号A/Fがリッチから
リーンに変化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′
はリーン遅延時間(−TDL)相当だけリッチに保持され
た後に時刻t4にてリーンに変化する。しかし空燃比信号
A/Fが時刻t5,t6,t7のごとくリッチ遅延時間TDRの短い期
間で反転すると、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに
到達するのに時間を要し、この結果、時刻t8にて遅延処
理後の空燃比信号A/F′が反転される。つまり、遅延処
理後の空燃比信号A/F′は遅延処理前の空燃比信号A/Fに
比べて安定となる。このように遅延処理後の安定した空
燃比信号A/F′にもとづいて第7図(D)に示す空燃比
補正係数FAFが得られる。
次に、下流側O2センサ15による第2の空燃比フィード
バック制御について説明する。第2の空燃比フィードバ
ック制御としては、第1の空燃比フィードバック制御定
数としてのスキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延
時間TDR,TDL、もしくは上流側O2センサ13の出力V1の比
較電圧VR1を可変にするシステムと、第2の空燃比補正
係数FAF2を導入するシステムとがある。
たとえば、リッチスキップ量RSRを大きくすると、制
御空燃比をリッチ側に移行でき、また、リーンスキップ
量RSLを小さくしても制御空燃比をリッチ側に移行で
き、他方、リーンスキップ量RSLを大きくすると、制御
空燃比をリーン側に移行でき、また、リッチスキップ量
RSRを小さくしても制御空燃比をリーン側に移行でき
る。したがって、下流側O2センサ15の出力に応じてリッ
チスキップ量RSRおよびリーンスキップ量RSLを補正する
ことにより空燃比が制御できる。また、リッチ積分定数
KIRを大きくすると、制御空燃比をリッチ側に移行で
き、また、リーン積分定数KILを小さくしても制御空燃
比をリッチ側に移行でき、他方、リーン積分定数KILを
大きくすると、制御空燃比をリーン側に移行でき、ま
た、リッチ積分定数KIRを小さくしても制御空燃比をリ
ーン側に移行できる。従って、下流側O2センサ15の出力
に応じてリッチ積分定数KIRおよびリーン積分定数KILを
補正することにより空燃比が制御できる。リッチ遅延時
間TDRを大きくもしくはリーン遅延時間(−TDL)を小さ
く設定すれば、制御空燃比はリッチ側に移行でき、逆
に、リーン遅延時間(−TDL)を大きくもしくはリッチ
遅延時間(TDR)を小さく設定すれば、制御空燃比はリ
ーン側に移行できる。つまり、下流側O2センサ15の出力
に応じて遅延時間TDR,TDLを補正することにより空燃比
が制御できる。さらにまた、比較電圧VR1を大きくする
と制御空燃比をリッチ側に移行でき、また、比較電圧V
R1を小さくすると制御空燃比をリーン側に移行できる。
従って、下流側O2センサ15の出力に応じて比較電圧VR1
を補正することにより空燃比が制御できる。
これらスキップ量は、積分定数、遅延時間、比較電圧
を下流側O2センサによって可変とすることはそれぞれに
長所がある。たとえば、遅延時間は非常に微妙な空燃比
の調整が可能であり、また、スキップ量は、遅延時間の
ように空燃比のフィードバック周期を長くすることなく
レスポンスの良い制御が可能である。従って、これら可
変量は当然2つ以上組み合わされて用いられ得る。
次に、空燃比フィードバック制御定数としてのスキッ
プ量を可変にしたダブルO2センサシステムについて説明
する。
第8図は下流側O2センサ15の出力にもとづく第2の空
燃比フィードバック制御ルーチンであって、所定時間た
とえば512ms毎に実行される。ステップ801〜805では、
下流側O2センサ15による閉ループ条件か否かを判別す
る。たとえば、上流側O2センサ13による閉ループ条件の
不成立(ステップ801)に加えて、冷却水温THWが所定値
(たとえば70℃)以下のとき(ステップ802)、スロッ
トル弁16が全閉(LL=“1")のとき(ステップ803)、
軽負荷のとき(Q/Ne<X1)(ステップ804)、下流側O2
センサ15が活性化していないとき(ステップ805)、デ
ポジット学習条件が成立しているとき(ステップ806,80
7)等が閉ループ条件が不成立であり、その他の場合が
閉レープ条件成立である。なお、デポジット学習は後述
の第10図のルーチンによりカウンタCLRN1もしくはCLRN2
がトリガされることにより(CLRN1,CLRN2≧1)、実質
