JP2665586B2 - 丸編みされたボディースーツとその製造方法 - Google Patents

丸編みされたボディースーツとその製造方法

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JP2665586B2 JP16800595A JP16800595A JP2665586B2 JP 2665586 B2 JP2665586 B2 JP 2665586B2 JP 16800595 A JP16800595 A JP 16800595A JP 16800595 A JP16800595 A JP 16800595A JP 2665586 B2 JP2665586 B2 JP 2665586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボディースーツの改良
に関し、特に、補整効果が高くて、境界線が目だたない
丸編みされたボディースーツとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボディースーツは、体のシルエットを美
しく補整する。このことを実現するために、ボディース
ーツは部分的な張力を調整している。例えば、押圧した
い部分に張力の強い布地を使用する。この布地は、押圧
したい部分を押圧し、この部分が出るのを防止して、奇
麗な体型に補整する。
【0003】このことを実現するボディースーツはすで
に開発されている。例えば、実開昭62−39044号
公報には、伸縮性の小さい布地と、伸縮性の高い布地と
を縫製したボディースーツが開示されている。また、特
開昭60−59106号公報には、両脇部を切り欠き、
この切欠部に小さい当布を縫着したボディースーツが開
示されている。さらに、特開平1−12841号公報に
は、裏面に当布を縫着した補整効果のある水着が開示さ
れている。さらにまた、実公昭62−39044号公報
には、バック片をアンダーバスト線の下に縫着したボデ
ィースーツが開示され、また、実開昭62−13211
0号公報には体型補整を必要とする箇所に伸縮性の小さ
いダブルフレーム構造の押え部をあてがうボディースー
ツが記載される。
【0004】これ等の公報に開示される従来のボディー
スーツは、部分的に別の布地を縫着して体型を補整す
る。この構造のボディースーツは、シート状の布地を裁
断して縫製するので、裁断と縫製に手間がかかって安価
に多量生産するのが難しい。特に、ボディースーツに使
用される布地は伸縮性があって柔軟なために、通常の布
地のように、裁断した状態で形状が一定とならない。少
しでも引っ張ると容易に形状が変形する。このため、裁
断と縫製が著しく難しい欠点がある。
【0005】また、伸縮性の布地を縫着するには、縫着
部分にも伸縮性が要求される。このため、伸縮性のある
特別な縫着方法が採用される。しかしながら、優れた伸
縮を有する縫着方法としても、縫着部分の伸縮性を布地
と同じようにすることはできない。このため、縫着部分
によって伸縮性が制限され、布地を十分に伸縮させるこ
とができない欠点がある。縫着部分で十分に伸縮しない
ボディースーツは、体を動かせたときに、十分に体にフ
ィットさせることができず、体の動きを制限する欠点が
ある。また、体を動かすと着用位置がずれ易く、体型補
整がずれる欠点がある。着用位置がずれたボディースー
ツは、体型補整効果を著しく阻害する。理想のボディー
スーツは、あたかも張りのある自分の皮膚と同様に、身
体の表面に密着して、綺麗なシルエットに整形するもの
である。
【0006】さらに、従来のボディースーツは、複数枚
の布地を縫着して部分的な伸縮性を調整しているので、
縫着線にくっきりと境界ができる。縫着線の境界は、上
着の表面に表出し、体の自然な美しい曲面を阻害する。
ボディースーツにとって、上着に表出する縫着線をいか
