JP2667876C - - Google Patents

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JP2667876C
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は照明カバー、照明看板、グレージング、各種ディスプレイあるいは透
過型スクリーン等光の拡散を目的とした部材に好適な光拡散性プラスチックに関
するものである。 (従来の技術) 従来、照明カバー、ディスプレー用スクリーン等の光拡散性材料としては、無
機または有機の透明微粒子をアクリル樹脂、スチレン樹脂等の透明プラスチック
に分散させた材料、あるいは透明プラスチックの表面を何らかの方法で租面化し
た材料等が知られており、これらを併用することを公知である。近年特にリアプ
ロジェクションテレビ用のスクリーン等の高度の性能を要求される光拡散性プラ
スチックの必要性の増大に伴ないより高性能の材料を求めて多くの努力がなされ
てきた。これら光拡散性材料に望まれる性能は、できるだけ広い範囲に、均一
に、しかも明るく、光を拡散させる事である。しかし光源からでる光の量は一
定であるので、これらとの要求は互いに相反する要求である。したがって実
際には必要に応じて、拡散材の濃度を変える等の方法で、最も好ましい輝度と広
がりとなるように選択して用いている。透明プラスチックに光拡散材を分散させ
て光拡散性材料を得る方法において、好適な光拡散材と透明プラスチックの組み
合わせを得るための指標としては、主として光拡散材微粒子の粒径および光拡散
材微粒子と透明プラスチックの屈折率差が用いられてきた。たとえば特公昭39
−10515号公報には基体透明樹脂との屈折率差が0.05〜0.3であり、
平均直径が0.5〜5μである架橋微粒子を光拡散材とする方法が述べられてお
り、また特開昭48−44333号公報には基体樹脂よりも0.05〜0.5だ
け大きい屈折率を有する粒径10μ以下の結晶粉を配合する方法が記載されてお
り、さらにまた特開昭60−139758号公報においては屈折率差が0.02
〜0.1で粒径が10〜50μ、特開昭60−184559号公報では屈折率差
0.02〜0.1で粒径が4〜10μのものが提案されているほか、特開昭61
−4762号公報の如く、粒径が4〜50μで屈折率が基体樹脂よりも0.02
〜0.1大きい微粒子と粒径が4〜50μで屈折率が0.02〜0.1小さい微
粒子を併用する方法も記載されている。その他特公昭60−21662号公報ま
たは特開昭62−174261号公報においては基体樹脂よりも屈折率が0.0 1〜0.1小さく平均粒径が1〜10μの微粒子を分散する方法も提案されてい
る。その他、具体的記述のある基体樹脂および光拡散材の組み合わせは極めて多
岐にのぼり、すべてを記述することは困難であるが、たとえばメタクリル樹脂(
屈折率1.492)を基体樹脂とする場合において結晶性シリカ(屈折率1.5
4)、無定形シリカ(屈折率1.46)、炭酸カルシウム(屈折率1.58)、
水酸化アルミニウム(屈折率1.57)、ガラスビーズGB−210(屈折率1
.521)、ガラス球(屈折率1.46)、フッ化カルシウム(屈折率1.43
)、フッ化リチウム(屈折率1.39)、硫酸バリウム(屈折率1.64)、ア
ルミナ粉末(屈折率1.7)の他屈折率は不明であるが酸化マグネシウム、酸化
チタン、タルクや架橋ポリマー等が用いられており、ポリスチレン樹脂(屈折率
1.59)、ポリ塩化ビニル樹脂(屈折率1.55)またはポリカーボネート樹
脂(屈折率1.59)を基体樹脂とする場合においても種々の無機微粒子が用い
られている。このように従来開示されてきた技術を整理してみると、屈折率差、
粒径について多くの方法が提案されているものの、それらは非常に広い範囲のも
のが、まちまちに提案されており、どのような組合せが好ましいのか、判断に苦
しむのが現状である。事実近年のリアプロジェクションテレビ用のスクリーン等
に関しますます高まる要求に対しては、これら既存の技術では、未だ不十分であ
ることが追試験の結果判明した。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は、このように雑然とした技術の流れの中で、すぐれた光拡散性能を有
する、すなわち最大輝度Go ができるだけ大きく、かつ半値角(輝度が1/2ま
で低下する角度)のできるだけ大きい、しかも透過光が赤味を帯びることのない
