JP2665877B2 - 表内層が異なる成分を有する薄鋼板の製造方法 - Google Patents

表内層が異なる成分を有する薄鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表内層が異なる成分を
有する薄鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鋼で精錬後、RH等の真空脱ガス処理
で炭素を数10ppmまで低め、さらに残った炭素をT
iやNb等の炭窒化物形成元素を添加して固定するいわ
ゆるIF鋼(インタースチシャルフリー鋼)は、いまや
薄鋼板の主力鋼種として確固たる地歩を占めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このI
F鋼はいくつかの製造上および製品としての欠点を持っ
ている。
【0004】製造上の欠点に関しては、表面疵が第一に
あげられる。IF鋼は軟らかいだけでなく、熱延温度や
焼鈍温度が高いため取扱い疵がどうしても発生し易い。
このような深刻な状況は、日本鉄鋼協会第126回秋季
講演大会の「熱延及び厚板圧延における表面疵防止技
術」の討論会でIF鋼がかなり取りあげられていること
からも理解できる(例えば、CAMP−ISIJ,vo
l.6,p.128−1331および同p.133
−1335)。この討論会の解析、討議にもかかわら
ず、対策は現場的、対症療法的なもので抜本的解決には
至っていない。
【0005】また、薄鋼板には、冷延鋼板、電気めっき
鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板と表面処理の違いによりいく
つかの種類があり、その表面処理性にIF鋼は一般に敏
感で、特に合金化溶融亜鉛めっき鋼板では鋼中成分に強
く影響される。そのため、通常は、冷延鋼板と合金化溶
融亜鉛めっき鋼板とでは、IF鋼の種類を分けているの
が一般的である。例えば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に
は比較的亜鉛めっき特性の良好なNb添加IF鋼を、冷
延鋼板には材質、特に深絞り性の指標であるランクフォ
ード値(以下r値と記す)が高いTi添加IF鋼を用い
るといった使い分けが行われる。しかしながら、このよ
うな鋼種の細分化は鉄鋼業の基本である大量生産に反
し、経済性を極めて損なうことになる。
【0006】さらに、IF鋼は極低炭素鋼ゆえに熱影響
部では健全な金属組織が再現されず、したがって点溶接
のように熱影響を受ける部位の強度あるいは疲労特性が
劣化するという欠点も有する。この解決のために、例え
ば特公平4−2661号公報には成分系を工夫すること
が示されている。しかし、成分系をそのために限定する
と、用途が限られるとか、加工性その他の観点からの成
分系が生かせない等の欠点を持つ上、合金添加による経
済性の損失も招く。
【0007】また、複層鋼板に関しては、例えば特開平
4−191330号公報や特開平4−191331号公
報には、少なくとも一層成分がC、Mn、Si、P等を
多量に含む合金鋼で、耐デント性等高強度を有するもの
が示されている。
【0008】本発明は、IF鋼の各種欠陥、すなわち、
(1)IF鋼が軟質であることに起因する表面疵、
(2)表面処理の有無や差異による冷延鋼板、電気めっ
き鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板別の鋼種の細分化、(3)
溶接部の疲労特性劣化等を根本的に解消し、性能、経済
性いずれから見ても名実ともに確固たる基礎材料を得る
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、以下の
〜の通りである。
【0010】
【0011】
【0012】 質量割合で、C≦0.0050%、M
n:0.05〜0.40%、Al:0.01〜0.10
%、N≦0.0050%を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物元素からなる鋼を出鋼し、次いで連続鋳造す
るにあたり、モールド部に電磁ブレーキを設け、モール
ド上面にCを含むパウダーを用いることで表層にCを
0.01〜0.08%含有させ、さらにFeで被覆され
たワイヤー状のTi合金を挿入することで内層にTi:
