JP2668366B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2668366B2 JP62253553A JP25355387A JP2668366B2 JP 2668366 B2 JP2668366 B2 JP 2668366B2 JP 62253553 A JP62253553 A JP 62253553A JP 25355387 A JP25355387 A JP 25355387A JP 2668366 B2 JP2668366 B2 JP 2668366B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、騒音を低減させると共に雪上走行性能を向
上させた空気入りタイヤに関する。 〔従来技術〕 従来、オールシーズンタイヤの騒音低減策として、
トレッド表面のトレッドパターンにおけるブロックの大
きさ、すなわちタイヤ周方向の長さ(ピッチ)を種々変
えるピッチバリエーション法、ラジアル溝(タイヤ幅
方向溝)のタイヤ幅方向に対する角度を大きくする法等
が用いられている(例えば、自動車研究No.81002、参
照)。 しかし、これらの方法では、周方向中心線に対し左右
点対称となるパターンにおいては左右で溝の方向が同一
となるため、溝に角度を付けた効果が半減したり、タイ
ヤ接地時の接地前端線の形状と溝角度が一致してしま
い、逆に騒音レベルが上昇してしまう等の欠点があっ
た。また、中心部周方向溝がジグザグでなく、直線であ
ると雪上走行性能が低下してしまう。 〔発明の目的〕 本発明は、騒音の低減と雪上走行性能の向上とを同時
に達成せしめた空気入りタイヤを提供することを目的と
する。このタイヤは、オールシーズンタイヤとして好適
である。 〔発明の構成〕 このため、本発明は、トレッド表面にタイヤ幅方向に
複数のラジアル溝を設けると共にトレッド接地幅の中心
部付近にタイヤ周方向に環状に少なくとも1つのジグザ
グ溝を設け、前記ラジアル溝をタイヤ幅方向に対し傾斜
させ、トレッド接地幅の中心に位置するタイヤ周方向中
心線を境として一方の側では全ラジアル溝の向きを同一
とし、他方の側では全ラジアル溝の向きを該一方の側の
ラジアル溝の向きに対して逆方向とし、さらに、前記ジ
グザグ溝の周方向中心線の幅方向ずれ量を該ジグザグ溝
の溝幅以上としたことを特徴とする空気入りタイヤを要
旨とする。 以下、本発明の構成につき詳しく説明する。 第1図は、本発明の空気入りタイヤのトレッド表面に
形成されたトレッドパターンの一例を示す説明図であ
る。第1図において、トレッド表面には複数のラジアル
溝1が設けられている。また、トレッド接地幅Tの中心
部付近には、タイヤ周方向EE′に環状に少なくとも1つ
のジグザグ溝2が設けられている。 (1) 本発明では、ラジアル溝1をタイヤ幅方向FF′
に対し傾斜させ、トレッド接地幅Tの中心に位置するタ
イヤ周方向中心線mを境として一方の側では全ラジアル
溝の向きを同一とし、他方の側では全ラジアル溝の向き
を該一方の側のラジアル溝の向きに対して逆方向として
いる。 このように、ラジアル溝1を傾斜させると共にタイヤ
周方向中心線mを境としてラジアル溝1を線対称とし、
いわゆる方向性パターンとしたのは、騒音の低減のため
である。 ラジアル溝1は、連続した曲線溝や直線溝、さらには
ジグザグ溝の形態にあってもよい。ラジアル溝1のタイ
ヤ幅方向FF′に対する角度は、タイヤ側面からタイヤ周
方向中心線mに向かって順次変化していてもよく、ま
た、タイヤ周方向中心線mの左右で同じでなくてもよ
い。すなわち、ラジアル溝1は、タイヤ周方向中心線m
に対し厳密に幾何学的に線対称である必要はなく、ずれ
ていてもよい。ブロック3には、カーブ4を刻設しても
よい。 (2) さらに、本発明では、ジグザグ溝2の周方向中
心線l,l′の幅方向ずれ量d、すなわちポイントハイト
量をジグザグ溝2の溝幅以上としている。 ジグザグ溝2を直線溝とせずにジグザグ形状としたの
は、雪柱せん断力を有効に発揮させ、乾燥路走行性能を
低下させることなく雪上走行性能を向上させるためであ
る。また、ポイントハイト量をジグザグ溝2の溝幅以上
としたのは、溝幅未満であるとジグザグ溝2により生じ
る雪柱せん断剛性が十分でなく、雪上走行性能の向上が
望めないからである。 第2図に、第1図に示すトレッドパターンを有する空
気入りタイヤを全体的に示す。タイヤを車両に装着する
場合に、回転方向MにV字型となるように方向性パター
ンを合わせる。この逆に装着すると、走行騒音が悪化す
る。 以下に実施例を示す。 実施例 (a) 以下の本発明のタイヤ、比較タイヤ1、比較タ
イヤ2につき、雪上登坂性能、雪上路操縦安定性、およ
