JP2665868B2 - 電気炉用電源装置 - Google Patents

電気炉用電源装置

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JP2665868B2 JP36148792A JP36148792A JP2665868B2 JP 2665868 B2 JP2665868 B2 JP 2665868B2 JP 36148792 A JP36148792 A JP 36148792A JP 36148792 A JP36148792 A JP 36148792A JP 2665868 B2 JP2665868 B2 JP 2665868B2
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善之 沢田
正典 西村
昭夫 片山
尚 西尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイリスタ回路のフィ
ードバック制御により定電圧,定電流又は定電力の出力
を電気炉に供給する電気炉用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、定電圧給電を行うこの種電気炉用
電源装置は図4に示すように構成され、商用電源等の交
流電源1が給電制御用のサイリスタ回路2を介して負荷
としての電気炉3に供給される。また、電気炉3に印加
される出力電圧(電源電圧)は電圧検出器4により検出
され、この検出器4の電圧検出信号が誤差増幅器5に供
給される。
【0003】さらに、電気炉3の温度は温度検出器6に
より検出され、この検出器6の温度検出信号が温度調整
器7に供給される。この調整器7は炉温の設定と温度検
出信号とに基づき、炉温が設定温度に上昇するにしたが
って減少変化する出力設定信号を出力設定値の信号とし
て形成し、この信号を誤差増幅器5に供給する。
【0004】そして、誤差増幅器5は出力設定信号をフ
ィードバック制御の基準信号として出力設定信号と電圧
検出信号との誤差信号を形成し、この誤差信号を駆動制
御信号として駆動回路8に供給する。この駆動回路8は
駆動制御信号により、サイリスタ回路2の逆並列接続さ
れたサイリスタ9,10を位相制御又はゼロクロスに同
期したスイッチング制御により点弧し、出力電圧を出力
設定信号に基づく定電圧に制御し、交流電源1の電圧変
動の影響を防止して電気炉3の給電量を一定に制御す
る。
【0005】そして、出力電圧は図5に示すように、ほ
ぼ定格の10〜100%の範囲で出力設定信号に比例し
た線形特性になる。また、出力設定信号が炉温に応じて
変化するため、とくに、炉温が設定温度に達するまで
は、出力電圧は定電圧制御されながら炉温に応じて変化
する。そのため、給電量が炉温と出力電圧とのいわゆる
2重ループのフィードバック制御で調整,設定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記図4の従来の電気
炉用電源装置の場合、電圧検出信号に基づくフィードバ
ック制御により出力電圧の上限が定格(100%)に規
制されるため、例えば電気炉3の使用開始時等の炉温が
低く、少しでも高電圧を印加して急速に昇温することが
望まれるようなときに、交流電源1が例えば定格200
Vより10%高い220Vに電圧変動していても、出力
電圧は定格の200Vに制限され、交流電源1を有効利
用できない問題点がある。
【0007】なお、電気炉3は、通常、許容電圧等の電
気的条件が定格より若干余裕を設けて決められるため、
定格より若干高い電圧を印加しても不都合は生じない。
そして、フィードバック制御により電気炉に供給する出
力電流,出力電力を一定に制御する場合にも、前記と同
様の問題点が生じる。
【0008】本発明は、交流電源の利用効率を向上する
ことを目的とする。また、電気炉の条件等に応じて給電
制御を変更できるようにすることも目的とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記の目的を達成する
ために、本発明の電気炉用電源装置においては、出力設
定値が所定値以上のときに給電制御用のサイリスタ回路
のフィードバック制御のループを切断して開放するルー
プ開放回路を備える。
【0010】また、電気炉の条件等に応じて給電制御を
変更できるようにするときは、給電制御の選択によりル
ープ開放回路によるループ切断個所に閉成維持用のバイ
パス路を接離自在に並設する制御切換回路も備える。
【0011】
【作用】前記のように構成された本発明の電気炉用電源
装置の場合、ループ開放回路を備えることにより、炉温
が低く出力設定値が所定値以上になるときに、ループ開
放回路によりフィードバック制御のループが開放され、
フィードバック制御による供給制限が解除されて交流電
源が有効に利用される。
【0012】また、制御切換回路を備えたときは、給電
制御の選択により、ループ開放回路によるループ切断個
所に制御切換回路のバイパス路が接離自在に並設される
ため、必要に応じて給電量のフィードバック制御のルー
プを開閉し、給電制御の変更を自在に行える。
【0013】
【実施例】実施例について、図1ないし図3を参照して
説明する。 (1実施例)まず、請求項1に対応する1実施例につい
て、図1及び図2を参照して説明する。図1において、
図4と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異
なる点はつぎの(a),(b)の点である。
【0014】(a)図4の温度調整器7の代わりに、こ
の調整器7に出力設定信号がループ開放基準の所定値以
上のときに開放指令としてのリレー駆動信号を出力する
開放指令機能を付加した温度調整器11を設けた点。 (b)常閉の接点12が電圧検出器4と誤差増幅器5と
の間に設けられたループ開放用リレー13を設け、この
リレー13に温度調整器11のリレー駆動信号を供給し
た点。
【0015】なお、温度調整器11の開放指令機能及び
リレー13により、サイリスタ回路2の出力電圧の検出
に基づくフィードバック制御ループを開放するループ開
放回路14が形成されている。そして、リレー13が動
