JP2666106B2 - 点火コイル装置 - Google Patents

点火コイル装置

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JP2666106B2
JP2666106B2 JP4326166A JP32616692A JP2666106B2 JP 2666106 B2 JP2666106 B2 JP 2666106B2 JP 4326166 A JP4326166 A JP 4326166A JP 32616692 A JP32616692 A JP 32616692A JP 2666106 B2 JP2666106 B2 JP 2666106B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P17/00Testing of ignition installations, e.g. in combination with adjusting; Testing of ignition timing in compression-ignition engines
    • F02P2017/006Testing of ignition installations, e.g. in combination with adjusting; Testing of ignition timing in compression-ignition engines using a capacitive sensor

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はガソリンエンジン等の
火花点火方式の内燃機関の運転時における失火(ミスフ
ァイヤ)を検出する技術に関するものであり、またエン
ジン点火系の点火コイル(イグニッションコイル)装置
の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のようにガソリンエンジン等の火花
点火方式の内燃機関においては、点火コイルによって発
生した高電圧がディストリビュータ等の配電手段によっ
て各気筒に分配されて、各気筒の点火プラグに与えら
れ、点火プラグの電極間の火花放電によって各気筒の燃
焼室に吸入された燃料混合気が着火し、燃焼が生じる。
このような内燃機関の点火・燃焼過程においては、何ら
かの原因によって燃料混合気の燃焼が正常に行なわれな
い現象、すなわち失火が生じることがある。このような
失火の発生原因としては、燃料系に起因するものと点火
系に起因するものとに大別される。前者の燃料系に起因
する失火は、燃料混合気のリーンもしくはリッチに起因
するものであって、点火プラグの電極間で火花放電は生
じているが燃料混合気に着火されない現象である。一方
後者の点火系に起因する失火は、点火プラグの電極のか
ぶりあるいは点火回路の異常などにより正常な火花放電
が生じない現象である。
【0003】ところで内燃機関運転中に失火が生じれ
ば、運転性能を悪化させるばかりでなく、燃費を悪化さ
せ、さらには未燃焼ガスの排気系路でのアフタファイヤ
によって排気ガス浄化装置等に悪影響を及ぼす等の問題
が生じる。また一度失火が生じたということは、燃料系
や点火系において調整不良や故障等の不都合が生じてい
ることを意味するから、失火が生じたままこれを放置す
ることは避けなければならない。そこで最近では、失火
が発生した時にこれを直ちに検出する装置の開発が強く
望まれている。
【0004】従来提案されている失火検出装置の1種と
しては、特開昭52−118135号に示されるミスス
パーク検出装置がある。このミススパーク検出装置は、
図8に示すようにエンジン点火系の高圧コード50の外
周上に導電体51を巻付けて、高圧コード50の絶縁被
覆50Aを誘電体とする検出用のコンデンサ(一種の容
量プローブ)52を形成するとともに、その検出用コン
デンサ52とアースとの間に分圧用コンデンサ53を接
続しておき、前記高圧コード50の導電心線50Bに加
わる点火電圧(イグニッションコイルの2次電圧)によ
って検出用コンデンサ52の静電容量によりその検出用
コンデンサ52の両極間に電圧を誘起させるとともに、
その誘起電圧を前記検出用コンデンサ52および分圧用
コンデンサ53によって静電分圧して、分圧用コンデン
サ53の両端間の電圧(分圧電圧)を検出電圧として信
号処理および判定のための電子回路54へ送り込み、点
火電圧波形が、正常な火花放電時と火花放電が生じなか
った場合(ミススパーク時)とで異なることを利用し
