JP2666486B2 - エンドレス研削ベルトおよびその製造方法 - Google Patents
エンドレス研削ベルトおよびその製造方法Info
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- JP2666486B2 JP2666486B2 JP1215481A JP21548189A JP2666486B2 JP 2666486 B2 JP2666486 B2 JP 2666486B2 JP 1215481 A JP1215481 A JP 1215481A JP 21548189 A JP21548189 A JP 21548189A JP 2666486 B2 JP2666486 B2 JP 2666486B2
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- entire
- belt
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Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、各種研削に使用される環状のエンドレス研
削ベルトおよびその製造方法に係わり、特に、ベルトの
継目を無くすとともに、引っ張り強度および柔軟性を向
上するための改良に関する。
削ベルトおよびその製造方法に係わり、特に、ベルトの
継目を無くすとともに、引っ張り強度および柔軟性を向
上するための改良に関する。
「従来の技術」 この種のエンドレス研削ベルトは、合成繊維または天
然繊維製の布材に無電解めっきを施した後、この布材の
表面にダイヤモンド等の超砥粒を単層状に電着し、さら
にこの布材を帯状に切断して両端を環状に接合し、裏面
を補強シール等により裏打ちして得られるもので、最近
では、硬質で脆性を有するセラミックス等の研削分野に
おいて広範な用途に使用されつつある。
然繊維製の布材に無電解めっきを施した後、この布材の
表面にダイヤモンド等の超砥粒を単層状に電着し、さら
にこの布材を帯状に切断して両端を環状に接合し、裏面
を補強シール等により裏打ちして得られるもので、最近
では、硬質で脆性を有するセラミックス等の研削分野に
おいて広範な用途に使用されつつある。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、従来のエンドレス研削ベルトは、上記のよ
うに少なくとも1箇所に継目を有するため、電着砥粒層
を形成した後も、この継目部分において砥粒面に僅か
(JIS規格内)ではあるが、盛り上がりが生じることが
避けられなかった。
うに少なくとも1箇所に継目を有するため、電着砥粒層
を形成した後も、この継目部分において砥粒面に僅か
(JIS規格内)ではあるが、盛り上がりが生じることが
避けられなかった。
このため、従来のエンドレス研削ベルトでは、 継目部分での砥粒層の摩耗が激しく、この部分から
破損してベルトの使用寿命を縮める。
破損してベルトの使用寿命を縮める。
継目部分では被削材に対する当接圧力が高くなるた
め、研削時に砥粒が被削材に深く食い込み、チッピング
や条痕を生じて仕上げ面粗さを悪化させる。
め、研削時に砥粒が被削材に深く食い込み、チッピング
や条痕を生じて仕上げ面粗さを悪化させる。
継目部分が他よりも硬くなり、,の問題を助長
する、等の欠点を有していた。
する、等の欠点を有していた。
さらにまた、導電性を付与した布材に砥粒を電着する
際には、布材の表面だけでなく内部にも金属めっきが析
出するため、従来のエンドレス研削ベルトでは、ベルト
の引っ張り強度を高めるために厚手の布材を使用する
と、布材の内部で析出する金属量も増し、布材が硬化し
て柔軟性を失う問題があった。
際には、布材の表面だけでなく内部にも金属めっきが析
出するため、従来のエンドレス研削ベルトでは、ベルト
の引っ張り強度を高めるために厚手の布材を使用する
と、布材の内部で析出する金属量も増し、布材が硬化し
て柔軟性を失う問題があった。
このように柔軟性を失った研削ベルトを用いると、被
削材の表面にチッピングが生じる傾向が強まり、仕上げ
面精度の悪化を招くうえ、曲がると破断しやすい欠点が
生じる。したがって、柔軟性に優れ、かつ引っ張り強度