的に開始する。このように、デポジット学習条件成立を
非閉ループ条件とすることにより下流側O2センサ15によ
る空燃比フィードバック制御がデポジット学習に影響し
ないようにする。閉ループ条件でなければステップ827
に進むが、特に、デポジット学習条件が成立していれば
ステップ808〜813に進む。すなわち、リッチスキップ量
RSRはデポジット学習開始時の値でホールドされる。他
方、閉ループ条件成立であればステップ814〜816を介し
てステップ817〜826に進む。
なお、第8図のルーチンにおけるフラグXDEP(=
“1")はデポジット学習中を示す。
始めに、ステップ801〜805による閉ループ条件成立且
つデポジット学習中でなければ(CLRN1=CLRN2=0且つ
XDEP=“0")、ステップ817〜826のフローが実行され
る。すなわち、ステップ817では、下流側O2センサ15の
出力V2をA/D変換して取り込み、ステップ818にてV2が比
較電圧VR2たとえば0.55V以下か否かを判別する、つま
り、空燃比がリッチかリーンかを判別する。なお、比較
電圧VR2は触媒コンバータ12の上流、下流で生ガスの影
響による出力特性が異なることおよび劣化速度が異なる
こと等を考慮して上流側O2センサ13の出力の比較電圧V
R1より高く設定されているが、この設定は任意でもよ
い。この結果、V2≦VR2(リーン)であればステップ81
9,820,821に進み、V2>VR2(リッチ)であればステップ
822,823,824に進む。すなわち、ステップ819では、RSR
←RSR+ΔRSとし、つまり、リッチスキップ量RSRを増大
させて空燃比をリッチ側に移行させ、ステップ820,821
では、RSRを最大値MAX(=7.5%)にてガードし、他
方、ステップ822にてRSR←RSR−ΔRSとし、つまり、リ
ッチスキップ量RSRを減少させて空燃比をリーン側に移
行させ、ステップ823,824にてRSRを最小値MIN(=2.5
%)にてガードする。なお、最小値MINは過渡追従性が
そこなわれないレベルの値であり、また、最大値MAXは
空燃比変動によりドライバビリティの悪化が発生しない
レベルの値である。
次に、ステップ825では、リーンスキップ量RSLを、 RSL←10%−RSR により演算する。つまり、RSR+RSL=10%で制御する。
ステップ826では、上述の学習値FGRSRを演算する。
また、ステップ801〜805による閉ループ条件成立後デ
ポジット学習条件が成立すると(CLRN1≧1もしくはCLR
N2≧1)、ステップ808〜813に進む。すなわち、ステッ
プ808,809にてデポジット学習フラグXDEPを“1"とし、
ステップ810にてデポジット学習開始時のリッチスキッ
プ量RSRをRSRAとして一旦RAM105に保持する。ステップ8
11にてリッチスキップ量の学習値FGRSRが初期値化INIT
(=5%)の近傍か否かを判別する。この結果、近傍で
なければ、ステップ812にてリッチスキップ量RSRを初期
化値5%とする。他方、リッチスキップ量の学習値FGRS
Rが上記初期化値INITの近傍であればステップ813に直接
進む。すなわち、リッチスキップ量RSRはデポジット学
習開始時の値でホールドされる。そして、ステップ813
にてリーンスキップ量RSLを、 RSL←10%−RSR にて演算する。したがって、XDEP=“1"により、以後デ
ポジット学習中であればリッチスキップ量RSRはホール
ドされることになる。
次に、ステップ801〜805による閉ループ条件成立のも
とでデポジット学習が終了すると(CLRN1=CLRN2=
0)、フローはステップ814〜816に進む。すなわち、ス
テップ814,815にてデポジット学習フラグXDEPを“0"と
し、ステップ816にて、リッチスキップ量RSRをデポジッ
ト学習開始前の値RSRAに戻し、ステップ817〜826による
下流側O2センサ15によるスキップ量RSR,RSLの更新及び
その中心値学習を行う。したがって、XDEP=“0"によ
り、以後は、直接ステップ817〜826に進む。
他方、ステップ801〜805によるオープンループ時に
は、ステップ827にて、リッチスキップ量RSRの中心値の
学習値FGRSRをバックアップRAM106から読み出し、 RSR←FGRSR とし、ステップ828にて、ステップ825と同様に、リーン
スキップRSLを演算する。
そして、ステップ829にてこのルーチンは終了する。
第9図は第8図のRSR学習ステップ826の詳細なフロー
チャートである。なお、RSRMAX,RSRMINは図示しないイ
