JP2671757B2 - 継目無管製造用マンドレルバーの製造方法 - Google Patents
継目無管製造用マンドレルバーの製造方法Info
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- JP2671757B2 JP2671757B2 JP5143156A JP14315693A JP2671757B2 JP 2671757 B2 JP2671757 B2 JP 2671757B2 JP 5143156 A JP5143156 A JP 5143156A JP 14315693 A JP14315693 A JP 14315693A JP 2671757 B2 JP2671757 B2 JP 2671757B2
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- manufacturing
- mandrel
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺の継目無金属管製
造用マンドレルバーの製造方法に関する。
造用マンドレルバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マンドレルミルによる継目無鋼管の製造
においては、加熱後の丸鋼片が穿孔機で穿孔され、得ら
れる熱間素管にマンドレルバーが挿入され、マンドレル
ミルで圧延される。圧延後、マンドレルバーが引き抜か
れ、管は次工程へ送られるが、このとき用いられるマン
ドレルバーは20数mにも及ぶ長尺の部材で、一般にJISG
4404に規定されたCr−Mo系あるいはCr−Mo−V系の熱間
金型用鋼材が素材鋼として用いられている。
においては、加熱後の丸鋼片が穿孔機で穿孔され、得ら
れる熱間素管にマンドレルバーが挿入され、マンドレル
ミルで圧延される。圧延後、マンドレルバーが引き抜か
れ、管は次工程へ送られるが、このとき用いられるマン
ドレルバーは20数mにも及ぶ長尺の部材で、一般にJISG
4404に規定されたCr−Mo系あるいはCr−Mo−V系の熱間
金型用鋼材が素材鋼として用いられている。
【0003】マンドレルバーは、短尺のマンドレルバー
素材が溶接により継ぎ足され、あるいは一体物を素材と
して、所定の長さに調整された後、先端および後端部
分、ならびに外周に加工が施され、さらに研磨された後
熱処理が施されて製造される(日本鉄鋼協会編 第3版
鉄鋼便覧 第III 巻 (2) 昭和55年丸善株式会社発
行) 。
素材が溶接により継ぎ足され、あるいは一体物を素材と
して、所定の長さに調整された後、先端および後端部
分、ならびに外周に加工が施され、さらに研磨された後
熱処理が施されて製造される(日本鉄鋼協会編 第3版
鉄鋼便覧 第III 巻 (2) 昭和55年丸善株式会社発
行) 。
【0004】短尺のマンドレルバー素材から製造する場
合は、通常、10数mの素材2本をアーク溶接して長尺の
マンドレルバーとするのであるが、素材には合金元素が
多量に含まれているので焼入性が高く、溶接時に割れが
発生しやすい。従って、溶接施工時には、厳しい予熱管
理および後熱管理(予・後熱管理)が必要で、例えば、
予熱温度を 400℃とし、溶接終了直後 200〜300 ℃に保
持する必要がある。そのため、溶接に携わる作業者は保
護具をつけているといえども高温の厳しい環境下での作
業を強いられる。
合は、通常、10数mの素材2本をアーク溶接して長尺の
マンドレルバーとするのであるが、素材には合金元素が
多量に含まれているので焼入性が高く、溶接時に割れが
発生しやすい。従って、溶接施工時には、厳しい予熱管
理および後熱管理(予・後熱管理)が必要で、例えば、
予熱温度を 400℃とし、溶接終了直後 200〜300 ℃に保
持する必要がある。そのため、溶接に携わる作業者は保
護具をつけているといえども高温の厳しい環境下での作
業を強いられる。
【0005】また、圧延に使用され、摩耗や疵が発生し
て表面状態が悪くなったマンドレルバーは、その表面を
削り取って小径管製造用のマンドレルバーとして再使用
されるか、あるいは廃棄される。しかし、廃棄する場合
は勿論、再使用する場合にも表面研削の手間がかかるの
で、いずれもバー原単位の悪化につながる。
て表面状態が悪くなったマンドレルバーは、その表面を