び乾燥路操縦安定性を評価した。この結果を指数で下記
表1に示す。 本発明タイヤ。 タイヤサイズ195/60VR14。第1図に示すトレッドパタ
ーンを有する。 比較タイヤ1。 タイヤサイズ195/60VR14。第3図に示すトレッドパタ
ーンを有する。タイヤ周方向に環状に設けた主溝5が直
線溝であり、ジグザグ溝でないことを除いて第1図と同
様。 比較タイヤ2。 タイヤサイズ195/60VR14。第4図に示すトレッドパタ
ーンを有する。タイヤ周方向中心線mを境として一方の
側における全ラジアル溝の向きと、他方の側における全
ラジアル溝の向きとが同一であることを除いて第1図と
同様。 雪上登坂性能の評価方法: 一定勾配の積雪登坂路に一定距離の測定区間(200m)
を設け、初速20km/hでスタートし、この測定区間を全開
で走行したときにかかった所要時間を平均時間に換算し
て評価する。本発明タイヤを100とした場合の指数で示
した。数値が大きい方がよい。 雪上路操縦安定性の評価方法: 積雪した屈曲、勾配を含む山岳路に一定距離(2km)
の評価区間を設け、そこを走行するときの車両の運動性
能をフィーリングで10点法で評価する。これを複数のテ
ストドライバーによる平均値で行う。本発明タイヤを10
0とした場合の指数で示した。数値が大きい方がよい。 乾燥路操縦安定性: 乾燥舗装路においてコーナリング走行し、このときの
車両の運動性能をフィーリングで10点法で評価する。こ
れを複数のテストドライバーによる平均値で行う。本発
明タイヤを100とした場合の指数で示した。数値が大き
い方がよい。 表1から、本発明タイヤが雪上登坂性能、雪上路操縦
安定性、および乾燥路操縦安定性のいずれにおいても優
れていることが判る。 (b) 上記の本発明のタイヤ、比較タイヤ1、比較タ
イヤ2につき、騒音レベルを評価した。この結果を第5
図に示す。第5図において、aは本発明タイヤを、bは
比較タイヤ1を、cは比較タイヤ2をそれぞれ表わす。 騒音レベルの評価方法: JASO C 606−81に規定されたタイヤ騒音試験法の単体
台上試験に準拠し、直径3mのドラム上にタイヤを押しつ
け、荷重をかけた状態で速度30〜110km/hで走行すると
きに発生する騒音をマイクロホンにより測定する。 第5図から、本発明タイヤは騒音レベルにおいて比較
タイヤ1とほぼ同等レベルにあることが判る。 したがって、本発明タイヤは、雪上登坂性能、雪上路
操縦安定性、乾燥路操縦安定性、および騒音レベルに総
合的に優れていることが判る。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、乾燥路走行性能
を低下させることなく雪上走行性能を向上させ、さらに
騒音を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の空気入りタイヤのトレッド表面に形成
されたトレッドパターンの一例を示す説明図、第2図は
第1図に示すトレッドパターンを有する空気入りタイヤ
の全体的斜視説明図、第3図および第4図は比較のため
のトレッドパターンを示す説明図、第5図は走行速度と
騒音レベルとの関係図である。 1……ラジアル溝、2……ジグザグ溝、3……ブロッ
ク、4……カーフ、5……主溝、m……タイヤ周方向中
心線。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−236806(JP,A) 特開 昭61−222806(JP,A) 特開 昭61−157405(JP,A) 実開 昭62−151101(JP,U) 特公 昭50−20725(JP,B1) 特公 平5−80362(JP,B2) 特公 平5−47405(JP,B2) 特公 平2−6645(JP,B2) 特公 平3−69722(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.トレッド表面にタイヤ幅方向に複数のラジアル溝を
    設けると共にトレッド接地幅の中心部付近にタイヤ周方
    向に環状に少なくとも1つのジグザグ溝を設け、前記ラ
    ジアル溝をタイヤ幅方向に対し傾斜させ、トレッド接地
    幅の中心に位置するタイヤ周方向中心線を境として一方
    の側では全ラジアル溝の向きを同一とし、他方の側では
    全ラジアル溝の向きを該一方の側のラジアル溝の向きに
    対して逆方向とし、さらに、前記ジグザグ溝の周方向中
    心線の幅方向ずれ量を該ジグザグ溝の溝幅以上としたこ
    とを特徴とする空気入りタイヤ。
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