ニシャルルーチンにてRSRMAX=RSRMIN=FGRSRと初期化
されているものとする。
ステップ901,902では、RSRがRSRMAXより大きいか否か
を判別し、RSR>RSRMAXのときのみ、RSRMAXをRSRに置換
する。同様に、ステップ903,904では、RSRがRSRMINより
小さいか否かを判別し、RSR<RSRMINのときのみ、RSRMI
NをRSRに置換する。つまり、RSRの変化振幅の最大値RSR
MAX及び最小値RSRMINが演算される。ステップ905は、学
習値FGRSRを、RSRの中心値(平均値) により演算し、ステップ906にてFGRSRを、たとえば最大
値6.0%、最小値4%にてガードしてバックアップRAM10
6に格納する。
そして、ステップ907にてこのルーチンは終了する。
第10図はデポジット学習ルーチンであって、所定クラ
ンク角たとえば360゜CA毎に実行される。
ステップ1001では、A/D変換された吸入空気圧PMとそ
の前回値PMOとの差DLPMを、 DLPM←PM−PMO により演算する。つまり、DLPMは吸入空気圧PMの一階微
分値であり、したがって機関加速度にほぼ相当する。ス
テップ1002では次の実行に備え、PMをPMOとしてRAM105
に格納する。
ステップ1003では、第6図のステップ601と同様に、
上流側O2センサ13による空燃比の閉ループ条件が成立し
ているか否かを判別する。つまり、上流側O2センサ13の
出力偏差にもとづいてデポジット学習制御を行うために
上流側O2センサ13による空燃比制御が必須であるからで
ある。したがって、閉ループ条件が満たされていないと
きには、ステップ1034にてカウンタCAC,CLRN1,CLRN2の
初期化を行い、デポジット学習は行われず、閉ループ条
件が満たされているときのみ、ステップ1004以降に進
む。
第10図のルーチンでは、加速状態(DLPM≧39mmHg)後
の所定期間(A≦CLRN1≦B)における上流側O2センサ1
3の出力V1による空燃比偏差CAC(CAC=0が理論空燃比
相当)を求め、この偏差が所定範囲(C<CAC<D)に
収束するように加速増量係数KACを学習する。また、減
速状態(DLPM≦−39mmHg)後の所定期間(E≦CLRN2≦
F)における上流側O2センサ13の出力V1による空燃比偏
差CACを求め、この偏差が所定範囲(G<CAC<H)に収
束するように減速減量係数KDCを学習する。
始めに、加速増量係数KACの更新について説明する。
機関が加速状態となって吸入空気圧偏差DLPMが39mmHg
以上となると、フローはステップ1030からステップ1031
に進み、カウンタCLRN1は1とされてカウンタCLRN1がト
リガされる。この結果、次にこのルーチンが実行される
と、フローはステップ1004からステップ1005〜1016に進
む。
ステップ1005は、加速状態後であっても、減速(DLPM
≦−5mmHg)が生じた場合には学習値KACの更新を停止す
るためのものである。これにより、誤学習を防止する。
ステップ1006ではカウンタCLRN1を+1カウントアップ
する。また、ステップ1007は加速状態後であっても、上
流側O2センサ13への排気ガス輸送遅れを考慮して所定期
間(CLRN1<A)は空燃比偏差CACの演算を行わないよう
にするものである。
上記所定期間経過後(CLRN1≧A)には、ステップ100
8〜1011にて空燃比偏差CACを演算する。すなわち、ステ
ップ1008にて上流側O2センサ13の出力V1をA/D変換して
取込み、ステップ1009にてV1≦VR1(リーン)か否かを
判別する。この結果、V1≦VR1(リーン)であれば、ス
テップ1010にてカウンタCACを+1カウントアップし、
他方、V1>VR1(リッチ)であれば、ステップ1011にて
カウンタCACを−1カウントダウンさせる。つまり、こ
の場合、カウンタCACが大きければ(正側)、空燃比は
理論空燃比よりリーン側に偏倚していることを示し、逆
に、カウンタCACが小さければ(負側)、空燃比は理論
空燃比よりリッチ側に偏倚していることを示す。この空
燃比偏差CACの演算はステップ1012,1035によりデポジッ
トが空燃比に影響する期間(CLRN1<B)だけ実行され
る。
次に、上述の状態がCLRN1=Bまで持続すると、ステ
ップ1013〜1016にて空燃比偏差CACに応じて加速増量係
数KACを更新する。すなわち、CAC≧C(空燃比がリーン
側に偏倚)であればステップ1016にて加速減量係数KAC
を増大せしめ、CAC≦D(空燃比がリッチ側に偏倚)で
あればステップ1015にて加速増量係数KACを減少せし