て、ミススパークの発生を判定するものである。したが
って上記提案の装置は、失火現象のうちでも、特に点火
系に起因して火花放電が生じなかった場合の失火を検出
することになる。
【0005】一方本願出願人は、既に特願平3−326
509号において、内燃機関の失火検出装置を提案して
いる。この失火検出装置は、前記同様に点火系の高圧コ
ード等から点火電圧を静電分圧により検出し、点火プラ
グで火花放電が行なわれてもその点火電圧波形が正常な
燃焼時と正常な燃焼が生じなかった場合とで異なること
を利用して、燃料系に起因する失火を判定、検出するも
のである。
【0006】前述のように従来の失火検出装置では、点
火電圧を検出する手段としては、点火系の高圧コードの
外周上に帯状もしくは板状の導電体を巻付けて、その導
電体と高圧コードの芯線との間で、高圧コードの絶縁被
覆を誘電体とする検出用コンデンサを形成した、いわゆ
る容量プローブを用いるのが通常であった。しかしなが
ら一般に高圧コードは可撓性および弾性を有していて振
動し易い部分であり、しかも周囲の湿度変化や水濡れの
影響、あるいは油汚れ、埃等の影響を受けやすく、その
ため高圧コードに帯状の導電体を巻付けて検出用コンデ
ンサを形成した場合、このような機械的な振動による位
置ずれや湿度変化や水濡れ、あるいは油や埃なとによっ
て静電容量が変化しやすい。単に点火電圧を確認するた
めだけであれば若干の静電容量の変化は支障ないが、失
火を判別する場合、一般には電圧波形まで正確に検出す
る必要があり、この場合前述のような静電容量の変化が
生じれば検出電圧波形が悪化してしまうため、失火を確
実に判別できなくなるおそれがある。
【0007】また高圧コードの絶縁被覆は一般に合成ゴ
ムからなるが、ゴムは熱、油汚れ等により劣化しやす
く、そのため高圧コードの外周上に導電体を巻付けて検
出用コンデンサを形成した場合には、絶縁被覆の劣化に
よって静電容量が経時的に変化してしまうばかりでな
く、電気的絶縁が破壊されやすくなり、その場合には高
電圧のリーク電圧が検出用コンデンサを構成する前記導
電体に加わり、このリーク電圧が失火検出装置の電子回
路部分に導かれてその電子回路部分の故障や誤動作を招
いたりするおそれがある。
【0008】さらに、可撓性、弾性を有する高圧コード
の絶縁被覆上に検出用コンデンサを形成するために導電
体を確実に取付け、固定することは実際上はかなり面倒
であり、またそのメンテナンスにもかなりの手間を要す
る問題もある。
【0009】以上のような問題を解決するため、本願発
明者等は、既に特願平4−136249号において、点
火電圧検出用のコンデンサを形成するための導電体を、
点火コイルのモールド一体成形体内に設けた構造を提案
している。
【0010】具体的には、上記提案の点火コイル構造
は、鉄芯と、その鉄芯に巻装された一次コイルおよび二
次コイルと、一次コイルに一次電流を供給するための一
次側コネクタ部と、二次コイルからの高電圧を外部へ取
出すための二次側コネクタ部とを備え、前記鉄芯、一次
コイル、二次コイル、一次側コネクタ部、二次側コネク
タ部が、絶縁性樹脂により一体的にモールドされた点火
コイルにおいて、前記二次側コネクタ部を構成する導電
体の外周側に、その二次側コネクタ部導電体表面から所
定の距離を置いて点火電圧検出用の導電体が配設され
て、前記二次側コネクタ部導電体と点火電圧検出用導電
体との間で点火電圧検出のための検出用コンデンサが形
成されていることを特徴とするものである。
【0011】上述のような提案の構造においては、火花
点火方式の内燃機関における失火検出のために点火電圧
を検出するための検出用コンデンサを構成する検出用導
電体が、構造的に安定な点火コイルの樹脂モールド成形
体の内部に設けられているから、点火系の高圧コードに
検出用導電体を設けた従来の場合のように、機械的振動
によって検出用導電体が位置ずれしたり、あるいは湿度
や水濡れ、さらには油や埃の影響を受けたりすることが
ないから、これらに起因して検出用コンデンサの静電容
量が変化してしまうことを防止でき、そのため点火電圧
を常にその波形まで正確に検出することができるから、
失火の有無を正確に判別することができ、さらには検出
用導電体とその内側の二次側コネクタ部導電体との間に
介在する絶縁体(誘電体)の材料としては、高圧コード
に検出用導電体を設置した従来の場合の如く劣化しやす
いゴムに限られることがなく、点火コイルのモールド成
形材料である樹脂やさらにはセラミック等の耐久性に優
