JP2665432B2 - 質量分析型ガス漏れ検知器 - Google Patents

質量分析型ガス漏れ検知器

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JP2665432B2
JP2665432B2 JP4192380A JP19238092A JP2665432B2 JP 2665432 B2 JP2665432 B2 JP 2665432B2 JP 4192380 A JP4192380 A JP 4192380A JP 19238092 A JP19238092 A JP 19238092A JP 2665432 B2 JP2665432 B2 JP 2665432B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス保守された通信用
ケーブルのガス漏れを検知する質量分析型ガス漏れ検知
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通信用ケーブルは、ケーブルが水につか
った状態であっても湿気、水分がケーブル内に侵入し、
回線故障を起こさないように、重要市外ケーブル、及び
回線数の多い市内ケーブル等は大気圧よりも高い圧力で
乾燥ガス(乾燥空気又は窒素ガス)が充填され、ガス保
守されている。従来、ガス保守された通信用ケーブル
(以下では、ガスケーブルと略称する)及びその接続部
のガス漏れを検知する方法として、作業者の手の届く範
囲で目視可能な箇所は、石鹸水をケーブルに塗布する方
法、あるいはピンホールからガスが漏洩する際に発生す
る超音波をマイクロホンで集音し、可聴周波数に変換・
増幅し、イヤーホンで検出する方法が取られていた。ま
た、漏洩箇所の探索が広範囲にわたる場合や、地下管路
内に引き込んだケーブルの漏洩有無確認の場合、フロン
ガスを被検出ケーブルに充填し、「ライス効果」を利用
した、フロンガス検知器を用いて、ガス漏洩の有無を調
べる方法が取られていた。後者の方法は、Dガス点検法
として電電公社時代に開発された方法であって、長い実
績を有している。しかし、近年、フロンガスによるオゾ
ン層の破壊が地球規模的に問題になっており、フロンガ
スの使用禁止が早急に実施されようとしている。さて、
この種のガスケーブルは、電柱間に張られた、いわゆる
架空ケーブルと、地下に敷設された地下ケーブルの2種
類があって、この内、地下ケーブルは、通常マンホール
間に埋設された管路中に収容されている。マンホールは
深さ、スペース、入手孔の大きさ等と換気の点から、必
要最小限の装置類しかマンホール内には持ち込めない。
【0003】ガス検知器は、種々の原理のものが用いら
れているが、検出感度が最も高い検知方法は、質量分析
型のガス検知器である。従来、この種の質量分析型のガ
ス検知器には、大別して、磁場偏向型と、四重極型マス
フィルターがあり、古くから、真空装置のヘリウムリー
クディテクタとして使用されてきた。これら真空装置の
リーク試験の場合、リークディテクタは真空装置の近く
の清浄な場所で使用されていた。しかし、屋外にあるガ
スケーブルの保守場所は、環境がさまざまであり、質量
分析計のような精密計器は今まで用いられたことがなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】マンホール内でのガス
ケーブルのガス漏れ検知に要求される条件は2種類あ
り、1つは、日常的な中継器の保守、ガスケーブルの心
線接続換えに伴う解体部の再接続時、あるいは、ガスケ
ーブル新設時に実施するケーブル接続部のガス漏れ検査
(いわゆるガスフラッシュテスト)である。すなわち、
ケーブル接続部は金属製あるいはプラスチック製の気密
構造としたケーブルに収容されているが、これらのケー
スからのガス漏れの有無を調べる場合である。ガスフラ
ッシュテストは通常石鹸水塗布で行なっているが作業性