削り取って小径管製造用のマンドレルバーとして再使用
されるか、あるいは廃棄される。しかし、廃棄する場合
は勿論、再使用する場合にも表面研削の手間がかかるの
で、いずれもバー原単位の悪化につながる。
【0006】ところで、20数mの長尺のマンドレルバー
を圧延に使用した場合、表面状態が顕著に劣化する箇所
は高温の素管に挿入される先端部であり、ほとんどの場
合バーの後半部は使用前とほぼ同様な表面状態を保って
いる。そこで、従来から、マンドレルバーの先端部の補
修が試みられており、特開平4−344805号公報には、使
用済マンドレルバーの先半部のみを取り替え補修する方
法が開示されている。この方法は、使用済マンドレルバ
ーの先半部を後半部から切り離し、新規のマンドレルバ
ーの先半部に代えてその先半部と後半部の間に短尺の接
合部材を挿入し、前記先半部と後半部とを短尺の接合部
材に押し付けるとともに短尺の接合部材を回転させて摩
擦圧接する方法で、極めて短時間で接合が完了する高能
率な接合方法であるが、大きな加圧力を必要とするため
被接合部材の変形を伴うとともに接合部にバリと呼ばれ
る不要なはみだしが発生する。従って、バリの研削除去
などに多大な時間を要するという問題がある。
を圧延に使用した場合、表面状態が顕著に劣化する箇所
は高温の素管に挿入される先端部であり、ほとんどの場
合バーの後半部は使用前とほぼ同様な表面状態を保って
いる。そこで、従来から、マンドレルバーの先端部の補
修が試みられており、特開平4−344805号公報には、使
用済マンドレルバーの先半部のみを取り替え補修する方
法が開示されている。この方法は、使用済マンドレルバ
ーの先半部を後半部から切り離し、新規のマンドレルバ
ーの先半部に代えてその先半部と後半部の間に短尺の接
合部材を挿入し、前記先半部と後半部とを短尺の接合部
材に押し付けるとともに短尺の接合部材を回転させて摩
擦圧接する方法で、極めて短時間で接合が完了する高能
率な接合方法であるが、大きな加圧力を必要とするため
被接合部材の変形を伴うとともに接合部にバリと呼ばれ
る不要なはみだしが発生する。従って、バリの研削除去
などに多大な時間を要するという問題がある。
【0007】一方、鋼材の接合方法として、被接合材を
それより低融点のインサート材を挟んで突き合わせ、加
熱接合する拡散接合法があり、この方法を条材(鉄筋、
棒鋼、形鋼等)の接合に応用する技術が特開平2−7547
8 号公報あるいは特開平3−230874号公報に開示されて
いる。
それより低融点のインサート材を挟んで突き合わせ、加
熱接合する拡散接合法があり、この方法を条材(鉄筋、
棒鋼、形鋼等)の接合に応用する技術が特開平2−7547
8 号公報あるいは特開平3−230874号公報に開示されて
いる。
【0008】この拡散接合法は、短時間で高品質の継手
が得られるという特徴を有しているが、接合に際して大
きな加圧力を必要とするため接合時の変形が大きく、摩
擦圧接の場合と同様、接合後の接合部の研削作業に時間
を要するため、マンドレルバー素材の接合には使用され
ていなかった。
が得られるという特徴を有しているが、接合に際して大
きな加圧力を必要とするため接合時の変形が大きく、摩
擦圧接の場合と同様、接合後の接合部の研削作業に時間
を要するため、マンドレルバー素材の接合には使用され
ていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、短尺のマン
ドレルバー素材を拡散接合により接合して得られる長尺
の継目無管製造用マンドレルバー、および、このマンド
レルバーの製造方法を提供することを課題としてなされ
たものである。
ドレルバー素材を拡散接合により接合して得られる長尺
の継目無管製造用マンドレルバー、および、このマンド
レルバーの製造方法を提供することを課題としてなされ
たものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
継目無管製造用マンドレルバーの製造方法にある。
継目無管製造用マンドレルバーの製造方法にある。
【0011】『複数のマンドレルバー接合素材の端面を
接合して継目無管製造用マンドレルバーを製造する方法
であって、マンドレルバー接合素材の端面の表面粗さを
最大高さ(Rmax )で 100μm以下に加工した後、この
