JP2669731B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2669731B2
JP2669731B2 JP3136478A JP13647891A JP2669731B2 JP 2669731 B2 JP2669731 B2 JP 2669731B2 JP 3136478 A JP3136478 A JP 3136478A JP 13647891 A JP13647891 A JP 13647891A JP 2669731 B2 JP2669731 B2 JP 2669731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒーターを内蔵する定
着ロ−ラと、弾性層部および芯金部よりなり定着ロ−ラ
に圧着される加圧ロ−ラとを有する、用紙上のトナー像
を定着するための定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子複写機、プリンタ、ファクシミリ等
の画像形成装置の定着装置においては、一般に、芯金部
の上にPTFEのような樹脂をコーティングしかつ芯金
部内部にヒーターを設けた定着ロ−ラと、この定着ロ−
ラに押圧される機構を備えた加圧ロ−ラとを用い、両ロ
ーラの間に形成されるニップ部にトナー像を担持する転
写紙を通過させることにより定着を行っている。加圧ロ
−ラは、前記ニップ部をつくり易いように、表面層がシ
リコンゴムのごとき弾性体で構成されるのが普通であ
る。
【0003】定着ロ−ラと加圧ロ−ラとは軸方向に温度
が均一になっていることが望ましい。該温度が不均一に
なると、温度の異なる部分における熱膨張の差に基づく
ニップ差により転写紙にしわ、未定着部分、オフセット
等が発生する。
【0004】このため、定着ロ−ラにヒートパイプを内
蔵してその表面温度を定着ロ−ラの軸方向にて均一にす
ることは従来より周知である(例えば、実開昭第58−
38156号公報)。ヒートパイプは、その内部で作動
液が気化および液化するときの気化熱と潜熱のやりとり
で温度を均一にするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】定着装置の定着ロ−ラ
および加圧ロ−ラに用いられるヒートパイプは、前記各
ローラの表面温度をロ−ラ軸方向にて均一化するもので
あるが、各ローラが冷えた状態から加熱される立上り
時、ヒータを内蔵する定着ロ−ラが接している部分、例
えば軸受、駆動歯車等より熱が逃げ易く、このため熱効
率が悪くなりかつ定着ロ−ラの端部の温度が低くなり、
それによって定着不良の発生することが避けられなかっ
た。これに対し、図13に示すように、側板12bに設
けた軸受10bと定着ロ−ラ1との間に断熱ブッシュ1
3を用いることが行われているが、形状の複雑化を免れ
ない。
【0006】また、定着装置が加熱されて安定した状態
にあるとき、小サイズの転写紙の連続通紙を行うと、ロ
ーラの通紙部と非通紙部との間に温度差が生じ、ローラ
端部の非通紙部の温度が上昇し、さらに前記小サイズ紙
の連続通紙直後に大サイズ転写紙の通紙を行うと、前記
小サイズ紙の通紙部における低温による定着不良や、非
通紙部の高温によるオフセットの発生などの不都合が生
じた。このようなローラ端部の温度上昇が繰り返される
と、定着ロ−ラや加圧ロ−ラが劣化し、それらの寿命が
短くなるのを避けられない。さらに、ヒートパイプは高
価であるため、無用に長いヒートパイプを用いること
は、著しいコストの上昇をもたらしてヒートパイプの有
用性を損なうと共に、ヒーターはヒートパイプを用いな
い従来のものを使用しているため、ヒーターの消費電力
は依然として低減されていない。
【0007】本発明は、定着装置の定着ロ−ラおよび加
圧ロ−ラの軸方向における表面温度を均一にして、前述
の諸欠点を除去することを課題とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、ヒーターを内蔵する定着ロ−ラと、弾性層部およ
び芯金部よりなり定着ロ−ラに圧着される加圧ロ−ラと
を有する、用紙上のトナー像を定着するための定着装置
において、加圧ロ−ラが少なくとも1つのヒートパイプ
を内蔵し、このヒートパイプが前記芯金部に保持され、
そして該ヒートパイプの少なくとも1部分が加圧ロ−ラ
の弾性層部に入り込んでいることにより解決される
【0013】さらに、本発明は、前記の課題を解決する
ために、前記の定着装置において、加圧ロ−ラがその弾
性層部に少なくとも1つのヒートパイプを内蔵している
