JP2665338B2 - 部位特異的突然変異体の作成方法 - Google Patents

部位特異的突然変異体の作成方法

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JP2665338B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はラジオアイソトープを使用せず、容易に突然
変異体を取得するための、部位特異的突然変異体の作成
方法に関する。 [従来の技術] 遺伝子工学的手法による蛋白質の発現や、蛋白質工学
等のバイオテクノロジー利用技術の開発が盛んに行なわ
れるようになってきた今日、DNA合成機も普及し、部位
特異的遺伝子変換(Site−directed in vitro mutagene
sis)も各種論文、雑誌を賑している。 部位特異的遺伝子変換は、DNA合成機によって合成さ
れた十数〜数十塩基のシングルストランド(Single−st
rand)DNAを用いて、1〜数塩基の遺伝子変換を行なう
手法である。しかしながら、この変換効率は、その方法
により異なるが、一般的な方法ではそれ程高くないもの
である。 また、その変異体の検出方法も、ラジオアイソトープ
を用いたスクリーニングが主流である。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前記のラジオアイソトープによるスク
リーニングによれば、32Pを用いるため、半減期が薬2
週間であり、また高価である。しかも、その操作が煩雑
で、スクリーニングに要する時間がプラークハイブリダ
イゼーション、コロニーハイブリダイゼーションで約4
日間必要という、操作に長時間を要するという欠点があ
る上、放射線被曝の危険性があるという欠点があった。 [問題点を解決するための手段] そこで本発明者は上記従来技術の欠点に鑑み、これを
解決するため鋭意検討を行なった結果、本発明に到達し
たものである。 即ち、本発明によれば、蛋白質をコードしている遺伝
子を有するプラスミドがあって、制限酵素Hind III,Pst
I,Sal I,Acc I,Hinc II,BamH I,Sma I,EcoR Iの各切断
部位の塩基配列を有する第一のマルチクローニングサイ
ト及び第二のマルチクローニングサイトの2個を有し、
該第一のマルチクローニングサイト、3種の終止コドン
が挿入された中継ぎ塩基配列、該第二のマルチクローニ
ングサイト、及びβ−ガラクトシダーゼ遺伝子と連結さ
れているもののクローン化している遺伝子内の所定のア
ミノ酸に対応する(3m+1又は2)(ここで、mは1以
上の整数)の塩基を、部位特異的遺伝子変換手段にて削
除して1本鎖DNAを作成し、次いで、…NNNn…(NはA,
C,T,Gの等比混合物、nはA,C,T,Gのいずれかを指す。)
を含む合成DNAを用いてアニールさせてフレームを元に
戻すことにより、β−ガラクトシダーゼ反応を利用して
色の変化を判別して突然変異体を得ることを特徴とする
部位特異的突然変異体の作成方法、が提供される。 蛋白質をコードする遺伝子は一つのオープンリーディ
ングフレームを持っている。一般に、発現させる場合に
は、その遺伝子の両末端近傍の制限酵素サイトを用い
て、発現ベクターにつなぎ、形質転換を行なう。後述の
KISベクターは、プロモーターのうしろ、フォルミル(f
ormyl)メチオニンより数アミノ酸後に2つのマルチク
ローニングサイト(Hind III,Pst I,Sal I,Acc I,Hinc
II,BamH I,Sma I,EcoR I)と、その間に全てのフレーム
に3種のストップコドンを含む中継ぎ配列が入ってお
り、β−ガラクトシダーゼ遺伝子に続いている。それ以
外の構造は、従来公知のpUC系のベクターと同じであ
り、アンピシリンによって形質転換体を選別することが
できる。その2つのマルチクローニングサイトは、前後
共全ての制限酵素サイドについて全てのフレームがあ
り、前後全ての組み合わせが用意されており、KISベク
ターシリーズと呼んでいる。このベクターを持つE.coli
JM83(Δlac PRO)はX−gal、アンピシリンを含むプ
レート上で白色コロニーを形成する。ところがオープン
リーディングフレーム内の2つの制限酵素サイトを用い
て、前後共フレームの合うKISベクターにクローニング
したプラスミドを持つJM83は、X−gal、アンピシリン
を含むプレート上で青色コロニーを形成し、容易にクロ
ーンを選別することができる。また、β−ガラクトシダ
ーゼが発現していることにより、接続部のフレームが合
っていることも同時に確認できる。 この蛋白質をコードしている遺伝子をもち、なおかつ
青色コロニーを形成するプラスミドのクローンしている
遺伝子内のアミノ酸を部位特異的遺伝子変換手段にて変
換させると同時に、その前後の塩基配列を変えて新しく