マンドレルバー接合素材をクランプ機構により挟持し、
接合界面にマンドレルバー接合素材より低融点のインサ
ート材を入れ、かつ、突き合わせ時の端面の間隙がマン
ドレルバー接合素材の径の10%以下となるように突き合
わせ、その突き合わせ部の近傍を非酸化性雰囲気に保持
しながら1200〜1300℃の温度域で60秒以上加熱し、接合
面に作用する加圧力を 0.5〜3.0kgf/mm2としてマンドレ
ルバー接合素材の端面を拡散接合することを特徴とする
継目無管製造用マンドレルバーの製造方法。』前記のマ
ンドレルバー接合素材とは、溶接によりマンドレルバー
を製造する場合の素材となる短尺のマンドレルバー素材
で、所定の化学組成を有する鋼から新規に作製したもの
であっても、あるいは、使用済のマンドレルバーから摩
耗や疵の発生により表面状態が悪化した部分を除いたも
のであってもよい。
接合して継目無管製造用マンドレルバーを製造する方法
であって、マンドレルバー接合素材の端面の表面粗さを
最大高さ(Rmax )で 100μm以下に加工した後、この
マンドレルバー接合素材をクランプ機構により挟持し、
接合界面にマンドレルバー接合素材より低融点のインサ
ート材を入れ、かつ、突き合わせ時の端面の間隙がマン
ドレルバー接合素材の径の10%以下となるように突き合
わせ、その突き合わせ部の近傍を非酸化性雰囲気に保持
しながら1200〜1300℃の温度域で60秒以上加熱し、接合
面に作用する加圧力を 0.5〜3.0kgf/mm2としてマンドレ
ルバー接合素材の端面を拡散接合することを特徴とする
継目無管製造用マンドレルバーの製造方法。』前記のマ
ンドレルバー接合素材とは、溶接によりマンドレルバー
を製造する場合の素材となる短尺のマンドレルバー素材
で、所定の化学組成を有する鋼から新規に作製したもの
であっても、あるいは、使用済のマンドレルバーから摩
耗や疵の発生により表面状態が悪化した部分を除いたも
のであってもよい。
【0012】マンドレルバー接合素材の接合すべき端面
の表面粗さとは、JIS B 0601に規定された最大高さ(R
max )で表した表面粗さである。
の表面粗さとは、JIS B 0601に規定された最大高さ(R
max )で表した表面粗さである。
【0013】また、突き合わせ時の端面の間隙とは、図
2に示すようにマンドレルバー接合素材1、1のそれぞ
れの軸が同一線上に重なるように端面を突き合わせたと
きに生じる間隙d(mm)を意味する。なお、この間隙d
(mm)のマンドレルバー接合素材1の外径D(mm)に対
する比(d/D)×100 を、突き合わせ時の端面の精度
Gという。
2に示すようにマンドレルバー接合素材1、1のそれぞ
れの軸が同一線上に重なるように端面を突き合わせたと
きに生じる間隙d(mm)を意味する。なお、この間隙d
(mm)のマンドレルバー接合素材1の外径D(mm)に対
する比(d/D)×100 を、突き合わせ時の端面の精度
Gという。
【0014】
【作用】本発明方法によって製造されるマンドレルバー
は、少なくとも一箇所、例えば中央部に拡散接合した部
分を有する継目無管製造用マンドレルバーである。通常
は、必要なマンドレルバーの長さの1/2の長さを有す
る素材2本を接合して所定の長さのマンドレルバーとす
るので中央部に拡散接合した部分を有するが、これに限
らず、3本以上の短尺のマンドレルバー接合素材が拡散
接合により軸方向に接合されてなる二箇所以上に接合部
分を有するマンドレルバーであってもよい。前記のよう
に、マンドレルバー接合素材は、全てが所定の化学組成
を有する鋼から新規に作製したものであってもよいし、
一部または全部が使用済のマンドレルバーからその表面
状態の劣化の程度が著しい部分を除いたものであっても
よい。
は、少なくとも一箇所、例えば中央部に拡散接合した部
分を有する継目無管製造用マンドレルバーである。通常
は、必要なマンドレルバーの長さの1/2の長さを有す
る素材2本を接合して所定の長さのマンドレルバーとす
るので中央部に拡散接合した部分を有するが、これに限
らず、3本以上の短尺のマンドレルバー接合素材が拡散
接合により軸方向に接合されてなる二箇所以上に接合部
分を有するマンドレルバーであってもよい。前記のよう
に、マンドレルバー接合素材は、全てが所定の化学組成
を有する鋼から新規に作製したものであってもよいし、