れたものを用いることができるから、その絶縁性の劣化
により検出用コンデンサの絶縁が破壊されて点火電圧の
リークが生じることに起因して、失火検出装置の破壊や
誤動作を招くような事態の発生を確実に防止でき、また
検出用導電体は点火コイルのモールド成形時に一体に埋
込むことができるため、検出用導電体の取付けに特に余
分な手間を要さず、また一旦検出用導電体を設けてしま
えばその後のメンテナンスも不要となる等、種々の効果
が得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述のように特願平4
−136249号の提案の構造によれば、高圧コードに
検出用導電体を設けた従来の構造の場合の問題を大幅に
解消することが可能である。
【0013】ところで一般に容量プローブ方式によって
点火電圧を検出する場合、検出用コンデンサの容量(キ
ャパシタンス)が大きければ、検出電圧が大きくなって
検出精度も高くなる。しかしながら前記提案の構造で
は、検出用コンデンサの容量を大きくすることが実際上
困難であり、そのため点火電圧の検出精度の向上の点で
充分ではなかった。
【0014】具体的には、コンデンサの容量は対向する
電極間の距離(対極距離)と、対向する電極の面積(対
極面積)で決定され、対極距離を小さくするほど、また
対極面積を大きくするほど、コンデンサの容量は大きく
なり、そのため検出精度も高くなる。しかるに前記提案
の点火コイル構造の場合、二次側コネクタ部導電体の外
周側に所定間隔を置いて検出用導電体を設けて、二次側
コネクタ部導電体の外周面とそれを取囲む検出用導電体
との間で検出用コンデンサを形成しているから、その容
量を大きくして検出精度を高めるためには、検出用導電
体と二次側コネクタ部導電体との間の距離を小さくする
か、または検出用導電体と二次側コネクタ部導電体との
対向面積を大きくすれば良いと考えられる。しかしなが
ら検出用導電体と二次側コネクタ部導電体との間の距離
は、コロナ放電や漏洩電流の点、あるいはモールド樹脂
注入時の圧力による検出用導電体の変形の点などからあ
まり小さくすることはできない。また検出用導電体と二
次側コネクタ部導電体との対向面積は、二次側コネクタ
部導電体の外径によって定まるが、その外径は一般に汎
用されているコネクタによって制約され、通常は比較的
小さい値とならざるを得ない。したがって前記提案の構
造では、検出用コンデンサの容量を大きくすることは困
難であって、そのため点火電圧の検出精度を充分に高め
得なかったのが実情である。
【0015】もちろん汎用の二次側コネクタに代えて、
導電体部分の外径の大きいコネクタを用いれば、検出用
コンデンサの容量をある程度大きくすることは可能であ
るが、その場合にはコネクタ自体のコスト上昇を招くば
かりでなく、他の部分についても設計変更や形状変更を
要することとなり、そのため大幅なコスト上昇を招いて
しまう。
【0016】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、点火コイル装置の部分において点火電圧を検
出するにあたり、検出用コンデンサの容量を充分に大き
くし、これによって検出精度の向上を図ることを可能と
し、しかも大幅な設計変更、形状変更を要しないように
した点火コイル装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この発明では、基本的には、点火コイル装置
のケース内に、二次コイルの出力端と電気的に導通され
る板状の電極板をケース内に配置して、その電極板と、
別途設けられた対極板との間で点火電圧検出用のコンデ
ンサを形成することとした。
【0018】具体的には、請求項1の発明は、鉄芯と、
その鉄芯に巻装された一次コイルおよび二次コイルとを
備え、前記一次コイルおよび二次コイルが、硬質樹脂か
らなるケース内に収容されて絶縁性樹脂により一体的に
モールドされた点火コイル装置において、前記二次コイ
ルの出力に電気的に導通された板状の電極板が、前記ケ
ース内における二次コイルの外側の位置に配設され、か
つその電極板に対して平行となるようにその電極板表面
から所定の距離を置いて導電性の板状の対極板が配設さ
れて、前記電極板と対極板との間で点火電圧検出のため
の検出用コンデンサが形成されていることを特徴とする
ものである。
【0019】また請求項2の発明は、請求項1に記載の
点火コイル装置において、その点火コイル装置が、ディ
ストリビュータレスタイプの点火系統に使用される点火
プラグキャップ一体結合型のものとされており、前記電