め、D<CAC<Cであれば加速増量係数KACは変更しな
い。
このようにして、加速増量係数KACの更新が行われ、K
ACはバックアップRAM106に格納されることにある。
次に、減速減量係数KDCの更新について説明する。
機関が減速状態となって吸入空気圧偏差DLPMが−39mm
Hg以下となると、フローはステップ1032からステップ10
33に進み、カウンタCLRN2は1とされてカウンタCLRN2が
トリガされる。この結果、次にこのルーチンが実行され
ると、フローはステップ1017からステップ1018〜1029に
進む。
ステップ1018は、減速状態後であっても、加速(DLPM
≧5mmHg)が生じた場合には学習値KDCの更新を停止する
ためのものである。これにより、誤学習を防止する。ス
テップ1019ではカウンタCLRN2を+1カウントアップす
る。また、ステップ1020は減速状態後であっても、上流
側O2センサ13への排気ガス輸送遅れを考慮して所定期間
(CLRN2<E)は空燃比偏差CACの演算を行わないように
するものである。
上記所定期間経過後(CLRN2≧E)には、ステップ102
1〜1024にて空燃比偏差CACを演算する。すなわち、ステ
ップ1021にて上流側O2センサ13の出力V1をA/D変換して
取込み、ステップ1022にてV1≦VR1(リーン)か否かを
判別する。この結果、V1≦VR1(リーン)であれば、ス
テップ1022にてカウンタCACを−1カウントダウンし、
他方、V1>VR1(リッチ)であれば、ステップ1024にて
カウンタCACを+1カウントアップさせる。つまり、こ
の場合、カウンタCACが大きければ(正側)、空燃比は
理論空燃比よりリッチ側に偏倚していることを示し、逆
に、カウンタCACが小さければ(負側)、空燃比は理論
空燃比よりリーン側に偏倚していることを示す。この空
燃比偏差CACの演算はステップ1025,1035によりデポジッ
トが空燃比に影響する期間(CLRN2<F)だけ実行され
る。
次に、上述の状態がCLRN2=Fまで持続すると、ステ
ップ1026〜1029にて空燃比偏差CACに応じて減速減量係
数KDCを更新する。すなわち、CAC≧G(空燃比がリッチ
側に偏倚)であればステップ1029にて減速減量係数KDC
を増大せしめ、CAC≦H(空燃比がリーン側に偏倚)で
あればステップ1028にて減速減量係数KDCを減少せし
め、H<CAC<Gであれば減速減量係数KDCは変更しな
い。
このようにして、減速減量係数KDCの更新が行われ、K
DCはバックアップRAM106に格納されることにある。
なお、機関が定常状態であれば(−39mmHg<DLPM<39
mmHg)、カウンタCLRN1,CLRN2のいずれもトリガされ
ず、したがって、学習値KAC,KDCの更新はされない。
そして、ステップ1035にてこのルーチンは終了する。
第11図は噴射量演算ルーチンであって、所定クランク
角毎たとえば360゜CAに実行される。ステップ1101ではR
AM105より吸入空気圧データPM及び回転速度データNeを
読出してROM104に格納された2次元マップにより基本噴
射量TPを補間計算する。ステップ1102では、過渡時基本
噴射量TPAEWを、 TPAEW=DLPM・f(Ne,THW) により演算する。なお、加速時にはDLPM>0になるため
過渡時基本燃料噴射時間TPAEWは正になり、減速時にはD
LPM<0になるため過渡時基本燃料噴射時間TPAEWは負に
なる。
次に、ステップ1103〜1107では、過渡時補正量Kを演
算する。すなわち、ステップ1103では、加速中(DLPM>
2mmHg)か否かを判別し、ステップ1104では、減速中(D
LPM<−2mmHg)か否かを判別する。この結果、加速中で
あればステップ1107にて、 K←KAC とし、減速中であればステップ1106にて、 K←KDC とし、定常であれば、ステップ1105にて、 K←0 とする。
ステップ1108では、最終噴射量TAUを、TAU←(TP+K
・TPAEW)・FAF・α+βにより演算する。なお、α,β
は他の運転状態パラメータによって定まる補正量であ
る。次いで、ステップ1109にて、噴射量TAUをダウンカ
ウンタ108にセットすると共にフリップフロップ109をセ
ットして燃料噴射を開始させる。そして、ステップ1110
にてこのルーチンは終了する。
なお、上述のごとく、噴射量TAUに相当する時間が経
過すると、ダウンカウンタ108のボローアウト信号によ
ってフリップフロップ109がリセットされて燃料噴射は
終了する。
なお、第8図の実施例において、デポジット学習終了