の高い研削ベルトの製造が重要な課題になっていた。
削材の表面にチッピングが生じる傾向が強まり、仕上げ
面精度の悪化を招くうえ、曲がると破断しやすい欠点が
生じる。したがって、柔軟性に優れ、かつ引っ張り強度
の高い研削ベルトの製造が重要な課題になっていた。
「課題を解決するための手段」 本発明は上記各課題を解決するためになされたもの
で、まず、本発明に係わるエンドレス研削ベルトは、袋
織りで形成された環状の表布材と、この表布材の表面に
ダイヤモンドまたはCBN等の超砥粒を金属めっき相で固
定してなる電着砥粒層と、前記表布材の裏面の全長に亙
って接着層を介して固定された、袋織りで形成された環
状の裏布材とからなることを特徴としている。
で、まず、本発明に係わるエンドレス研削ベルトは、袋
織りで形成された環状の表布材と、この表布材の表面に
ダイヤモンドまたはCBN等の超砥粒を金属めっき相で固
定してなる電着砥粒層と、前記表布材の裏面の全長に亙
って接着層を介して固定された、袋織りで形成された環
状の裏布材とからなることを特徴としている。
一方、本発明に係わるエンドレス研削ベルトの製造方
法は、袋織りの表布材に無電解めっきを行なってその全
面に導電性を付与し、この表布材の表面にダイヤモンド
またはCBN等の超砥粒を電着して電着砥粒層を形成した
後、前記表布材の裏面側に、表面に接着剤を塗布した前
記表布材より若干短い円周長を有する袋織りの裏布材を
配置し、さらにこの裏布材を伸張手段により全周に亙っ
て均等に伸張させ、表布材の裏面の全面に亙って裏布材
を圧着して接合することを特徴としている。
法は、袋織りの表布材に無電解めっきを行なってその全
面に導電性を付与し、この表布材の表面にダイヤモンド
またはCBN等の超砥粒を電着して電着砥粒層を形成した
後、前記表布材の裏面側に、表面に接着剤を塗布した前
記表布材より若干短い円周長を有する袋織りの裏布材を
配置し、さらにこの裏布材を伸張手段により全周に亙っ
て均等に伸張させ、表布材の裏面の全面に亙って裏布材
を圧着して接合することを特徴としている。
「作用」 上記のエンドレス研削ベルトによれば、袋織りの布材
を使用したことにより継目が全くないため、布材の肉厚
や柔軟性が全周に亙って均一で、砥粒層の偏摩耗が生じ
ず、偏摩耗に起因する破断を防いで使用寿命の延長が図
れるうえ、被削材に対する当たりが安定し、条痕発生を
防いで仕上げ面粗さの向上が図れる。
を使用したことにより継目が全くないため、布材の肉厚
や柔軟性が全周に亙って均一で、砥粒層の偏摩耗が生じ
ず、偏摩耗に起因する破断を防いで使用寿命の延長が図
れるうえ、被削材に対する当たりが安定し、条痕発生を
防いで仕上げ面粗さの向上が図れる。
また、電着砥粒層を形成した表布材の裏面に裏布材を
張り付けているので、裏布材による補強効果が得られる
分、表布材を薄肉化してその内部への金属めっき相の析
出による硬化が防止できるうえ、裏布材は電着には拘わ
りなく柔軟であるから、ベルト全体としての柔軟性を失
わずに、引っ張り強度を大幅に向上できる。
張り付けているので、裏布材による補強効果が得られる
分、表布材を薄肉化してその内部への金属めっき相の析
出による硬化が防止できるうえ、裏布材は電着には拘わ
りなく柔軟であるから、ベルト全体としての柔軟性を失
わずに、引っ張り強度を大幅に向上できる。
さらに、砥粒層および表布材を裏面から相対的に軟質
な接着層および裏布材で支持した構造なので、被削材へ
の切り込み時に個々の砥粒にかかる衝撃が接着層および
裏布材により吸収・緩和され、比較的粗い砥粒を用いた
場合にも、砥粒の切り込み衝撃に起因する被削材のチッ
ピングを生じにくく、硬質かつ脆性の被削材の研削も効
果的に行なえる。
な接着層および裏布材で支持した構造なので、被削材へ
の切り込み時に個々の砥粒にかかる衝撃が接着層および
裏布材により吸収・緩和され、比較的粗い砥粒を用いた
場合にも、砥粒の切り込み衝撃に起因する被削材のチッ
ピングを生じにくく、硬質かつ脆性の被削材の研削も効
果的に行なえる。
一方、上記のエンドレス研削ベルトの製造方法によれ
ば、上述したような優れた特性を備えるエンドレス研削
ベルトが容易に製造できるうえ、裏布材の繊維が伸張処
理により長手方向に引き締められるから、研削時のベル
トの伸びを防いで、研削性の安定化が図れる。
