JP2663396B2 - 機械的強度、流動性に優れるスタンパブルシート - Google Patents

機械的強度、流動性に優れるスタンパブルシート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度を有し、流動性
に優れるガラス繊維強化熱可塑性樹脂複合材料であるス
タンパブルシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形上の特長を生かしつ
つ、強度、剛性という特長を付加する手段として、ガラ
ス繊維などの高弾性率繊維の添加による複合化技術が知
られている。複合化された熱可塑性樹脂は、軽量化と高
剛性および高強度が要求される種々の構造部材用の素材
として使用される。これらの素材は通常、マトリックス
樹脂の融点以上に熱せられた後に成形され、形を付与さ
れる。特にプレス機を使用した成形または大型部品の成
形に適する板状あるいはシート状の素材を製造する方法
として抄紙法が知られている。
【0003】抄紙法は、微小気泡を含む界面活性剤水溶
液中で長さ6〜50mmのガラス繊維と粒状の熱可塑性樹脂
を分散させ、この分散液を多孔性支持体で抄くことによ
りシート状のウェブを調製し、このウェブに熱と圧力を
加えて、固化した緻密なシート状のスタンパブルシート
を製造する方法である。この技術は特公平2−48243号
公報、特開昭60−158227号公報、特開平4−163109号公
報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は抄紙法で得ら
れるスタンパブルシートに関するものである。ガラス繊
維強化熱可塑性樹脂の優れた強度、剛性などの機械的特
性は、低強度、低弾性率のマトリックスである樹脂に加
えられた荷重が、高強度、高弾性率を有するガラス繊維
に十分に分担されることにより発揮される。ガラス繊維
への荷重の分担は、繊維と樹脂の界面、すなわち繊維の
外表面を通じて行われる。このため繊維と樹脂の濡れ性
や接着性が十分であり、かつ繊維の外表面積が大きいほ
ど機械的特性は向上する。
【0005】しかしながら、抄紙法で得られる従来のス
タンパブルシート(以下コンソリシートと称するときも
ある)の機械的特性、流動性は決して十分なものではな
かった。界面の濡れ性や接着性を向上させる方法とし
て、特開昭63−41128 号公報に開示されているようにシ
ランカップリング剤をウェブに添加する方法が知られて
いる。しかしシランカップリング剤のみの添加だけでは
ガラス繊維とマトリックス樹脂の濡れ性や接着性が不十
分である。またマトリックス樹脂の溶融粘度の低下、す
なわち低分子量化を図った場合には、濡れ性は向上す
る。しかしマトリックス樹脂が脆化し、スタンパブルシ
ートの機械的特性は低下する。
【0006】成形時の予熱を均一にするために、ガラス
単繊維が複数収束されたガラス繊維束をシート中に存在
せしめる方法が特開平4−163109号公報に開示されてい
る。しかし、ガラス繊維束を含むスタンパブルシート
は、ガラス繊維が完全に単繊維に開繊されたスタンパブ
ルシートに比べ、繊維束部分でマトリックス樹脂に接す
る繊維の総外表面積が小さくなるため、同じ繊維含有量
における機械的特性は低くなる。機械的特性を向上させ
る方法として、ガラス繊維含有量を増加させる方法や繊
維長を長くする方法があるが、いずれの方法も流動性を
低下させる。
【0007】本発明の目的は、抄紙法による機械的特
性、流動性の優れたスタンパブルシートを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気の微小気
泡が分散した界面活性剤含有水性媒体中に強化用ガラス
繊維と粒状のマトリックス樹脂を分散させた液を多孔性
支持体上で抄くことによりシート状のウェブを得、該ウ
ェブを乾燥後、熱と圧力を加えシート状に固化したスタ
ンパブルシートにおいて、該強化用ガラス繊維が、単繊
維に開繊されたガラス繊維と単繊維が複数本収束された
ガラス繊維からなり、該単繊維が複数本収束されたガラ
ス繊維は繊維の収束繊維軸に垂直な断面の縦横比が縦1
に対して横4以上であり、さらに該強化用ガラス繊維が
シランカップリング剤で表面処理され、かつ該マトリッ
クス樹脂が該シランカップリング剤と共有結合可能な官
能基を0.02〜3.0 %{(官能基の重量/マトリックス樹