制限酵素サイトをつくり、また(3m+1又は2)(ここ
で、mは1以上の整数)の塩基を削除あるいは挿入すれ
ば、オープンリーディングフレームのフレームがずれる
ことにより、その突然変異体(mutant)は白色コロニー
を形成する。従って、プレート上で青色コロニー数百に
対し、数パーセント〜十数パーセントの割合で白色の突
然変異体(mutant)が得られ、検出は色で行なわれ、確
認は制限酵素が新しくできたことによってできる。 この過程で変換したいアミノ酸については、変換され
てフレームがずれたことになる。 次に、フレームを元に戻すための部位特異的遺伝子変
換を行ない、ずれたフレームを元に戻すと同時に、新し
くできた制限酵素サイトを消すか、または別の制限酵素
サイトを作ることによって、白色コロニーから青色コロ
ニーを識別することで検出でき、制限酵素サイトで確認
することができる。 このようにして得られた突然変異体(mutant)は、目
的のアミノ酸だけを変換したものになっている。 この方法が特に有効な場合は、一つのアミノ酸を多く
のアミノ酸に変換しようとする場合である。例えば、…
NNNn…(ここで、NはA,C,T,Gの混合物を指し、nはA,
C,T,Gのいずれかを指す。)という配列で変換させる
と、全てのアミノ酸への変換体が得られる。ラジオアイ
ソートープを用いたプローブでは、欲しいアミノ酸の数
だけ合成しなければならないが、このKISベクターを用
いた方法によれば、2つの合成DNAだけで最高19の変換
体を得ることができる。 また、発現に関していえば、プロモーターから最初の
ATGをも正確に合せることができる。オープンリーディ
ングフレームにおける中のサイトと、5′側の外サイト
を用いて、KISベクターにクローニングする。この場
合、オープンリーディングフレーム内の制限酵素サイト
だけフレームが合うようにする。このプラスミドを含む
JM83は白である。そこで、KISベクター内のSD(シャイ
ン ダルガルノ)配列とATGとの間の距離を合わせた合
成DNAを用いて、余分な塩基配列を除く部位特異的遺伝
子変換を行なう。 突然変異体(mutant)は、前はプロモーターから合っ
ており、後はβ−ガラクトシダーゼ遺伝子に合っている
ので、白色コロニーから青色コロニーとして検出するこ
とができる。そして、つないだ制限酵素サイトより後の
遺伝子を、先にKISベクターに挿入した突然変異体(mut
ant)のプラスミドに継げると、最初のATGより始まる純
粋な蛋白質を発現することができるのである。 次に、本発明の部位特異的突然変異体の作成方法に好
ましく使用することができる、KISベクターについて説
明する。 KISベクターは、制限酵素Hind III,Pst I,Sal I,Acc
I,Hinc II,BamH I,Sma I,EcoR Iの各切断部位の塩基配
列を有する第一のマルチクローニングサイト及び第二の
マルチクローニングサイトの2個を有し、第一のマルチ
クローニングサイト、3種の終止コドンが挿入された中
継ぎ塩基配列、第二のマルチクローニングサイト、及び
β−ガラクトシダーゼ遺伝子と連結されているベクター
であり、KISベクターシリーズは前記の全ての切断部位
のアミノ酸に対応するフレームを3種類全て前記第一及
び第二のマルチクローニングサイトに有する18種類の各
ベクターからなるものである。 これら18種の各ベクターは、第1図に示す如く、前部
の制限酵素Hind III,Pst I,Sal I,Acc I,Hinc II,BamH
I,Sma I,EcoR Iの各切断部位の塩基配列を持つマルチク
ローニングサイトを有するリンカー(以後、ポリリンカ
ーという)、中継ぎ配列(必ず、3種の終止コドンが入
る)、後部のポリンカー、lacZ′と連なっている。そし
てその他の構成はアンピシリン耐性遺伝子(Ampr)、複
製開始信号(Ori)を有するもの(pKISベクターとよ
ぶ)、および他の構造として前記のほかに更に従来のpU
Cベクターと同様に、M13の遺伝子間領域(IG)を有して
いるものがある(pKIS1ベクターとよぶ)。 KISベクターは、3種のフレームのポリリン(前部)
×3種のフレームのポリリンカー(後部)×2(クロー
ニングサイトが逆向きもある)から、18種類存在すると
いうことになるのである。 KISベクターは、第1図におけるマルチクローニング
サイトであるA部分およびB部分は第1表に示すような
塩基配列を有するものである。また、これらの塩基配列
は第2表に示す通りである。 また、一例としてpKISベクター及びpKIS1ベクターの
うち、pKIS801/pKIS10801の構造の特徴部分を表わせ
ば、第3表の如くである。 このpKISベクター又はpKIS1ベクターにクローン化さ
れた蛋白質をコードする遺伝子に、合成DNAを用いてDNA