作しない間は、接点12が閉成するため、図1の電源装
置は温度調整器11の出力設定信号と電圧検出器4の電
圧検出信号とに基づく誤差増幅器5の誤差信号により、
図4の電源装置と同様にサイリスタ回路2を炉温と出力
電圧との2重ループのフィードバック制御で駆動し、出
力電圧を出力設定信号の出力設定値に定電圧制御する。
【0016】このとき、図2の実線に示すように出力電
圧は出力設定信号に比例した線形特性になり、出力設定
信号が定格の100%のときは、交流電源1が定格の2
00Vより10%高い220Vに変動しても、出力電圧
は200Vの定格電圧に制御される。つぎに、温度調整
器11に定格の90%をループ開放基準の所定値として
設定すると、電気炉3の使用開始時等の出力設定信号が
定格の90%以上になるときに、温度調整器11のリレ
ー駆動信号によりリレー13が動作して接点12が開放
する。
【0017】このとき、出力電圧に基づくフィ−ドバッ
ク制御のループが切断されて開放され、誤差増幅器5の
誤差信号が出力設定信号のみに依存して出力電圧に無関
係になり、サイリスタ回路2は出力電圧については開ル
ープ制御で駆動される。
【0018】そのため、出力設定信号が例えば100%
の最大出力値の設定信号であれば、サイリスタ回路2が
出力電圧に無関係に連続的にオンし、交流電源1がほぼ
そのまま電気炉3に供給され、このとき、交流電源1が
定格より10%高い220Vであればこの220Vが電
気炉3に印加される。そして、接点12が開放して出力
電圧に基づくフィードバック制御が施されなくなると、
出力設定信号の設定値に対する出力電圧が例えば図2の
破線に示すようにフィードバック制御が施される場合よ
り増大し、交流電源1の利用効率が向上する。
【0019】(他の実施例)請求項2に対応する他の実
施例について、図3を参照して説明する。図3におい
て、図1と同一符号は同一もしくは相当するものを示
し、図1と異なる点は切換スイッチ構成の制御切換回路
15を設け、この回路15の閉ループ接点15aを電圧
検出回路4に直接接続し、開ループ接点15bを接点1
2を介して電圧検出器4に接続し、切換片端子15cを
誤差増幅器5に接続した点である。
【0020】そして、制御切換回路15は電気炉3の状
態等に応じて切換えられ、出力電圧の開ループの給電制
御を選択する場合、制御切換回路15の切換えにより、
その切換片端子15cが開ループ接点15aに接続され
て図1と同一の構成になる。つぎに、電気炉3の電気的
条件の余裕度が小さく、電気炉3の寿命等を優先すると
き等には、出力電圧の閉ループの給電制御が選択され、
この場合、制御切換回路15は切換片端子15aが閉ル
ープ接点15bに接続され、接点12のバイパス路を形
成する。
【0021】そのため、接点12が開放しても電圧検出
器4の電圧検出信号が誤差増幅器5に供給され、図5の
従来装置と同様、出力電圧が図2の実線の特性で制御さ
れる。したがって、この実施例の場合は、電気炉3の状
態等に応じて出力電圧に基づくフィードバック制御を開
閉し、炉温と出力電圧との2重ループの給電制御と、炉
温のみの単ループ給電制御とを自在に選択できる。
【0022】そして、前記両実施例では定電圧制御する
場合に適用したが、定電流制御又は定電力制御する場合
にも適用できるのは勿論であり、例えば定電流制御する
場合は、電圧検出器4の代わりに電流検出器が設けられ
る。また、各部の構成は実施例に限定されるものでな
く、例えばループ開放回路14はアナログスイッチによ
り形成してもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、以下に記載する効果を奏する。ループ開放
回路14を備えることにより、炉温が低く出力設定値が
所定値以上になるとき等に、ループ開放回路14により
給電量のフィードバック制御のループを開放し、フィー
ドバック制御による供給制限を解除して交流電源1を有
効に利用することができる。
【0024】また、制御切換回路15も備えると、給電
制御の選択により、ループ開放回路14によるループ切
断個所に制御切換回路15のバイパス路が接離自在に並
設されるため、必要に応じて給電量のフィードバック制
御のループを開閉し、給電制御を自在に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気炉用電源装置の1実施例のブロッ
ク図である。
【図2】図1の出力電圧の特性図である。
【図3】本発明の他の実施例のブロック図である。
【図4】従来装置のブロック図である。
【図5】図4の出力電圧の特性図である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 サイリスタ回路 3 電気炉 4 電圧検出器 5 誤差増幅器 8 駆動回路 11 温度調整器 14 ループ開放回路 15 制御切換回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 尚 大阪市東淀川区淡路2丁目14番3号 株 式会社三社電機製作所内 (56)参考文献 実開 昭62−123671(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源と電気炉との間に給電制御用の
    サイリスタ回路を設け、出力設定値と前記電気炉の給電
    量の検出値との誤差により前記サイリスタ回路をフィー
    ドバック制御で駆動し、前記給電量を前記出力設定値に
    制御する電気炉用電源装置において、 前記出力設定値が所定値以上のときに前記フィードバッ
    ク制御のループを切断して開放するループ開放回路を備
    えたことを特徴とする電気炉用電源装置。
  2. 【請求項2】 給電制御の選択によりループ開放回路に
    よるループ切断個所に閉成維持用のバイパス路を接離自
    在に並設する制御切換回路を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の電気炉用電源装置。
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