JP2664394C - - Google Patents

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JP2664394C
JP2664394C JP2664394C JP 2664394 C JP2664394 C JP 2664394C JP 2664394 C JP2664394 C JP 2664394C
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lithium
battery
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internal impedance
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Sanyo Electric Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はボタン型、円筒型のリチウム電池及びその製造方法に関し、特に電池
の内部インピーダンスが改良されたリチウム電池及びその製造方法に関するもの
である。 従来の技術 従来、リチウムのフープ加工は、アルゴン及びドライエアーの雰囲気中でリチ
ウムインゴットを押し出すことによって行われていた。しかし、このように加工
されたリチウムの表面には、アルゴン中やドライエアー中のチッ素、酸素、或い
は水分によって窒化リチウム(Li3N)、酸化リチウム(Li2O)、或いは水酸化
リチウム(LiOH)の不動態化皮膜が形成される。このため、上記リチウム電
池を用いた場合には、電池の内部インピーダンスが高くなるという問題を有して
いた。加えて、上記不動態化皮膜の違いによって、電池の内部インピーダンスに
バラツキが生じ、この結果、電池の特性が劣化するという課題を有していた。 そこで、従来、リチウム表面に不動態化膜が生じるのを防ぐ方法として以下の
方法が提案されている。 (提案1) 特開昭60−23958号公報に示すように、アルゴン又は、ヘリウムガスに
チッ素、酸素、及び水分を規定濃度混合し、この雰囲気中でリチウム電極を製造
するものが提案されている。 (提案2) 特開昭52−50528号公報に示すように、不活性ガス中に二酸化硫黄や六
弗化硫黄ガスを混合し、これらガスとリチウムとを反応させてリチウム表面に薄
い保護皮膜を形成し、これによりリチウム電極を製造するものが提案されている
。 (提案3) 特開昭50−145817号公報に示すように、リチウム表面に炭素粉末を圧
着してリチウム表面が不動態化するのを阻止するものが提案されている。 (提案4) リチウムと合金化し易い金属(Au、Ag、Al、Bi、Pb、Ga、In、
Zn、Sn)をリチウム表面に蒸着し、リチウム表面が不動態化するのを阻止す
るものが提案されている。 発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記提案1では、チッ素、酸素、及び水分の3成分の濃度をコ
ントロールしつつアルゴン、又は、ヘリウムガスに混合することが極めて困難で
あるため、電池の内部インピーダンスのバラツキが生じるという課題を有してい
る。 また、提案2では、二酸化硫黄や六弗化硫黄ガスを用いているが、これらのガ
スは腐食性、毒性を有するため、ガスの取り扱いや管理が難しく作業性が低下す
る。又、このようにして作製された電池の閉路電圧は、通常の電池と比べ0.1V
程度低下するという課題を有している。 提案3では、炭素粉末としてアセチレンブラックを使用するため、環境が悪く
なると共に、粉末の取り扱いが困難となるという課題を有している。 提案4では、蒸着設備が必要となるため、リチウム電極の製造コストが高騰す
ると共に、量産性に劣るという課題を有している。 本発明はこのような課題に鑑み、作業性が低下したり、電池の閉路電圧が低下 したり、環境が悪化したり、製造コストが高騰したりするのを防止しつつ、電池
の内部インピーダンスを低下させ、且つ電池の内部インピーダンスのバラツキを
減少させうるリチウム電池及びその製造方法の提供を目的とするものである。 課題を解決するための手段 本発明は、リチウムを活物質とする負極を備えたリチウム電池において、上記
負極は、不活性ガス、又はドライエアー中に炭酸ガスを1000ppm以上5000ppm以下
添加した混合雰囲気下で、リチウム層の表面に炭酸リチウム層を形成したもので
あることを特徴とする。 また、不活性ガス、又はドライエアー中に炭酸ガスを1000ppm以上5000ppm以下
添加した混合雰囲気下で、リチウムインゴットを押し出してリチウム層の表面に
炭酸リチウム層を形成し、これを負極として用いることを特徴とする。 作用 上記構成であれば、負極のリチウム表面に炭酸リチウムの保護皮膜が形成され