ことことを提案する。
【0014】
【0015】
【0016】
【作用】 本発明により 、加圧ロ−ラの弾性層部にヒート
パイプを配置することにより、加圧ロ−ラと定着ロ−ラ
の軸方向における温度の均一性を図っている。
【0017】
【実施例】図1に示す定着装置において、定着ロ−ラ1
と加圧ロ−ラ2とが互いに押圧されて配置されている。
定着ロ−ラ1は芯金部3とテフロン等の表面離型層4と
からなり、図2にも示すように、芯金部3の軸方向中央
孔5にはヒーター6が設けられ、サーミスタ7により定
着ロ−ラ1の表面温度を検知し、これが一定温度(例え
ば158〜170℃)になるようにヒーター6をオン、
オフして制御を行っている。さらに、該芯金部3には複
数のヒートパイプ8が内蔵されており、これらのヒート
パイプ8は定着ロ−ラ1の軸心と平行に配置してある。
該芯金部3は押出し材により製作され、その際ヒートパ
イプ8が定着ロ−ラ2の軸心と平行なので、ヒートパイ
プ8の挿着用孔を同時に形成することができる。
【0018】図3に示す実施例では、定着ロ−ラ1に3
つのヒートパイプ8a,8b,8cが設けられており、
そのうちヒートパイプ8aは、図4に示すように、定着
ロ−ラ1の軸心と平行であるが、ヒートパイプ8bとヒ
ートパイプ8cとは該軸心に対し互いに反対の勾配で傾
斜して配置されている(図5および図6参照)。かく構
成することにより、機械の設置態様にかかわりなく、い
ずれかのヒートパイプが水平となる特長が得られる。す
なわち、機械が水平に設置されているときは、ヒートパ
イプ8aが水平であり、図に示す定着ロ−ラ1の左端が
高くなるように機械が設置されたときは、ヒートパイプ
8bが水平となり、右端が高くなれば、ヒートパイプ8
cが水平となる。ヒートパイプ8bとヒートパイプ8c
の傾斜は、最大でも10°程度が限度である。機械がこ
れ以上傾くときは、現像剤の片寄りによる濃度むらやオ
イル漏れ等の不都合が生ずるからである。この場合、水
平でない2つのヒートパイプは、100%ではないにし
ても、ヒートパイプとしての働きは行うものである。
【0019】図3ないし図6に示す定着ロ−ラの芯金部
は、ヒートパイプ8a用の孔を備えたものを押出し材で
作り、ついで2個の孔を定着ロ−ラの軸心に対し傾斜す
るように加工する。従って、この点は図1と図2に示す
実施例より不利となるが、機械が傾いて設置された場
合、少なくとも1つのヒートパイプは水平となる有利性
を有する。また、ほとんどの機械はほぼ水平に配置され
ていると考えられるので、少なくとも1つのヒートパイ
プは定着ロ−ラの軸と平行である必要がある。
【0020】図7に示す定着ロ−ラ11が前述の実施例
のものと異なる点は、熱伝導率のよい芯金部3の両端
に、例えば樹脂よりなる熱伝導率の悪いフランジ9a,
9bが固定して設けられていることである。ヒートパイ
プ18は通紙領域Lよりも長いものとなっている。定着
ロ−ラ11は、前記フランジ9a,9bに設けた軸受1
0a,10bを介し側板12a,12bに回転可能に装
着され、そして駆動部より歯車13を介して回転駆動さ
れる。
【0021】前述のように、芯金部3の両端に熱伝導率
の悪いフランジ9a,9bを配置しているので、軸受1
0a,10bや歯車13より熱が逃げることが阻止さ
れ、通紙領域Lは充分に保温される。この場合、伝熱効
果のよいヒートパイプ18により定着ロ−ラ11内の温
度差を緩和して温度の均一性も保持される。
【0022】図8に示す定着ロ−ラ21において、ヒー
トパイプ28は定着ロ−ラ21の軸方向に配置され、そ
ヒートパイプの長さは最大通紙領域Lの長さよりも短
く設定されているこれは、ヒートパイプの長さが最大
通紙領域Lより短くても、その極めて高い熱流動特性に
より、通紙領域の定着ローラの表面温度を適切且つ均一
な範囲に保持できるためで、無用に長いヒートローラを
使わずに済む。また、ヒーター6の発熱部6aの長さ
は、定着ローラ21の軸方向において、最大通紙領域L
よりも短く設定されている。これは、発熱部6aの長さ
が最大通紙領域L より短くても、ヒートパイプの作用に
より、通紙領域の定着ローラの表面温度を適切且つ均一
な範囲に保持できるためで、ヒーターの消費電力を低減
することができる。さらに、ヒーター6の発熱部6aの
長さは、定着ローラ21の軸方向において、ヒートパイ
プ28よりも短く設定されている。これは、発熱部6a
の長さがヒートパイプ28より短くても、ヒートパイプ
の極めて高い熱流動特性により、通紙領域の定着ローラ
の表面温度を適切且つ均一な範囲に保持できるためで、