に少なくするかは極めて大切な特性である。このことを
実現するために、縫着部分の境界をいかにして小さくす
るかが研究されている。しかしながら、複数枚の布地を
重ね合わせ、さらに、これを別の糸を使用して縫着する
限り、縫着線を上着の上から目だたない状態とすること
はできない。
【0007】複数の布地を縫着しないで、伸縮性を部分
的に調整するボディースーツが、実開昭60−1363
10号公報に記載される。この公報に記載されるボディ
ースーツは、筒状編地を上部から下部までの間で複数に
区分し、区分された各部の編組織をパワー、ストレッチ
等の強弱をつけて、着用したときの体型に対応して適合
するように構成している。部分的に張力を強くする部分
は、弾性糸を添え編みする等の方法が採用される。
【0008】この公報に記載されるボディースーツは、
別の布地を縫着する従来のものに比較すると、伸縮性の
異なる境界を目だたなくできる。しかしながら、実際に
着用して、境界の目だたない美しいシルエットとするの
は難しい。本発明者はこの欠点を解消するために、さら
に改良したボディースーツを開発した(実開平3−89
105号公報)。この公報に記載されるボディースーツ
は、腹の部分を押圧して補整する押圧補整部を設け、こ
の押圧補整部の両側には伸縮部を設けている。押圧補整
部は、弾性繊維の編み糸に、テンション調整糸を添え編
みして、複数本の糸で横メリヤス編みしている。テンシ
ョン調整糸は、両端を伸縮部との境界でボディースーツ
の内面に突出するように丸編みしている。この構造のボ
ディースーツは、押圧補整部と伸縮部との境界を目だた
なくできる特長がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これ等の公報に記載さ
れるように、丸編みされたボディースーツは、別の布地
を裁断して縫製して製造する方法に比較して、安価に能
率よく多量生産できる特長がある。しかしながら、丸編
みされたボディースーツは、バストとヒップを美しい体
型に補整するのが難しい。とくに、バストとヒップの谷
間を美しく補整することが難しい。
【0010】バストとヒップを美しい体型に補整するた
めには、バストとヒップの谷間を縦方向に引っ張る必要
がある。このことを実現するために、バストとヒップの
谷間に、ゴムを縫着したブラジャーやショーツが開発さ
れている。しかしながら、谷間にゴムを縫着すると、縫
着線に沿ってくっきりと境界ができ、この縫着線が上着
の表面に表出して、体を自然な美しいシルエットに補整
できない欠点がある。さらに、ゴムを縫着するのに手間
がかかる欠点もある。
【0011】本発明は、さらにこの弊害を解消すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、極
めて美しい体型に補整できると共に、安価に多量生産で
きる丸編みされたボディースーツとその製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のボディースーツ
とその製造方法は、前述の目的を達成するために下記の
構成を備える。
【0013】本発明の請求項1に記載されるボディース
ーツは、丸編みされて、部分的に伸縮性が異なるように
構成されたボディースーツを改良したものである。ボデ
ィースーツは、バストの下部に、難伸縮性に丸編みされ
たバスト押圧補整部1を設けている。バスト押圧補整部
1は、中央部分を縦に延長してタック編みしている。タ
ック編みされた引張糸3は伸縮性を有し、この引張糸3
はボディースーツの表面に位置している。引張糸3の内
側において、バスト押圧補整部1は伸縮自在に折り畳ま
れて収縮されている。
【0014】本発明の請求項2に記載されるボディース
ーツは、ヒップの下部に、難伸縮性に丸編みされたヒッ
プ押圧補整部2を設けている。ヒップ押圧補整部2は、
中央部分を縦に延長してタック編みしている。タック編