ば、上述したような優れた特性を備えるエンドレス研削
ベルトが容易に製造できるうえ、裏布材の繊維が伸張処
理により長手方向に引き締められるから、研削時のベル
トの伸びを防いで、研削性の安定化が図れる。
「実施例」 第1図および第2図は、本発明に係わるエンドレス研
削ベルトを示す斜視図および断面図である。
削ベルトを示す斜視図および断面図である。
図中符号1は袋織りされた一定幅で環状の表布材であ
り、この表布材1の表面には、その全面に亙って、ダイ
ヤモンドまたはCBN等の超砥粒2が金属めっき相3で単
層状または多層状に固定されてなる電着砥粒層4が形成
されている。
り、この表布材1の表面には、その全面に亙って、ダイ
ヤモンドまたはCBN等の超砥粒2が金属めっき相3で単
層状または多層状に固定されてなる電着砥粒層4が形成
されている。
一方、表布材1の裏面には、表布材1と同様に袋織り
された、ほぼ同寸法で環状をなす裏布材5が、接着層6
を介して全面に亙って貼り付けられている。
された、ほぼ同寸法で環状をなす裏布材5が、接着層6
を介して全面に亙って貼り付けられている。
前記表布材1は、ポリエステル等の化学繊維や綿など
の天然繊維、あるいは2種以上の繊維の混紡等からな
る。織り方は平織りや綾織り、あるいは他の織り方のい
ずれでもよいが、伸びを防ぐために織り目は緻密である
ことが望ましい。
の天然繊維、あるいは2種以上の繊維の混紡等からな
る。織り方は平織りや綾織り、あるいは他の織り方のい
ずれでもよいが、伸びを防ぐために織り目は緻密である
ことが望ましい。
表布材1の織糸の太さは、繊維種や用途にもよるが75
〜400デニール程度、特に75〜300デニールであることが
好ましい。75デニール未満では布が薄すぎて強度が不足
し、研削に耐えないおそれが生じる。また、400デニー
ルより太いと、布が厚くなりすぎて電着時に表布材1の
内部で析出する金属量が増し、表布材1が硬くなって十
分な柔軟性が得られない。
〜400デニール程度、特に75〜300デニールであることが
好ましい。75デニール未満では布が薄すぎて強度が不足
し、研削に耐えないおそれが生じる。また、400デニー
ルより太いと、布が厚くなりすぎて電着時に表布材1の
内部で析出する金属量が増し、表布材1が硬くなって十
分な柔軟性が得られない。
表布材1には、導電性を付与するためにCuまたはNi等
の無電解めっきが全体に施されている。無電解めっき層
の析出量は0.1〜0.5g/dm2、望ましくは0.2〜0.3g/dm2と
される。0.1g/dm2未満では十分な導電性が得られず、0.
5g/dm2を越えると繊維が硬化して好ましくない。
の無電解めっきが全体に施されている。無電解めっき層
の析出量は0.1〜0.5g/dm2、望ましくは0.2〜0.3g/dm2と
される。0.1g/dm2未満では十分な導電性が得られず、0.
5g/dm2を越えると繊維が硬化して好ましくない。
一方、金属めっき相3の厚さは超砥粒2の平均粒径の
30〜70%、特に40〜50%が望ましい。30%未満では砥粒
保持力が低下して砥粒の脱落が増え、70%より大では砥
粒の突出量が減って切れ味が低下する。なお、超砥粒2
の粒度は、研削ベルトの用途に応じて適宜決定される。
30〜70%、特に40〜50%が望ましい。30%未満では砥粒
保持力が低下して砥粒の脱落が増え、70%より大では砥
粒の突出量が減って切れ味が低下する。なお、超砥粒2
の粒度は、研削ベルトの用途に応じて適宜決定される。
一方、裏布材5は主に研削ベルトの引っ張り強度を高
めるためのもので、要求される強度に応じて表布材1よ
りも厚手の布が選択される。材質や織り方は表布材1と
同様でよいが、引っ張り強度をより高めるために、特に
長手方向に各種の強化繊維を混紡してもよい。
めるためのもので、要求される強度に応じて表布材1よ
りも厚手の布が選択される。材質や織り方は表布材1と
同様でよいが、引っ張り強度をより高めるために、特に
長手方向に各種の強化繊維を混紡してもよい。
接着層6を形成する接着剤としては弾力性に富むもの
が好ましくは、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、エポ
キシ系弾性接着剤等から適宜選択される。接着強度上の
要求を満たすことができれば、弾力性を高めるために発