一部または全部が使用済のマンドレルバーからその表面
状態の劣化の程度が著しい部分を除いたものであっても
よい。
【0015】この方法を実施するための接合システムの
一例の模式図を図1に示す。図1の(a) は接合前の状
態、(b) は接合後の状態である。図1(a) において、1
がマンドレルバー接合素材であり、接合に際しては、こ
のマンドレルバー接合素材1、1をそれらの軸が同一線
上に重なるようにクランプ機構4、4により挟持し、イ
ンサート材2をマンドレルバー接合素材1、1の端面間
に挟んだ状態で突き合わせ、接合部を覆うように配置さ
れた加熱装置3により接合部近傍を加熱する。加熱装置
3の内部には不活性ガスを送通して(図では窒素ガスを
送通)、加熱を非酸化性雰囲気中で行うことが可能であ
る。なお、送通したガスは矢印(破線)で示したように
マンドレルバー接合素材1と加熱装置3の間の隙間から
装置3外へ排出される。
一例の模式図を図1に示す。図1の(a) は接合前の状
態、(b) は接合後の状態である。図1(a) において、1
がマンドレルバー接合素材であり、接合に際しては、こ
のマンドレルバー接合素材1、1をそれらの軸が同一線
上に重なるようにクランプ機構4、4により挟持し、イ
ンサート材2をマンドレルバー接合素材1、1の端面間
に挟んだ状態で突き合わせ、接合部を覆うように配置さ
れた加熱装置3により接合部近傍を加熱する。加熱装置
3の内部には不活性ガスを送通して(図では窒素ガスを
送通)、加熱を非酸化性雰囲気中で行うことが可能であ
る。なお、送通したガスは矢印(破線)で示したように
マンドレルバー接合素材1と加熱装置3の間の隙間から
装置3外へ排出される。
【0016】図1(b) において、クランプ機構4、4は
ジャッキ7のヘッド6、およびヘッド6に摺動可能に取
り付けられた連結体5にそれぞれ接続されており、加熱
中にヘッド6をジャッキ7により連結体5に沿って図に
示した矢印の方向へ、すなわち破線で示した接合前の状
態から実線で示した状態へ摺動させることにより、マン
ドレルバー接合素材1、1の接合面に所定の荷重を付加
して接合することができる。後述するように、過大な荷
重を要しないように接合面の粗さを調整しているので、
接合部の変形は極めて少ない。
ジャッキ7のヘッド6、およびヘッド6に摺動可能に取
り付けられた連結体5にそれぞれ接続されており、加熱
中にヘッド6をジャッキ7により連結体5に沿って図に
示した矢印の方向へ、すなわち破線で示した接合前の状
態から実線で示した状態へ摺動させることにより、マン
ドレルバー接合素材1、1の接合面に所定の荷重を付加
して接合することができる。後述するように、過大な荷
重を要しないように接合面の粗さを調整しているので、
接合部の変形は極めて少ない。
【0017】なお、図1では接合箇所が一箇所である
が、上記のような接合システムを複数基設け、3本以上
のマンドレルバー接合素材を用いて二箇所以上で同時に
接合してもよい。
が、上記のような接合システムを複数基設け、3本以上
のマンドレルバー接合素材を用いて二箇所以上で同時に
接合してもよい。
【0018】本発明方法においては、マンドレルバー接
合素材の端面の表面粗さを最大高さ(Rmax )で 100μ
m以下に加工する必要がある。これは、表面粗さがRma
x で100μmを超えると、接合面を密着させるために過
大の力が必要となり、接合中および接合後の変形が大き
くなって接合後の研削作業に必要以上に時間を要するこ
とになる。
合素材の端面の表面粗さを最大高さ(Rmax )で 100μ
m以下に加工する必要がある。これは、表面粗さがRma
x で100μmを超えると、接合面を密着させるために過
大の力が必要となり、接合中および接合後の変形が大き
くなって接合後の研削作業に必要以上に時間を要するこ
とになる。
【0019】突き合わせ時の端面の間隙d(図2参照)
のマンドレルバー接合素材1の外径Dに対する比(d/
D)×100 、すなわち突き合わせ精度Gを10%以下とす
るのは、10%を超えると接合欠陥が発生しやすくなると
ともに、接合した後のマンドレルバーに曲がりが生じる
原因になるからである。
のマンドレルバー接合素材1の外径Dに対する比(d/
D)×100 、すなわち突き合わせ精度Gを10%以下とす
るのは、10%を超えると接合欠陥が発生しやすくなると