の突然変異によるアミノ酸変換をラジオアイソトープを
用いないで、突然変異体を容易に検出することができる
のである。 また、この突然変異体検出方法では、ラジオアイソト
ープを用いていないので、危険性がなく、しかも安価に
できるため極めて有益である。 [実施例] 以下、本発明を実施例に基いて説明する。 まず、本発明に用いるベクター(pKISベクターおよび
pKIS1ベクター)の作製方法について説明する。 pUC1090の作成方法 1)プラスミドpUC9(宝酒造(株)販売)10μを制限酵
素EcoR I(50単位)及びHind III(50単位)を用いて37
℃にて1時間反応させた後、分解産物を0.7%アガロー
ス電気泳動を用いて分離しEcoR I切断部位からHind III
切断部位までのポリリンカー断片(30塩基対)をゲルよ
り切り出し、フェノール処理を行なうことにより精製し
た。 2)プラスミドpUC119(宝酒造(株)販売)10μgを制
限酵素EcoR I(50単位)及びHind III(50単位)を用い
て37℃にて1時間反応させた後、分解産物を0.7%アガ
ロース電気泳動を用いて分離しEcoR I切断部位からHind
III切断部位までのポリリンカー部分を含まない断片
(約3,100塩基対)をゲルより切り出し、フェノール処
理を行なうことにより精製した。 3)1)で得られたポリリンカー断片0.01μgと2)で
得られたポリリンカーを含まない断片0.1μgを混合
し、T4DNAリガーゼ(2単位)を用いて4℃、12時間連
結反応を行なった。 4)3)で得られた反応生成物を、大腸菌JM83株(ara,
Δ(lac−proAB),rpsL,φ80,laczΔM15)を用いて形質
転換を行なった後、受容菌を寒天1.5%及びアンピシリ
ンを1ml当り100μgを含むL寒天培地(組成:1当りト
リプトン10g、イーストエキス5g、食塩10g、pH7.5)の
塗布し、37℃にて一昼夜培養を行ないいくつかのコロニ
ー(形質転換体)を得た。 5)コロニーの一つをアンピシリンを1mlあたり100μg
を含むL液体培地10mlに移植し、37℃にて12時間振とう
培養を行ない、アルカリ−SDS法によりプラスミドDNAを
分離し、プラスミドpUC1090を得た。 pUC1080の作成方法 pUC1090の作成方法のうち、1)のプラスミドDNAと
してpUC8(宝酒造(株)販売)を、又2)のプラスミド
DNAとしてpUC118(宝酒造(株)販売)を用いることに
より、同様の操作を経て、プラスミドpUC1080を作成し
た。 次いで、pUC1091の作成方法を説明するが、まずpUC10
90とpUC1091、pUC1092の関係をいうと、pUC1090のポリ
リンカー部分をはさんで、前部で1塩基、後部で2塩基
欠失させたものがpUC1091で、pUC1090のポリリンカー部
分をはさんで、前部で2塩基、後部で1塩基欠失させた
ものがpUC1092である。また、pUC1080とpUC1081、pUC10
82の関係も、上記と同様である。 pUC1091の作成方法 pUC1091は次の段階にわけて作成した。 1)pUC1090より一本線鎖DNAの作成 2)ポリリンカー部位の前部より一塩基欠いたオリゴヌ
クレオチドの合成 3)1)2)を用いた突然変異体の作成 4)突然変異体より一本鎖DNAの作成 5)ポリリンカー部位の後部より2塩基欠いたオリゴヌ
クレオチドの合成 6)4)5)を用いた再突然変異体の作成(pUC1091) −1) pUC1090より一本鎖DNAの作成 pUC1090を大腸菌MV1184株(ara,Δ(lac−pro),str
A,thi,(φ80,lacZΔM15),Δ(srl−recA)306::Tn10
(tetr),F′:traD36,proAB,iacIqZΔM15)を用いて形
質転換を行なった。 形質転換体を、アンピシリンを1ml当り100μg含む2
×YT液体培地(組成:1当りトリプトン16g、イースト
エキス10g、食塩5g、pH7.6)10mlに植菌し、37℃にて12
時間振とう培養を行なった。で得られた培養液100μに、M13K07由来のヘル
パーファージ液(1010pfu/ml)を加え、37℃で30分間静
置した後、アンピリシンを1ml当り150μg、カナマイシ
ンを1ml当り70μg、チアミンを0.01%含む2×YT液体
培地10mlに加え、37℃にて24時間振とう培養を行なっ
た。 培養液1mlを取り、遠心分離により菌体を除いた後、2
0%PEG6000及び2.5M NaCl混合溶液を200μ加え遠心
分離を行なうことにより、ファージ粒子を沈降させ、エ
タノール沈殿処理を行なうことにより、1本鎖DNAを分
離精製、最終的に50μのTE溶液(10mM トリス塩酸、
1mM EDTA、pH8.0の溶液)に溶解させた。 収量は約2〜10μg程度であった。 −2) 変異部分を含む合成DNAの作成 DNA合成機を用いて第4表に示すNo.9−1−5なる配