泡させてもよい。接着層6の厚さは必要な接着強度に応
じて決定される。
が好ましくは、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、エポ
キシ系弾性接着剤等から適宜選択される。接着強度上の
要求を満たすことができれば、弾力性を高めるために発
泡させてもよい。接着層6の厚さは必要な接着強度に応
じて決定される。
また、研削ベルトの幅や全周長は、用途に応じて決定
される。
される。
上記構成からなるエンドレス研削ベルトによれば、以
下のような優れた効果が得られる。
下のような優れた効果が得られる。
表布剤1および裏布材5のいずれも袋織りの布材を
使用したことにより、研削べルトの継目が全くない。し
たがって、研削ベルトの肉厚や柔軟性が全周に亙って均
一で、電着砥粒層4の偏摩耗が生じず、偏摩耗に起因す
るベルトの破断を防いで使用寿命の延長が図れるうえ、
被削材に対する当たりが安定し、条痕発生を防いで仕上
げ面粗さの向上が図れる。
使用したことにより、研削べルトの継目が全くない。し
たがって、研削ベルトの肉厚や柔軟性が全周に亙って均
一で、電着砥粒層4の偏摩耗が生じず、偏摩耗に起因す
るベルトの破断を防いで使用寿命の延長が図れるうえ、
被削材に対する当たりが安定し、条痕発生を防いで仕上
げ面粗さの向上が図れる。
電着砥粒層4を形成した表布材1の裏面に裏布材5
を張り付けているので、裏布材5による補強効果が得ら
れる分、表布材1を薄肉化してその内部へ金属めっき相
の析出による硬化が防止できるうえ、裏布材5は電着に
は拘わりなく柔軟であるから、ベルト全体としての柔軟
性を失わずに、引っ張り強度を大幅に向上できる。
を張り付けているので、裏布材5による補強効果が得ら
れる分、表布材1を薄肉化してその内部へ金属めっき相
の析出による硬化が防止できるうえ、裏布材5は電着に
は拘わりなく柔軟であるから、ベルト全体としての柔軟
性を失わずに、引っ張り強度を大幅に向上できる。
相対的に硬質な砥粒層4および表布材1を裏面から
相対的に軟質な接着層5および裏布材6で支持した構造
なので、被削材への切り込み時に個々の砥粒2にかかる
衝撃が、接着層6と裏布材5により吸収・緩和される。
したがって、比較的粗い砥粒を用いた場合にも、砥粒の
切り込み衝撃に起因する被削材のチッピングが生じにく
く、硬質かつ脆性の被削材の研削も効果的に行なえる。
相対的に軟質な接着層5および裏布材6で支持した構造
なので、被削材への切り込み時に個々の砥粒2にかかる
衝撃が、接着層6と裏布材5により吸収・緩和される。
したがって、比較的粗い砥粒を用いた場合にも、砥粒の
切り込み衝撃に起因する被削材のチッピングが生じにく
く、硬質かつ脆性の被削材の研削も効果的に行なえる。
次に、本発明に係わる上記エンドレス研削ベルトの製
造方法を説明する。
造方法を説明する。
まず、袋織りで形成された表布材1に、無電解めっき
時にNiまたはCuを析出させるための表面触媒化処理を施
す。なお、この時点での表布材1はベルト複数本に相当
する幅広筒状のものを使用し、後に幅方向に切断してベ
ルトを切り出すと製造効率が良い。
時にNiまたはCuを析出させるための表面触媒化処理を施
す。なお、この時点での表布材1はベルト複数本に相当
する幅広筒状のものを使用し、後に幅方向に切断してベ
ルトを切り出すと製造効率が良い。
また、表布材1は予め伸張機にセットし、長手方向に
張力をかけて十分に引き伸ばしておくことが望ましい。
こうしておけば、繊維の微視的な緩みが是正され、表面
の平坦度が高められる。
張力をかけて十分に引き伸ばしておくことが望ましい。
こうしておけば、繊維の微視的な緩みが是正され、表面
の平坦度が高められる。
前記表面触媒化処理は、表布材1を構成する繊維糸の
表面にAu,Pt,Pd,Ag等の貴金属触媒核を付与する処理
で、表布材1をまずSnCl2等の還元剤溶液に浸漬してセ
ンシタイジングした後、これを水洗し、さらにPdCl2等
の前記貴金属の塩溶液に浸漬して水洗する。
表面にAu,Pt,Pd,Ag等の貴金属触媒核を付与する処理
で、表布材1をまずSnCl2等の還元剤溶液に浸漬してセ
ンシタイジングした後、これを水洗し、さらにPdCl2等
の前記貴金属の塩溶液に浸漬して水洗する。
