JP2671823B2 - 遅延時間算出装置 - Google Patents

遅延時間算出装置

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JP2671823B2
JP2671823B2 JP6245736A JP24573694A JP2671823B2 JP 2671823 B2 JP2671823 B2 JP 2671823B2 JP 6245736 A JP6245736 A JP 6245736A JP 24573694 A JP24573694 A JP 24573694A JP 2671823 B2 JP2671823 B2 JP 2671823B2
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幸彦 松田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は遅延時間算出装置に関
し、特に用途特定集積回路装置(Applicatio
n Specific Integrated Cir
cuit;以下、ASICと呼ぶ)等のセミカスタムL
SIの配線遅延時間計算に用いる遅延時間算出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動配置配線でチップ設計をするASI
Cでは、機能ブロック(2入力ナンドゲート、フリップ
フロップ等)の遅延時間はライブラリとして事前に確定
している値を用いる。だが、配線長はチップ設計が完了
するまでは確定しない。チップレイアウトが終わり配線
の実際の長さ(以下、実配線長と呼ぶ)がわかった時点
で、機能ブロックの遅延時間に実配線長による遅延時間
(以下、メディアディレイと呼ぶ)が加えられ、実チッ
プの遅延シミュレーションによる設計の検証(バックア
ノテーション)が可能になる。
【0003】このとき、メディアディレイは実配線長と
単位配線容量値の積が基本となるが、従来のASICに
おいてはチップ上最もありそうな配線構造というものを
想定してこの単位配線容量の値を決定していた。例え
ば、1[mm]のアルミニウム配線を想定し、その配線
容量値は「配線1[mm]の基板に対する容量値」に
「同層配線と最小間隔で500[μm]隣接することに
よる容量値」と「他の配線層と100[μm]交差する
ことによる容量値」とを加えた仮想的な合成容量値とし
て事前に算出されていた。そして、この算出値は同一設
計基準で設計される全てのASICにわたって用いられ
ていた。
【0004】図9はかかる従来の遅延時間の算出手順を
示すフローチャートである。
【0005】図において、従来は複数の設計例について
同一の手順で遅延時間を算出していたのであるが、ここ
では3つの設計例1〜3について遅延時間を算出するも
のとする。以下、設計例1を中心に説明する。
【0006】まず最初に自動配置配線を行う(ステップ
71)。次に、チップ上最もありそうな配線構造という
ものを想定して基本容量値CL を求める(ステップ7
2)。この基本容量値CL と実配線長との積にチップ内
の各ゲートの遅延時間を加えることにより、バックアノ
テーションによる遅延時間の計算を行う(ステップ7
3)。
【0007】設計例2及び3についても同一の基本容量
値CL を用いて遅延時間の計算を行う(ステップ74、
ステップ75)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した手順によれば
仮想的な容量値を基に遅延時間を算出することができ
る。しかし、チップ内の全ての配線が上述した仮想的な
構造と同等である訳ではない。実際のASIC設計で
は、顧客の用途別にLSIの構造は大きく異なる。よっ
て、上述の算出手順のようにLSI設計に供する配線容
量値を仮想的な構造によるただ一つ値とした場合、算出
された配線遅延時間には実際の値との誤差が多く含まれ
ることとなる。
【0009】遅延時間算出の精度を上げる方法として、
特開平2―87278号公報がある。これは、チップを
ある機能毎の領域(以下、ブロックと呼ぶ)に分けて、
そのブロック内で閉じる配線同士の交差数の実数をカウ
ントし配線容量値に反映させ、ブロック間の配線容量値
は経験値にて算出するというものである。
【0010】この方法では、顧客のチップ設計毎の配線
交差による影響が考慮されているが、それはブロック内