脂の重量)×100 }含有することを特徴とする機械的強
度、流動性に優れるスタンパブルシートであり、そし
て、本発明のより好ましい態様によれば、上記で用いら
れるマトリックス樹脂は、該シランカップリング剤と共
有結合可能な官能基を分子中に含有しないマトリックス
樹脂Aと該シランカップリング剤と共有結合可能な官能
基を分子中に含有するマトリックス樹脂Bからなる。
【0009】本発明者らは、シランカップリング剤で処
理されたガラス繊維を用い、かつ該シランカップリング
剤と共有結合可能な官能基を0.02〜3.0 重量%{(官能
基の重量/マトリックス樹脂の重量)×100 }を含有す
るマトリックス樹脂を併用することで、ガラス繊維とマ
トリックス樹脂の濡れ性、接着性が向上し、機械的特性
が向上することを見出した。またマトリックス樹脂とし
て、官能基を分子中に含有しないマトリックス樹脂Aと
官能基を分子中に含有するマトリックス樹脂Bを併用す
る。あるいは混合物として用いることによっても、機械
的特性が向上することを見出した。さらに単繊維が複数
本収束された繊維束の収束繊維軸に垂直な断面の縦横比
を縦に対して横を大とすることで、繊維束の外表面積を
増加せしめれば、機械的特性が低下せず、流動性が向上
することを見出した。流動性の向上は、単繊維が複数本
収束された繊維束間の絡み会いが少ないためと考えられ
る。また、繊維束が存在することにより、シートのアイ
ゾット衝撃強度が強くなることも見い出した。
【0010】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。 (ガラス繊維)強化用ガラス繊維の表面は、シランカッ
プリング剤および収束剤による処理が必要である。シラ
ンカップリング剤は濡れ性や接着性を向上させるため、
収束剤はガラス繊維の開繊状態を制御するためのもので
ある。シランカップリング剤として、ビニルシラン系、
アミノシラン系、エポキシシラン系、メタクリルシラン
系、クロロシラン系、メルカプトシラン系などが使用可
能である。なかでも、アミノシラン系、エポキシシラン
系が好ましい。シランカップリング剤のガラス繊維への
処理方法はガラス繊維を混合しながらシランカップリン
グ剤水溶液を噴霧する乾式法や高温のガラス繊維にシラ
ンカップリング剤水溶液を噴霧するスプレー法やカップ
リング剤水溶液中に浸漬するなどの公知の方法で行うこ
とができる。シランカップリング剤の量はガラス繊維に
対して0.001 〜0.3 wt%が好ましい。さらに好ましくは
0.005 〜0.2 wt%である。0.001 wt%未満では強度の向
上が小さい。
【0011】強化用ガラス繊維の内、ガラス単繊維が複
数本収束した繊維束は、収束繊維軸に垂直な断面の縦横
比は縦1に対して横4以上でなければならない。さらに
好ましくは縦1に対して横5以上20以下である。縦横比
が縦1に対して横4未満では繊維束の外表面積の増加に
よる、機械的強度の向上が小さい。また縦1に対して横
20超の場合は後述の抄紙工程で、形態保持が困難にな
る。繊維束の収束本数は30〜500 本/束が好ましい。さ
らに好ましくは50〜400 本/束である。30本/束未満で
は流動性が向上せず、成形品の外観が悪い。 500本/束
超の場合は外表面積が小さくなり、強度が低下する。繊
維束は抄紙工程で開繊しないように、界面活性剤含有水
性媒体に実質的に不溶性の収束剤で処理される必要があ
る。これらの収束剤としてエポキシ系、ウレタン系、ポ
リオレフィン系、メラミン系などがある。収束剤の量は
ガラス繊維に対して 0.1〜1.5 wt%である。さらに好ま
しくは0.2 〜1.3 wt%である。0.1 wt%以下の場合、抄
紙工程で単繊維に開繊し易い。
【0012】強化用ガラス繊維の内、単繊維に開繊する
ものは、水溶性の収束剤で処理される必要がある。これ
らの収束剤としてポリエチレンオキサイド系、ポリビニ
ルアルコール系などがある。収束剤の量はガラス繊維に
対して 0.03 〜0.3 wt%である。さらに好ましくは0.05
〜0.2 wt%である。0.3 wt%超の場合、抄紙工程で開繊
し難くなる。
【0013】ガラス繊維の十分な補強効果を得、かつコ
ンソリシートの成形時の流動性を確保する上でガラス繊
維の長さは6〜50mmが好ましい。ガラス繊維が短すぎる
と、十分な補強効果が得られない。また繊維長が長すぎ