ともに、接合した後のマンドレルバーに曲がりが生じる
原因になるからである。
【0020】インサート材は、マンドレルバー接合素材
より低融点のものであれば、材質的には特に限定されな
い。鋼材の拡散接合に一般に用いられるニッケル(Ni)
基あるいは鉄(Fe)基のインサート材を使用すればよ
い。これらのインサート材は、NiあるいはFeに融点降下
元素として珪素(Si)あるいはほう素(B)などを数%
含有させた材料であるが、それぞれの代表的な組成、な
らびに、その組成に対応するNi基あるいはFe基のインサ
ート材の固相線および液相線上の温度を表1に示す。
より低融点のものであれば、材質的には特に限定されな
い。鋼材の拡散接合に一般に用いられるニッケル(Ni)
基あるいは鉄(Fe)基のインサート材を使用すればよ
い。これらのインサート材は、NiあるいはFeに融点降下
元素として珪素(Si)あるいはほう素(B)などを数%
含有させた材料であるが、それぞれの代表的な組成、な
らびに、その組成に対応するNi基あるいはFe基のインサ
ート材の固相線および液相線上の温度を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】マンドレルバー接合素材の接合界面にイン
サート材を入れて突き合わせ、その突き合わせ部の近傍
を加熱する際の温度は、インサート材の融点以上でマン
ドレルバー接合素材の融点以下であればよい。しかし、
接合温度が高いほどインサート材に含まれる融点降下元
素の被接合材中への拡散に必要な時間が短く、能率的で
ある。一方、あまり高温になると被接合材であるマンド
レルバー接合素材の性能劣化が著しく、好ましくない。
従って、本発明方法においては、後述する加熱(保持)
時間を考慮して、1200〜1300℃の温度域で加熱する。
サート材を入れて突き合わせ、その突き合わせ部の近傍
を加熱する際の温度は、インサート材の融点以上でマン
ドレルバー接合素材の融点以下であればよい。しかし、
接合温度が高いほどインサート材に含まれる融点降下元
素の被接合材中への拡散に必要な時間が短く、能率的で
ある。一方、あまり高温になると被接合材であるマンド
レルバー接合素材の性能劣化が著しく、好ましくない。
従って、本発明方法においては、後述する加熱(保持)
時間を考慮して、1200〜1300℃の温度域で加熱する。
【0023】加熱の際は、接合面の酸化による接合不良
を避けるために接合部近傍を非酸化性雰囲気とすること
が必要である。従って、図1(a) に示したように、加熱
装置3の内部に例えばアルゴンガスあるいは窒素ガスな
どの不活性ガスを送通して外気(空気)からシールドす
る。
を避けるために接合部近傍を非酸化性雰囲気とすること
が必要である。従って、図1(a) に示したように、加熱
装置3の内部に例えばアルゴンガスあるいは窒素ガスな
どの不活性ガスを送通して外気(空気)からシールドす
る。
【0024】加熱方法としては、誘導加熱方式が、接合
部近傍に不活性ガスを送通して非酸化性雰囲気を確保し
やすく、設備的に簡素で、好適であるが、リングバーナ
ーなどを取り付けたガス加熱方式を用い、強還元炎によ
り還元性雰囲気として拡散接合してもよい。
部近傍に不活性ガスを送通して非酸化性雰囲気を確保し
やすく、設備的に簡素で、好適であるが、リングバーナ
ーなどを取り付けたガス加熱方式を用い、強還元炎によ
り還元性雰囲気として拡散接合してもよい。
【0025】上記の加熱温度域での保持時間は60秒以上
とする。60秒未満ではインサート材中の融点降下元素の
被接合材中への拡散が十分行われず、信頼性のおける接
合部を得ることができない。また、保持時間の上限は接
合部の性能と経済性を考慮して設定すればよく、特に限
定されない。
とする。60秒未満ではインサート材中の融点降下元素の
被接合材中への拡散が十分行われず、信頼性のおける接
合部を得ることができない。また、保持時間の上限は接
合部の性能と経済性を考慮して設定すればよく、特に限
定されない。
【0026】マンドレルバー接合素材の接合界面にイン
サート材を入れ、突き合わせた状態でマンドレルバー接
合素材をクランプにより拘束し、上記のように突き合わ
せ部の近傍を加熱すると、マンドレルバー接合素材の熱
膨張により接合面に加圧力が作用する。この加圧力は、
良好な接合部を得るために0.5kgf/mm2以上であることが