後にリッチスキップ量RSRをデポジット学習開始時のリ
ッチスキップ量RSRAに戻しているが、戻さずにデポジッ
ト学習中にホールドされていたリッチスキップ量RSRを
用いてもよい。この場合、第8図のステップ816削除さ
れる。また、ステップ811において、学習値FGRSRの代り
にリッチスキップ量RSRを用いてもよい。
また、第1の空燃比フィードバック制御は4ms毎に、
また、第2の空燃比フィードバック制御は512ms毎に行
われるのは、空燃比フィードバック制御は応答性の良い
上流側O2センサによる制御を主として行い、応答性の悪
い下流側O2センサによる制御を従にして行うためであ
る。
また、上流側O2センサによる空燃比フィードバック制
御における他の制御定数、たとえば遅延時間、積分定
数、等を下流側O2センサの出力により補正するダブルO2
センサシステムにも、また、第2の空燃比補正係数を導
入するダブルO2センサシステムにも本発明を適用し得
る。また、スキップ量、遅延時間、積分定数のうちの2
つを同時に制御することにより制御性を向上できる。さ
らにスキップ量RSR,RSLのうちの一方を固定し他方のみ
を可変とすることも、遅延時間TDR,TDLのうちの一方を
固定し他方のみを可変とすることも、あるいはリッチ積
分定数KLR、リーン積分定数KILの一方を固定し他方を可
変とすることも可能である。
さらに、上述の実施例では、吸入空気圧および機関の
回転速度に応じて燃料噴射量を演算しているが、吸入空
気量および機関の回転速度、もしくはスロットル弁開度
および機関の回転速度に応じて燃料噴射量を演算しても
よい。
さらに、上述の実施例では、燃料噴射弁により吸気系
への燃料噴射量を制御する内燃機関を示したが、キャブ
レタ式内燃機関にも本発明を適用し得る。たとえば、エ
レクトリック・エア・コントロールバルブ(EACV)によ
り機関の吸入空気量を調整して空燃比を制御するもの、
エレクトリック・ブリード・エア・コントロールバルブ
によりキャブレタのエアブリード量を調整してメイン系
通路およびスロー系通路への大気の導入により空燃比を
制御するもの、機関の排気系へ送り込まれる2次空気量
を調整するもの、等に本発明を適用し得る。この場合に
は、ステップ1101における基本噴射量TAUP相当の基本燃
料噴射量がキャブレタ自身によって決定され、すなわ
ち、吸入空気量に応じた吸気管負圧と機関の回転速度に
応じて決定され、ステップ1108にて最終燃料噴射量TAU
に相当する供給空気量が演算される。
さらに、上述の実施例では、空燃比センサとしてO2
ンサを用いたが、COセンサ、リーンミクスチャセンサ等
を用いることもできる。特に、上流側空燃比センサとし
TiO2センサを用いると、制御応答性が向上し、下流側空
燃比センサの出力による過補正が防止できる。
さらに、上述の実施例はマイクロコンピュータすなわ
ちディジタル回路によって構成されているが、アナログ
回路により構成することもできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、デポジット学習
条件成立時に下流側空燃比センサによる空燃比フィード
バック制御定数の中心値(学習値)あるいは空燃比フィ
ードバック制御定数が初期化値近傍から外れた場合には
初期化値に戻してからホールドしているので該制御定数
のフィードバック制御によるデポジット学習値の誤学習
を防止でき、したがって、エミッションの悪化、ドライ
バビリティの悪化、燃費の悪化等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1A図、第1B図は本発明の構成を説明するための全体ブ
ロック図、 第2図はシングルO2センサシステムおよびダブルO2セン
サシステムを説明する排気エミッション特性図、 第3A図〜第3D図は本発明が解決しようとする課題を説明
する図、 第4A図〜第4C図は本発明の作用を説明する図、 第5図は本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一実
施例を示す全体概略図、 第6図、第8図、第9図、第10A図、第10B図、第11図は
第3図の制御回路の動作を説明するためのフローチャー
ト、 第7図は第6図のフローチャートを補足説明するための
タイミング図、 第10図は第10A図、第10B図の結合状態を示すブロック図
である。 1……機関本体、2……圧力センサ、 4……ディストリビュータ、 5,6……クランク角センサ、 10……制御回路、12……触媒コンバータ、 13……上流側O2センサ、 15……下流側O2センサ、 17……アイドルスイッチ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に設けられた三元触媒