だけである。ブロック間の配線はブロック内の配線に比
べて総じて長くなる傾向にあり、単位長さ当りの容量値
の見当違いによる誤差は長い配線になればなるほど、メ
ディアディレイの大きなの大きな誤差となって現れると
いう欠点があった。
【0011】また、この方法では、配線の、同層配線と
の隣接の有無による容量値の増加が全く考慮されていな
いという欠点があった。
【0012】計算によるとシリコン基板上に単独で配置
された、幅1.2[μm]のアルミニウム配線の単位容
量値は0.11[pF/mm]である。しかし、その両
側の1.2[μm]離れたところに同様の配線が隣接し
た場合、その中央に位置する配線の単位容量値は0.1
7[pF/mm]となり、単独に敷設されたアルミニウ
ム配線の単位容量値に比べて約50[%]の増加とな
る。すなわち、配線遅延計算精度向上させる上で隣接配
線の有無による配線容量値の増加は無視できない。よっ
て、特開平2―87278号公報に開示されている方法
では、ASICの遅延時間算出精度を大きく向上させる
には至らないという欠点があった。
【0013】本発明は上述した従来技術の欠点を解決す
るためになされたものであり、その目的は遅延時間算出
精度を向上させることのできる遅延時間算出装置を提供
することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による遅延時間算
出装置は、配線板に含まれる全ての配線について他の配
線と隣接する比率である隣接率を算出する隣接率算出手
段と、前記配線板に含まれる全ての配線について他の配
線と交差する比率である交差率を算出する交差率算出手
段と、これら算出した隣接率及び交差率のうち夫々算出
頻度の高い隣接率及び交差率を基に前記配線板の代表容
量値を算出する代表容量値算出手段と、この算出された
代表容量値により前記配線板に含まれる全ての配線につ
いての遅延時間を求める遅延時間算出手段とを含むこと
を特徴とする。
【0015】
【作用】配線板に含まれる全ての配線について他の配線
と隣接する比率である隣接率を算出する。配線板に含ま
れる全ての配線について他の配線と交差する比率である
交差率を算出する。これら算出した隣接率及び交差率の
うち夫々算出頻度の高い隣接率及び交差率を基に配線板
の代表容量値を算出する。この算出された代表容量値に
より配線板に含まれる全ての配線についての遅延時間を
求める。
【0016】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0017】図1は本発明の一実施例による遅延時間算
出装置における遅延時間算出手順を示すフローチャート
である。
【0018】ゲートアレイ等のASICの設計では、機
能を実現するためのトランジスタは予め配線板たるチッ
プ上に配置されているが、配線の接続を換えることで顧
客毎の機能を実現している。
【0019】図1に示されているように、同一のチップ
サイズで3つの設計例1〜3があれば、配線の接続状態
は互いに異なるものとなる。ASICでは、各設計を自
動配置配線プログラムを用いて行う。本発明では自動配
置配線で設計した配線結果の状態を、交差状態と隣接状
態というふたつのパラメータで解析する。
【0020】図2には交差率の概念が示されている。A
SICでは、チップ上に配線用の仮想的な格子101〜
106が設定されており、全ての配線はこの格子上に形
成される。
【0021】いま、注目している配線200が他の層の
配線と何格子分交差しているかをカウントすることによ
り、交差率を算出する。図2(a)では、第1層に配線
200が形成され、この第1層より下の第2層に配線3
02、304、305が形成されている。そして、注目
している配線200が6格子分の長さがあり、そのうち
の3格子で他層の配線302、304、305と交差し
ている。これが交差率50[%]の例である。
【0022】また、同図(b)では、同じく第1層に配
線200が形成され、この第1層より下の第2層に配線
301〜306が形成されている。したがって、注目し
ている配線200は6格子で他層の配線301〜306
と交差している。これが交差率100[%]の例であ
る。
【0023】一方、図3には隣接率の概念が示されてい
る。
【0024】いま、注目している配線格子102上の配
線200が最小ピッチの配線格子101又は103上で
どの程度同層の配線と隣接しているかを測定することに