極板が、二次コイルの出力側から点火プラグへの導電系
路の一部を形成していることを特徴とするものである。
【0020】さらに請求項3の発明は、請求項1に記載
の点火コイル装置において、その点火コイル装置が点火
プラグキャップから離隔されており、かつ前記二次コイ
ルの出力がディストリビュータを介して点火プラグへ与
えられる構成とされている。
【0021】
【作用】この発明の点火コイル装置においては、点火コ
イル装置のケース内における二次コイルの外側の位置
に、二次コイルの出力端と電気的に導通される板状の電
極板が配設され、かつその電極板に対して平行となるよ
うに電極板の表面から所定の距離を置いて導電性の板状
の対極板が配設されている。そしてこれらの電極板と対
極板とによって、点火電圧検出用のコンデンサ、すなわ
ち失火検出のために点火電圧を検出する点火電圧検出手
段としての容量プローブが形成されている。点火プラグ
における火花放電のための高電圧が、点火コイルの二次
コイルに誘起されれば、その二次コイルの出力端に導通
された電極板とそれに対向する対極板との間の静電容量
によって対極板に高電圧が誘起される。したがってその
電圧を容量分圧などによって検出電圧として取出して、
適宜信号処理を施し、基準となる信号(通常は正常な非
失火時の検出電圧波形に対応する信号)と比較すること
によって、失火状態が発生したか否かを判定することが
できる。
【0022】ここで、電極板は点火コイル装置における
ケースの内側でかつ二次コイルの外側の位置、すなわち
ケース内周面と二次コイル外周面との間のスペースに配
設されている。このスペースは、モールド成形のための
絶縁性樹脂が充填される部分であって、一般に二次コイ
ルの外周に沿って連続したスペースとなっているから、
電極板をその二次コイルの外周に沿う方向に配設すれ
ば、電極板の面積を充分に大きくすることができる。ま
たこの電極板に対向する対極板も同様に大きな面積とす
ることができる。したがって電極板、対極板の面積を充
分に大きくして電圧検出用コンデンサの容量を充分に大
きくし、検出電圧を大きくして、検出精度を充分に高く
することができる。すなわち、ノイズレベルに対して検
出電圧レベルを高くし、S/N比を大きくすることによ
り、検出精度を高めることができるのである。
【0023】なお、電極板は一次コイル、二次コイルと
ともにケース内に一体にモールドされ、また対極板もケ
ース内に一体にモールド可能である(場合によってはケ
ース外面に固定される)から、これらの電極板、対極板
は振動により位置ずれしたり、あるいは変形したりする
ようなことはない。また電極板は前述のようにケース内
にモールドされ、対極板も電極板と同様にケース内にモ
ールドすることができるから、これらを湿気等の外部環
境条件から隔絶することができ、また外部から油や埃が
電極板や対極板まで侵入することを防止できる。
【0024】なお、電極板と対極板との間の絶縁体(コ
ンデンサの誘電体)としては、点火コイル装置のモール
ド樹脂もしくはケースの硬質樹脂が介在することになる
が、いずれにしても高圧コードに検出用コンデンサを設
けた場合に絶縁材として介在するゴム材料と比較して耐
久性は充分に高い。
【0025】
【実施例】図1〜図5にこの発明の第1の実施例の点火
コイル装置を示す。なおこの第1の実施例は、エンジン
の各気筒の点火プラグに1対1対応で点火コイル装置を
設けて、点火コイル装置の二次電圧を、ディストリビュ
ータを介さずに直接点火プラグに供給するようにした、
DLIタイプ(ディストリビュータレスイグニッション
タイプ)あるいはDIタイプ(ダイレクトイグニッショ
ンタイプ)と称される点火系統に適用される点火コイル
装置の例として、点火コイル装置を点火プラグキャップ
に一体的に結合した実施例を示す。
【0026】図1〜図4において、点火プラグ1を覆う
点火プラグキャップ2の上端に点火コイル装置3が取付
けられている。この点火コイル装置3は、全体として矩
形状をなす鉄芯4の一辺に、合成樹脂からなる矩形断面
の一次コイルボビン5を介して一次コイル6が巻装さ
れ、さらにその一次コイル6の外周上に矩形断面の二次
コイルボビン7を介して二次コイル8が分割巻きで巻装
された構成とされている。そして一次コイル6および二
次コイル8の部分は、その全体がPBT(ポリブチルテ
レフタレート)等の硬質樹脂からなるケース9内に収容
されるとともに、ケース9内に注入・充填したエポキシ
樹脂等の絶縁性樹脂10によって一体にモールド成形さ