列を有するオリゴヌクレオチドを合成し、T4DNAキナー
ゼ(2単位)を用いて37℃にて1時間反応を行ない、
5′末端部分をリン酸化させ、プライマーDNAとした。 −3) ポリリンカー前部に変異を有する突然変異体の作成 −1)で得られた一本鎖DNA1μgと、−2)で得
られたプライマーDNA20pmolを混合して60℃で30分間、
引続き37℃で30分間保温し、アニーリングさせた後、dA
TP、dCTP、dGTP及びTTPを最終濃度が各々0.5mMとなるよ
うに加え、およびATPを25pmol加え、クレノー(KLENO
W)酵素(4単位)及びT4DNAリガーゼ(1単位)を用い
て37℃にて3時間反応を行ない、突然変異部分を含む2
本鎖DNAを合成した。 次に、反応生成物の一部(約0.1μg)を大腸菌JM83
株を用いて形質転換を行なった後、受容菌を1.5%寒
天、アンピシリン1ml当り100μg及びX−galを0.005%
含むL寒天培地に塗布し、37℃にて一昼夜培養を行な
い、出現したコロニーの内、白色コロニーを選択した。
白色コロニーの出現率は5〜10%程度であった。 次いで、白色コロニーを、アンピシリンを1ml当り100
μg含むL液体培地10mlに植菌し、37℃で12時間振とう
培養を行ない、常法によりプラスミドDNAを回収した。
回収したプラスミドDNAを再び大腸菌MV1184株を用いて
形質転換を行なった後、受容菌を寒天1.5%、アンピシ
リンを1ml当り100μg、X−galを0.005%及びIPTGを1m
M含むL寒天培地に塗布し、37℃にて一昼夜培養を行な
い、白色コロニーを選択し、アンピシリンを1ml当り100
μg含むL液体培地10mlに移植し、37℃にて12時間振と
う培養を行ない、常法によりプラスミドDNAを分離し
た。 −4)突然変異一本鎖DNAの作成 −3)で得られた突然変異体プラスミドを有する大
腸菌MV1184株より、−1)と全く同じ方法を用いて突
然変異を有する一本鎖DNAを得た。 −5)ポリリンカー後部に変異を有する合成DNAの作
成 −2)と同じ方法を用いて第4表のNo.9−2−5な
る塩基配列を有する合成DNAを作成し、リン酸化を行な
いプライマーDNAを作成した。 −6)再突然変異体の作成 −3)と同じ方法を用いて、−4で得られた一本
鎖DNA及び−5)で得られたプライマーDNAより二本鎖
DNAを合成、大腸菌JM83株を用いて形質転換を行なうこ
とにより青色コロニーを得た。これよりプラスミドDNA
を回収し、再び大腸菌MV1184株を用いて形質転換を行な
うことにより青色コロニーを出現させた。これよりプラ
スミドDNAを回収することにより、ポリリンカー部分の
前後2個所に合計3塩基対欠失したプラスミドpUC1091
を得た。 pUC1092の作成方法 プラスミドpUC1092の作成は、前記のプラスミドpUC
1091の作成例に準じて行なった。変更点は次の通りであ
る。 (1)−2)の塩基配列を第4表のNo.9−1−3とす
る。 (2)−5)の塩基配列を第4表のNo.9−1−5とす
る。 これによりプラスミドpUC1090よりポリリンカー部分
の前部を2塩基、後部を1塩基、合計3塩基欠いた突然
変異プラスミドpUC1092を得た。 pUC1081、pUC1082の作成方法 前記と同様に、プラスミドpUC1080を基本とし
てポリリンカー部分を1塩基および2塩基ずらした突然
変異プラスミドpUC1081、pUC1082を作成した。 変更点は次の通りである。 (1)pUC1081、pUC1082共に、−1)のプラスミドと
してpUC1080を用いた。 (2)−2)の合成DNAとして、pUC1081において第4
表のNo.8−1−5、pUC1082においてはNo.8−2−5を
用いた。 (3)−5)の合成DNAとして、pUC1081においては第
4表のNo.8−1−3、pUC1082においてはNo.8−1−5
を用いた。 以上、基本となるプラスミドpUC1090、pUC1080及び作
成した突然変異プラスミド1091、pUC1092,pUC1081及びp
UC1082の間の関係についてまとめると、第5表のとおり
となる。 第 4 表 合成DNAの塩基配列表 変異部分を含むDNA塩基配列 (9−1−5) 5′GCCAAGCTTGCGTAATCATG3′ (9−2−5) 5′AGCCAAGCTTCGTAATCATG3′ (9−1−3) 5′ACGACGGCCAGAATTCCCGG3′ (9−2−3) 5′CGACGGCCAGGAATTCCCGG3′ (8−1−5) 5′CCGGGAATTCTAATCATGGT3′ (8−2−5) 5′CCGGGAATTCAATCATGGTC3′ (8−1−3) 5′ACGGCCAGTGAAGCTTGGCT3′ (8−2−3) 5′CGGCCAGTGCAAGCTTGGCT3′ pKIS1ベクターシリーズの作成 −1)フラグメントの分離 プラスミドpUC1090 10μgを制限酵素Hind III(50