みされた引張糸3は伸縮性を有し、この引張糸3はボデ
ィースーツの表面に位置している。引張糸3の内側にお
いて、ヒップ押圧補整部2は伸縮自在に折り畳まれて収
縮されている。
【0015】さらに、本発明の請求項3に記載されるボ
ディースーツの製造方法は、前シートと背面シートとを
丸編みし、これを縦に切断してボディースーツの側面で
縫着してボディースーツを製造するものである。前シー
トは、バストの下部を難伸縮性に丸編みしてバスト押圧
補整部1とし、このバスト押圧補整部1を丸編みすると
きに、中央部分を縦に延長してタック編みして製造され
る。背面シートは、ヒップの下部を難伸縮性に丸編みし
てヒップ押圧補整部2とし、このヒップ押圧補整部2を
丸編みするときに、中央部分を縦に延長してタック編み
して製造される。丸編みされた筒状の前シートと背面シ
ートは縦に切断され、裁断された部分を、ボディースー
ツの側面で縫製してボディースーツを構成する。
【0016】
【作用】本発明のボディースーツは、バスト押圧補整部
1、またはヒップ押圧補整部2の中央部分をタック編み
してバストとヒップの谷間を上下に引っ張っている。図
1はタック編みする部分の拡大図である。この図に示す
タック編み部4は、引張糸3を引っ張ると、図2に示す
ように、バスト押圧補整部1やヒップ押圧補整部2が、
引張糸3の内側、すなわち、体表面に接触する面で伸縮
できるように折り畳みまれて収縮される。引張糸3は伸
縮性があるので、図2の矢印Aで示すように引っ張られ
ると伸びる。引張糸3が引き延ばされると、折り畳まれ
たバスト押圧補整部1やヒップ押圧補整部2は、ラップ
される部分が浅くなって伸びる。バスト押圧補整部1と
ヒップ押圧補整部2は、引張糸3の内側にある。いいか
えると、折り畳まれたバスト押圧補整部1とヒップ押圧
補整部2の表面には、まっすぐに引っ張られている引張
糸3がある。引っ張られている引張糸3は、折り畳み状
態のバスト押圧補整部1とヒップ押圧補整部2の表面を
平滑面とする。このように、折り畳み状態にあるバスト
押圧補整部1とヒップ押圧補整部2の中央をタック編み
して引張糸3で上下に引っ張っることができる本発明の
ボディースーツは、丸編みして能率よく多量生産でき、
さらに、別のゴム等を縫着するのではなくて、引張糸3
でもって谷間の表面を平滑面にするので、谷間に沿って
縫着線が表出することがなく、谷間を上下に引っ張っ
て、体を自然な美しいシルエットに補整できる特長があ
る。
【0017】さらに、本発明の請求項3に記載されるボ
ディースーツの製造方法は、丸編みされた前シートと背
面シートとを縦に切断して平面状に切り開き、平面状の
前シートと背面シートの両側を縫着してボディースーツ
を製造するものである。この製造方法は、バスト押圧補
整部1のある前シートを丸編みして製造し、また、ヒッ
プ押圧補整部2のある背面シートを丸編みして製造でき
る。このため、バスト押圧補整部1とヒップ押圧補整部
2の両方を理想的な位置に配設し、また、理想的な伸縮
性に調整して製造できる。また、前シートと引張糸3と
を別々に製造するので、パンティーストッキング等を丸
編みして製造する丸編機でもってボディースーツが製造
できる特長がある。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するためのボディースーツとその製造方法を例
示するものであって、本発明は、使用材料、ボディース
ーツの形状や構造等を下記のものに特定しない。本発明
のボディースーツとその製造方法は、特許請求の範囲を
逸脱しない範囲で変更することができる。
【0019】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0020】図3と図4に示すボディースーツは、前シ
ートと背面シートとをボディースーツの側面で縫着して
製造される。前シートと背面シートは丸編みして筒状に