必要であるが、3kgf/mm2 を超えると接合素材の変形が
顕著となるので、 0.5〜3kgf/mm2 とする。なお、加圧
力が1kgf/mm2 を超えると通常のクランプではすべりが
生じるので、必要に応じ外力を加えて加圧力を上記の範
囲に調整する。上記本発明のマンドレルバーの製造方法
によれば、短尺のマンドレルバー素材を継ぎ足して継目
無管製造用の長尺のマンドレルバーを製造することがで
きる。この場合、従来の溶接で必要な厳しい予・後熱管
理が不要になるので、作業環境は著しく改善される。ま
た、本発明方法を用いれば、使用により表面状態が悪化
したマンドレルバーの不良部分を切除し、代わりに新し
いマンドレルバー素材を接合することも可能なので、補
修用としても適用することができる。
サート材を入れ、突き合わせた状態でマンドレルバー接
合素材をクランプにより拘束し、上記のように突き合わ
せ部の近傍を加熱すると、マンドレルバー接合素材の熱
膨張により接合面に加圧力が作用する。この加圧力は、
良好な接合部を得るために0.5kgf/mm2以上であることが
必要であるが、3kgf/mm2 を超えると接合素材の変形が
顕著となるので、 0.5〜3kgf/mm2 とする。なお、加圧
力が1kgf/mm2 を超えると通常のクランプではすべりが
生じるので、必要に応じ外力を加えて加圧力を上記の範
囲に調整する。上記本発明のマンドレルバーの製造方法
によれば、短尺のマンドレルバー素材を継ぎ足して継目
無管製造用の長尺のマンドレルバーを製造することがで
きる。この場合、従来の溶接で必要な厳しい予・後熱管
理が不要になるので、作業環境は著しく改善される。ま
た、本発明方法を用いれば、使用により表面状態が悪化
したマンドレルバーの不良部分を切除し、代わりに新し
いマンドレルバー素材を接合することも可能なので、補
修用としても適用することができる。
【0027】この方法により製造されたマンドレルバー
は、後述の実施例に示すように、通常の溶接あるいは一
体物により製造されたマンドレルバーと同じ耐用性を有
している。
は、後述の実施例に示すように、通常の溶接あるいは一
体物により製造されたマンドレルバーと同じ耐用性を有
している。
【0028】本発明方法によって製造されるマンドレル
バーは継目無鋼管製造用としては勿論のこと、ニッケル
合金、チタン合金等の継目無管の製造用にも使用でき
る。
バーは継目無鋼管製造用としては勿論のこと、ニッケル
合金、チタン合金等の継目無管の製造用にも使用でき
る。
【0029】
【実施例】外径 155mm、長さ13mの2本のマンドレルバ
ー接合素材(JIS G 4404 に規定される SKD61相当材)を
前記の図1に示した構成を有する装置を用い、拡散接合
により接合してマンドレルバーを製造した。インサート
材としては表1に示したA、B2種の材料(厚さ0.03m
m)を用いた。
ー接合素材(JIS G 4404 に規定される SKD61相当材)を
前記の図1に示した構成を有する装置を用い、拡散接合
により接合してマンドレルバーを製造した。インサート
材としては表1に示したA、B2種の材料(厚さ0.03m
m)を用いた。
【0030】加熱は誘導加熱方式により行い、加熱装置
3内に窒素ガスを送通し、接合部近傍を非酸化性雰囲気
に保った。
3内に窒素ガスを送通し、接合部近傍を非酸化性雰囲気
に保った。
【0031】接合条件は表2に示すとおりである。な
お、表2中の No.6では、使用済の長さ26mのマンドレ
ルバーを半分に切断し、表面状態の劣化の少ない後半部
をそのまま使用し、先半部には長さ13mの新材を用い
た。すなわち、本発明方法をマンドレルバーの補修用に
適用した場合に相当する。
お、表2中の No.6では、使用済の長さ26mのマンドレ
ルバーを半分に切断し、表面状態の劣化の少ない後半部
をそのまま使用し、先半部には長さ13mの新材を用い
た。すなわち、本発明方法をマンドレルバーの補修用に
適用した場合に相当する。
【0032】接合終了後、接合部に 925℃で4時間加熱
した後放冷する焼ならし処理(normalizing) を施し、引
き続き 675℃で1時間加熱後放冷する焼戻し処理(tempe
ring) を施した後、接合部が試験片の中央に位置するよ
うに引張試験片(JIS Z 2201の4号試験片)および曲げ
試験片(JIS Z 2241の5号A試験片)を切り出し、引張