単位)及びAat II(4単位)を用いて37℃にて1時間反
応させ分離産物を0.7%アガロース電気泳動を用いて分
離し、ポリリンカー部分含むHind III切断部位からAat
II切断部位までの断片(約1,000塩基対)をゲルより切
り出し、フェノール処理を行なうことにより精製し、10
90−Lフラグメント1μgを得た。 同様に、制限酵素EcoR I(50単位)及びAat II(4単
位)を用いて、ポリリンカー部分を含むEcoR I切断部位
からAat II切断部位までのDNA断片(約2,200塩基対)10
90−Rフラメント2μgを得た。 以下、プラスミドpUC1091、1092、1080、1081、1082
を用いて同様の操作を行なうことにより、1091−L、10
91−R、1092−L、1092−R、1080−L、1080−R、10
81−L、1081−R、1082−L及び1082−Rフラグメント
合計12種類を得た。各フラグメント、切断されるプラス
ミド及び切断する酵素の組合わせは次の通りである。 −2)ジョイント配列の作成例 DNA合成機を用いて第6表に示すジョイント配列の上
鎖及び下鎖を各々合成した。 上鎖1μg及び下鎖1μgを混合し、70℃に30分間保
温し、室内に放置し徐々に冷却することによりアニーリ
ングを行ない、2本鎖DNAとした。 −3)L,Rフラグメントとジョイント配列の結合 −1)で得られた1090−Lフラグメント0.1μg、1
090−Rフラグメント0.2μg及び−2)で得られたジ
ョイント配列0.01μgを、常法によりT4DNAリガーゼ
(2単位)を用いて連結反応を行なわせた。反応液を大
腸菌JM83株を用いて形質転換を行なった後、受容菌1.5
%寒天及びアンピシリンを1ml当り100μg含むL寒天培
地に塗布し、37℃にて一昼夜培養することにより形質転
換コロニーを出現させ、アンピシリンを1ml当り100μg
含むL液体培地10mlに移植し、37℃にて12時間振とう培
養を行なった。その後培養液より常法によりプラスミド
DNAを分離し、プラスミドpKIS10900を得た。 以下、フラグメントの組合わせを変えることにより、
pKIS10901、10902、10910、10911、10912、10920、1092
1、10922、10800、10801、10802、10810、10811、1081
2、10820、10821及び10822の合計18種類のpKIS1ベクタ
ーシリーズを作成した。 完成したpKIS1ベクター及びフラグメントの組合わせ
は次の通りである。 pKISベクターシリーズの作成 −1)pKIS900、901、902、910、911、912、920、92
1、922の作成 プラスミドpUC9 5μgを制限酵素Pvu II(24単位)
を用いて37℃にて1時間反応させた後、0.7%アガロー
ス電気泳動にて分離を行ない、ポリリンカー部分を含ま
ないDNA断片(約2,300塩基対)をゲルより切り出し精製
した。又、pKIS109シリーズ(即ち、pKIS10900、1090
1、10902、10910、10911、10912、10920、10921、1092
2)各々5μgを同じく制限酵素Pvu II(24単位)を用
いて37℃にて1時間反応させた後、0.7%アガロース電
気泳動にて分離を行ない、ポリリンカー部分を含むDNA
断片(約300塩基対)をゲルより精製した。 次に、上記のpUC9由来のDNA断片0.2μg及びpKIS109
シリーズ由来のDNA断片各々0.05μgを混合し、T4DNAリ
ガーゼ(2単位)を用いて4℃、12時間連結反応を行な
い、大腸菌JM83株を用いて順次形質転換を行ない、形質
転換体よりプラスミドDNAを順次分離し、プラスミドpKI
S900、901、902、910、911、912、920、921、922を得
た。 −2)pKIS800、801、802、810、811、812、820、82
1、822の作成 −1において、pKIS109シリーズの代りにpKIS108シ
リーズ(即ち、pKIS10800、10801、10802、10810、1081
1、10812、10820、10821、10822)を用いることによ
り、全く同様の操作を経て、プラスミドpKIS800、801、
802、810、811、812、820、821、822を得た。 次に、本発明の具体的な実施例を説明する。 (実施例1) マウス白血球ウイルスの逆転写酵素をコードしている
pcl遺伝子約2.3kb(キロ塩基対)を含むプラスミドpKP1
(「Proceeding National Academy science(PNAS)、U
SA」vol82,page4944〜4948,1985に示されているプラス