製造され、これを縦に切断して平面状に展開して、ボデ
ィースーツの側面で縫製されたものである。
【0021】図3に示す前シートは、胸部5と、バスト
押圧補整部1と、腹部6とからなっている。胸部5はバ
ストの中間よりも上部に位置する部分で、この部分は伸
びやすいように、平編みして製造される。バストの中間
よりも上部は、バスト押圧補整部1に押圧されたバスト
が押し出されて美しい体型に補整される部分である。し
たがって、前シートの胸部5は、バスト押圧補整部1よ
りも伸びやすいように平編みされている。胸部5は、図
に示すように袖7が設けられ、あるいは袖を設けないこ
ともできる。丸編みして製造される前シートは、上端の
縁が同じ長さに製造される。前シートの上端縁は、袖や
首の部分の部分に沿って裁断され、肩の部分で背面シー
トの上端縁に縫製される。切断された首や袖の先端縁
は、解れないように帯状の布地を縫着する。
【0022】バスト押圧補整部1は、バストの上部に位
置する部分で、バストを下から押し上げてバストアップ
させる部分である。この部分はバストを下から押し上げ
できるように、難伸縮性に丸編みして製造される。この
部分は、図5に示す編目にリブ編みして製造される。リ
ブ編みされたバスト押圧補整部1は、図5の黒く塗りつ
ぶした編み糸の直線部を、隣接する3個の編目を飛ばし
て丸編みしている。編み糸の直線部は、矢印Bで示すよ
うに、横に引っ張られたときに、ループ状に編まれた部
分よりも伸び難い。ループ状に編まれた部分は、矢印B
で示す方向に引っ張られたときに、ループの開口部が矢
印Cで示すように広がるため、矢印Bの方向に伸長され
るが、編み糸の直線部は、ループが広がることがなく、
編み糸が伸長されて矢印Bで示す方向に伸びるからであ
る。
【0023】図5に示すバスト押圧補整部1は、2本の
編み糸を使用して丸編みしている。直線部のある編み糸
には伸縮繊維を使用し、伸縮繊維の間に弾性繊維を配設
している。弾性繊維は伸縮性に富む繊維で、たとえば、
ポリウレタン繊維を芯線とし、この芯線にナイロン繊維
を巻き付けたものである。伸縮繊維は、吸湿性のある木
綿を伸縮性の芯線に巻いたもので、たとえば、伸びやす
いナイロン繊維を芯線とし、この芯線の表面に木綿繊維
を巻き付けた繊維である。前シートは、好ましくは、バ
スト押圧補整部1のみでなく、全体を弾性繊維と伸縮繊
維で丸編みして製造される。さらに好ましくは、前シー
トのみでなく、背面シートの全体を弾性繊維と伸縮繊維
で丸編みして製造される。
【0024】直線部を伸縮繊維で丸編みしたバスト押圧
補整部1は、伸縮繊維の伸縮性と、直線部が間の編目を
飛ばす数とを変更して、図5の矢印Bで示す横方向の伸
び量を調整できる。図5に示すバスト押圧補整部1は、
編み糸の直線部で、3個の編目を編まずに飛ばしてリブ
編みしている。この図に示すリブ編みは、1つの編目に
対して3つの編目を飛ばしている。バスト押圧補整部1
は、1つの編目に対して4つ以上の編目を飛ばすことも
できる。編目を飛ばす数を多くすると、バスト押圧補整
部1は伸び難くなる。反対に、1つの編目に対して、2
つの編目を飛ばすこともできるが、このようにするとバ
スト押圧補整部1は伸びやすくなる。
【0025】バスト押圧補整部1は、伸縮繊維の伸縮性
で、矢印Bで示す横方向への伸びを調整できる。伸縮繊
維に伸び難い繊維を使用すると、バスト押圧補整部1は
横方向に伸び難くなる。反対に、伸縮繊維に伸びやすい
繊維を使用すると、バスト押圧補整部1は横方向に伸び
やすくなる。バスト押圧補整部1の伸縮性は、伸縮繊維
の伸縮性と、編目を飛ばす数とを調整して、理想的な値
に調整される。
【0026】さらに、バスト押圧補整部は、図7に示す
ように、丸編みされる編み糸に、テンション調整糸を添
えて、複数本の糸で丸編みすることもできる。図に示す
バスト押圧補整部1は、編み糸8に、1本のテンション