が悪く、見落としも多く、点検効率が劣る。点検の効率
化を図るには、該ケースに設けられたガス導入孔から既
知ガス(従来はフロンガス)を導入し、該ケースの周囲
にガス検知器ヘッドをあてガス漏れの有無を調べる方法
がある。この場合は、ガス漏れ発生部が手元にあり、ガ
ス漏れ箇所が探索し易いので、ガス漏れ検知作業の迅速
性かつ、熟練を要さないことが要求される、他の1つ
は、前記管路内のガスケーブルがなんらかの原因で損傷
を受け、管路内に充填ガスが漏洩する場合であって、管
路中に漏洩したガスが拡散・希釈され、これをマンホー
ルのケーブル引き込み口(ダクト口)から検出する方法
であり、高感度、高精度なガス漏れ検知が要求される。
【0005】以上のように、ガスケーブル保守に要求さ
れるガス検知器の性能は、2種類あって、その両方を満
足するものが必要とされる。さて、あらゆるガス検知器
の中で、最も検出感度が高い方法は、検知ガスとしてヘ
リウムを用いた質量分析型のヘリウムリークディレクタ
である。しかし、市販のヘリウムリークディテクタは、
最も軽いものでも質量は30kg以上あり、装置本体を
マンホール内に持ち込むことが出来ない。従って、ガス
検知作業は地上で行なう必要があり、最低でも3m程度
検知器本体から離れた場所で実施せざるを得ず、操作性
の改善が課題であった。一方、上述したケーブル接続部
のガスフラッシュテストの場合、ガス漏れ箇所を特定す
る必要がある。そのためにはケーブル接続部を収容した
ケースの周りにガス吸入孔をあて、ガス漏れ位置を探索
する作業が行なわれるが、作業性の点から、ガスを連続
測定する事が要求される。しかし、市販の質量分析型の
ヘリウムリークディテクタには、屋外でも使用可能な小
型で、可搬型のものは、検出感度・精度を確保する必要
上、連続測定できる製品が無かった。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的はフロンガスに替わる、ガス漏れ点検法に
使用する、操作性に優れた、小型で、高感度の質量分析
型ガス漏れ検知器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、イオンコレクタを持つ質量分析型ガス漏れ
検知器本体とガスサンプリングヘッドとガスサンプリン
グチューブを備え、ガスサンプリングチューブの各端が
それぞれ質量分析型ガス漏れ検知器本体とガスサンプリ
ングヘッドに着脱容易にコネクタ接続されており、該ガ
スサンプリングヘッドがガス吸入孔と、測定結果表示メ
ータと、複数のLED並びに可聴音の周波数変化による
漏れ量概略通報機能と、測定開始スイッチとを備えた質
量分析型ガス漏れ検知器において、被検知ガスの質量数
を連続的に測定する概略測定モードと、該被検知ガスと
基準ガスのスペクトルを時系列的に検出して2つの質量
スペクトル比から該被検知ガスを間欠的に測定する精密
測定モードを備え、前記ガスサンプリングヘッドは測定
モード切替器を備え、該測定モード切替器により前記2
種類の測定モードが選択可能なことを特徴とするもので
ある。
【0008】又、本発明は前記課題を解決するために、
前記概略測定モードが、イオンコレクタの前におかれ
た、スリットの幅を広げて、ヘリウムの質量数4を連続
測定し、一方、前記精密測定モードが、該スリットの幅
を狭めて、m/e(質量数/電荷数)が3から8の範囲
内で質量走引を行なって、m/eが7の空気中の窒素を
基準ガスとして間欠測定することを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】本発明の質量分析型ガス漏れ検知器は、ヘリウ
ムガス検知を目的とする質量分析計であって、ガスサン
プリングチューブの先端に取り付けられた、ガスサンプ
リングヘッド部に測定モードの切替機能と、結果表示機
能等の検知器本体の機能が総て搭載され、該チューブは
作業環境に応じて、最適の長さのものがワンタッチで装