次に、こうして得られた表布材1をNi,Cu等の無電解
めっき液に浸漬し、表面触媒化処理が施された繊維表面
に金属皮膜を析出させ、布材全体に導電性を付与する。
めっき液に浸漬し、表面触媒化処理が施された繊維表面
に金属皮膜を析出させ、布材全体に導電性を付与する。
次いで、無電解めっきした表布材1を十分に洗浄した
後、表布材1より全周長が僅かに短い貴金属ドラムの外
周にスペーサ等をはさんで密着状態で被せる。そして、
この金属ドラムを、超砥粒2を分散したNi,Co等の電気
めっき液に浸漬して電源陰極に接続し、電気めっき液内
に配置した陽極との間で通電しつつ、金属ドラムを低速
で回転して表布材1の表面全面に超砥粒2を金属めっき
相3で固着し、電着砥粒層4を形成する。
後、表布材1より全周長が僅かに短い貴金属ドラムの外
周にスペーサ等をはさんで密着状態で被せる。そして、
この金属ドラムを、超砥粒2を分散したNi,Co等の電気
めっき液に浸漬して電源陰極に接続し、電気めっき液内
に配置した陽極との間で通電しつつ、金属ドラムを低速
で回転して表布材1の表面全面に超砥粒2を金属めっき
相3で固着し、電着砥粒層4を形成する。
そして、表布材1をドラムから外して洗浄・乾燥した
後、第3図および第4図に示すような伸張機(伸張手
段)を用いて、表布材1の裏面に裏布材5を固定する。
後、第3図および第4図に示すような伸張機(伸張手
段)を用いて、表布材1の裏面に裏布材5を固定する。
この伸張機の構成を説明すると、10はモータあるいは
人力により一定トルクで回転される回転軸で、互いに逆
向きに形成された雄ネジ部11が間隔を空けて一対形成さ
れ、これら雄ネジ部11のそれぞれに円板12が垂直に螺合
されている。これら円板12は同形同寸法で、その外周面
は対向面側で窄まる円錘状のテーパ面12Aとされてい
る。
人力により一定トルクで回転される回転軸で、互いに逆
向きに形成された雄ネジ部11が間隔を空けて一対形成さ
れ、これら雄ネジ部11のそれぞれに円板12が垂直に螺合
されている。これら円板12は同形同寸法で、その外周面
は対向面側で窄まる円錘状のテーパ面12Aとされてい
る。
また、各円板12の間には、金属板等を円筒状に丸めて
なる拡径・縮径可能なドラム13が配置され、その両端が
各円板12のテーパ面12Aに同軸に当接している。このド
ラム13は、縮径した状態での円周長が裏布材5よりも若
干短い程度とされている。
なる拡径・縮径可能なドラム13が配置され、その両端が
各円板12のテーパ面12Aに同軸に当接している。このド
ラム13は、縮径した状態での円周長が裏布材5よりも若
干短い程度とされている。
さて、この伸張機を使用するには、回転軸10を回して
円板12を外したうえ、筒状の裏布材5をドラム13の外周
全面に被せる。この時点では、裏布材5は表布材1より
伸張分だけ全周長が短い。
円板12を外したうえ、筒状の裏布材5をドラム13の外周
全面に被せる。この時点では、裏布材5は表布材1より
伸張分だけ全周長が短い。
裏布材5の伸張率は、線維種や厚さ、織り方によって
も異なるが、例えばポリエステル撚糸(繊維96デニー
ル)を使用する場合は、伸張率0.5〜3%程度が適当で
ある。0.5%未満では接着後に裏布材5の弛みが生じる
おそれがあり、3%より大では伸張時に破断したり、使
用時に裏布材5が縮んで接着層6から剥離するおそれが
ある。
も異なるが、例えばポリエステル撚糸(繊維96デニー
ル)を使用する場合は、伸張率0.5〜3%程度が適当で
ある。0.5%未満では接着後に裏布材5の弛みが生じる
おそれがあり、3%より大では伸張時に破断したり、使
用時に裏布材5が縮んで接着層6から剥離するおそれが
ある。
次いで、ドラム13に被せた裏布材5の表面に、接着剤
を一定厚で塗布する。塗布方法としてはロール転写法や
ハケなどによる塗布、ノズルからの注出やスプレー散布
などから適した手法が選択される。
を一定厚で塗布する。塗布方法としてはロール転写法や
ハケなどによる塗布、ノズルからの注出やスプレー散布
などから適した手法が選択される。
次に、接着剤を塗布した裏布材5の上に、電着砥粒層
4を形成した表布材1を被せ、1段接着状態にする。続
いて回転軸10を回し、各円板12を接近させる。すると、
ドラム13の両端はテーパ面12Aに沿って徐々に拡径さ