試験および曲げ試験を行って破断状況(破断位置)およ
び割れ発生の有無を調査した。母材部で破断し、かつ割
れが発生しなかった場合を良好と評価した。
した後放冷する焼ならし処理(normalizing) を施し、引
き続き 675℃で1時間加熱後放冷する焼戻し処理(tempe
ring) を施した後、接合部が試験片の中央に位置するよ
うに引張試験片(JIS Z 2201の4号試験片)および曲げ
試験片(JIS Z 2241の5号A試験片)を切り出し、引張
試験および曲げ試験を行って破断状況(破断位置)およ
び割れ発生の有無を調査した。母材部で破断し、かつ割
れが発生しなかった場合を良好と評価した。
【0033】調査結果を表2に併せて示す。この結果か
ら、本発明で定める条件を満たす場合、良好な接合部が
得られることがわかる。
ら、本発明で定める条件を満たす場合、良好な接合部が
得られることがわかる。
【0034】さらに、表2の No.5の条件および No.6
の条件で接合したマンドレルバーを通常の作業条件で継
目無鋼管の製造に使用したところ、それぞれ1800本およ
び1600本の圧延を行うことができた。これは、従来のア
ーク溶接あるいは一体物により製造されたマンドレルバ
ーの圧延本数と同程度であり、本発明方法によって製造
されたマンドレルバーが従来のものと同じ耐用性を有す
ることが確認できた。
の条件で接合したマンドレルバーを通常の作業条件で継
目無鋼管の製造に使用したところ、それぞれ1800本およ
び1600本の圧延を行うことができた。これは、従来のア
ーク溶接あるいは一体物により製造されたマンドレルバ
ーの圧延本数と同程度であり、本発明方法によって製造
されたマンドレルバーが従来のものと同じ耐用性を有す
ることが確認できた。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明方法によって製造される継目無管
製造用マンドレルバーは、通常の溶接あるいは一体物に
より製造されたマンドレルバーと同等の耐用性を有して
いる。本発明方法は厳しい予・後熱管理が不要になるの
で、作業環境が著しく改善される。また、本発明方法
は、マンドレルバーの補修用としても適用することがで
きる。
製造用マンドレルバーは、通常の溶接あるいは一体物に
より製造されたマンドレルバーと同等の耐用性を有して
いる。本発明方法は厳しい予・後熱管理が不要になるの
で、作業環境が著しく改善される。また、本発明方法
は、マンドレルバーの補修用としても適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための接合システムの一
例の模式図で、(a) は接合前の状態、(b) は接合後の状
態である。
例の模式図で、(a) は接合前の状態、(b) は接合後の状
態である。
【図2】被接合材の突き合わせ時の状態を示す模式図で
ある。
ある。
1:マンドレルバー接合素材、2:インサート材、3:
加熱装置、4:クランプ機構、5:連結体、6:ヘッ
ド、7:ジャッキ。
加熱装置、4:クランプ機構、5:連結体、6:ヘッ
ド、7:ジャッキ。
Claims (1)
- 【請求項1】複数のマンドレルバー接合素材の端面を接
合して継目無管製造用マンドレルバーを製造する方法で
あって、マンドレルバー接合素材の端面の表面粗さを最
大高さ(Rmax )で 100μm以下に加工した後、このマ
ンドレルバー接合素材をクランプ機構により挟持し、接
合界面にマンドレルバー接合素材より低融点のインサー
ト材を入れ、かつ、突き合わせ時の端面の間隙がマンド
レルバー接合素材の径の10%以下となるように突き合わ
せ、その突き合わせ部の近傍を非酸化性雰囲気に保持し
ながら1200〜1300℃の温度域で60秒以上加熱し、接合面
に作用する加圧力を 0.5〜3.0kgf/mm2としてマンドレル
バー接合素材の端面を拡散接合することを特徴とする継