着できる構造になっている。従って、作業場所が検知器
本体と離れていても、操作性、ガス漏れ探索の作業性に
優れ、検出感度の低下を最小限に抑えることができる。
なお、言うまでもないことであるが、検知ガスとして
は、フロンガスの代わりにHeガスを使用することが高
感度検出の点で最も有利である。なぜなら、ヘリウムガ
スはガス透過性が最も大きいため、小さなピンホールの
検出に適するからである。さらに、ヘリウムガスは空気
よりも軽いため、マンホールのように地下で作業する場
合、酸欠事故防止の点から好ましい。もちろん、本発明
の質量分析型ガス漏れ検知器は、ヘリウムガスに限られ
るものでなく、質量分析部を目的のガスの質量数に合わ
せて変更すれば、本発明の特徴はそのまま活かすことが
出来る。以下では、本発明の特徴を詳しく説明する。
【0010】本発明の質量分析型ガス漏れ検知器は、真
空排気部、質量分析部、測定結果解析表示部、ガスサン
プリング部から構成され、測定結果解析表示部とガスサ
ンプリング部に特徴がある。
【0011】真空排気部は、オイルフリーの真空排気系
が望ましく、例えば、市販の油回転ポンプとターボ分子
ポンプからなる真空排気系が適当である。質量分析部
は、磁場偏向型、あるいは四重極型マスフィルターがあ
るが、小型化、低価格化の点では、希土類磁石を用いた
磁場偏向型が好ましい。
【0012】測定結果解析表示部は、検知ガスの質量数
を連続的に測定する概略測定モードと、該被検知ガスと
基準ガスの質量スペクトルを時系列的に検出し、2つの
質量スペクトル比から該被検知ガスを間欠的に測定する
精密測定モードの2種類の測定モードが選択可能であ
る。測定結果は本体、並びに、後述のガスサンプリング
ヘッドの2ケ所にメータ表示並びに、LED表示され
る。LED表示は、ガス濃度が1〜10ppm、10〜
1000ppm、1000ppm以上の3段階表示さ
れ、1000ppm以上では、警告音も同時に発出され
る。
【0013】さて、上述の概略測定モードは、ヘリウム
の質量数4を連続的に測定するモードである。周知のよ
うに、質量数は、永久磁石を用いた磁場偏向型の場合、
イオン化したガスの分析管への加速電圧(1〜2kVが
印加される)で決定され、四重極型マスフィルターの場
合、高周波電圧に重畳される直流電圧(1〜2kV)で
決定される。また、質量分析部で検出されるイオン電流
は、ヘリウムイオンとこれに重畳する電子回路部からの
ノイズ電流であって、ヘリウムイオン量は、真空排気部
の排気速度にも依存する。このように、一定質量数のガ
スを連続モニターする場合、現実的には、電圧、真空
度、電磁ノイズ等の変動の影響を受けるため、ヘリウム
量を正確に検出することは困難である。例えば、直流高
圧電源の変動は、0.01%以下が要求されるから、高
価な電源が必要となる。さらに、イオン電流は、正確に
は、質量数とイオン化の価数の比、すなわち、m/eで
規定され、本発明の目的とする、ガスケーブルの漏洩探
査の場合、2価にイオン化した、窒素(N++)、すなわ
ち、m/e=7、の位置に空気中の窒素イオン、及びm
/e=1、2の水素イオン、水素分子イオンが検出され
るから、質量分析部の分解能が低い場合、ヘリウム濃度
が低い領域では空気の影響を受けることになる。市販の
ヘリウムリークディテクタの場合、上記理由により、後
述の質量走引法が取られる。このような理由にもかかわ
らず、本発明では、上述したように、ガスケーブルの漏
洩探査の効率を考え、概略測定モードを設けた。本概略
測定モードでは、磁場偏向型の場合、直流高圧電圧変動
による検知質量数の変動の影響を極力避けるために、通
常、イオン電流検出部の前に設けられる、スリットの幅
を、窒素の影響を受けない範囲内で、拡張することによ
って、ヘリウムの質量スペクトルをブロードにする機構
を付加することが好ましい。このような機構を付けるこ
とによって、質量ピーク高さの再現性が向上し、かつ、
イオン電流も増えるから、検出感度向上に有利である。