れている。なおケース9のうち、二次コイル8を取囲む
部分は、二次コイル8の外径輪郭にほぼ沿って直方体状
をなすように作られている。さらに前記ケース9の下面
には、下方へ突出する中空円筒状の連結筒11が一体に
形成されており、この連結筒11内には、銅等の良導電
材料からなる導電軸12が設けられている。この導電軸
12はその上端がケース9内に突出している。またケー
ス9の側方には、一次コイル6に一次電流を供給するた
めのコネクタ部20が設けられている。
【0027】さらにケース9内の下部には、この発明で
重要な電極板13および対極板14が配設されている。
これらの電極板13および対極板14は、後に改めて説
明するように点火電圧検出用のコンデンサ15を構成す
るものであって、いずれも銅等の良導電性材料からなる
薄板によって作られている。そして電極板13は、図5
に示すように方形平板状をなす電極部13Aの一端を立
上がらせて導電部13Bを形成し、また他端側から切込
部13Cを形成した構成とされ、その平板状電極部13
Aがケース9の底面と平行となるように配設されて、導
電部13Bが二次コイル8の出力端8Aに電気的に結合
されている。また切込部13Cには、前記導電軸12の
上端付近外周面に形成した凹溝12Aが係合されて、電
極板13と導電軸12とが電気的に接続されている。一
方対極板14は、図5に示すすように電極板13の電極
部13Aと同様に方形平板状に作られるとともに、中央
部に前記導電軸12の外径よりも充分に大径の貫通孔1
4Aが形成されている。この対極板14は、ケース9の
底面の内面に沿って配設され、かつその貫通孔14Aを
前記導電軸12が挿通している。ここで、貫通孔14A
の内径は導電軸12よりも充分に大径であるから、導電
軸12と対極板14とは接触しない。電極板13の電極
部13Aと対極板14とは小間隔を置いて平行に対向し
ているが、両者の間には絶縁体19が介在している。し
たがって電極板13の電極部13Aと対極板14とは、
絶縁体19を誘電体とするコンデンサ15を構成してい
ることになる。前記絶縁体19は、図示の実施例ではケ
ース9を構成するPBT等の硬質樹脂によってケース9
と一体に形成されているが、場合によってはケース9と
は別に板状の絶縁板を挿入することによって構成しても
良く、あるいはケース9内をモールド成形するためのモ
ールド樹脂10を、ケース内モールド成形時に電極板1
3の電極部13Aと対極板14との間にも注入・充填す
ることによって、そのモールド樹脂10により絶縁体1
9を形成しても良い。
【0028】以上のような点火コイル装置3は、点火プ
ラグキャップ2の上端部に結合されているが、点火プラ
グキャップ2自体の構成は、従来からDLIタイプの点
火系統に用いられている点火コイル一体結合型点火プラ
グキャップと同様な構成であれば良い。すなわち点火プ
ラグキャップ2は、全体として中空筒状をなすようにP
BT等の硬質樹脂によって一体成形されており、かつそ
の点火プラグキャップ2の軸線方向に沿った中空部分の
うち、その上部は前述の点火コイル装置1における連結
筒11が挿入される上部挿入室21とされている。また
点火プラグキャップ2の中空部分の中央部には、点火コ
イル装置における導電軸12の下端に導電スプリング2
2を介して電気的、機械的に接する軸棒状の導電体23
が軸線方向に沿って挿入されており、さらに前記中空部
分の下部には、点火プラグ1の上部のターミナル部1A
を覆ってこれに固定されるキャップ室24が形成され、
このキャップ室24内には前記導電体23と電気的に接
続されかつ点火プラグ1のターミナル部1Aに電気的に
接触するコネクタ部25が設けられている。
【0029】以上のような点火プラグキャップ一体結合
型の点火コイル装置3において、図示しない点火時期制
御手段からの信号によって一次コイル6の電流が遮断さ
れれば、二次コイル8に高電圧が発生する。この高電圧
は、二次コイル8の出力端8Aから電極板13の導電部
13B、電極部13Aを経て導電軸12に加わり、さら
にその導電軸12から点火プラグキャップ2の導電スプ
リング22、導電体23、コネクタ部25を介して点火
プラグ1に至り、点火プラグ1の電極間に火花放電を生
ぜしめる。このとき、点火コイル装置3内の電極板13
の電極部13Aと対極板14によって構成される検出用
コンデンサ15に電圧が誘起され、この電圧が静電分圧
等によって取出されて、検出電圧として図示しない失火
検出装置に与えられ、その検出電圧の波形が基準のもの
と比較されることにより、失火の有無が検出される。