調整糸9を平行に並べ、2本の糸で丸編みしている。こ
の構造のバスト押圧補整部1は、編み糸8に沿わせるテ
ンション調整糸9の本数を多くして、伸び難くできる。
また、テンション調整糸9に、一定長さに伸ばすのに要
する力の強いものを使用しても、バスト押圧補整部1を
伸び難くできる。したがって、バスト押圧補整部1は、
編み糸8に沿わせるテンション調整糸9の本数と、伸び
に要する力の異なるものを変更して、伸びやすさを最適
値に調整することもできる。
【0027】テンション調整糸9は、複数本を平行に並
べて編み糸8と一緒に丸編みして、バスト押圧補整部1
となる。図7に示すように、丸編みされて上下に所定の
幅のバスト押圧補整部1を設けるからである。すなわ
ち、多数のテンション調整糸9は、横に延長して平行に
並べられてバスト押圧補整部1を構成する。横に並べら
れるテンション調整糸9は、両端で切断されている。テ
ンション調整糸9の切断端は、前シートの端まで延長さ
れる。ただ、テンション調整糸を前シートの両側まで延
長しないで、バスト押圧補整部を設けることもできる。
この場合、バスト押圧補整部の境界が外部に目だたない
ように、テンション調整糸の両端は、図7の拡大図に示
すように、ボディースーツの内面に突出される。
【0028】バスト押圧補整部1は、中央部分を縦に延
長してタック編みしている。タック編みされた部分の編
目を図1に示す。この図のタック編みは、6段の編目を
縦に飛び越して丸編みしている。6段の編目を飛び越し
ている部分は、バスト押圧補整部1の中央部を上下に引
っ張る引張糸3となっている。図1は、タック編み部4
の編目状態をわかりやすくするために、引張糸3を直線
状に引き伸ばした状態として、バスト押圧補整部1を前
面から見た図である。ただ、実際にタック編みされたバ
スト押圧補整部1の中央部分は、引張糸3が図1に示す
ようには伸長されず、図2の断面図に示すように、引張
糸3の内側に、バスト押圧補整部1を折り畳む状態とす
る。引張糸3は、ボディースーツの表面に位置し、この
引張糸3の内側でバスト押圧補整部1が伸縮自在に折り
畳まれた状態となる。実際の引張糸3の上下方向の長さ
は、伸長されない状態で、編組される1ループの長さに
ほぼ等しくされる。ただ、引張糸の上下方向の長さは、
1ループの長さよりも長くすることもできるのはいうま
でもない。
【0029】引張糸3には、バスト押圧補整部1の丸編
みに使用される伸縮繊維が使用される。バスト押圧補整
部1をリブ編みするときに、中央部はタック編みされ
る。バスト押圧補整部1は、タック編みされる引張糸3
を、伸縮繊維とするように丸編みされる。タック編み
は、タック編みされる部分で、バスト押圧補整部1の中
央部分を上下に引っ張って、バストの谷間を美しく補整
するが、タック編み部4が、どの程度、バスト押圧補整
部1の中央部分を引っ張るかは、引張糸3の長さ、引張
糸3の伸縮性、引張糸3が縦に飛び越す編目の段数、引
張糸3を横に配列する列数、引張糸3を縦に配列する段
数で調整できる。図1に示す前シートは、引張糸3が縦
に飛び越す編目の段数を6段、引張糸3を横に配列する
列数を5列、引張糸3を縦に配列する段数を5段として
いる。ただ、本発明のボディースーツは、タック編みを
この配列に特定するものでないのは言うまでもない。タ
ック編み部4が、バスト押圧補整部1を中央部を強く引
っ張るようにするには、引張糸3の上下の長さを短く
し、引張糸3に伸び難い伸縮繊維を使用し、引張糸3が
縦に飛び越す編目の段数を多くし、引張糸3を横に配列
する列数も多くし、さらに、引張糸3を縦に配列する段
数も多くする。
【0030】タック編みは、バスト押圧補整部1の中央
部分を縦に引っ張って、バストの谷部を美しく補整する
が、図3に示す前シートのように、バスト押圧補整部1
からさらに胸部5までタック編みして、バスト全体の谷
間をより美しく補整することもできる。