光拡散材料を提供することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 本発明は、屈折率Nsからなるプラスチック中に、下記式(I)、および式(
II) 0.01≦|Np−Ns|<0.02 (I) 7≦d≦(Np−Ns)×1000 (II) を満足する平均粒子径dミクロン、屈折率Npを有する透明微粒子を分散せしめ ることにより達成され、また上記透明微粒子のうち内部に空孔を有する粒子が全
透明微粒子中に占める割合が3重量%以下とすることにより、および/または上
記透明微粒子のうち非球状の粒子が全透明微粒子中に占める割合を10重量%以
下とすることによりさらに好ましく達成される。実質的に透明なプラスチックと
してメタクリル樹脂またはメチルメタクリレート(以下MMAと記す)とスチレ
ンの共重合樹脂を用いる場合、微粒子としてMMA、スチレン、アルキルアクリ
レートおよび多官能性(メタ)アクリリートを構成成分とする架橋共重合体微粒
子を用いることによって上記目的を達成することができる。 (作用) 本発明者等は基体透明樹脂と透明微粒子の屈折率差、透明微粒子の粒径と拡散
性能の関係を総合的に検討して、本発明に到達した。すなわち、本発明において
は、基体透明樹脂の屈折率Nsと透明微粒子の屈折率Npの絶対差|Np−Ns
|が0.01以上、0.02未満である事が必要である。このような小さな屈折
率差は、従来の方法においては、あまりにも差が小さすぎて拡散能力が劣るとし
て排除されてきたものである。本発明者らは基体樹脂と透明微粒子の屈折率差お
よび透明微粒子の粒子径を変えた平板を種々作成し、平板の後方より平行光線を
入射し、前方に出てくる光の輝度の角度分布を測定し、平板面における照度と各
々の輝度からゲインGを次式により計算した。 G=輝度(フートランバート)/照度(フートキャンドル) (VI) ゲインは拡散板の正面において最高値を示し、拡散板の法線となす角が大きく
なるにつれて、第1図に示すように、徐々に値が小さくなる。ゲインの最高値を
ピークゲインと呼びGo で表わすこととし、ゲインがピークゲインの1/2にな
る角度を半値角と呼びαで表わすこととすると、本発明の目的はGo およびαを
いずれも大きくすることにある。ただし、一般には光拡散板は単なる平板状で用
いられるとは限らず、種々のレンズ形状を賦与したり、表面処理等の別の光拡散
性賦与手段との併用により目的を達成することが多く、Go 、α等はそれらの種
類、程度によっても変動するので、本発明の目的の性能はこのような測定手段に よるGo およびαの値で表現することは適当ではない。しかしながら、このよう
にして平板状の光拡散板で測定したGo およびαの大きい組み合わせを採用する
と、他の形状においても優れた性能を示すことが、実験的に確認できるので、本
発明者らは、光拡散材による光拡散性能を比較評価しやすい平板による方法を主
として採用した。一定の基板樹脂と光拡散材の組み合わせにおいて、光拡散材の
濃度を変えると、第2図のように濃度の増加に伴ってGo は減少し、αは増大す
る。そこで良好な光拡散材を選択する手段として、光拡散材の濃度を変えて、一
定のGo が得られる濃度を選定し、その濃度における半値角αが大きいものが好
ましい光拡散性プラスチックであると考えた。実験の結果、驚くべきことに屈折
率差が0.02よりも下まわることにより、αが著しく高い光拡散性プラスチッ
クを得ることを見い出した。ただし、屈折率差が0.01未満となると十分な拡
散性を得るのに必要な光拡散性の濃度が異常に大きくなり、好ましくない。この
ように小さな屈折率差において十分な光拡散性と大きなαを得るためには平均粒
子径が適切な範囲にあることがもう一つの要件である。まず第一に平均粒子径が
7μmを下まわらないことが必要である。平均粒子径が7μmに達しない場合に
は微粒子濃度が低い時、直進方向の限られた立体角に進行する光が多く、しかも
この光が赤味を帯びている。微粒子濃度を増してゆくと、直進性の赤味を帯びた
光は低減されるが、Go が非常に低い値となるまでこの異常な光はなくならない
。この光は人間の目で観察する時いわゆるスケとして認識される。 人間の目は通常視野角1分(=1/60度)で見分けることが可能であり、こ
のスケの現象を光学測定機器(輝度計)によって測定するには人間の目が見分け
るのと同程度の視野角を有する機器を使用することが必要である。従来、文献等
で輝度の角度分布のデータとスケとの間に相関性がないものが見受けられるが、
それは人間の目と輝度計との視野角の差によると思われる。現在市販の輝度計の