【0030】ここで、点火電圧検出用のコンデンサ15
は、ケース9内における二次コイル8の外側のスペース
に配設された板状の電極板13の電極部13Aと、それ
に対向する対極板14とによって構成されており、この
スペースは二次コイル8の外面およびケース9の内面に
沿った方向に充分に広いため、電極板13の電極部13
Aおよび対極板14はその面積を充分に大きくすること
ができ、そのためコンデンサ15としての対極面積を充
分に大きくしてその静電容量を大きくすることができ
る。そのため点火電圧の検出電圧を大きくして、点火電
圧の検出精度、ひいては失火検出の精度を充分に大きく
することができる。
【0031】また図1〜図5の実施例では、電極板13
は二次コイル8の出力端8Aから点火プラグ2へ至る導
電系路の一部(二次コイル8の出力端8Aから導電軸1
2までの部分)を兼ねており、したがってその部分に別
途導電系路としてリード線や導電板を設ける必要がな
く、部品点数を削減できる。
【0032】なお図1〜図5の実施例では、電極板13
の電極部13Aおよび対極板14はケース9の下面側の
部分に設けているが、場合によってはケース9の上面
側、あるいは左右の側面側に設けても良い。但しこの場
合は、通常は二次コイル8の出力端8Aから導電軸12
に至る別の導電系路を設ける必要がある。
【0033】以上の実施例は、点火プラグキャップ一体
結合型点火コイル装置について示したが、点火プラグキ
ャップと点火コイル装置とを分離した場合の点火コイル
装置についてもこの発明を実施できることはもちろんで
ある。すなわち、点火コイル装置と複数の点火プラグと
の間にディストリビュータを介在させたタイプの点火系
統に適用される点火コイル装置にこの発明を適用するこ
とができる。その場合の実施例を図6、図7に示す。
【0034】図6、図7において、鉄芯4の一辺には、
前記同様に一次コイルボビン5を介してコイル6が巻装
され、その一次コイル6の外周上に二次コイルボビン7
を介して二次コイル8が巻装されている。二次コイル8
の出力端8Aは、一方向電流抑止手段としてのダイオー
ド30を介して二次側コネクタ部32に接続されてい
る。また一次コイル6は、図示しない導線を介して一次
側コネクタ部33に接続されている。そしてこれらの各
構成部品は、PBT等の硬質樹脂からなるケース9内に
収容されるとともに、そのケース9内に挿入・充填した
エポキシ系樹脂などの絶縁性の樹脂10によって一体に
モールド成形されている。さらにケース9内の上部、す
なわちケース9の上面と二次コイル8の外面(上面)と
の間には、点火電圧検出用コンデンサ15を構成する電
極板13と対極板14とが所定間隔を置いて平行に配設
されている。電極板13は全体として矩形平板状をなす
ように作られたものであって、導電部材34を介して二
次側コネクタ32に接続されている。対極板14は電極
板13と同じく矩形平板状に作られたものであり、一次
側コネクタ部33に図示しない出力リード線を介して電
気的に導かれている。これらの電極板13、対極板14
は、いずれも点火コイル構成部品のモールド成形時に、
モールド樹脂10中に一体に埋込まれている。したがっ
て電極板13と対極板14との間には、モールド樹脂1
0が絶縁体(誘電体)として介在していることになる。
なお電極板13と対極板14との間の絶縁体としては、
モールド樹脂10とは別に合成樹脂やセラミックなどか
らなる絶縁板を介挿させても良いことは勿論である。
【0035】図6、図7に示される実施例の点火コイル
装置においても、図1〜図5に示される実施例と同様
に、電極板13および対極板14からなる検出用コンデ
ンサ15によって点火電圧を検出することができ、また
電極板13および対極板14はその面積を充分に大きく
してコンデンサとしての静電容量を大きくし、検出精度
を高めることができる。
【0036】
【発明の効果】この発明の点火コイル装置においては、
二次コイルの出力端に電気的に導通された板状の電極板
が、ケース内でかつ二次コイルの外側の位置に配設さ
れ、かつその電極板に対して平行となるように対極板が
配設されて、前記電極板と対極板との間で点火電圧検出
のための検出用コンデンサが形成されており、したがっ
て電極板は二次コイルの外周面に沿って充分に大きな面
積とすることができ、またこれに対応して対極板も充分
に大きな面積とすることができるから、検出用コンデン
サの対極面積を大きくしてその静電容量を大きくし、こ
れによって点火電圧の検出精度を充分に高め、ひいては
失火判別の精度を高めることができる。また電極板は点