ると、成形時の流動性が低下する。また繊維径はガラス
繊維の補強効果を確保する上で5〜30μmであることが
好ましい。繊維径が小さすぎると、樹脂とガラス繊維の
接着が困難になる。繊維径が大きすぎると、十分な補強
効果が得られない。
【0014】コンソリシート中において、強化用ガラス
繊維とマトリックス樹脂の重量比(ガラス繊維/樹脂)
が10/90から70/30となるように用いられる。ガラス繊
維の過少の配合は補強効果が少ない。またガラス繊維の
過剰の使用は、マトリックス樹脂がガラス繊維中に均一
に含浸することが難しく、コンソリシート中に空隙が生
じ、強度低下を招く。強化用ガラス繊維の内、単繊維に
開繊されたガラス繊維と単繊維が複数本収束されたガラ
ス繊維の重量比(単繊維に開繊されたガラス繊維/単繊
維が複数本収束されたガラス繊維)は90/10〜20/80が
好ましい。繊維束の比率が10%未満の場合、成形時の流
動性や成形品外観が悪い。繊維束の比率が80%超の場
合、機械特性の低下を招いたり、繊維同士の拘束が弱ま
り、ウェブが製造できなくなる。 (マトリックス樹脂)マトリックス樹脂Aは、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリアミド、ポリアセタールなど、および、これ
らの樹脂を主成分とする共重合体やグラフト化合物およ
びブレンド物、たとえば、エチレン−塩化ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。なか
でも好ましいものはポリプロピレンである。
【0015】シランカップリング剤と共有結合可能な官
能基を含有するマトリックス樹脂Bは、例えば、上記マ
トリックス樹脂Aを、酸やエポキシなどの種類の化合物
で変性したものが用いられる。ポリプロピレンの場合、
マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸などで変性す
ることができ、変性基が酸無水物基、カルボキシル基と
なるものが好ましい。
【0016】官能基の量は0.02〜3.0 wt%{(含有基の
重量/マトリックス樹脂の重量)×100 }である。より
好ましくは0.05〜2.0 wt%である。0.02wt%未満の場合
は、シランカップリング剤との接着性が不十分となり、
強度向上が小さくなる。3.0wt%超の場合はマトリック
ス樹脂の脆化、シートの着色などを招く。シランカップ
リング剤と共有結合可能な官能基を含有するマトリック
ス樹脂を単独で用いる場合、樹脂の重量平均分子量(M
w)は 50000〜500000が好ましい。Mwが50000 未満の場
合、溶融粘度が低く、ガラス繊維への濡れ性は良くなる
が、樹脂が脆性化するため、スタンパブルシートの機械
的特性は低下する。Mwが500000超の場合、ガラス繊維中
への含浸性が低下し、シートの機械的特性は低下する。
さらに流動性も低下する。
【0017】樹脂Aと樹脂Bを併用する場合、または混
合する場合には、樹脂Aと樹脂Bは同種の樹脂であるこ
とが好ましい。異種の樹脂の場合でも互いに相溶性を示
すことが好ましい。樹脂が相溶性を示さないときには、
マトリックスの機械的特性が低下する。樹脂Aの重量平
均分子量は 50000〜500000が好ましい。50000 未満の場
合、溶融粘度が低く、ガラス繊維への濡れ性は良くなる
が、樹脂が脆性化するため、スタンパブルシートの機械
特性は低下する。500000超の場合、ガラス繊維中への含
浸性が低下し、シートの機械特性は低下する。さらに流
動性も低下する。また樹脂Bの重量平均分子量は10000
〜200000が好ましい。10000 未満の場合、溶融粘度が低
く、ガラス繊維への濡れ性は良くなるが、樹脂が脆性化
するため、スタンパブルシートの機械的特性は低下す
る。200000超の場合、ガラス繊維中への含浸性が低下
し、シートの機械的特性は低下する。さらに流動性も低
下する。
【0018】樹脂Bの官能基の含有量は0.01〜20wt%が
好ましい。官能基含有量が0.01wt%未満の場合には、脆
性的な樹脂Bの添加量が増加し、機械特性は低下する。
また20wt%超の場合には、樹脂Bの添加量が減少し、分
散状態が不十分になり、機械的特性の向上が小さい。ウ
ェブに用いられる熱可塑性樹脂の粒子は重合後の粒子を
用いてもよいし、ペレット状の樹脂を機械粉砕あるいは
