JP2668210B2 - 石油燃焼器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は石油燃焼器に関し、特に灯油を加熱気化せし
めるための気化器を備えた石油燃焼器に関する。 〔発明の背景〕 従来、電気ヒーターと温度センサーが装着された気化
器を有する石油燃焼器では、まず電気ヒーターに通電し
て気化器を予め予熱し、この気化器が灯油の気化温度に
達したことを温度センサーで検知した後に、気化器内に
灯油を導入してガス化を開始していた。 しかし乍ら、予熱が完了した後に灯油を気化器内に導
入すると、気化器の予熱中は電気ヒーターと構造的に連
続している部分から徐々に加熱されることとなり、気化
器に局部的な温度差を生じ、温度センサーによっても正
確な予熱完了状態は検知できないという問題があった。 また、この従来の石油燃焼器では、温度センサーで検
知されるのは、実質上熱伝導の遅い空気温度であること
から、気化器が必要以上に加熱される傾向にあり、その
結果、予熱完了後に灯油を導入すると灯油が加熱され過
ぎて炭化し、気化器の内壁にタール分が付着したり、電
気ヒーターが短命化するという問題もあった。 〔発明の目的〕 本発明は、このような事情に鑑みて案出されたもので
あり、その目的は気化器の予熱完了状態を迅速かつ正確
に検知して気化器の立上り特性を向上させると共に、タ
ール分の発生や電気ヒーターの短命化を解消した石油燃
焼器を提供することにある。 〔発明の構成〕 本発明の石油燃焼器は、バーナーと、該バーナーに灯
油の気化ガスを供給するための気化器とを備え、該気化
器には油受から電磁ポンプを介して供給される灯油を加
熱気化せしめるための電気ヒーターが装着されている石
油燃焼器において、前記気化器と前記油受を接続するニ
ゲパイプを設けると共に、このニゲパイプの油受側端部
をこの油受の灯油内に挿入して設け、前記電気ヒーター
への通電が終了したときの前記気化器内の負圧で前記油
受から前記ニゲパイプを介して前記気化器内に灯油を供
給することによって、前記電気ヒーターへの通電を開始
する前に、気化器内に予め灯油を供給しておくことを特
徴とし、そのことにより上記目的が達成される。 〔作 用〕 本発明によれば、電気ヒーターのへ通電を開始する前
に気化器に予め灯油を供給しておくことから、気化器の
予熱進行状態に即応して灯油が徐々に気化し、この気化
ガスが気化器内に拡散することから、温度センサーでは
この実際の気化ガス温度を検出することができる。もっ
て、気化器の予熱完了状態を早期かつ正確に検出できる
と共に、気化ガスの拡散によって局部的な温度上昇をも
解消できる。 〔実施例〕 以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。 第１図は、本発明の石油燃焼器の一実施例を示す概略
構成図であり、１はバーナー、２はバーナー１に灯油の
気化ガスを供給するための電気ヒーターが装着された気
化器、３は油受である。 前記油受３には、灯油を電磁ポンプ４で気化器２に圧
送するための送油パイプ５、バーナー１で凝縮し灯油を
油受３に戻すためのドレーンパイプ６、及び気化器２の
未燃ガスを軸受３に戻すためのニゲパイプ７がそれぞれ
接続されており、送油パイプ５とニゲパイプ７の一方端
は、油受３内の灯油の液面OLよりも下方となるように灯
油内に挿入して設けられている。 前記油受３は、油受３の液位を一定水準に保つための
定油面器８を介して油タンク９に送油管10で接続されて
いる。 前記定油面器８と油タンク９の途中には、送油バルブ
17が設けており、この送油バルブ17を開栓することによ
って油タンク９内の灯油が自然落差によって定油面器８
及び油受３に供給される。尚、油タンク９が定油面器よ
りも低い位置に設置される場合は、電磁ポンプ等（不図
示）によって定油面器８に灯油が供給される。 前記気化器２は、第２図（ａ）に示すように、真鍮や
ステンレス等から成る外筒11と内筒12で気化筒が構成さ
れ、この気化筒内には石綿や金属等から成る繊維状物質
13が全体にわたって充填されている。前記内筒12には、
セラミックヒーターやミーズヒーター等から成る電気ヒ