なお、四重極型マスフィルターの場合、このようなスリ
ットの効果は期待できず、スリットを挿入することは、
検出感度を低下させるのみでマイナス作用になる。
【0014】次に、精密測定モードを説明する。本測定
モードは、質量走引を行なって、目的とするヘリウム
(m/e=4)及び、空気中の窒素(m/e=7)のス
ペクトルを検出し、該窒素のスペクトルを基準にして、
ヘリウム量を正確に測定するものである。この方法は、
従来から実施されている方法であって、質量走引のた
め、連続測定は困難であるが、直流高圧電源の安定性は
あまり要求されないため、電子回路部の経済化が図れる
特徴がある。
【0015】なお、磁場偏向型の場合、一般に、質量走
引法は、永久磁石を用いて、イオン化ガスの加速電圧を
変える方法と、電磁石を用いて、電磁石の励磁電流を変
える方法があるが、本発明の目的には、小型化、低価格
化、高速走引の点で永久磁石を用いる方法が好ましい。
一方、四重極型マスフィルタの場合、数秒以内の高速走
引は容易であるが、磁場偏向型に較べ、高周波電源の価
格が高く、電源の小型化が図りにくい欠点がある。以上
の理由から、永久磁石を用いた磁場偏向型のヘリウムガ
ス検知法が、本発明の目的には最も適している。
【0016】ところで、本発明の目的である、ガスケー
ブルの漏洩探索の場合、ヘリウムガスは大気中には5p
pm程度存在するから、本精密測定モードでは、検出感
度を無闇に向上させても無駄であり、1ppm以上のヘ
リウムガス濃度が正確に測定できればよい。
【0017】次にガスサンプリング部を説明する。ガス
サンプリング部は、ガスサンプリングチューブ、接続ケ
ーブル、ガスサンプリングヘッドから成り、ガスサンプ
リングチューブ及び接続ケーブルは、検知器本体及びガ
スサンプリングヘッドから着脱容易なようにコネクタ接
続されている。また、検出器本体には、ガスサンプリン
グ用の吸引ポンプが内蔵され、ガスサンプリングヘッ
ド、ガスサンプリングチューブ及びスローリーク部を通
って、漏洩ガスが検知器本体の質量分析部に導入され
る。スローリーク部は防塵用フィルターとヘリウムガス
の選択透過膜を併せて用いた。ガスサンプリングヘッド
にはガス吸引孔と、測定モード切替器と、測定結果表示
メータと、複数のLED並びに可聴音の周波数変化によ
る漏れ量概略通報機能と、精密測定モード時の測定開始
スイッチが搭載されている。前記接続ケーブルは、検知
器本体とガスサンプリングヘッド間の電子回路の接続用
である。ガスサンプリングチューブ及び接続ケーブルを
コネクタ接続とした理由は、ガスサンプリングチューブ
が長くなるほど、検出遅延、検出感度低下が生じるの
で、作業環境にあった、最短長さのガスサンプリングチ
ューブ、接続ケーブルを頻繁に交換できるようにするた
めである。従って、ガスサンプリングチューブと接続ケ
ーブルは一体で使用されるため、一体構造にし、両端は
一体構造のコネクタとなっていることが好ましい。さら
に、測定結果表示メータは、薄暗いマンホール内で使用
するから、発光型のディスプレイが適当である。可聴音
の周波数変化による漏れ量概略通報機能は、概略測定モ
ード時に動作するように設定され、ガスサンプリングヘ
ッドのメータや、LEDを見なくても、ガス漏れ箇所の
探索が可能なように、ガスサンプリングヘッド内蔵のス
ピーカ及び、着脱可能なイヤーホンが取り付けられてい
る。通常は、この種装置には、音量の大小でガス漏れ量
を感覚的に知らせる方法が取られているが、交通量の多
いマンホールでは、音量の大小よりも、音の高低でガス
漏れ量を知らせる方が判断し易い。なお、音の高低は、
検出器の出力を、電圧−周波数変換することによって、
簡単に実現できる。
【0018】
【実施例】以下に図面を参照して本発明をより具体的に
記述するが、以下に示すものは本発明の一実施例にすぎ
ず、本発明の技術的範囲を何等制限するものではない。
【0019】(実施例1)図1は本発明の質量分析型ガ