【0031】前シートの腹部6は、バスト押圧補整部1
の下方に位置する部分で、この部分もリブ編みされる。
腹部6は、バスト押圧補整部1よりも伸びやすく、胸部
5よりは伸び難い状態にリブ編みされる。腹部6を胸部
5よりも伸び難くするのは腹が出るのを押し込むためで
ある。リブ編みされる腹部6の編目を図6に示す。この
図に示す腹部6の編目は、編み糸の直線部で1つの編目
を飛び越してリブ編みしている。縦に並ぶ直線部10の
間には、3つの編目がある。腹部6は、直線部10が飛
び越す編目の数を多くして伸び難くできる。さらに、直
線部10同士の間にある編目の数を少なくして、いいか
えると、縦に並ぶ直線部10を多くしても伸び難くでき
る。さらに、バスト押圧補整部1と同じように、伸縮繊
維に伸び難い繊維を使用しても、伸び難くできる。前シ
ートの腹部6は、伸縮繊維の伸縮性と、直線部10が飛
び越す編目の数と、直線部10の間にある編目の数とを
調整して、最適な伸縮性に調整される。
【0032】背面シートは、図4に示すように、背中部
11と、ヒップ部12と、ヒップ押圧補整部2とから構
成される。背中部11は前シートの腹部6と同じように
リブ編みされ、ヒップ部12は前シートの胸部5と同じ
ように平編みされ、ヒップ押圧補整部2は前シートのバ
スト押圧補整部1と同じようにリブ編みされ、さらに、
ヒップ押圧補整部2の中央部は、バスト押圧補整部1の
中央部と同じようにタック編みされている。
【0033】背中部11は、前シートの腹部6と同じよ
うにリブ編みされて、背中全体を軽く押圧している。背
中部11は、ヒップ押圧補整部2よりも伸びやすく、ヒ
ップ部12よりは伸び難い状態に丸編みされる。ヒップ
部12よりも伸び難くした背中部11は、背中の全体を
押圧する。このボディースーツは、背中から体表面を押
圧して、ヒップをより大きく美しく補整できる効果があ
る。背中部11は、背中全体を広い面積で押圧するの
で、バストを局部的に押し上げるバスト押圧補整部1の
ように強く押圧する必要はない。
【0034】背中部11は、前シートの腹部6と同じよ
うに、編み糸の直線部が飛び越す編目の数を多くして伸
び難くできる。さらに、直線部同士の間にある編目の数
を少なくして、いいかえると、直線部を多くしても伸び
難くできる。さらに、伸縮繊維に伸び難い繊維を使用し
ても、伸び難くできる。背中部11は、伸縮繊維の伸縮
性と、直線部が飛び越す編目の数と、直線部同士の間に
ある編目の数とを調整して、最適な伸縮性に調整され
る。
【0035】背中部11は、図4に示すように袖13が
設けられ、あるいは袖を設けないこともできる。丸編み
して製造される背面シートは、上端の縁が同じ長さに製
造される。背面シートの上端縁は、前シートと同じよう
に、袖や首の部分の部分に沿って裁断され、肩の部分で
前シートの上端縁に縫製される。切断された首や袖の先
端縁は、解れないように帯状の布地を縫着する。
【0036】ヒップ部12は、ヒップの上部に位置して
いる。ヒップ部12は、ヒップの中間よりも上部に位置
する部分で、この部分は伸びやすいように平編みされて
いる。ヒップ部12は、ヒップ押圧補整部2に押し上げ
られたヒップを突出してヒップアップさせると共に、ヒ
ップを美しい体型に補整する部分である。したがって、
ヒップ部12は、ヒップ押圧補整部2よりも伸びやすい
ように平編みされている。
【0037】ヒップ押圧補整部2は、ヒップの下部に位
置する部分で、ヒップを下から押し上げてヒップアップ
させる部分である。この部分はヒップを下から押し上げ
できる部分で、バスト押圧補整部1と同じように難伸縮
性に丸編みして製造される。
【0038】ヒップ押圧補整部2は、バスト押圧補整部
1と同じようにリブ編みされて、伸縮繊維の伸縮性で、
横方向に伸びを調整できる。伸縮繊維に伸び難い繊維を
使用すると、ヒップ押圧補整部2は横方向に伸び難くな