ーター23が装着されており、外筒13には灯油の温度を検
出するためのサーミスタ等から成る温度センサー14が取
着されている。 前記気化器２の上方部には、第２図（ｂ）に示すよう
に、ノズル体18が気化器２に連続して設けられている。
このノズル体18は、電磁コイル19によって可動されるプ
ランジャー20と、このプランジャー20に連動するバルブ
芯棒21を主要素に構成されている。 この石油燃焼器の動作について説明すると、気化器２
内には後述するようにあらかじめ灯油が供給されてい
る。次に、気化器２に装着された電気ヒーター23に通電
して気化器２の予熱を開始する。 次に、気化器２が灯油の気化温度に達したことを温度
センサー14で検知し、灯油の供給を開始する。次に、ノ
ズル体18のノズル芯棒21を第２図（ｂ）における右方向
へ変位させてノズル22を開き、バーナー１に灯油の気化
ガスを供給してバーナー１で燃焼させる。バーナー１の
燃焼を停止するときは、ノズル芯棒21を第２図（ｂ）に
おける左方向へ変位させてノズル22を閉じ、気化ガスの
供給を遮断することにより行われる。この場合、気化器
２とノズル体18内には充分に加熱された未燃ガスが充満
しているが、ノズル芯棒21が左方向へ変位した際にプラ
ンジャー20もノズル芯棒21に連動して左方向へ変位する
ことからプランジャー弁24が開き、このプランジャー弁
24を経由して未燃ガスがニゲパイプ７に流入し、第１図
に示す油受３内に戻る。 このとき、気化器２内にも未燃ガスが充満しているが
この気化器２内の未燃ガスは時間の経過に伴い温度降下
して凝縮し、液体に戻ると共に、気化器２内は不圧とな
り、軸受３内の灯油がニゲパイプ７とノズル体18を逆流
して気化筒２に灯油が供給され、初期状態に戻る。した
がって、気化器２を再び作動させる場合は、気化器２に
は既に灯油が供給されていることになる。 このように、ニゲパイプ７の一方端を灯油内に挿入し
て閉塞することにより未燃ガスを気化器内で凝縮させる
と共に、気化器２と油受３の圧力差によって灯油を予め
気化器に供給しておくと、灯油を供給するための格別な
構成部品や制御が不要であることから極めて有利である
が、例えば電磁ポンプ等で気化器の予熱を開始する前に
格別に灯油を供給してもよい。 〔発明の効果〕 以上のように、本発明の石油燃焼器によれば、気化器
と油受を接続するニゲパイプを設けると共に、このニゲ
パイプの油受側端部をこの油受の灯油内に挿入して設
け、電気ヒーターへの通電が終了したときの気化器内の
負圧で油受からニゲパイプを介して気化器内に灯油を供
給することによって、気化器に装着された電気ヒーター
への通電を開始する前に、気化器内に予め灯油を供給し
ておくことから、気化器の予熱を行う場合に灯油の気化
ガスが気化器内に拡散して気化器の予熱完了状態を早期
かつ正確に検知できると共に、気化器の異常加熱を防止
でき、もってタール分が発生することがなく、しかも電
気ヒーターの延命化を図ることもできる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る石油燃焼器の一実施例を示す概略
構成図、第２図（ａ）は同じく要部縦断面図、第２図
（ｂ）は同じく要部横断面図である。 １……バーナー、２……気化器 23……電気ヒーター

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．バーナーと、該バーナーに灯油の気化ガスを供給す
   るための気化器とを備え、該気化器には油受から電磁ポ
   ンプを介して供給される灯油を加熱気化せしめるための
   電気ヒーターが装着されている石油燃焼器において、前
   記気化器と前記油受を接続するニゲパイプを設けると共
   に、このニゲパイプの油受側端部をこの油受の灯油内に
   挿入して設け、前記電気ヒーターへの通電が終了したと
   きの前記気化器内の負圧で前記油受から前記ニゲパイプ
   を介して前記希気化器内に灯油を供給することによっ
   て、前記電気ヒーターへの通電を開始する前に、前記気
   化器内に予め灯油を供給しておくことを特徴とする石油
   燃焼器。