ス漏れ検知器の概観であって、検知器本体100は、真
空排気部、質量分析部、測定結果表示部、ガスサンプリ
ング用ガス吸入ポンプとスローリーク部並びに各種操作
スイッチ類から構成されている。
【0020】真空排気部は、油回転ポンプ(排気速度:
10 l/min)とターボ分子ポンプ(排気速度:3
0 l/sec)、真空計110並びに電磁弁類からな
る。メインスイッチ101をオン(ON)にすると、電
子回路系、ガスサンプリング用のベローズポンプに電源
が入り、真空排気部は自動運転に入る。質量分析部の詳
細は後述する。真空度が10-5Torr以上の高真空に
なると、質量分析が可能であることを示すフィラメント
スイッチ102内蔵の緑色ランプが点灯する、該フィラ
メントスイッチ102をオン(ON)にすると、ランプ
表示は橙色に変わり、測定状態にはいる。
【0021】測定モードは、測定モード切替スイッチ1
03によって概略測定モード、精密測定モード、リモー
トモードの3種が選択でき、概略測定モードを選択する
と、ヘリウム量が連続的にガス漏れ量表示メータ105
に表示される。ガス漏れ量表示メータ105は4桁のデ
ィジタルメータである。精密測定モードを選択すると、
測定開始スイッチ104によって、間欠測定を実行する
ことが出来る。この測定開始スイッチ104は3段切替
スイッチであり、中央が測定停止、上側に倒すとスナッ
プ作用で中央位置に戻り、下側に倒すと保持される。1
回のみの測定の場合は上側、自動反復測定(本実施例で
は測定間隔は10秒である)の場合は下側に倒すことに
よって2種類の間欠測定モードを選択することができ
る。なお、測定モード並びに間欠モードの測定開始スイ
ッチは、後述のガスサンプリングヘッド200にも同じ
機能があり、検出器本体100の測定モード切替スイッ
チ103をリモートモードに切り替えると、ガスサンプ
リングヘッド200側で遠隔操作できる。なお、測定結
果は、概略測定、精密測定のいずれのモードでも、ヘリ
ウムガス濃度に対応して、1〜10ppmの場合は緑色
LED106、10〜1000ppmの場合は橙色LE
D107、1000ppm以上の場合は赤色LED10
8で識別表示される、更に、検知器本体100並びにガ
スサンプリングヘッド200に内蔵のスピーカ109,
209によって、ガス漏れ量(10〜1000ppm)
に応じて、音の高低でガス漏れの概略を知ることがで
き、1000ppm以上の場合は警告音に変わる。
【0022】ガスサンプリングヘッド200は、概略寸
法が40×40×200mmであって、測定モード切替
スイッチ203、測定開始スイッチ204、ガス漏れ量
表示メータ205、緑色LED206、橙色LED20
7、赤色LED208、スピーカ209、ガス吸入孔2
01、イヤーホン202から構成されている。スイッチ
類、及び表示メータ等の機能は検知器本体100と同様
である。但し、測定モード切替スイッチ203にはリモ
ートモード切替の機能はない。
【0023】次に、ガスサンプリングチューブと接続ケ
ーブルを説明する。本実施例では接続ケーブルはガスサ
ンプリングチューブの外側に固定された一体構造のガス
サンプリング延長ユニット300となっている。該延長
ユニット300の両端並びに、検知器本体100側とガ
スサンプリングヘッド200側はコネクタ構造になって
おり、ガス気密接続と、電子回路接続が容易に行なえ
る。該延長ユニット300は、長さ1m、3m、5m、
10mの4種類が用意され、作業環境に応じて交換でき
る。
【0024】図2は本発明に係る質量分析部の概略の一
例を示す測定原理平面図であり、図3は同じく側面図で
ある。この質量分析部は、希土類磁石17を使用した6
0度偏向型のセクタ型の質量分析器である。真空室21
のイオン化室20でイオン化されたヘリウム(He+
イオンビーム22は加速電極19、スリット18を通っ
て、質量分析器に導かれ、可動スリット16、固定スリ