0.02〜0.08%を含有させ鋳造してスラブとし、
ついで通常の熱延を行うことを特徴とする表内層が異な
る成分を有する薄鋼板の製造方法。
【0013】 質量割合で、C≦0.0050%、M
n:0.05〜0.40%、Al:0.01〜0.10
%、N≦0.0050%、B:0.0001〜0.00
10%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物元素か
らなる鋼を出鋼し、次いで連続鋳造するにあたり、モー
ルド部に電磁ブレーキを設け、モールド上面にCを含む
パウダーを用いることで表層にCを0.01〜0.08
%含有させ、さらにFeで被覆されたワイヤー状のTi
合金を挿入することで内層にTi:0.02〜0.08
%を含有させ鋳造してスラブとし、ついで通常の熱延を
行うことを特徴とする表内層が異なる成分を有する薄鋼
板の製造方法。
【0014】 さらに常法で酸洗、冷延、および再結
晶焼鈍を施すことを特徴とする前記 または の表内層
が異なる成分を有する薄鋼板の製造方法。
【0015】 さらに常法で酸洗、冷延し、再結晶焼
鈍および亜鉛めっきを連続溶融亜鉛めっきラインにて施
すことを特徴とする前記 または の表内層が異なる成
分を有する薄鋼板の製造方法。
【0016】 連続溶融亜鉛めっきラインにおける処
理において、亜鉛めっきを施した後、亜鉛相の合金化処
理を施すことを特徴とする前記 の表内層が異なる成分
を有する薄鋼板の製造方法。
【0017】
【作用】本発明では、まず表層のCを0.01〜0.0
8%とする。これにより連続鋳造モールド内での凝固時
に表層部を低炭素アルミキルド鋼相当の成分とすること
で凝固シェルの形状を健全化し、連続鋳造スラブの表層
部の微小割れや偏析を極小化する。すなわち、まず表面
欠陥の源を減少させる。次いで、熱延時には極低炭素鋼
のように軟らかく、またロール等に焼き付き易い成分と
は異なり通常の低炭素アルミキルド鋼成分であるので、
熱延疵は発生しない。また、極低炭素鋼と異なりそこそ
この高温〜中温〜常温の強度を有するので、各下工程で
の取扱い疵の発生も通常の低炭素アルミキルド鋼並に減
少する。
【0018】また、表層が低炭素アルミキルド鋼相当成
分になることで、製品としての特性も大幅に改善され
る。表層が純鉄に近い従来のIF鋼成分では、疲労強度
がどうしても低くなり、また、溶接等の熱影響を受けた
ところではこの劣化がさらに酷くなる。しかし、本発明
鋼板は疲労や曲げ成形を支配する表層が通常の低炭素ア
ルミキルド鋼相当となるので、このような問題は大幅に
改善される。
【0019】内層および炭素を除く表層成分は、IF鋼
としての加工性確保のために決められる。すなわち、C
は0.0050%以下としなければならない。Cが0.
0050%を越えると、十分な加工性、特にr値、伸び
値を得にくい。Mnも同様の観点から0.40%以下と
する。Mnの下限は、不純物であるSをMnSとして固
定するために決められる。特に表層にはTiを添加しな
いため、これを怠るといわゆるS脆性のため表面疵の原
因となる。そのためSは0.010%以下とし、かつM
n/Sを10以上とすることが好ましい。Alは脱酸剤
として用いる。Alが0.01%未満では十分な脱酸が
行われず、鋼の介在物が増し、表面欠陥となって現れた
り、あるいは材質劣化をもたらす。0.1%超のAlは
かえって鋼の清浄度を悪くし、やはり表面欠陥、内部欠
陥となって現れる。Nは0.0050%以下とする。こ
れを越える添加量ではNの固定が困難で、微細なAlN
等の窒化物が鋼の再結晶挙動に影響し、材質を劣化させ
る。内層のTi含有量は0.02〜0.08%とする。
0.02%未満では十分な添加効果が得られず、したが
ってIF鋼としての材質が得られない。また、0.08
%超では材質の向上は飽和する。
【0020】このような成分を得るには、まず転炉で鋼
にしたあと、C≦0.0050%、Mn:0.05〜
0.40%、Al:0.01〜0.10%、N≦0.0
050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物元素
からなる鋼を真空脱ガス装置で得る。
【0021】薄鋼板においては、深絞り加工の後、口広
げ等の2次加工を行った際、成形した壁部が脆性的に破
壊する2次加工脆性あるいは縦割れと呼ばれる特有の欠
陥が発生することがある。これはIF鋼の粒界強度が劣
化することが原因と考えられ、その対策のため必要に応