溶媒へ一度溶解後、析出させるいわゆる化学粉砕によっ
て得られる粒子を用いてもよい。
【0019】この熱可塑性樹脂の粒子は、径が50〜2000
μmであることが好ましい。径があまり大きいと、ガラ
ス繊維中に樹脂が均一に含浸したコンソリシートが得に
くい。また、径が小さすぎると、後述するウェブの製造
の脱水工程において圧力損失が大きくなり、製造上のト
ラブルが生じる場合がある。マトリックス樹脂Aとマト
リックス樹脂Bは、それぞれの粒子を用いてウェブを製
造してもよいし、予め押し出し機などでこれらを溶融混
練し、粉砕した物を使用してもよい。 (コンソリシートの製造方法)ガラス繊維のチョップド
ストランドと熱可塑性樹脂粒子とを、空気の微小気泡が
分散した界面活性剤水溶液中に分散させる。この分散液
を多孔性支持体を介して脱水することにより、均一なウ
ェブを得ることができる。ウェブはガラス繊維と熱可塑
性樹脂等から構成され、ガラス繊維の中に熱可塑性樹脂
の粒子が均一に分散している。またウェブの厚さは通常
1〜10mmである。次にウェブを乾燥後、熱可塑性樹脂の
融点以上に加熱し樹脂を溶融させ、冷却盤間で圧力を加
え緻密な固化したコンソリシートを得る。
【0020】ウェブを加熱、加圧し、コンソリシートを
製造する際の加熱温度は熱可塑性樹脂の融点以上、分解
温度以下である。マトリックス樹脂がポリプロピレンの
場合、加熱温度は 170〜230 ℃が好ましく、特により好
ましくは 190〜210 ℃である。 230℃以上ではポリプロ
ピレンの分解による着色、強度低下が生ずる。ウェブを
加圧する際の圧力は、緻密なコンソリシートを得る目的
で3〜500kgf/cm2 とするのが好ましい。過剰の圧力は
ガラス繊維の破損が生じる可能性がある。なおコンソリ
シートには酸化防止剤、耐光安定剤、金属不活性化剤、
難燃剤、カーボンブラックなどの添加剤や着色剤等を含
有することができる。これらの添加剤、着色剤は、たと
えば粒状の熱可塑性樹脂にあらかじめ配合したり、コン
ソリ製造工程中にスプレーなどで添加することによりコ
ンソリシート中に含有させることができる。 (成形方法)以上のようにして製造されたコンソリシー
トは公知の方法で成形される。すなわちコンソリシート
を樹脂の融点以上に加熱後、成形金型上に置き、加圧し
て賦形させる。
【0021】コンソリシートの成形時の加熱温度は熱可
塑性樹脂の融点以上、分解温度以下である。熱可塑性樹
脂がポリプロピレンの場合、加熱温度は 170〜230 ℃が
好ましい。金型温度は熱可塑性樹脂の凝固点以下であれ
ばよい。ハンドリング性、生産性の点から通常室温〜60
℃である。
【0022】成形圧力は製品形状により異なるが、通常
50〜500kgf/cm2 である。以下に本発明を実施例に基づ
いて具体的に説明する。
【0023】
【実施例】実施例中で用いたマトリックス樹脂とガラス
繊維は以下の物を使用した。 マトリックス樹脂A:ポリプロピレン(重量平均分子量
150000、平均粒径500 μm、白色) マトリックス樹脂B:無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン(重量平均分子量30000 、酸無水物基7.5 wt%、平均
粒径500 μm、黄色) ガラス繊維チョップドストランドA:長さ13mm、直径10
μm、アミノシラン0.005 wt%、ポリエチレンオキサイ
ド系収束剤0.05wt%、収束本数5000本/束 ガラス繊維チョップドストランドB:長さ13mm、直径10
μm、アミノシラン0.1 wt%、ウレタン系収束剤1.0 wt
%、収束本数70本/束、収束繊維束繊維軸に垂直な断面
の縦横比は1:5 なおガラス繊維チョップドストランドAは抄紙工程で単
繊維に開繊したが、ガラス繊維チョップドストランドB
は最初のストランドの形態を維持していた。
【0024】実施例1 マトリックス樹脂A96重量部、マトリックス樹脂B4重
量部を混合し、押し出し機により 180℃で溶融混練し
た。得られたサンプルの官能基濃度は0.3 wt%である。
このサンプルを機械粉砕して平均粒径 250μmの粉砕物
を得た。この粉砕物 33.75gと、ガラス繊維チョップド
ストランドA 11.25g、ガラス繊維チョップドストラン
ドB 11.25gをドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.8wt%水溶液10l中で攪拌、起泡して分散液を調整し