れ、裏布材5が引きのばされて表面全面が均等に表布材
1の裏面に密着する。一方、表布材1は殆ど伸びないた
め、接着剤は両者の間で圧迫されて均一に広がり、表布
材1と裏布材6とを強固に接着する。
4を形成した表布材1を被せ、1段接着状態にする。続
いて回転軸10を回し、各円板12を接近させる。すると、
ドラム13の両端はテーパ面12Aに沿って徐々に拡径さ
れ、裏布材5が引きのばされて表面全面が均等に表布材
1の裏面に密着する。一方、表布材1は殆ど伸びないた
め、接着剤は両者の間で圧迫されて均一に広がり、表布
材1と裏布材6とを強固に接着する。
なお、以上のようにセッティッグした後は、接着剤の
硬化を促進するため、50℃×1時間程度の加熱処理を行
うことが好ましい。
硬化を促進するため、50℃×1時間程度の加熱処理を行
うことが好ましい。
そして完全に硬化した後は、再び円板12を外してドラ
ム13からベルト原型を抜き、裁断機で一定幅づつ平行に
切断して、エンドレス研削ベルトを得る。
ム13からベルト原型を抜き、裁断機で一定幅づつ平行に
切断して、エンドレス研削ベルトを得る。
上記構成からなるエンドレス研削ベルトの製造方法に
よれば、前述したような優れた特性を備えるエンドレス
研削ベルトが容易に製造できるうえ、表布材1および裏
布材5の繊維が伸張処理により長手方向に引き締められ
るから、研削時のベルトの伸びを防いで、研削性の安定
化が図れる。
よれば、前述したような優れた特性を備えるエンドレス
研削ベルトが容易に製造できるうえ、表布材1および裏
布材5の繊維が伸張処理により長手方向に引き締められ
るから、研削時のベルトの伸びを防いで、研削性の安定
化が図れる。
また、断面円形のドラム13を拡径させて裏布材5を伸
張させるので、伸張の程度がその全周に亙って均等であ
り、伸張率の不均一に起因するベルトの巻き癖等を防ぐ
ことができ、癖がなく良好な張りのあるベルトが得られ
る。
張させるので、伸張の程度がその全周に亙って均等であ
り、伸張率の不均一に起因するベルトの巻き癖等を防ぐ
ことができ、癖がなく良好な張りのあるベルトが得られ
る。
なお、上記のエンドレス研削ベルトはそのままでも使
用可能であるが、必要に応じては、その全面に合成樹脂
塗料を塗布または含浸させてもよい。合成樹脂塗料とし
ては、耐水,耐食性,耐熱性を有し、固化後に柔軟性を
有するものが適し、例を挙げると、ポリウレタン樹脂塗
料、クロロプレンゴム樹脂塗料、シリコーン変性樹脂塗
料などを溶剤で希釈したものが好適である。またエポキ
シ系樹脂塗料、アクリル系樹脂塗料なども場合により使
用可能である。
用可能であるが、必要に応じては、その全面に合成樹脂
塗料を塗布または含浸させてもよい。合成樹脂塗料とし
ては、耐水,耐食性,耐熱性を有し、固化後に柔軟性を
有するものが適し、例を挙げると、ポリウレタン樹脂塗
料、クロロプレンゴム樹脂塗料、シリコーン変性樹脂塗
料などを溶剤で希釈したものが好適である。またエポキ
シ系樹脂塗料、アクリル系樹脂塗料なども場合により使
用可能である。
このようにエンドレス研削ベルトの全面に合成樹脂塗
料を含浸させると、樹脂系の隙間を合成樹脂塗料で完全
に埋めることができ、湿気の多い場所に長期保管した
り、研削液を用いた湿式研削を行なう場合にも、金属め
っき層3の腐食や裏布材5の吸水による伸縮が防止でき
る利点を有する。
料を含浸させると、樹脂系の隙間を合成樹脂塗料で完全
に埋めることができ、湿気の多い場所に長期保管した
り、研削液を用いた湿式研削を行なう場合にも、金属め
っき層3の腐食や裏布材5の吸水による伸縮が防止でき
る利点を有する。
また、電着時に、表布材1の表面に部分的に絶縁性マ
スキング剤をプリントし、この状態で電着砥粒層4を形
成することにより、水玉模様や縞模様などの任意の模様
に電着砥粒層4を形成することも可能である。こうすれ
ば、表布材1の露出部が凹部となり、切粉排出性の向上
が図れる。
スキング剤をプリントし、この状態で電着砥粒層4を形
成することにより、水玉模様や縞模様などの任意の模様
に電着砥粒層4を形成することも可能である。こうすれ
ば、表布材1の露出部が凹部となり、切粉排出性の向上
が図れる。
また、縦糸と横糸を織みあげた表布材1の、縦糸また
は横糸のいずれかの表面にのみ、電着砥粒層4を形成す
ることも可能である。