目無管製造用マンドレルバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5143156A JP2671757B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | 継目無管製造用マンドレルバーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5143156A JP2671757B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | 継目無管製造用マンドレルバーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH071011A JPH071011A (ja) | 1995-01-06 |
JP2671757B2 true JP2671757B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=15332228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5143156A Expired - Lifetime JP2671757B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | 継目無管製造用マンドレルバーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2671757B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5208106B2 (ja) * | 2007-04-09 | 2013-06-12 | 株式会社Mole’S Act | 鉄鋼部材の接合方法、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法及び鉄鋼製品 |
CN100463768C (zh) * | 2007-05-31 | 2009-02-25 | 天津钢管集团股份有限公司 | 断废芯棒的焊接工艺 |
JP4590014B2 (ja) * | 2007-08-02 | 2010-12-01 | 株式会社Mole’S Act | 鉄鋼部材の接合方法及び鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法 |
WO2009034654A1 (ja) * | 2007-09-14 | 2009-03-19 | Seiko Epson Corporation | 鉄鋼部材の接合方法、鉄鋼部材からなる接合体における接合力強化方法、鉄鋼製品及びダイカスト製品 |
WO2009034657A1 (ja) * | 2007-09-14 | 2009-03-19 | Seiko Epson Coporation | 接合体及び鉄鋼製品 |
WO2009034656A1 (ja) * | 2007-09-14 | 2009-03-19 | Seiko Epson Coporation | 接合体、鉄鋼製品及びダイカスト製品 |
WO2009034655A1 (ja) * | 2007-09-14 | 2009-03-19 | Seiko Epson Coporation | 接合体、鉄鋼製品及びダイカスト製品 |
WO2021152346A1 (en) * | 2020-01-29 | 2021-08-05 | Gonnella Rocco | Process for coating a mandrel for seamless pipe production |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04344805A (ja) * | 1991-05-23 | 1992-12-01 | Nippon Steel Corp | 継目無鋼管製造用マンドレルバーの補修方法 |
-
1993
- 1993-06-15 JP JP5143156A patent/JP2671757B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04344805A (ja) * | 1991-05-23 | 1992-12-01 | Nippon Steel Corp | 継目無鋼管製造用マンドレルバーの補修方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH071011A (ja) | 1995-01-06 |
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