ミドpSH1のクローンのSac I−Hind III(2.3kb)をpUC1
8に組み換えたもの)2μgを、制限酵素EcoR I(10単
位)とHind III(12単位)により37℃で1時間処理し、
0.7%アガロース電気泳動後、逆転写酵素遺伝子を含む
約2.3kbのDNA断片をゲルより切り出し、フェノール処理
を行なうことにより精製した。また、pKIS811 2μg
を、制限酵素EcoR I(10単位)とHind III(12単位)に
より37℃で1時間処理し、同様に約2.7kbのDNA断片を回
収した。得られた2.3kbのDNA断片0.1μgと2.7kbのDNA
断片0.1μgを混合し、T4DNAリガーゼ(2単位)により
16℃、12時間処理した。このDNA液体を用いて大腸菌JM8
3株の形質転換を行ない、受容菌を、寒天1.5%、アンピ
シリン100μg/ml、X−gal0.005%を含むL寒天培地に
塗布し、37℃にて一昼夜培養を行ない、形質転換体コロ
ニーを青色で得た。この形質転換株を、L液体培地で37
℃、12時間培養し、アルカリ−SDS法でプラスミドDNAを
調製し、pKPBとした。 pKPB 2μgを制限酵素EcoR I(10単位)、クレノー
酵素(2単位)、最終濃度が各々0.1mMのdATP、dGTP、d
CTP、TTPの混合物を加え、37℃で1時間処理し、T4DNA
リガーゼ2単位にて16℃で12時間処理した後、大腸菌JM
83株に同様に導入した。白い形質転換株のコロニーをL
液体培地に植菌し、37℃で12時間培養した後、アルカリ
−SDS法でプラスミドDNAを調製し、pKPWとした。 pKPWより、逆転写酵素のN末端側の余分なアミノ酸配
列を、合成DNAを用いた部位特異的遺伝子変換を行なっ
て除去した。 pKPW 5μgを、制限酵素Pvu II(18単位)とNde I
(20単位)により37℃で、1時間処理し、0.7%アガロ
ース電気泳動後、約2.2kbのDNA断片を回収した。また、
pKPW5μgを、制限酵素Sca I(18単位)と脱リン酸酵素
BAP(0.2単位)により37℃、1時間処理し、同様に約5k
bのDNA断片を回収した。得られた2.2kbおよび5kbの両DN
A断片を夫々0.6μgづつ、及び50pmolの第7表(a)に
示す5′−リン酸化合成DNA(40塩基対)を混合し、100
mMNaCl、6.6mMトリス塩基(pH7.6)、8mMMgCl2、1mMβ
−メルカプトエタノール溶液とし、100℃で3分間処理
した後、30℃で30分間処理した。このDNA溶液17.2μ
、5mMdNTP(dATP、dGTP、dCTP、TTP)7μ、10mMAT
P3.6μと、クレノー酵素(4単位)、T4DNAリガーゼ
(1単位)を加え、25℃で3時間処理した。このDNA溶
液を用いて大腸菌JM83株の形質転換を行ない、アンピシ
リンとX−galを含むL寒天培地上で、青いコロニーを
形成するクローンpKP pol−Nを得た。この突然変異体
は約5%の頻度で得られた。 pKP pol−N(逆転写酵素とβ−ガラクトシダーゼ融
合蛋白質をコードするプラスミド)に、合成DNAを用い
た部位特異的遺伝子変換で逆転写酵素の純粋な領域と思
われるC末端(T1及びT2)に終止コドンを導入した。 プラスミドpKP pol−N 5μgを、制限酵素Sca I
(18単位)と脱リン酸酵素BAP(0.2単位)で37℃、1時
間処理し、同様に約4.9kbのNDA断片を回収した。 また、pKP pol−N 5μgを、制限酵素Kpn I(50
単位)とHind III(24単位)により37℃で1時間処理
し、同様に約2.9kbのDNA断片を回収した。4.9kb及び2.9
kbのDNA断片をそれぞれ0.6μgづつ、および50pmolの
5′−リン酸化合成DNA(第7表c)を用いて上記と同
様の操作により、白い形質転換株の突然変異体及びpKP
pol−NT2を得た。 得られたクローンについて逆転写酵素活性を測定し
た。 まず、逆転写酵素活性の測定法を説明する。 各クローンについて、大腸菌JM103株に導入したもの
を使用した。各プラスミドを持った大腸菌を、L液体培
地で37℃、12時間振とう培養した培養液0.2mlをM9液体
培地(組成:1当りリン酸2ナトリウム 6g、リン酸1
カリウム 3g、塩化アンモニウム 1g、食塩0.5g、硫酸
マグネシウム 1mM、塩化カルシウム 0.1mM、pH7.4)
(+0.2%カザミノ酸+0.2%グリセロール+5μg/mlチ
アミン)10mlに加え、30℃で1時間振とう培養した後、
50μの200mMIPTGをそれぞれ加え、さらに30℃で3時
間振とう培養した。各培養液を氷中に1時間浸し、▲OD
660 10▼をそれぞれ測定した。次にM9培地を用いて各試
料を夫々▲OD660 10▼が0.2となるように希釈した後、0.