より、隣接率を算出する。図2(a)では、注目してい
る配線200より同層配線401の方が長い。したがっ
て、配線200の片側全てに同層配線401が隣接して
いるため、隣接率は100[%]である。
【0025】また、同図(b)では、注目している配線
200より同層配線401及び402の方が長い。した
がって、配線200の両側全てに同層配線401及び4
02が隣接しているため、隣接率は200[%]であ
る。
【0026】以上のような方法でチップ上の全ての配線
について隣接率及び交差率を算出し、図4及び図5に示
されているような交差率ヒストグラム及び隣接率ヒスト
グラムを得る。すなわち、図4では横軸側に配線の交差
率が0〜100[%]まで10[%]毎に区分けされて
おり、この区分けされた交差率毎の配線度数(本数)が
縦軸側に累算されている。同様に、図5では横軸側に配
線の隣接率が0〜200[%]まで20[%]毎に区分
けされており、この区分けされた隣接率毎の配線度数
(本数)が縦軸側に累算されている。
【0027】この例では、図4に示されているように、
交差率40[%]の配線の本数が最も多いことがわか
る。また、図5に示されているように、隣接率140
[%]の配線の本数が最も多いことがわかる。
【0028】つまり、これらヒストグラムの分布解析に
より、最も算出頻度の高い交差率及び隣接率を得るので
ある。特に頻度の差がない場合は、加重平均値を交差率
及び隣接率とする。以上のような方法で交差率及び隣接
率を実際のチップから得た後、次の計算式(1)を用い
ることにより夫々の設計例を代表する基本配線容量値、
すなわち代表容量値を求める。
【0029】 基本配線容量値=対基板容量値 +基本交差容量値×(1mm当りの交差箇所数) ×(交差率/100) +基本隣接容量値×(隣接率/100)[pF/mm] …(1) なお、対基板容量値、基本交差容量値、基本隣接容量値
に相当する配線容量値は予めそのASICを作成する配
線パラメータを用いて計算しておく。
【0030】図1に戻り、設計例1を中心に説明する。
まず最初に従来と同様に自動配置配線を行う(ステップ
11)。次に、チップ上の全ての配線の交差・隣接状態
を解析する(ステップ12)。この解析により、図2に
示されている条件に従って交差率A1を算出し、図3に
示されている条件に従って隣接率B1を算出する(ステ
ップ13)。
【0031】この算出した交差率A1及び隣接率B1を
上述の式(1)に代入して代表容量値C1を求める(ス
テップ16)。
【0032】最後に、この求めた代表容量値C1と実配
線長との積にゲート遅延時間を加えることにより、設計
例1のバックアノテーションによる遅延時間の計算を行
う(ステップ19)。
【0033】設計例2及び3についても、同様に交差率
A2及び隣接率B2、交差率A3及び隣接率B3を夫々
算出した後、各設計例における配線パラメータと共に上
述の式(1)に代入して代表容量値C2、C3を夫々求
める(ステップ14→17、ステップ15→18)。
【0034】最後に、この求めた代表容量値C2、C3
と実配線長との積にゲート遅延時間を加えることによ
り、設計例2、設計例3のバックアノテーションによる
遅延時間の計算を夫々行う(ステップ20、21)。
【0035】つまり、従来は全設計例について同一基本
容量値を用いていたのであるが、本発明では各設計例毎
に遅延時間を算出して遅延時間を算出しているのであ
る。
【0036】ここで、対基板容量値、基本交差容量値及
び基本隣接容量値の計算方法について説明する。これら
を算出するためには種々の計算式が知られているが、こ
こでは文献「デジタルCMOSの回路設計」、平野浩太
郎、富田昌宏著、コロナ社発行の115〜116頁に記
載されている式、文献「VLSI配線容量の実験的評価
と3次元シミュレータによる解析」、小野寿子、牛久幸
広、執行直之、電子情報通信学会技術研究報告、VO
L.87,NO.166、41〜42頁(VLD87―
71)1987に記載されている式について述べる。
【0037】まず、前者に記載されている式について述
べる。図7(a)に示されているように線長L、線幅
W、厚さTの配線が厚さHの酸化膜上に形成される場
合、単一の絶縁された配線の単位長当りの容量Cは、経
験による式 C=ε0 εOX[1.15(W/H)+2.8(T/H)0.222 ]…(2) を用いることによって計算できる。なお、ε0 は真空中