視野角は2度、1度、1/3度、0.2度等があり、いずれも1/60度に比べ
て大きい。視野角ができるだけ小さく、かつ安定した測定ができることを考慮し
、本発明者等は視野角が1/3°のミノルタ社製のミノルタ輝度計nt1/3°
Pを用いて測定を行った。その結果、スケの現象に対応して極めてせまい角度範
囲に集中した強い光を測定することができ、Go とαの値にある程度反映される
こ とがわかった。微粒子の平均粒子径が7μmを下まわると、スケを防止するため
には最大輝度が極めて低くなるまで光拡散材の濃度を増す必要があり、スケがな
く、かつゲインの大きい光拡散板を得るには適当ではない。一方、一般に光の拡
散の程度は屈折率の差が小さいほど、また平均粒子径が大きいほど小さくなる。
ことに本発明のように、基体樹脂との屈折率差が小さい場合には、粒子径は厳密
に管理しないと、実用的な範囲内で十分な拡散機能をもたらすことができない。
本発明において好適な範囲は、基体樹脂の屈折率Nsと微粒子の屈折率Npの関
数として平均粒子径が(Np−Ns)×1000μm以下である。平均粒子径が
この範囲を上まわると、使用する微粒子の濃度が大きくなりすぎるため、経済上
、生産技術上、不利となるばかりでなく、本発明の範囲内の粒径の場合に比べて
半値角が小さくなる。 平均粒子径には種々の定義があるが、本発明にいう平均粒子径とは、重量メジ
アン径すなわち重量累積曲線において累積重量分率が50%となる粒子径でもっ
て表わす。粒度分布を測定するには、コールターカウンター法、沈降法、顕微鏡
写真または電子顕微鏡写真による計数法等の方法があり、いずれの方法でもよい
。 以上に述べた屈折率差および粒径の範囲を適用することにより、従来よりも優
れた性能の光拡散性プラスチックを得ることが可能となった。本発明はさらに光
拡散性の微粒子の形状を特定することにより、さらに優れた性能の光拡散性プラ
スチックに適した微粒子を提供するものである。その特徴とするところは第一に
、全微粒子中に占める中空状微粒子の割合を、3重量%以下とすることであり、
第二には、全微粒子中に占める非球状微粒子の割合が10重量%以下とすること
である。一般によく知られている球状の透明微粒子としてガラスビーズがあるが
、本発明者らの検討したところによると、前述の如き屈折率差および粒径範囲を
適用することにより、ガラスビーズを用いても性能を向上させることができるが
同様の粒径および屈折率を有する後述の如き架橋プラスチックビーズに比べて、
性能が劣ることが判明した。また中空部を実質的に含まない微粒子として種々の
破砕無機粉があり、これらも前記諸条件を満たす範囲で用いることにより、優れ
た光拡散性プラスチックとすることができるが球状の形状を有する微粒子の方が
、このような不定形の微粒子に比べて、同一のピークゲインGo を与える濃度の
拡 散板において半値角αが大きくなるので、さらに好ましい。ガラスビーズ等の場
合には破砕状微粒子と球状微粒子が混在しているのが一般であり、また中空ビー
ズの比率を減少させる目的で、通常のガラスビーズに破砕状微粒子を混入して性
能を向上させる方法も可能であり、事実有効であるが、好ましくは上述の如く球
状微粒子の比率が高い方が好ましい。非球状微粒子は好ましくは30%以下、さ
らに好ましくは10%以下、最も好ましくは実質的に含まれないのがよい。 上記の屈折率差、粒径、形状の諸条件を満足するには透明微粒子として、ポリ
マー、殊に架橋ポリマーを用いるのが有利であり好ましい。球状で非中空の微粒
子はポリマー以外ではあまり存在しないし、さらに屈折率差を上記範囲内におさ
めるためには、ビーズの屈折率は決まっているので基体樹脂の屈折率をビーズに
適したように調整する必要があり、拡散板の総合的物性に影響を与える事になり
、必ずしも有利ではない。一方透明微粒子としてポリマー、殊に架橋ポリマーを
用いる場合には、基板樹脂の屈折率にあわせて任意に設計することが可能であり
かつ有利である。一般に光拡散性プラスチックは、光拡散性微粒子と基板樹脂を
溶融混練して押し出し、あるいはプレス法により、または場合によっては光拡散
性微粒子を重合性モノマーまたは部分重合した重合性モノマーシラップ中に分散
させて重合する方法によって作られる。したがって光拡散性微粒子は光拡散性プ
ラスチックを作る工程中において、溶融、溶解等により好ましくない形状に変化
しないことが必要である。そのためには、ポリマーの分子量を十分高くしておく
方法も可能であるが、より好ましくは適度な架橋を与えておくのがよい。 光拡散性プラスチックの基体樹脂としては、透明で光線透過率の高い樹脂すな
わちメタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂の他エポキシ樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が使用される。中でもメタクリル樹脂は、耐久性およ
び物性が優れているので好ましい樹脂である。通常メタクリル樹脂は耐熱性、成
型性、耐久性等を改良する目的でMMAの他にアルキルアクリレートを共重合し
たり、滑剤、紫外線吸収剤を添加したりするが、ここでいうメタクリル樹脂はそ
のようなMMAを主体とする樹脂全般をいう。基体樹脂をメタクリル樹脂とする
場合、MMAとスチレンおよび多官能性(メタ)アクリレート構成成分とする架
橋樹脂である微粒子を光拡散剤とするのが好適である。通常のメタクリル樹脂 は屈折率が1.49前後であるので、光拡散剤微粒子の屈折率は1.50〜1.
51程度であることが好ましい。もちろん基体樹脂であるメタクリル樹脂の種類
によって若干高いまたは低い屈折率であってもよい。本発明において多官能性(
メタ)アクリレートとは、一分子中に二個以上のアクリル基またはメタクリル基
を有する化合物であり、たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(
メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テト
ラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコールジ(
メタ)アクリレートの他トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの多価(メ
タ)アクリレート等がある。これら多官能性(メタ)アクリレートは透明微粒子
が光拡散性プラスチックの製造過程においてその微粒子の形状を損なうのを防止
する役割を担うものであり、透明微粒子を構成する全モノマーの2%〜60%の
範囲で適宜選択される。 基体樹脂としてスチレンとMMAの共重合体を用いると屈折率が高くなるため
、レンズとしての効果が高まり、有利となる場合がある。このような場合にも、
前記のメタクリル樹脂に用いた透明微粒子に類似の架橋共重合体を用いることが
望ましい。ただし、スチレン−MMA樹脂の屈折率に応じて適当な屈折率に調整
すればよい。以上述べたポリマービーズは、懸濁重合法により合成する事ができ
る。例えば、ポリビニルアルコールを分散剤とし、モノマーをディスパーザー等
により、微細に分散した後、重合、濾過、洗浄、乾燥することにより、製造する
ことができる。 (実施例) 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。 実施例1 MMA39部、アクリル酸エチル3部、スチレン8部、エチレングリコールジ メタクリレート50部、ラウロイルパーオキサイド0.6部およびラウリルメル
カプタン0.2部をポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−420)を0.
4%含む水400部と混合し、ラボディスパーザーにより分散を行なった。この
液を撹拌しながら窒素雰囲気で70℃で120分、95℃で100分加熱した。
得られた分散液を沢過および水による繰りかえし洗浄を行ない最後にメタノール
で洗浄後、乾燥した。 このようにして得られた架橋微粒子の粒度分布を粒度分布計(セイシン企業製
ミクロンフォトサイザーSKA−5000)で測定したところ、重量メジアン径
は10.48μmであった。この際の比重は別途同一組成の重合物を作って測定
した値(1.2003)を用いた。屈折率は顕微鏡によりベッケ線の移動挙動を
見る方法で測定し、1.5078であつた。 またこのビーズは実質的にすべて球状でかつ中空粒子を含んでいなかった。 この架橋ビーズを用い、以下の方法により、種々の重量分率でビーズを含有す
る、厚さ1mmのメタクリル樹脂板を作った。 アクリル酸エチル11.9重量部、MMA128.1部の混合液中にアクリル
酸エチル8.5%を含むアクリル樹脂ビーズ(協和ガス化学工業製F−1000
B屈折率1.4920)60重量部を溶解して、アクリル樹脂シラップを作つた
。このシラップに前記の架橋ビーズを必要量、凝集しないように注意しながら、
分散させた。この中にアゾビスイソブチロニトリル0.02重量部を溶解せしめ
、ガスケットを装着した2枚のガラス板中に入れ、脱気した後、80℃で2時間