1mlをマイクロ遠心チューブに採取した。遠心して菌体
を集めた後、緩衝液(50mMトリス塩酸、0.5mMEDTA、0.3
MNaCl、pH7.5)で菌体を洗浄し、遠心して集めた菌体を
8μの同緩衝液に撹拌した後、1μの10mg/mlリゾ
チーム溶液を加え、0℃で15分間処理した。さらに、1
%トリトンX−100、10mMジチオスレイトール(DTT)1
μを加え、0℃、10分間処理し、各粗抽出液とした。
得られた各粗抽出液に、90μの反応溶液(30μg/mlpo
lyCrC(dG12-18)、20μMdGTP、1000CPM/pmol、d32P−d
GTP、0.5mMMnCl2、50mMトリス塩酸、pH8.3,20mMジチオ
スレイトール、60mMNaCl、0.1%NP−40)を加え、25℃
で30分間処理した。反応終了後、反応溶液30μを、DE
−81ディスクにスポットし、2×SSC(組成:0.3MNaCl、
0.03Mクエン酸ナトリウム)200mlで5分間処理を3回行
ない、99.5%エタノール200mlで5分間処理後、空気乾
燥した。 乾燥したDE−81ディスクをバイアルに入れ、シンチレ
ーションカウンターでチェレンコフ効果を用いてカウン
トを測定したところ、第2図のようになった。 ベクターのみを含むクローンに比べ、pKPpol−Nには
逆転写活性が認められた。pKPpol−NT2については、さ
らに活性が上昇していた。 更に、カリフラワーモザイクウイルスの逆転写酵素の
アミノ酸配列より予想されるC末端(T1)に、同様に第
7表(b)に示す合成DNAを用いて部位特異的遺伝子変
換を行なった。 得られたクローン pol−NT1は、第2図に示したよう
に、pKP pol−NT2より更に高い活性を示した。(実施例2) モロニーマウス白血病のウイルスの変異型逆転写酵素
の発現プラスミドの作製法およびその逆転写活性につい
て説明する。 モロニーマウス白血病ウイルスの逆転写酵素におい
て、他のレトロウイルス等と最も相同性の高いアミノ酸
配列の中に変異を挿入した。その結果、天然のものとよ
く似た活性を示すものや、マンガンだけでなくマグネシ
ウムも活性を示すもの、天然のものより活性の高いもの
等が得られた。 (作製法) モロニーマウス白血病ウイルスの逆転写酵素の最も相
同性の高いアミノ酸配列を含む領域を有するプラスミド
pBB9を作成した。逆転写酵素領域を含むクローンpSH1
(「Proceeding National Academy science(PNAS),US
A」vol.82,page4944〜4948,1985)5μgを、制限酵素B
amH I(20単位)で37℃、1時間処理し、0.7%アガロー
ス電気泳動を用いて0.3kb(キロ塩基対)のDNA断片を切
り出し、フェノール処理を行なうことにより精製した。
一方、pKIS9002μgを制限酵素BamH I(10単位)で37
℃、1時間処理した後、同様の操作を行なうことにより
2.7kbのDNA断片を精製した。上記の逆転写酵素領域の0.
3kbとpKIS900の2.7kbのDNA断片各々0.1μgを混合し、T
4DNAリガーゼ(2単位)を用いて、4℃、12時間連結反
応を行なった。反応液の一部を大腸菌JM83株を用いて形
質転換を行ない、受容菌を1.5%寒天、アンピシリン100
μg/ml及びX−gal0.005%を含むL寒天培地に塗布し、
37℃にて一昼夜培養を行ない、青色の形質転換コロニー
を得た。 形質転換体コロニーをL液体培地(アンピシリンを1m
l当り100μg含む)10mlに植菌し、37℃にて12時間振と
う培養を行ない、常法によりプラスミドDNA pBB9を分
離した。 pBB9 2μgを制限酵素Scal(18単位)と脱リン酸酵
素BAP(0.2単位)を用いて、37℃で1時間処理した後、
0.7%アガロース電気泳動を用いて約3kbのDNA断片を精
製した。また、pBB9 2μgを、制限酵素EcoR I(20単
位)とPst I(20単位)を用いて37℃で1時間処理した
後同様の操作を行なうことにより、2.7kbのDNA断片を精
製し、以下の部位特異的遺伝子変換を行なった。 先ず、目的のアミノ酸バリンの塩基配列を含む4塩基
を削除する遺伝子変換を行なう。 上記のDNA断片各0.6μgと、50pmolの5′リン酸化合
成DNA(第8表aに示す)を用いて、100℃で3分間処理
した後、30℃で30分間アニーリングを行ない、更にこの
DNA溶液17.2μに5mMdNTP 7μと10mMATP3.6μ、
クレノー酵素(4単位)およびT4DNAリガーゼ(1単
位)を加えて、25℃で3時間処理した。このDNA溶液を
用いて大腸菌JM83株に形質転換を行ない、X−gal、ア
ンピシリンを含むL寒天培地にて形質転換体の白いコロ
ニーを得た。この形質転換体コロニーを10mlのL液体培
地に植菌し、37℃で12時間培養し、常法によりプラスミ
ドDNA(pBBD7)を分離した。 次に、削除した4塩基に相当する全てのアミノ酸に対
応するコドンを有するNNNG(N:AGCT等比混合物)を挿入
する遺伝子変換を行なう。 pBB7 2μgを制限酵素Sca I(18単位)と脱リン酸
酵素BAP(0.2単位)を用いて、37℃で1時間処理し、0.