の誘電率、εOXは酸化膜中の誘電率である。この式
(2)を用いれば、対基板容量値を算出することができ
る。ところでこの式(2)を、有限長の線の四すみが全
体の容量に与える影響を考慮するように修正すると、同
文献に記載されているように、 C=ε0 εOX[1.15(LW/H)+1.4(2W+2L)(T/H)0.22 2 +4.12H(T/H)0.728 ]…(3) となる。
【0038】また、図7(b)に示されているように線
長L、線幅W、厚さTの2つの配線が厚さHの酸化膜上
に平行に形成される場合、相互容量があるので、式
(2)をそのまま用いることはできない。すなわち、各
導体の容量Ca は、それ自身の固有の容量C
a (intrinsic) と他の導体の結合容量Cab(coupling)
の和になる。
【0039】ここで、Ca (intrinsic) は、式(2)で
求められ、またCab(coupling)は、 Cab(coupling)=ε0 εOX[0.33(W/H)+0.83(T/H)−0. 07(T/H)0.222 ](S/H)-1.34 …(4) となる。なお、Sは2つの平行導体の間の間隔である。
この式(4)を用いれば、基本隣接容量値を算出するこ
とができ、さらに同図(b)を90度回転させた配置を
考えれば、基本交差容量値を算出することができる。
【0040】次に、後者に記載されている式について述
べる。図8に示されているように、導体iとjとの間の
容量Cijは、基準となるバイアス状態から導体iの電位
をΔVi変化させ、それにより誘起される導体jの電荷
の変化量ΔQjを求めることにより、 i≠jのとき、Cij=−ΔQj/ΔVi…(5) i=jのとき、Cij=ΔQj/ΔVi …(6) となる。電荷量は、導体jの表面積Sjで電束密度を積
分して求めれば良い。電荷量が求まれば、式(5)又は
式(6)により容量Cijを求めることができる。この考
え方によれば、対基板容量値、基本交差容量値及び基本
隣接容量値を計算することができる。
【0041】次に、式(1)を用いた具体的計算例を示
す。
【0042】今、第1層配線の配線幅が0.8[μ
m]、配線ピッチが1.6[μm]、対基板容量値が
1.09×10-4[pF/μm]、基本交差容量値が
5.60×10-4[pF/1カ所]、基本隣接容量値が
5.64×10-5[pF/μm]であるとし、1[m
m]の第1層配線の基本配線容量値を求めると以下のよ
うになる。
【0043】まず、1[mm]の配線が他層の配線と交
差する最大本数は、配線ピッチが1.6[μm]である
から、1/0.0016=625本である。そして、交
差率が40[%]、隣接率が140[%]である。
【0044】よって、これらを式(1)に代入すれば、 基本配線容量値= 1.09×10-4×103+5.6
0×10-4×625×0.4+5.64×10-5×10
3 ×1.4= 0.32796≒ 0.33[pF/m
m] となる。
【0045】また、第2層配線の配線幅が1.1[μ
m]、配線ピッチが1.6[μm]、対基板容量値が
9.87×10-5[pF/μm]、基本交差容量値が
5.60×10-4[pF/1カ所]、基本隣接容量値が
7.97×10-5[pF/μm]であるとし、1[m
m]の第2層配線の基本配線容量値を求めると以下のよ
うになる。
【0046】まず、1[mm]の配線が他層の配線と交
差する最大本数は、配線ピッチが1.6[μm]である
から、1/0.0016=625[本]である。そし
て、交差率が40[%]、隣接率が140[%]であ
る。
【0047】よって、これらを式(1)に代入すれば、 基本配線容量値= 9.87×10-5×103+5.6
0×10-4×625×0.4+7.97×10-5×10
3 ×1.4= 0.35028≒ 0.35[pF] となる。
【0048】以上のように算出した基本配線容量値を用
いて全ての配線についての遅延時間を求めることによ
り、精度の高いLSI設計を行うことができるのであ
る。
【0049】つまり本発明では、LSIを自動配置配線
プログラムを用いて、設計した結果のチップ上の多層配
線の隣接・交差状態を解析して、隣接状態分布、交差状
態分布を得るのである。そして、その解析したチップ上
の対基板配線容量値に対して、隣接・交差状態分布解析
から得られた、最も度数の多い隣接状態から得られる隣
接容量値と、最も度数の多い交差状態から得られる交差
容量値を加算することにより、その特定のLSIを代表