じてBを0.0001〜0.0010%添加する。下限
値未満では2次加工性向上効果がない。また、Bは加工
性を損なうので、添加する場合も0.0010%以下の
微量にとどめる。
【0022】表層のCおよび内層のTiは、連続鋳造に
おいて、モールド部に電磁ブレーキを設け、モールド上
面にCを含むパウダーを用いることで表層にCを含有さ
せ、Feで被覆されたワイヤー状のTi合金を挿入する
ことで内層にTiを含有させ、鋳造してスラブとする。
電磁ブレーキの効果によって表内層が分離され、所定の
成分のスラブを得ることができる。
【0023】このようにして鋼スラブとした後、熱延を
行う。熱延は、加熱、粗圧延、仕上圧延、ランアウトテ
ーブルでの冷却等を経てコイル状に巻取る。熱延にあた
り、加熱炉を通らない直接熱延(DR)や温片を加熱炉
に挿入する温片挿入法(HCR)も採用できる。熱延炉
を経る場合、加熱温度は通常でよく1050〜1200
℃程度である。しかし、1100℃以下の低温加熱を行
うとさらなる材質上の向上が得られるので好ましい。熱
延は、全連続式、半連続式あるいはその中間のいずれで
もよい。仕上終了温度は通常Ar3 変態点以上である
が、リジング状肌荒れがでない範囲内でAr3 を切るこ
とがあってもよい。巻取温度は材質上大きな要因であ
り、高温巻取するほど材質が向上する。しかし、高温巻
取では酸洗性の不良が生じ易く、また、コイル端部が急
冷されこの部位の材質が劣化し、材質不均一の原因とな
る。そのため、巻取温度は550〜650℃程度とする
ことが好ましい。巻取後、コイルは冷却され、場合によ
って酸洗されて、適当な精整処理を経て熱延鋼板あるい
は熱延コイルとされ、出荷される。
【0024】酸洗された熱延コイルを冷延後再結晶焼鈍
を施し、冷延コイルとする。冷延率は、通常通り60〜
85%の範囲でよい。再結晶焼鈍は、箱焼鈍または連続
焼鈍で行われる。箱焼鈍は650〜750℃、1〜20
hの焼鈍条件である。また、連続焼鈍は700〜900
℃、10s〜10minの条件となる。箱焼鈍および連
続焼鈍のタイプは間わない。冷延コイルは、そのまま冷
延鋼板として製品となるか、あるいは電気亜鉛めっきラ
インを通板することで電気亜鉛めっき鋼板となる。電気
亜鉛めっき鋼板には、通常の純亜鉛めっきの他に亜鉛を
主とするZn−Ni等の合金亜鉛めっきを施してもよ
い。
【0025】冷延ままコイルを連続溶融亜鉛めっきライ
ンを通板して溶融亜鉛めっき鋼板としてもよい。その場
合の加熱条件は、連続焼鈍における条件と同様である。
溶融亜鉛めっき鋼板の場合は、鋼中成分との関係で亜鉛
の密着性や、合金化の状況(合金化溶融亜鉛めっきの場
合)が影響を受け、従来のIF鋼では特別の成分系を選
ぶなど処置が必要であった。しかしながら本発明では、
なんら特別処置は必要としない。それどころか、熱延鋼
板、冷延鋼板、電気亜鉛めっき鋼板と敢えて区別する必
要のない鋼種である。すなわち、溶融亜鉛めっき鋼板あ
るいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板として敢えて特別に処
置を施していないにも拘わらず、亜鉛の密着性およびZ
n、Feの合金化挙動は極めて優れる。
【0026】表層の厚みは両面併せて内層の5〜25%
とする。5%未満では表層の効果が現れにくく、また、
25%を越えると内層の高加工性が全体として発揮され
ない。好ましくは12〜22%である。このような厚み
の内外層は既述の方法により十分に得られる。
【0027】
【実施例】0.0022%C−0.15%Mn−0.0
36%Al−0.0018%Nを有する鋼を転炉−RH
真空脱ガスの工程で溶製し、続いて連続鋳造を行った。
連続鋳造機には、図1に示すようにモールド3部に電磁
ブレーキ4と、合金添加用のワイヤー供給装置6が設け
られている。ワイヤーは鉄で被覆されており、その厚み
と供給速度により下プールに合金が添加されるようにし
た。パウダーは、SiO2 29%、Al2 3 7%、C
aO30%、Na2 O13%、F- 7%、C2.5%を
主成分とするものを用いた。電磁ブレーキの電磁力は
0.5Tとした。
【0028】このようにして表層のC量を0.028
%、内層Ti量を0.046%とした。スラブの一部を
採取し、断面観察を行った結果、全厚み280mm中、
表層(上部)が9.1〜11.3mm、表層(下部)が