ているので、リチウムの変色を防止しうると共に、電池の内部インピーダンスが
低下する。即ち、リチウム表面の膜が酸化リチウムであれば、水分と反応して水
酸化リチウムに変化するが、炭酸リチウムは水分によって変化しないのでリチウ
ムの変色を防止ししうるし、酸化リチウムや水酸化リチウムと比べて炭酸リチウ
ムの膜厚が薄いと推測されるため、その分抵抗が小さくなり、内部インピーダン
スが低下するのである。 加えて、リチウム表面に炭酸リチウムの保護皮膜のみが形成されているので、
電池の内部インピーダンスのバラツキを少なくすることができる。 また、本発明の製造方法の如く、不活性ガス、又はドライエアー中に炭酸ガス
を微量添加した混合雰囲気下で、リチウムインゴットを押し出すと、リチウムと
水分とが反応してリチウム表面には酸化リチウムや水酸化リチウムの不動態皮膜
が形成される。次いで、これら酸化リチウムや水酸化リチウムが二酸化炭素と反
応してリチウム表面に炭酸リチウムが生成することになる。 このように、添加ガスとしては炭酸ガスのみ用いるので、濃度のコントロール
が容易であり、電池の内部インピーダンスのバラツキが生じない。また、炭酸ガ
スは腐食性、毒性を有しないため、ガスの取り扱いや管理が容易で作業性を向上 しうる。更に、蒸着設備は必要とならないため、リチウム電極の製造コストを低
下させることができると共に、量産性に優れる。 尚、二酸化炭素ガスの添加量は、1000ppm〜5000ppmであることが望ましい。こ
れは二酸化炭素ガスの添加量が1000ppm以下であれば炭酸リチウムの膜厚が薄く
なる一方、二酸化炭素ガスの添加量が5000ppm以上であれば、炭酸リチウムの膜
厚が厚くなるためである。 実施例 (第1実施例) アルゴンガスに二酸化炭素ガスを1000ppm添加混合させた混合ガス雰囲気中で
、円筒状のシリンダに充填されたリチウムインゴットをピストンで押圧する。こ
れにより、ノズルからリチウムが押し出され、更にリチウムの表面に炭酸リチウ
ムが形成され、フープ状のワークが作製される。尚、このワークは厚み0.25mm、
巾30mmとなるように形成されている。次に、このワークを長さ150mmとなるよう
に切断してリチウム電極を作製した。 正極は、二酸化マンガン(80重量部)、黒鉛(10重量部)、ポリテトラフルオロチ
エン〔(PTFE)2重量部〕、糊料(1重量部)に純水25重量部を加えてスラリーを
作製し、このスラリーを芯体にコーティングする。 次に、これを乾燥させた後、規定厚みに圧延して圧延体を作製する。しかる後
、この圧延体を35×200mmに切断して正極を作製する。この正極を、230℃の空気
中で熱処理を行い、更に3torr以下の減圧中で280℃で3時間熱処理を行い、こ
れによって正極の水分を除去した後、電池に用いた。 上記のようにして作製した正極と、負極とをポリプロピレン製のセパレータを
介して巻回し電極体を作製した後、この電極体をステンレス外装缶へ押入する。
次いで、プロピレンカーボネイトとジメトキシエタンの等量混合溶媒に脱水過塩
素酸リチウムを1モル溶解させた電解液を上記外装缶に所定量注入した後、封口
体を封口して電池を作製する。 このようにして作製した電池を、以下(A)電池と称する。 (第2実施例) 二酸化炭素ガスの混合割合を5000ppmとして正極を作製した他は上記第1実 施例と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下(B)
電池と称する。 (第1〜第4比較例) 二酸化炭素ガスの混合割合を300ppm、500ppm、10000ppm、0(二酸化炭素ガス
を混合しない)として負極を作製した他は上記第1実施例と同様にして電池を作
製した。このようにして作製した電池を、以下(C)〜(F)電池と称する。 ここで、上記(A)電池〜(F)電池の初期内部インピーダンスと、高温高湿
下(70℃、90%)で20日間保存した後の内部インピーダンスとを調べたのでその
結果を下記表1に示す。 表1から明らかなように、本発明の(A)電池及び(B)電池は初期内部イン
ピーダンスの平均値X=0.32〜0.34であり、比較例の(C)電池〜(F)電池
初期内部インピーダンスの平均値X=0.36〜0.57と比較して著しく低減している
ことが認められる。また、高温高湿下で保存した後の内部インピーダンスの平均
値も(C)電池〜(F)電池ではX=0.39〜0.60であるのに対し、(A)電池及
び(B)電池ではX=0.36〜0.38であり著しく低減していることが認められる。 加えて、本発明の(A)電池、(B)電池の初期内部インピーダンスのバラツ
キは0.05〜0.08であり、比較例の(C)電池〜(F)電池の初期内部インピーダ