は横糸のいずれかの表面にのみ、電着砥粒層4を形成す
ることも可能である。
その手法としては、表面触媒化処理を施した糸を縦
糸、同処理を施さない糸を横糸として表布材1を織りあ
げ、この表布材1に無電解めっきを施して、縦糸の表面
にのみ金属皮膜を形成したのち、この金属皮膜上に超砥
粒を電着すればよい。
糸、同処理を施さない糸を横糸として表布材1を織りあ
げ、この表布材1に無電解めっきを施して、縦糸の表面
にのみ金属皮膜を形成したのち、この金属皮膜上に超砥
粒を電着すればよい。
こうすれば、横糸が露出した部分が研削面における凹
部となるため、これら凹部により、切粉排出性および研
削液の保持作用を向上することができる。また、縦糸と
横糸が砥粒層4により相互に接合されないため、柔軟性
の向上が図れ、表布材1のクッション性が有効に生かさ
れて、被削材への当たりが柔らかくなり条痕等が形成さ
れにくく、仕上げ面粗さを向上することが可能である。
部となるため、これら凹部により、切粉排出性および研
削液の保持作用を向上することができる。また、縦糸と
横糸が砥粒層4により相互に接合されないため、柔軟性
の向上が図れ、表布材1のクッション性が有効に生かさ
れて、被削材への当たりが柔らかくなり条痕等が形成さ
れにくく、仕上げ面粗さを向上することが可能である。
なお、この場合、表面触媒化処理を施していない横糸
の方を周方向に向けて袋織りを行なうとさらに望まし
い。なぜなら、伸張時に各横糸の緩みが引き締められ、
縦糸と横糸の各交差部において横糸の山が相対的に低く
なるので、縦糸上に形成された砥粒層の高さを相対的に
高めて、砥石の研削効率が向上できるからである。
の方を周方向に向けて袋織りを行なうとさらに望まし
い。なぜなら、伸張時に各横糸の緩みが引き締められ、
縦糸と横糸の各交差部において横糸の山が相対的に低く
なるので、縦糸上に形成された砥粒層の高さを相対的に
高めて、砥石の研削効率が向上できるからである。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わるエンドレス研削
ベルトによれば、袋織りで形成された表布材および裏布
材を使用したことにより、ベルトの継目を全くなくすこ
とができ、ベルトの肉厚や柔軟性が全周に亙って均一
で、電着砥粒層の偏摩耗が生じず、偏摩耗に起因する破
断を防いで使用寿命の延長が図れるうえ、被削材に対す
る当たりが安定し、条痕発生を防いで仕上げ面粗さの向
上が図れる。
ベルトによれば、袋織りで形成された表布材および裏布
材を使用したことにより、ベルトの継目を全くなくすこ
とができ、ベルトの肉厚や柔軟性が全周に亙って均一
で、電着砥粒層の偏摩耗が生じず、偏摩耗に起因する破
断を防いで使用寿命の延長が図れるうえ、被削材に対す
る当たりが安定し、条痕発生を防いで仕上げ面粗さの向
上が図れる。
また、電着砥粒層を形成した表布材の裏面に裏布材を
張り付けているので、裏布材による補強効果が得られる
分、表布材を薄肉化して、電着時における表布材内部へ
の金属めっきの析出による硬化が低減できるうえ、裏布
材は電着には拘わりなく柔軟であるから、ベルト全体と
しての柔軟性を高めるとともに、引っ張り強度を大幅に
向上することができる。
張り付けているので、裏布材による補強効果が得られる
分、表布材を薄肉化して、電着時における表布材内部へ
の金属めっきの析出による硬化が低減できるうえ、裏布
材は電着には拘わりなく柔軟であるから、ベルト全体と
しての柔軟性を高めるとともに、引っ張り強度を大幅に
向上することができる。
さらに、砥粒層および表布材を裏面から相対的に柔軟
な接着層および裏布材で支持した構造なので、被削材へ
の切り込み時に、個々の砥粒にかかる衝撃が接着層およ
び裏布材により吸収・緩和され、比較的粗い砥粒を用い
た場合にも、砥粒の切り込み衝撃に起因する被削材のチ
ッピングが生じにくく、硬質かつ脆性の被削材の研削も
効果的に行なえる。
な接着層および裏布材で支持した構造なので、被削材へ
の切り込み時に、個々の砥粒にかかる衝撃が接着層およ
び裏布材により吸収・緩和され、比較的粗い砥粒を用い
た場合にも、砥粒の切り込み衝撃に起因する被削材のチ
ッピングが生じにくく、硬質かつ脆性の被削材の研削も
効果的に行なえる。
一方、上記のエンドレス研削ベルトの製造方法によれ