する、メディアディレイ計算用の配線容量値を提供する
ものである。
【0050】これにより、チップ内の単位長さ当りの配
線容量に、そのチップ固有の配線の粗密・混雑状況が反
映されることになる。よって、従来はASICの設計環
境を提供する側が想定していた唯一の配線容量値が、夫
々の特定のLSIを代表する固有値にとってかわること
になる。
【0051】例えば、図4、図5のような交差・隣接の
分布を有するLSIがあったなら、本発明によると配線
が基板に対して有する容量に40[%]の交差率に相当
する容量値と140[%]の隣接率に相当する容量値と
を加え、そのLSIの代表する固有の配線容量として設
計に供するのである。この場合、上述したように1[m
m]の第1層配線について考えると、0.33[pF]
という値がそのチップを代表する値になる。
【0052】しかし、従来例のように、全てのチップに
同一の値を適用していた場合、例えば第1層配線につい
て0.25[pF/mm]という固定値を用い場合と比
べると、そのチップの配線容量値の見積もり精度は約2
5[%]向上したことになる。 よって、ASICの設
計の際に本発明を適用することで、従来よりもより精度
の高いLSI設計を行うことができるのである。
【0053】ところで、ASICチップは、場合により
いくつかの大きな領域に機能的に分割して設計される場
合がある。例えば、図6に示されているチップ5では、
大きく3つの領域(マクロと呼ぶ)61〜63に機能的
に分割されている。
【0054】このASICのチップ5は、階層的に分割
して設計されたものである。この場合、それぞれのマク
ロ61〜63内では各論理ゲートの結びつきが強く、こ
れにより配線相互間の隣接・交差状態もその領域の大き
さ、縦横比、密度に大きく左右される。そこで、上述し
た式(1)を各マクロ毎の配線71〜73について適用
して配線容量値を算出すれば、マクロを無視してチップ
全体について式(1)を適用するよりも、より精度の高
いLSI設計を行うことができるのである。
【0055】また、マクロ内だけでなく、マクロ間領域
8の配線について式(1)を適用して配線容量値を算出
すれば、同様により精度の高いLSI設計を行うことが
できる。
【0056】以上の場合、各マクロ上を通過する配線に
ついては夫々の領域で求められた代表容量値を用い、マ
クロ間配線9については夫々式(1)を用いて配線容量
値を求めれば良い。
【0057】したがって、請求項の記載に関連して本発
明はさらに次の態様をとりうる。
【0058】(1)配線板内の特定領域に含まれる全て
の配線について他の配線と隣接する比率である隣接率を
算出する隣接率算出手段と、前記特定領域に含まれる全
ての配線について他の配線と交差する比率である交差率
を算出する交差率算出手段と、これら算出した隣接率及
び交差率のうち夫々算出頻度の高い隣接率及び交差率を
基に前記特定領域の代表容量値を算出する代表容量値算
出手段と、この算出された代表容量値により前記特定領
域に含まれる全ての配線についての遅延時間を求める遅
延時間算出手段とを含むことを特徴とする遅延時間算出
装置。
【0059】(2)配線板内の特定領域に含まれる全て
の配線について他の配線と隣接する比率である隣接率を
算出する隣接率算出手段と、前記特定領域に含まれる全
ての配線について他の配線と交差する比率である交差率
を算出する交差率算出手段と、配線同士が交差する交差
点1箇所当りの静電容量値である基本交差容量値と算出
頻度の高い交差率との積と、配線同士が隣接する隣接点
1箇所当りの静電容量値である基本隣接容量値と算出頻
度の高い隣接率との積と、その配線と前記配線板の基板
との間の静電容量値である対基板容量値との和により前
記代表容量値を算出する代表容量値算出手段と、この算
出された代表容量値により前記特定領域に含まれる全て
の配線についての遅延時間を求める遅延時間算出手段と
を含むことを特徴とする遅延時間算出装置。
【0060】(3)配線板内の特定領域に含まれる全て
の配線についてその配線が同層の配線と隣接しうる最大
隣接数に対する実際に隣接している隣接の程度により前
記隣接率を算出する前記隣接率算出手段と、前記特定領
域に含まれる全ての配線についてその配線が他層の配線
と交差しうる最大交差数に対する実際に交差している交
差数の比率により前記交差率を算出する交差率算出手段
と、これら算出した隣接率及び交差率のうち夫々算出頻