ンスのバラツキ0.05〜0.12と比較して少なくなっていることが認められる。 また、高温高湿下で保存した後の内部インピーダンスのバラツキも(C)電池〜
(F)電池では0.05〜0.10であるのに対し、(A)電池、(B)電池では、0.03
〜0.04であり少なくなっていることが認められる。 次に、上記(A)電池〜(F)電池を高温高湿下(70℃、90%)で20日間保存
した後、パルス放電特性を調べたので、その結果を第1図に示す。尚、試験条件
は、−20℃の雰囲気下で、電流1.2Aで3秒間ONにした後、7秒間OFFにするとい
うサイクルを繰り返した。 第1図より明らかなように、本発明の(A)電池及び(B)電池は、比較例の
(C)電池、(D)電池及び(F)電池と略同等性能であることが認められる。
但し、(E)電池では、初回パルスの電圧が0.01Vだけ降下していることが認め
られる。したがって、二酸化炭素ガスの添加量は5000ppm以下であることが望ま
しい。 次いで、アルゴンガス中の二酸化炭素濃度と電池の初期内部インピーダンスと
の関係を調べたので、その結果を第2図に示す。第2図より明らかなように、CO
2濃度が2000〜3000ppmで内部インピーダンスが最小値となり、1000ppm以下にな
ると内部インピーダンスが急激に上昇することが認められる。したがって、二酸
化炭素ガスの添加量は、1000ppm以上であることが望ましい。 更に、アルゴンガス中の二酸化炭素濃度と高温高湿下(70℃、90%)で20日間
保存した後の電池の内部インピーダンスとの関係を調べたので、その結果を第3
図に示す。第3図より明らかなように、CO2濃度が1000〜2000ppmで内部インピー
ダンスが最小値となり、1000ppm以下及び5000ppm以上になると内部インピーダン
スが急激に上昇することが認められる。したがって、二酸化炭素ガスの添加量は
、1000ppm〜5000ppmであることが望ましい。 上記の実験結果より、二酸化炭素ガスの添加量は、1000ppm〜5000ppmであるこ
とが望ましいことが伺える。これは二酸化炭素ガスの添加量が1000ppm以下であ
れば、炭酸リチウムの膜厚が薄くなる一方、二酸化炭素ガスの添加量が5000ppm
以上であれば炭酸リチウムの膜厚が厚くなることに起因するものと考えられる。 尚、上記実施例においてはアルゴンガスを用いたがこれに限定されるものでは なく、その他の不活性ガス、或いはドライエアーであっても上記と同様の効果を
奏しうるものである。 発明の効果 以上説明したように本発明によれば、負極のリチウム表面に炭酸リチウムの保
護皮膜が形成されているので、リチウムの変色を防止しうると共に、電池の内部
インピーダンスが安定し低下する。加えて、リチウム表面に炭酸リチウムの保護
皮膜のみが形成されているので、電池の内部インピーダンスのバラツキを少なく
することができる。これにより、電池の性能を飛躍的に向上させることができる
という効果を奏する。 また、本発明の製造方法によれば、添加ガスとしては、炭酸ガスのみ用いるの
で、濃度のコントロールが容易であり、電池の内部インピーダンスのバラツキが
生じない。また、炭酸ガスの腐食性、毒性を有しないため、ガスの取り扱いや管
理が容易で作業性を向上しうる。更に、蒸着設備を必要としないので、製造コス
トを低下させることができると共に、量産性に優れる等の効果を奏しうる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の(A)電池及び(B)電池及び比較例の(C)電池〜(F)
電池を高温高湿下(70℃、90%)で20日間保存した後のパルス放電特性を示すグ
ラフ、第2図はアルゴンガス中の二酸化炭素濃度と電池の初期内部インピーダン
スとの関係を示すグラフ、第3図はアルゴンガス中の二酸化炭素濃度と高温高湿
下(70℃、90%)で20日間保存した後の電池の内部インピーダンスとの関係を示
すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)リチウムを活物質とする負極を備えたリチウム電池において、 上記負極は、不活性ガス、又はドライエアー中に炭酸ガスを1000ppm以上5000p
    pm以下添加した混合雰囲気下で、リチウム層の表面に炭酸リチウム層を形成した
    ものであることを特徴とするリチウム電池。 (2)不活性ガス、又はドライエアー中に炭酸ガスを1000ppm以上5000ppm以下
    添加した混合雰囲気下で、リチウムインゴットを押し出してリチウム層の表面に
    炭酸リチウム層を形成し、これを負極として用いることを特徴とするリチウム電
    池の製造方法。

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