ば、上述したような優れた特性を備えるエンドレス研削
ベルトが容易に製造できるうえ、表布材および裏布材の
繊維が伸張処理により長手方向に引き締められるから、
研削時のベルトの伸びを防いで、研削性の安定化が図れ
る。
ば、上述したような優れた特性を備えるエンドレス研削
ベルトが容易に製造できるうえ、表布材および裏布材の
繊維が伸張処理により長手方向に引き締められるから、
研削時のベルトの伸びを防いで、研削性の安定化が図れ
る。
第1図および第2図は本発明に係わるエンドレス研削ベ
ルトの一実施例を示し、第1図は斜視図、第2図は断面
図である。 また、第3図および第4図は、本発明にエンドレス研削
ベルトの製造方法に使用される伸張手段を示す縦断面図
および横断面図である。 1…表布材、2…超砥粒、3…金属めっき相、4…電着
砥粒相、5…裏布材、6…接着層、10…回転軸、12…円
板、12A…テーパ面、13…ドラム。
ルトの一実施例を示し、第1図は斜視図、第2図は断面
図である。 また、第3図および第4図は、本発明にエンドレス研削
ベルトの製造方法に使用される伸張手段を示す縦断面図
および横断面図である。 1…表布材、2…超砥粒、3…金属めっき相、4…電着
砥粒相、5…裏布材、6…接着層、10…回転軸、12…円
板、12A…テーパ面、13…ドラム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−55170(JP,A) 特開 昭53−488(JP,A) 特開 昭62−203769(JP,A) 実公 昭46−31912(JP,Y1)
Claims (2)
- 【請求項1】袋織りで形成された環状の表布材と、この
表布材の表面にダイヤモンドまたはCBN等の超砥粒を金
属めっき相で固定してなる電着砥粒層と、前記表布材の
裏面の全長に亙って接着層を介して固定された、袋織り
で形成された環状の裏布材とからなることを特徴とする
エンドレス研削ベルト。 - 【請求項2】袋織りの表布材に無電解めっきを行なって
その全面に導電性を付与し、この表布材の表面にダイヤ
モンドまたはCBN等の超砥粒を電着して電着砥粒層を形
成した後、前記表布材の裏面側に、表面に接着剤を塗布
した前記表布材より若干短い円周長を有する袋織りの裏
布材を配置し、さらにこの裏布材を伸張手段により全周
に亙って均等に伸張させ、表布材の裏面の全面に前記裏
布材を接着することを特徴とするエンドレス研削ベルト
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1215481A JP2666486B2 (ja) | 1989-08-22 | 1989-08-22 | エンドレス研削ベルトおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1215481A JP2666486B2 (ja) | 1989-08-22 | 1989-08-22 | エンドレス研削ベルトおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0379278A JPH0379278A (ja) | 1991-04-04 |
JP2666486B2 true JP2666486B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=16673097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1215481A Expired - Lifetime JP2666486B2 (ja) | 1989-08-22 | 1989-08-22 | エンドレス研削ベルトおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2666486B2 (ja) |
-
1989
- 1989-08-22 JP JP1215481A patent/JP2666486B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0379278A (ja) | 1991-04-04 |
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