    (12)と、 該三元触媒の上流側の排気通路に設けられ、前記機関の
    空燃比を検出する上流側空燃比センサ(13)と、 前記三元触媒の下流側の排気通路に設けられ、前記機関
    の空燃比を検出する下流側空燃比センサ(15)と、 該下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比フィードバ
    ック制御定数を演算する制御定数演算手段と、 該空燃比フィードバック制御定数の中心値を学習する制
    御定数学習手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているか否かを
    判別するデポジット学習条件判別手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているときに前
    記上流側空燃比センサの出力の偏差に応じてデポジット
    学習値を演算するデポジット学習手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているときに前
    記制御定数演算手段による空燃比フィードバック制御定
    数の更新を禁止する禁止手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているときに、
    前記学習された空燃比フィードバック制御定数の中心値
    が初期化値近傍の場合には該空燃比フィードバック制御
    定数をそのままホールドし、他方、前記初期化値近傍以
    外の場合には、該空燃比フィードバック制御定数を該初
    期化値にホールドするホールド手段と、 前記空燃比フィードバック制御定数及び前記上流側空燃
    比センサの出力に応じて空燃比補正量を演算する空燃比
    補正量演算手段と、 前記機関が非過渡状態時には前記空燃比補正量に応じて
    前記機関の空燃比を調整し、前記機関が過渡状態時には
    前記空燃比補正量及び前記デポジット学習値に応じて前
    記機関の空燃比を調整する空燃比調整手段と、 を具備する内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】内燃機関の排気通路に設けられた三元触媒
    (12)と、 該三元触媒の上流側の排気通路に設けられ、前記機関の
    空燃比を検出する上流側空燃比センサ(13)と、 前記三元触媒の下流側の排気通路に設けられ、前記機関
    の空燃比を検出する下流側空燃比センサ(15)と、 該下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比フィードバ
    ック制御定数を演算する制御定数演算手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているか否かを
    判別するデポジット学習条件判別手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているときに前
    記上流側空燃比センサの出力の偏差に応じてデポジット
    学習値を演算するデポジット学習手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているときに前
    記制御定数演算手段による空燃比フィードバック制御定
    数の更新を禁止する禁止手段と、 前記機関がデポジット学習条件を満たしているときに、
    前記空燃比フィードバック制御定数が初期化値近傍の場
    合には該空燃比フィードバック制御定数をそのままホー
    ルドし、他方、前記初期化値近傍以外の場合には、該空
    燃比フィードバック制御定数を該初期化値にホールドす
    るホールド手段と、 前記空燃比フィードバック制御定数及び前記上流側空燃
    比センサの出力に応じて空燃比補正量を演算する空燃比
    補正量演算手段と、 前記機関が非過渡状態時には前記空燃比補正量に応じて
    前記機関の空燃比を調整し、前記機関が過渡状態時には
    前記空燃比補正量及び前記デポジット学習値に応じて前
    記機関の空燃比を調整する空燃比調整手段と、 を具備する内燃機関の空燃比制御装置。
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