る。反対に、伸縮繊維に伸びやすい繊維を使用すると、
ヒップ押圧補整部2は横方向に伸びやすくなる。ヒップ
押圧補整部2の伸縮性は、伸縮繊維の伸縮性と、編目を
飛ばす数とを調整して、理想的な値に調整される。さら
に、ヒップ押圧補整部2は、バスト押圧補整部1と同じ
ように、テンション調整糸を添えて丸編みして製造する
こともできる。
【0039】ヒップ押圧補整部2の中央部分は、バスト
押圧補整部1の中央部分と同じように、縦に延長してタ
ック編みされる。タック編みされる部分の引張糸3は、
バスト押圧補整部1と同じように、ボディースーツの表
面に位置し、この引張糸3の内側でヒップ押圧補整部2
が伸縮自在に折り畳まれた状態となる。ヒップ押圧補整
部2のタック編み部4は、ヒップ押圧補整部2の中央部
分を上下に引っ張って、ヒップの間を美しく補整する
が、タック編み部4が、どの程度、ヒップ押圧補整部2
の中央部分を引っ張るかは、バスト押圧補整部1と同じ
ように、引張糸3の長さ、引張糸3の伸縮性、引張糸3
が縦に飛び越す編目の段数、引張糸3を横に配列する列
数、引張糸3を縦に配列する段数で調整できる。ヒップ
押圧補整部2は、バスト押圧補整部1と同じように、引
張糸3が縦に飛び越す編目の段数を6段、引張糸3を横
に配列する列数を5列、引張糸3を縦に配列する段数を
5段とする。ただ、本発明のボディースーツは、ヒップ
押圧補整部2のタック編みをこの配列に特定するもので
ないのは言うまでもない。タック編み部4が、ヒップ押
圧補整部2を中央部を強く引っ張るようにするには、バ
スト押圧補整部1と同じように、引張糸3の上下の長さ
を短くし、引張糸3に伸び難い伸縮繊維を使用し、引張
糸3が縦に飛び越す編目の段数を多くし、引張糸3を横
に配列する列数も多くし、さらに、引張糸3を縦に配列
する段数も多くする。
【0040】タック編みは、ヒップ押圧補整部2の中央
部分を縦に引っ張って、ヒップの谷部を美しく補整する
が、図4に示す背面シートのように、ヒップ押圧補整部
2からさらにヒップ部12までタック編みして、ヒップ
全体の谷間をより美しく補整することもできる。
【0041】以上のようにして製作された前シートと背
面シートは、縦に切断して平面状に展開し、ボディース
ーツの両側で縫着してボディースーツを構成する。前シ
ートの腹部6の下端縁と、背面シートのヒップ押圧補整
部2の下端縁は、ショーツの形状に裁断して、股下で連
結し、あるいは、マジックテープ(登録商標)等を使用
して、脱着自在に連結する。ただ、腹部6の下端部と、
ヒップ押圧補整部2の下端部には、好ましくは平編みさ
れたショーツ部を設けるのが良い。平編みされたショー
ツ部は、ボディースーツの股下部を構成し、リブ編みさ
れた腹部6とヒップ押圧補整部2とが、股下を強く押圧
するのを防止する。
【0042】
【発明の効果】本発明のボディースーツは、縫着線が上
着の表面に現れるのを防止して、ボディースーツを着用
していることが気付かれないようにし、さらに、バスト
とヒップを極めて美しい体型に補整して、安価に多量生
産できる極めて優れた特長を実現する。それは、本発明
のボディースーツが、バスト押圧補整部、またはヒップ
押圧補整部の中央部分をタック編みし、このタック編み
でもって、バストとヒップの谷間を上下に引っ張って、
バストとヒップの谷間を美しく補整しているからであ
る。とくに、本発明のボディースーツは、タック編みの
引張糸を表面に、バスト押圧補整部やヒップ押圧補整部
を、引張糸の内側に配設するので、折り畳まれたバスト
押圧補整部とヒップ押圧補整部の表面には、まっすぐに
引っ張られている引張糸がある。引っ張られている引張
糸は、折り畳まれて凹凸状になっているバスト押圧補整
部とヒップ押圧補整部の表面を平滑面とする。このた
め、本発明のボディースーツは、バスト押圧補整部やヒ
ップ押圧補整部の中央部分を上下に引っ張って、バスト
やヒップを美しく補整できるにもかかわらず、この部分