ット15を通過し、2次電子増倍管14を用いたイオン
コレクタに入り、電子回路部11でヘリウム量が測定さ
れる。概略測定モードの場合は、加速電極にm/e=4
のイオンのみが通過する直流高電圧を加え、精密測定モ
ードの場合は、m/e=3から8のイオンが通過するよ
う、直流高圧電源及び制御部12で電圧走引を行なう。
従来の質量分析器ではイオンコレクタの前に置かれるス
リットは開口径が固定されているが、本発明において
は、固定スリット15に接近して可動スリット16を設
けた点に特徴がある。すなわち、該可動スリット16
は、一端を固定したバイモルフ型積層圧電アクチュエー
タ13によって、磁場偏向軌道面内で、図2に示すよう
に、微動出来るようになっている。精密測定モードの場
合は、該圧電アクチュエータ13には高電圧を加えず、
該可動スリット16と固定スリット15で合成される狭
スリット径(0.2mm)となる。概略測定モードの場
合は、該圧電アクチュエータ13には約500Vの高電
圧を印加し、該可動スリット16を約400μm動かし
て、該固定スリット15のみできまる広スリット径
(0.6mm)に変更する。なお、圧電アクチュエータ
13は駆動時に高圧がかかるから、その影響が質量分析
器に及ばないように、圧電アクチュエータ13はイオン
軌道から離れた位置に設置する必要がある。圧電アクチ
ュエータ13の駆動のための直流電圧は質量分析器の加
速電圧制御部から供給できるので、特別な電源は不要で
あり、可動スリット16を設けたことによる検知器の小
型化、経済化のデメリットは少ない。
【0025】図4は質量走引を行なった際の、質量スペ
クトルの例であって、(a)は広スリット径の場合、
(b)は狭スリット径の場合である。これにより、狭ス
リット径の場合、m/e=4と7は明瞭に分離されてい
ること、広スリット径の場合、m/e=4の質量ピーク
はブロードであることが分かる。概略測定モードはm/
e=4に固定するから、データ再現性上、加速電圧変動
の影響を受けにくいことが要求され、広スリットが適し
ていることになる。狭スリットでは加速電圧変動があっ
た場合、スペクトルピーク強度は加速電圧に大きく依存
するから不利である。一方、精密測定モードでは、m/
e=4と7の比からヘリウム量を測定するため、質量ス
ペクトルの分解能が要求され、狭スリットが適している
ことになり、本発明の効果が明らかである。
【0026】以上説明した、スリット径の可変機構は、
本実施例の圧電方法に限られるものでなく、磁歪方法、
形状記憶合金を用いる方法等、真空内部に設置されたス
リットを遠隔的に操作できるものであればどの様な方法
によってもよい。また、質量分析器は、セクタ型に限ら
れるものでなく、180度偏向のデンプスタ(Demp
ster)型でももちろんよい。
【0027】(実施例2)本発明の質量分析型ガス漏れ
検知器をモデル漏洩試験に適用し、従来のフロンガス検
知法(Dガス点検法)の場合と比較し、図5の結果を得
た。ここで、ガスケーブルの漏洩試験の場合、ガスサン
プリング延長ユニットとして、長さ5mのものを使用
し、精密測定モードによった。また、ケーブル接続部の
漏洩試験の場合、ガスサンプリング延長ユニットとし
て、長さ3mのものを使用し、概略測定モード及び精密
測定モードの両モード併用によった。2種類のモデル実
験のいずれにおいても、本発明の検知器を用いれば、漏
洩探査時間が大幅に短縮できることができた。なお、ガ
スケーブルの漏洩試験が検知までに長時間を要するのは
次の理由による。すなわち、ガスケーブルはマンホール
間に敷設された管路内に引き込まれており、100m先
で漏洩したガスは、マンホールの他端から送風される気
流に乗って、管路内を拡散しながら検知器の置かれたマ
ンホールに達する。そのために、検知ガスが非常に希釈
されるので、検出に長時間を要することになる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の質量分析