度の高い隣接率及び交差率を基に前記特定領域の代表容
量値を算出する代表容量値算出手段と、この算出された
代表容量値により前記特定領域に含まれる全ての配線に
ついての遅延時間を求める遅延時間算出手段とを含むこ
とを特徴とする遅延時間算出装置。
【0061】(4)配線板内の特定領域に含まれる全て
の配線について他の配線と隣接する比率である隣接率を
算出する隣接率算出手段と、前記特定領域に含まれる全
ての配線についてその配線が他層の配線と交差しうる最
大交差数に対する実際に交差している交差数の比率によ
り前記交差率を算出する交差率算出手段と、これら算出
した隣接率及び交差率のうち夫々算出頻度の高い隣接率
及び交差率を基に前記特定領域の代表容量値を算出する
代表容量値算出手段と、この算出された代表容量値によ
り前記特定領域に含まれる全ての配線についての遅延時
間を求める遅延時間算出手段とを含むことを特徴とする
遅延時間算出装置。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、全ての配
線について隣接率及び交差率を算出し、この算出した隣
接率及び交差率のうち夫々算出頻度の高い隣接率及び交
差率を基に配線板の代表容量値を算出し、この代表容量
値により配線板に含まれる全ての配線についての遅延時
間を求めることにより、精度の高いLSI設計を行うこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による遅延時間算出装置におけ
る遅延時間算出手順を示すフローチャートである。
【図2】交差率の概念を示す図であり、(a)は交差率
50[%]、(b)は交差率100[%]の場合を夫々
示す。
【図3】隣接率の概念を示す図であり、(a)は隣接率
100[%]、(b)は隣接率200[%]の場合を夫
々示す。
【図4】交差率分布のヒストグラム例を示す図である。
【図5】隣接率分布のヒストグラム例を示す図である。
【図6】ASICチップの概略構成図である。
【図7】対基板容量値、基本交差容量値及び基本隣接容
量値の計算方法の概略を示す図である。
【図8】対基板容量値、基本交差容量値及び基本隣接容
量値の計算方法の概略を示す図である。
【図9】従来の遅延時間算出手順を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
101〜106 配線格子 200、301〜306、401、402 配線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線板に含まれる全ての配線について他
    の配線と隣接する比率である隣接率を算出する隣接率算
    出手段と、前記配線板に含まれる全ての配線について他
    の配線と交差する比率である交差率を算出する交差率算
    出手段と、これら算出した隣接率及び交差率のうち夫々
    算出頻度の高い隣接率及び交差率を基に前記配線板の代
    表容量値を算出する代表容量値算出手段と、この算出さ
    れた代表容量値により前記配線板に含まれる全ての配線
    についての遅延時間を求める遅延時間算出手段とを含む
    ことを特徴とする遅延時間算出装置。
  2. 【請求項2】 前記代表容量値算出手段は、配線同士が
    交差する交差点1箇所当りの静電容量値である基本交差
    容量値と前記算出頻度の高い交差率との積と、配線同士
    が隣接する隣接点1箇所当りの静電容量値である基本隣
    接容量値と前記算出頻度の高い隣接率との積と、その配
    線と前記配線板の基板との間の静電容量値である対基板
    容量値との和により前記代表容量値を算出することを特
    徴とする請求項1記載の遅延時間算出装置。
  3. 【請求項3】 前記隣接率算出手段は、その配線が同層
    の配線と隣接しうる最大隣接数に対する実際に隣接して
    いる隣接の程度により前記隣接率を算出することを特徴
    とする請求項1記載の遅延時間算出装置。
  4. 【請求項4】 前記交差率算出手段は、その配線が他層
    の配線と交差しうる最大交差数に対する実際に交差して
    いる交差数の比率により前記交差率を算出することを特
    徴とする請求項1記載の遅延時間算出装置。
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