10.0〜11.8mmであった。全厚みに占める表層
の厚みは7.0〜7.9%であった。
【0029】成分差を有するスラブを、加熱温度108
0〜1150℃、仕上終了温度905〜927℃、巻取
温度670〜690℃で熱延し、熱延板厚を4.0mm
とした。酸洗後1コイルを選び、1%の調質圧延を行っ
た後サンプリングし、材質・品質調査を行った。また、
このコイルの表面品位を調べるため、検査ラインで低速
通板巻きもどしを行った。検査は表裏面行った。
【0030】残った酸洗熱延コイルは0.8mmまで冷
延した(冷延率80%)。冷延コイル中5本は連続焼鈍
で、6本は連続溶融亜鉛めっきラインを通板して、それ
ぞれ冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板とした。連続焼
鈍条件は、昇温速度10℃/s、均熱850℃、50
s、調質圧延0.8%とした。また、連続溶融亜鉛めっ
きラインは無酸化加熱炉−還元炉−Znポット−合金化
炉−調質圧延機からなっており、昇温速度25℃/s、
最高到達温度860℃、ポットへの侵入温度460℃、
合金化条件500℃、10s、調質圧延0.8%、亜鉛
目付け量45g/m2 であった。全コイルを検査ライン
で低速通板して詳細に表裏面を検査した。
【0031】表面疵検査結果および材質試験結果を表1
に示す。ここで1級というのは、一番厳しい用途である
自動車外板用の基準である。
【0032】
【表1】
【0033】なお、比較鋼板は標準的に製造されている
IF鋼板であり、成分は、C:0.0018〜0.00
31%、Mn:0.12〜0.18%、Al:0.02
9〜0.036%、N:0.0018〜0.0029
%、B:0.0002〜0.0006%で、熱延、冷
延、焼鈍条件およびサイズは実施例の鋼板とできるだけ
近い条件のものを選んだ。少なくとも50コイル以上の
データの平均値である。
【0034】表1に示すように、機械試験値は、本発明
方法に基づいて製造された鋼板(以下、単に本発明鋼板
という)と比較鋼板の間になんら差異はなく、本発明鋼
板もIF鋼板の持つ極めて良好な材質を受け継いでいる
ことがわかる。
【0035】表面疵については、本発明鋼板が熱延鋼
板、冷延鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板のいずれ
においても顕著な改善を示すことが明らかである。比較
鋼板では熱延鋼板で数%、冷延鋼板および溶融亜鉛めっ
き鋼板では実に10%を越える不良率であったのに対
し、本発明鋼板では高々2%にとどまっている。これら
不良の中には、めっきにより浮かび出るような極めて軽
微な欠陥起因のものも含まれており、従来のIF鋼板で
は根本的解決は不可能に近かった。なお、本発明の冷延
鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板の表面疵はほとんどが後
工程での取扱い疵であって、これは操業条件の改善によ
ってさらに大幅に低減されるものである。いままではI
F鋼板特有の表面欠陥の問題があり、操業条件をいくら
改善しても特有欠陥の解消には結びつかず対策が取りに
くかったが、本発明により表面欠陥が解消されたわけで
あるから、これら操業対策も今後は取り易くなり、さら
に大幅に不良率は減少するものと期待される。
【0036】また、めっき鋼板のめっき特性も表1に見
られるように大幅に改善されている。しかもこれら熱延
鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板が同じ種類から製
造されているにもかかわらずに改善されていることは鋼
種集約等が果たされたわけで、極めて大きな効果と言え
る。
【0037】次に、IF鋼板で問題となっている点溶接
部の疲労強度を調査した。試料は本発明冷延鋼板のN
o.2を用いた。比較としてIF鋼冷延鋼板と低炭素ア
ルミキルド冷延鋼板を用いた。溶接条件は標準的なもの
に従い、ナゲット径は3.6mmで、散り発生しない最
大の電流条件で溶接した。疲労試験は油圧サーボ式の単
軸モードである。図2に板厚で除した振幅最大荷重と繰
り返し数との関係で結果を示す。図2から明らかなよう
に、本発明鋼板ではほとんど低炭素アルミキルド冷延鋼
板並の高い疲労限強度、および時間強度を有するのに対
し、比較の一般IF鋼板は10〜20%低い値となって
いる。
【0038】
【発明の効果】本発明によりIF鋼板の種々の欠陥が一