火コイル装置のケース内の本来存在しているスペースに
配設され、また対極板は電極板に対向して設ければ良い
だけであるから、電極板、対極板を設けるにあたって外
観形状の大幅な変更や大幅な設計変更を伴なうこともな
く、したがって経済的にも大幅なコスト上昇を招くこと
なく、前述のように点火電圧の検出精度の向上を図るこ
とができる。
【0037】また請求項2の点火コイル装置は、特にD
LIタイプの点火系統に適用される点火プラグキャップ
一体結合型点火コイル装置についてのものであるが、こ
の請求項2の発明の場合、前記同様に大幅な外観形状の
変更や設計変更を伴なうことなく点火電圧検出精度の向
上を図ることができるばかりでなく、特に二次コイルの
出力端から点火プラグに至る導電系路の一部を点火電圧
検出用コンデンサの電極板が兼ねているから、部品点数
が少なくて済み、その分コスト低減を図ることができ
る。
【0038】さらに請求項3の発明の点火コイル装置
は、ディストリビュータを用いた旧来タイプの点火系統
に適用されるものであり、この場合も大幅な外観形状変
更や設計変更を伴なうことなく、点火電圧検出精度の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の点火コイル装置を、
点火プラグキャップおよび点火プラグとともに示す縦断
正面図である。
【図2】図1の実施例の縦断側面図である。
【図3】図1の実施例の要部を示す縦断正面図である。
【図4】図1の実施例の要部を示す縦断側面図である。
【図5】図1の実施例に用いられる電極板および対極板
を示す斜視図である。
【図6】この発明の第2の実施例の点火コイル装置を示
す部分縦断正面図である。
【図7】図6の実施例の部分縦断側面図である。
【図8】従来の失火検出装置における電圧検出手段を示
すための略解図である。
【符号の説明】
1 点火プラグキャップ 2 点火プラグ 3 点火コイル装置 6 一次コイル 8 二次コイル 9 ケース 10 モールド樹脂 13 電極板 14 対極板 15 検出用コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久木 隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 馬場 茂樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 石岡 卓司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 高木 治郎 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 秋山 英哲 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄芯と、その鉄芯に巻装された一次コイ
    ルおよび二次コイルとを備え、前記一次コイルおよび二
    次コイルが、硬質樹脂からなるケース内に収容されて絶
    縁性樹脂により一体的にモールドされた点火コイル装置
    において、 前記二次コイルの出力に電気的に導通された板状の電極
    板が、前記ケース内における二次コイルの外側の位置に
    配設され、かつその電極板に対して平行となるようにそ
    の電極板表面から所定の距離を置いて導電性の板状の対
    極板が配設されて、前記電極板と対極板との間で点火電
    圧検出のための検出用コンデンサが形成されていること
    を特徴とする点火コイル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の点火コイル装置におい
    て、その点火コイル装置が、ディストリビュータレスタ
    イプの点火系統に使用される点火プラグキャップ一体結
    合型のものとされており、前記電極板が、二次コイルの
    出力側から点火プラグへの導電系路の一部を形成してい
    ることを特徴とする点火コイル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の点火コイル装置におい
    て、その点火コイル装置が点火プラグキャップから離隔
    されており、かつ前記二次コイルの出力がディストリビ
    ュータを介して点火プラグへ与えられる構成とされてい
    る点火コイル装置。
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