7%アガロース電気泳動を用いて3kbのDNA断片を精製し
た。また、pBB7 2μgを、制限酵素EcoR I(20単位)
とPst I(20単位)を用いて37℃で1時間処理した後同
様の操作で、2.7kbのDNA断片を精製した。これらの3kb
と2.7kbのDNA断片を夫々0.6μgと、上記のNNNG配列を
含む50pmolの5′リン酸化合成DNA(第7表bに示す)
を用いて、上記の方法により部位特異的遺伝子変換を行
なった。得られた形質転換体の青いコロニー24個を植菌
し、常法によりプラスミドDNAを分離した後、大腸菌JM8
3株に形質転換した。 24枚のプレートよりそれぞれ青いコロニーを、L液体
培地に植菌し、培養後常法によりプラスミドDNA(pBB
X)を分離した。各々のDNAをジデオキシ法によるDNAシ
ーケンシングを行ない、変換した塩基配列及びアミノ酸
を確認したところ、24個中10種類のアミノ酸変換体が得
られた。 各々のアミノ酸の変換したプラスミド2μgを、制限
酵素BamH I(10単位)を用いて37℃で1時間処理した後
0.7%アガロース電気泳動を用いて0.3kbのDNA断片を精
製した。また、天然の逆転写酵素発現プラスミドpKPpol
−NT1(バリン)5μgを、BamH I(50単位)を用いて3
7℃で1時間処理した後同様の操作を行なうことによ
り、約4.7kbのDNA断片を精製した。この4.7kbのDNA断片
と各々のアミノ酸変異を含む0.3kbのDNA断片をそれぞれ
0.1μgづつ混合し、T4DNAリガーゼ(2単位づつ)を用
いて4℃で12時間連結反応を行なった。 これらのDNA溶液を用いて大腸菌JM83株に形質転換を
行ない、アンピシリン、X−galを含むL寒天培地にて
形質転換体コロニーをそれぞれ得た。これらを、L液体
培地に植菌し、37℃、12時間振とう培養を行ない、常法
によりプラスミドDNAを分離した。 以上の製造工程を第3図に示す。 これらはそれぞれ、pKP−T1L(ロイシン)、pKP−T1I
(イソロイシン)、pKP−T1A(アラニン)、pKP−T1F
(フェニルアラニン)、pKP−T1R(アルギニン)、pKP
−T1K(リジン)、pKP−T1D(アスパラギン酸)、pKP−
T1N(アスパラギン)、pKP−T1M(メチオニン)、pKP−
T1G(グリシン)である。 これらのクローンについて、逆転写活性を測定した。
結果を第8表に示す。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明の部位特異的突然変異体
の作成方法によれば、蛋白質をコードしている遺伝子を
極めて容易に検出することができるという利点を有す
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係るベクターの一例の遺伝子地図、第
2図は逆転写酵素活性を示すグラフ、第3図は本発明の
一実施例を示す工程図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.蛋白質をコードしている遺伝子を有するプラスミド
    であって、制限酵素Hind III,Pst I,Sal I,Acc I,Hinc
    II,BamH I,Sma I,EcoR Iの各切断部位の塩基配列を有す
    る第一のマルチクローニングサイト及び第二のマルチク
    ローニングサイトの2個を有し、該第一のマルチクロー
    ニングサイト、3種の終止コドンが挿入された中継ぎ塩
    基配列、該第二のマルチクローニングサイト、及びβ−
    ガラクトシダーゼ遺伝子と連結されているもののクロー
    ン化している遺伝子内の所定のアミノ酸に対応する(3m
    +1又は2)(ここで、mは1以上の整数)の塩基を、
    部位特異的遺伝子変換手段にて削除して1本鎖DNAを作
    成し、次いで、…NNNn…(NはA,C,T,Gの等比混合物、
    nはA,C,T,Gのいずれかを指す。)を含む合成DNAを用い
    てアニールさせてフレームを元に戻すことにより、β−
    ガラクトシダーゼ反応を利用して色の変化を判別して突
    然変異体を得ることを特徴とする部位特異的突然変異体
    の作成方法。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
R.W.オールド/S.B.プリムローズ共著、「〔原書第3版〕遺伝子操作の原理」,(1983−9−10),株式会社培風館,P.75〜76,57〜59

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