掃され、製造時の経済性も確立できる。また、製品とし
ての性能も、箱焼鈍による低炭素アルミキルド冷延鋼板
に完全に遜色のないレベルを有することになり、自動車
用を中心とした一大汎用材料としての地歩を確固とした
ものにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた連続鋳造機の概略図である。
【図2】点溶接部の疲労試験結果を示すS−N線図であ
る。
【符号の説明】
1 取鍋 2 タンディッシュ 3 モールド 4 電磁ブレーキ 5 浸漬ノズル 6 ワイヤー供給装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/14 C22C 38/14 C23C 2/06 C23C 2/06 2/28 2/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量割合で、C≦0.0050%、M
    n:0.05〜0.40%、Al:0.01〜0.10
    %、N≦0.0050%を含有し、残部Feおよび不可
    避的不純物元素からなる鋼を出鋼し、次いで連続鋳造す
    るにあたり、モールド部に電磁ブレーキを設け、モール
    ド上面にCを含むパウダーを用いることで表層にCを
    0.01〜0.08%含有させ、さらにFeで被覆され
    たワイヤー状のTi合金を挿入することで内層にTi:
    0.02〜0.08%を含有させ鋳造してスラブとし、
    ついで通常の熱延を行うことを特徴とする表内層が異な
    る成分を有する薄鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 質量割合で、C≦0.0050%、M
    n:0.05〜0.40%、Al:0.01〜0.10
    %、N≦0.0050%、B:0.0001〜0.00
    10%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物元素か
    らなる鋼を出鋼し、次いで連続鋳造するにあたり、モー
    ルド部に電磁ブレーキを設け、モールド上面にCを含む
    パウダーを用いることで表層にCを0.01〜0.08
    %含有させ、さらにFeで被覆されたワイヤー状のTi
    合金を挿入することで内層にTi:0.02〜0.08
    %を含有させ鋳造してスラブとし、ついで通常の熱延を
    行うことを特徴とする表内層が異なる成分を有する薄鋼
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 さらに常法で酸洗、冷延、および再結晶
    焼鈍を施すことを特徴とする請求項または記載の表
    内層が異なる成分を有する薄鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに常法で酸洗、冷延し、再結晶焼鈍
    および亜鉛めっきを連続溶融亜鉛めっきラインにて施す
    ことを特徴とする請求項または記載の表内層が異な
    る成分を有する薄鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 連続溶融亜鉛めっきラインにおける処理
    において、亜鉛めっきを施した後、亜鉛相の合金化処理
    を施すことを特徴とする請求項記載の表内層が異なる
    成分を有する薄鋼板の製造方法。
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PCT/JP1994/001964 WO1995014794A1 (en) 1993-11-22 1994-11-21 Continuously cast slab of extremely low carbon steel and thin extremely low carbon steel sheet in which surface defect rarely occurs during steel sheet manufacturing step, and method of manufacturing the same slab and steel sheet
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