JP2666591B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置

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JP2666591B2 JP6039091A JP6039091A JP2666591B2 JP 2666591 B2 JP2666591 B2 JP 2666591B2 JP 6039091 A JP6039091 A JP 6039091A JP 6039091 A JP6039091 A JP 6039091A JP 2666591 B2 JP2666591 B2 JP 2666591B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のシリンダを冷
却する内燃機関の冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より実開昭63−168242号に
記載の如く、シリンダライナ外周に螺旋状又は環状の冷
却溝を設けて冷媒を流し、内燃機関の冷却を行なう冷却
装置がある。
【0003】図4(A),(B),(C)夫々は従来の
シリンダライナの一例の平面図、正面図、側面図を示
す。同図中、シリンダライナ10の外周には等間隔で環
状溝11が形成されている。また、全ての環状溝11は
軸方向に形成された連通路12,13により連通されて
いる。流入部14から流入する冷媒は連通路12を通っ
て各環状溝11に分配され、連通路13を通って流出部
15から流出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の冷却装置の
構成では螺旋状の1本の冷却溝からなる構成に比して圧
損が小さくポンプ出力が小さくて済み、また冷媒流速の
上昇及び伝熱面積の拡大によって冷却能力が大幅に改善
される。
【0005】しかし、シリンダライナ10の周方向での
冷媒流量が一様であり、シリンダライナ10は全体が一
様に冷却される。しかしピストン潤滑にとっては、シリ
ンダ上端部では潤滑油の温度が低く膜厚が厚い方が好適
の境界潤滑であり、シリンダ中間部では潤滑油の温度が
高く膜厚が薄い方が好適の流体潤滑であるため、シリン
ダライナ10が一様に冷却されるとシリンダ中間部が過
冷却になってしまい、摩擦が増大するという問題があ
る。
【0006】これを解決するためには、シリンダライナ
10の軸方向中間部の環状溝の数を減少させることが考
えられるが、多気筒内燃機関のシリンダが隣接するシリ
ンダブロックのボア間では隣りのシリンダからの熱が溜
まってしまい、局部的に高温になってしまうという問題
があった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
シリンダライナの中間部の冷媒流量をスラスト側位置及
び反スラスト側位置でシリンダライナの端部より小とす
ることにより、シリンダ中間部の摩擦増大を防止すると
共に、隣接シリンダからの熱による局部的な高温域の発
生を防止する内燃機関の冷却装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、複数のシリンダライナ夫々の外周に冷
媒通路を形成して各シリンダライナの冷却を行なう内燃
機関の冷却装置において、シリンダライナの軸方向中間
部で他のシリンダライナと隣接するボア間位置を除くス
ラスト側位置及び反スラスト側位置の冷媒流量がシリン
ダライナの軸方向端部の流量より小となるよう冷媒通路
を形成している。
【0009】
【作用】本発明においては、シリンダライナ中間部の冷
媒流量がスラスト側位置及び反スラスト側位置で端部の
冷媒流量より小とされているため、シリンダ中間部の過
冷却が防止される。またシリンダライナ中間部のボア間
位置の冷媒流量は上記スラスト側位置及び反スラスト側
位置の如く小とされていないため、隣接シリンダからの
入熱が溜まることがない。
【0010】
【実施例】図1(A),(B),(C)夫々は本発明装
置のシリンダライナの一実施例の平面図、正面図、側面
図を示す。
【0011】同図中、シリンダライナ20の外周には略
環状の冷媒通路211 〜219 が形成されている。冷媒
通路211 〜219 は、ボア間位置I,III 夫々では軸
方向間隔が等間隔とされ、スラスト側位置II及び反スラ
スト側位置IV(位置IIから180度回転した位置)夫々
では軸方向の中間部ほど間隔が大きくされて冷媒通路2
5 ,216 夫々は中間部を避け端部側に寄せた状態と
されている。なお、位置II,VIを結ぶ方向をX方向、位
置I,III を結ぶ方向をY方向とする。
【0012】また、シリンダライナ20外周のボア間位
置IV,II夫々には軸方向に連通路22,23が形成され
て冷媒通路211 〜219 夫々を連通している。
【0013】上記のシリンダライナ20は図2に示す如
く、シリンダブロック30に形成されたボアに挿通され
て使用される。連通路22の下端に設けられた流入部2
4から流入する冷媒は連通路22を通って各冷媒通路2
1 〜219 に分配され、連通路23を通って連通路2
3の上端に設けられた流出部25から流出する。
【0014】このとき、図1に示すシリンダライナ20
のスラスト側位置II及び反スラスト側位置IVにおけるシ
リンダライナ20の軸方向温度分布は図3に実線で示す
如くになる。ここで、破線は図4の従来例のシリンダラ
イナ10における温度分布である。シリンダライナ20
ではシリンダ端部の温度が従来より多少低くなり境界潤
滑に適し、またシリンダ中間部の温度が従来より高くな
り流体潤滑に適する。また、ボア間位置I,III 夫々で
はシリンダ中間部の冷媒流量はシリンダ端部と略同一で
あるため、隣りのシリンダからの入熱が溜まらないよう
奪うことができる。
【0015】
【発明の効果】上述の如く、本発明の内燃機関の冷却装
置によれば、シリンダ中間部の摩擦増大を防止すると共
に、隣接シリンダからの熱による局部的な高温域の発生
を防止することができ、実用上きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置のシリンダライナの一実施例の構造
図である。
【図2】本発明の装置のシリンダライナの配置を示す図
である。
【図3】本発明のシリンダの温度分布を示す図である。
【図4】従来装置のシリンダライナの一例の構造図であ
る。
【符号の説明】
20 シリンダライナ 211 〜219 冷媒通路 22,23 連通路 24 流入部 25 流出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−119659(JP,A) 実開 昭62−28019(JP,U) 実開 昭63−168241(JP,U) 実開 昭63−168242(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダライナ夫々の外周に冷媒
    通路を形成して各シリンダライナの冷却を行なう内燃機
    関の冷却装置において、該シリンダライナの軸方向中間
    部で他のシリンダライナと隣接するボア間位置を除くス
    ラスト側位置及び反スラスト側位置の冷媒流量が該シリ
    ンダライナの軸方向端部の流量より小となるよう冷媒通
    路を形成したことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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