型ガス漏れ検知器によれば、フロンガスの代わりにヘリ
ウムガスを使用することによって、ガス漏れ探査時間が
大幅に短縮されるので、マンホール作業に伴う道路占有
時間が短縮され、交通渋滞解消に貢献する。フロンガス
を使用しないから、地球環境保全にも貢献するものであ
る。また、実際のマンホール内で作業する場合、検知器
本体は車に搭載したままで、マンホールの外側に置き、
作業に最適なガスサンプリング延長ユニットのみをマン
ホール内に持込み、手元のガスサンプリングヘッドで測
定モード切替、測定結果を視覚、聴覚で確認できるか
ら、作業能率の向上並びに作業者の安全確保、を図るこ
とが出来る。
【0029】尚、本発明の検知器は、ガスケーブルの漏
洩探査に限られるものでなく、自動車産業界、空調・冷
凍機業界、電子部品業界、原子力業界等の種々の分野で
実施されているリーク試験に適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における質量分析型ガス漏れ検知器の一
実施例を示す概略構成斜視図である。
【図2】本発明における質量分析部の概略の一例を示す
測定原理平面図である。
【図3】本発明における質量分析部の概略の一例を示す
測定原理側面図である。
【図4】本発明における質量走引を行なった際の質量ス
ペクトルの一例を示す特性図である。
【図5】本発明におけるモデル漏洩試験結果の一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
100…検知器本体、101…メインスイッチ、102
…フィラメントスイッチ、103…測定モード切替スイ
ッチ、104…測定開始スイッチ、105…ガス漏れ量
表示メータ、106…緑色LED、107…橙色LE
D、108…赤色LED、109…スピーカ、110…
真空計、200…ガスサンプリングヘッド、201…ガ
ス吸入孔、202…イヤーホン、203…測定モード切
替スイッチ、204…測定開始スイッチ、205…ガス
漏れ量表示メータ、206…緑色LED、207…橙色
LED、208…赤色LED、209…スピーカ、30
0…ガスサンプリング延長ユニット。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンコレクタを持つ質量分析型ガス漏
    れ検知器本体とガスサンプリングヘッドとガスサンプリ
    ングチューブを備え、ガスサンプリングチューブの各端
    がそれぞれ質量分析型ガス漏れ検知器本体とガスサンプ
    リングヘッドに着脱容易にコネクタ接続されており、
    ガスサンプリングヘッドがガス吸入孔と、測定結果表示
    メータと、複数のLED並びに可聴音の周波数変化によ
    る漏れ量概略通報機能と、測定開始スイッチとを備えた
    質量分析型ガス漏れ検知器において、 被検知ガスの質量数を連続的に測定する概略測定モード
    と、該被検知ガスと基準ガスのスペクトルを時系列的に
    検出して2つの質量スペクトル比から該被検知ガスを間
    欠的に測定する精密測定モードを備え、前記ガスサンプ
    リングヘッドは測定モード切替器を備え、該測定モード
    切替器により前記2種類の測定モードが選択可能な こと
    を特徴とする質量分析型ガス漏れ検知器。
  2. 【請求項2】 概略測定モードが、イオンコレクタの前
    におかれた、スリットの幅を広げて、m/e(質量数/
    電荷数)を4に固定して、ヘリウムを連続測定し、一
    方、精密測定モードが、該スリットの幅を狭めて、m/
    eが3から8の範囲内で質量走引を行なって、m/eが
    7の空気中の窒素を基準ガスとして間欠測定することを
    特徴とする請求項1記載の質量分析型ガス漏れ検知器。
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