ヒーターの消費電力を低減することができる
【0023】図9および図10に示す定着装置におい
て、定着ロ−ラ31はその中央孔にハロゲンヒーター6
を備え、加圧ロ−ラ32は金属などの剛体からなる芯金
部33とシリコンゴムなどよりなる弾性層部34から構
成されている。芯金部33には、ヒートパイプ38が一
体的に次のように保持されている。すなわち、ヒートパ
イプ38の一部が芯金部33より突出し弾性層部34内
に入り込むような構成となっている。この場合、ヒート
パイプ38と弾性層部34の表面との間の距離t1があ
まり小さくならないようにする必要がある。これは、こ
の距離t1と芯金部33の非突出部における弾性層部3
4の厚みt2との差が大きくなり過ぎると、加圧ロ−ラ
32と定着ロ−ラ31との間に形成されるニップ量に大
きな差が生じ、ニップ部を通過する転写紙の定着性に差
が出てくるので、これを防止するためである。
【0024】図11に示す加圧ロ−ラ42においては、
ヒートパイプ48は芯金部43に保持されているのでは
なく、弾性層部44内に埋め込まれて保持されている。
この場合、芯金部43を円筒形状に形成することができ
るので、図9および図10に示す実施例に比し、作りや
すくかつ材料に対する制約も少なくなり、その結果コス
トが安くて済む。さらに、ヒートパイプ48と芯金部4
3とが一体になっていないので、弾性層部44の温度を
均一にする効果はより大きくなっている。
【0025】図12の実施例では、図11の実施例と同
じく、ヒートパイプ58は加圧ロ−ラ52の弾性層部5
4に内包されているが、同ヒートパイプ58は加圧ロ−
ラの両外側にて支持板57a,57bにより支持されて
いる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の効果】本発明により、加圧ローラの芯金部で保
持するヒートパイプが弾性層部に入り込んでいるので、
温度の均一化が効率よく行われ、しわの発生や非通紙部
の温度上昇を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着ロ−ラがヒートパイプを備える定着装置の
横断面図である。
【図2】図1に示す定着ロ−ラの縦断面図である。
【図3】図1および図2とは異なる構成の定着ロ−ラの
横断面図である。
【図4】図3に示す定着ロ−ラの縦断面図である。
【図5】図3に示す定着ロ−ラの別の径に沿う縦断面図
である。
【図6】図3に示す定着ロ−ラのさらに別の径に沿う縦
断面図である。
【図7】樹脂よりなる熱伝導率の悪いフランジを設けた
定着ロ−ラの縦断面図である。
【図8】図7とは異なる構成の定着ロ−ラの縦断面図で
ある。
【図9】本発明による定着装置の横断面図である。
【図10】図9に示す定着装置の縦断面図である。
【図11】請求項に記載の発明による加圧ロ−ラの横
断面図である。
【図12】図11に示す加圧ロ−ラの縦断面図である。
【図13】定着ロ−ラの従来の断熱支持機構を示す部分
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 潤 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 横山 博司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 福地 豊 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平4−212982(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒーターを内蔵する定着ロ−ラと、弾性層
    部および芯金部よりなり定着ロ−ラに圧着される加圧ロ
    −ラとを有する、用紙上のトナー像を定着するための定
    着装置において、加圧ロ−ラが少なくとも1つのヒート
    パイプを内蔵し、このヒートパイプが前記芯金部に保持
    され、そして該ヒートパイプの少なくとも1部分が加圧
    ロ−ラの弾性層部に入り込んでいることを特徴とする定
    着装置
  2. 【請求項2】ヒーターを内蔵する定着ロ−ラと、弾性層
    部および芯金部よりなり定着ロ−ラに圧着される加圧ロ
    −ラとを有する、用紙上のトナー像を定着するための定
    着装置において、加圧ロ−ラがその弾性層部に少なくと
    も1つのヒートパイプを内蔵していることを特徴とする
    定着装置。
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