、さらに120℃で2時間加熱して重合した。なお板厚は1mmとなるように調
整した。重量終了後ガラス板より微粒子ビーズ入りアクリル板を取り出した。 このようにして得られた微粒子含有アクリル樹脂板(光拡散板)にコリメート
されたハロゲンランプの光を後方より入射した。光拡散板から1.5mの前方に
、輝度計(ミノルタ輝度計nt1/3°P)を設置し、輝度を測定した。輝度計
の位置をずらし、角度を変えて、同一部分を測定する操作をくりかえし、輝度の
角度分布を測定した。一方、別途光拡散板の位置の照度を照度計により測定して
おき、輝度と照度の比から式(IV)によりゲインを計算した。正面のゲインをG
O 、ゲインがGO の1/2となる時の角度をαとして、各濃度の値を第1表に示
す。 この結果を縦軸をGo 、横軸をαとする両対数グラフにプロットすると、第2
図のようになる。この図よりGo が20となる濃度においてはαは8.2°とな
る。この値は後述の比較例に示される値に比べて大きな値であり、この光拡散板
は一定のピークゲインとした時の拡散半値角の大きいすぐれた材料である。 実施例2 実施例1と同様にして、MMA41.3%、スチレン3.5%、エチレングリ
コールジメタクリレート50%、メチルアクリレート5.0%、ラウリルメルカ
プタン0.2%よりなる重量メジアン径8.55ミクロン、屈折率1.5035
の架橋ビーズを得た。この架橋ビーズを用いて、実施例1と同様に各種濃度の厚
さ1mmのアクリル樹脂製光拡散板を作成し、光学性能を測定した。結果を第2
表に示す。これらのGo 、αを第2図にプロットする。この図よりゲインが20
となる時のαは約8.2°であり良好な拡散性を示している。実施例3および 比較例1、2 表2に示すような各種の微粒子ならびに基体樹脂を用いて光拡散板を作成し、
光拡散性能を測定した。測定結果も第2表に示す。実施例3と比較例1を比較す
ればわかるように同一の微粒子を用いても屈折率差を本発明の範囲にすることに
より、光拡散性能を向上させることができる。 (発明の効果) 本発明により、正面の輝度が高く、かつ拡散半値角の大きな光拡散性プラスチ
ックを得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例1における各架橋ビーズ濃度におけるゲインの角度分布を表
わす図であり、縦軸は対数目盛、横軸は等間隔目盛で示している。第2図は、実
施例1〜および比較例1〜2のピークゲインと半値角を示すグラフであり、縦
軸、横軸とも対数目盛で示している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 屈折率Nsからなる透明なプラスチック中に、下記式(I)、
    および式(II) 0.01≦|Np−Ns|<0.02 (I) 7≦d≦(Np−Ns)×1000 (II) を満足する平均粒子径d(ミクロン)、屈折率Npを有する透明な微粒子を分散
    せしめてなる光拡散性プラスチック。 【請求項2】 透明な微粒子のうち内部に空孔を有する粒子の全微粒子中に占
    める割合が3.0重量%以下であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の光拡散性プラスチック。 【請求項3】 微粒子のうち非球状の粒子の全微粒子中に占める割合が10重
    量%以下であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第2項記載の光
    拡散性プラスチック。 【請求項4】 微粒子がポリマーである、特許請求の範囲第1項、第2項また
    は第3項に記載の光拡散性プラスチック。 【請求項5】 微粒子が架橋ポリマーである、特許請求の範囲第1項、第2項
    または第3項に記載の光拡散性プラスチック。 【請求項6】 透明なプラスチックがメタクリル樹脂であり、微粒子がメチル
    メタクリレート、スチレン、アルキルアクリレートおよび多官能性(メタ)アク
    リレートの共重合体である、特許請求の範囲第1項、第2項または第3項に記載
    の光拡散性プラスチック。 【請求項7】 透明なプラスチックがメチルメタクリレートとスチレンの共重
    合体樹脂であり、微粒子がメチルメタクリレート、スチレン、アルキルアクリレ
    ートおよび多官能性(メタ)アクリレートの共重合体である、特許請求の範囲第
    1項、第2項または第3項に記載の光拡散性プラスチック。

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