に凹凸ができるのも有効に防止して、上着から境界が見
えないようにできる。
【0043】さらに、本発明のボディースーツは、バス
ト押圧補整部とヒップ押圧補整部を丸編みして製造し、
さらに、この部分を丸編みするときに、その中央部分を
タック編みして上下に引っ張って、バストやヒップを補
整できるので、バスト押圧補整部やヒップ押圧補整部を
丸編みして能率よく安価に多量生産できる特長がある。
【0044】さらに、本発明の請求項3に記載する製法
は、前シートと背面シートとを丸編みした後、これを縦
に切断して平面状に切り開いてその両側で縫着してボデ
ィースーツを製造するので、補整効果の高いボディース
ーツを安価に能率よく、高品質に多量生産できる特長が
ある。また、前シートと引張糸とを別々に製造して縫製
するので、小型の丸編機を使用して多量生産できる特長
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかるボディースーツのタ
ック編み部の編み目を示す拡大図
【図2】 図1に示すタック編み部の縦断面図
【図3】 本発明の実施例にかかるボディースーツの前
シートを示す正面図
【図4】 本発明の実施例にかかるボディースーツの背
面シートを示す正面図
【図5】 図3に示すバスト押圧補整部のリブ編みの編
み目を示す拡大図
【図6】 図3に示す腹部のリブ編みの編み目を示す拡
大図
【図7】 本発明の他の実施例にかかるボディースーツ
の丸編みの編み目を示す拡大図
【符号の説明】
1…バスト押圧補整部 2…ヒップ押圧補整部 3…引張糸 4…タック編み部 5…胸部 6…腹部 7…袖 8…編み糸 9…テンション調整糸 10…直線部 11…背中部 12…ヒップ部 13…袖

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸編みされて、部分的に伸縮性が異なる
    ように構成されたボディースーツにおいて、 バストの下部は難伸縮性に丸編みされたバスト押圧補整
    部(1)を有し、このバスト押圧補整部(1)の中央部分は縦
    に延長してタック編みされており、タック編みされた引
    張糸(3)は伸縮性を有すると共に、引張糸(3)がボディー
    スーツの表面に位置しており、引張糸(3)の内側でバス
    ト押圧補整部(1)が伸縮自在に折り畳まれて収縮されて
    いることを特徴とするボディースーツ。
  2. 【請求項2】 丸編みされて、部分的に伸縮性が異なる
    ように構成されたボディースーツにおいて、 ヒップの下部は難伸縮性に丸編みされたヒップ押圧補整
    部(2)を有し、このヒップ押圧補整部(2)の中央部分は縦
    に延長してタック編みされており、タック編みされた引
    張糸(3)は伸縮性を有すると共に、引張糸(3)がボディー
    スーツの表面に位置しており、引張糸(3)の内側でヒッ
    プ押圧補整部(2)が伸縮自在に折り畳まれて収縮されて
    いることを特徴とするボディースーツ。
  3. 【請求項3】 バストの下部を難伸縮性に丸編みしてバ
    スト押圧補整部(1)とし、このバスト押圧補整部(1)を丸
    編みするときに、中央部分を縦に延長してタック編みし
    てボディースーツの前シートを丸編みし、 ヒップの下部を難伸縮性に丸編みしてヒップ押圧補整部
    (2)とし、このヒップ押圧補整部(2)を丸編みするとき
    に、中央部分を縦に延長してタック編みしてボディース
    ーツの背面シートを丸編みし、 丸編みされて筒状をしている前シートと背面シートとを
    縦に切断し、これをボディースーツの側面で縫製するこ
    とを特徴とする丸編みされたボディースーツの製造方
    法。
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