た。この分散液を抄紙面積 250×250mm の抄紙器に流し
込み、吸引、脱泡して、目付け 900g/m2 のウェブを
製造後、 130℃で1時間乾燥した。同様にして目付け 9
00g/m2 のウェブをさらに3枚作製した。ウェブを4
枚積層後、210 ℃で予熱し、25℃の冷却盤間に配置し、
3kgf /cm2 の圧力でプレスし、固化した緻密なスタン
パブルシートを得た。
【0025】シート中央部から、JIS K7055 に従い曲げ
試験片を切り出し3点曲げ試験を行い曲げ強度を測定し
た。JIS K7110 に従いアイゾット衝撃試験片を切り出
し、アイゾット衝撃試験も行った。結果を表1および図
2に示す。また得られたシートから半径37.5mmの円盤を
切りだした。円盤を 210℃で予熱後、25℃のプレス盤間
に配置し、初期圧力120kgf/cm2 、圧縮速度10mm/sで
圧縮した。得られた圧縮成形品は平均半径63.75mm の円
形であった。圧縮前のシートの半径(ro)と圧縮後の成
形品の平均半径(r)の比(r/ro)を流動性の指標と
した。r/roは1.70である。
【0026】実施例2 マトリックス樹脂Aとマトリックス樹脂Bの混合比を変
化させ、混合樹脂に占める酸無水物基の合計量が0.02〜
3.0 wt%の範囲となるように調整した以外は、実施例1
と同様にしてスタンパブルシートを得た。シートの曲げ
試験を行い、結果を図2に示す。
【0027】比較例1 マトリックス樹脂Aとマトリックス樹脂Bの混合比を変
化させ、混合樹脂に占める酸無水物基の合計量が0.02wt
%未満および3.0 wt%超の範囲となるように調整した以
外は、実施例1と同様にしてスタンパブルシートを得
た。シートの曲げ試験を行い結果を図2に示す。
【0028】比較例2 シランカップリング剤で処理していないガラス繊維チョ
ップドストランドA、Bを用いた以外は実施例1、2、
比較例1と同様の方法を用いてスタンパブルシートを得
た。シートの曲げ試験を行い結果を図2に示す。溶融混
練したマトリックス樹脂Aと樹脂Bを添加することによ
り、スタンパブルシートの曲げ強度は向上する。しかし
樹脂Bの添加量が過剰になると強度は低下し、シートの
着色(黄色に着色)が顕著になる。またガラス繊維にシ
ランカップリング剤を処理しない場合も強度は低い。ス
タンパブルシートの曲げ強度は、ガラス繊維をシランカ
ップリング剤で処理した場合、マトリックス樹脂中の官
能基濃度が0.02〜3.0 wt%の範囲で極大となる。
【0029】実施例3 マトリックス樹脂Aと樹脂Bをそれぞれ機械粉砕して平
均粒径 200μmの粉末を得た。マトリックス樹脂A32.4
g、マトリックス樹脂B1.35g、ガラス繊維チョップド
ストランドA 11.25g、ガラス繊維チョップドストラン
ドB 11.25gを用いた以外は実施例1と同様の方法でス
タンパブルシートを製作し、曲げ試験を行った。結果を
図3に示す。
【0030】実施例4 マトリックス樹脂Aとマトリックス樹脂Bの混合比を変
化させ、混合樹脂に占める酸無水物基の合計量が0.02〜
3.0 wt%の範囲となるように調整した以外は、実施例3
と同様にしてスタンパブルシートを得た。シートの曲げ
試験を行い結果を図3に示す。
【0031】比較例3 マトリックス樹脂Aとマトリックス樹脂Bの混合比を変
化させ、混合樹脂に占める酸無水物基の合計量が0.02wt
%未満および3.0 wt%超の範囲となるように調整した以
外は、実施例3と同様にしてスタンパブルシートを得
た。シートの曲げ試験を行い、結果を図3に示す。
【0032】比較例4 シランカップリング剤で処理していないガラス繊維チョ
ップドストランドA、Bを用いた以外は実施例3、4、
比較例3と同様の方法を用いてスタンパブルシートを得
た。シートの曲げ試験を行い結果を図3に示す。マトリ
ックス樹脂Aと樹脂Bを混合することにより、スタンパ
ブルシートの曲げ強度は向上する。しかし樹脂Bの添加
量が過剰になると強度は低下し、シートの着色(黄色に
着色)が顕著になる。またガラス繊維にシランカップリ
ング剤を処理しない場合も強度は低い。スタンパブルシ
ートの曲げ強度は、ガラス繊維をシランカップリング剤
で処理した場合、マトリックス樹脂中の官能基濃度が0.
02〜3.0 wt%の範囲で極大となる。
【0033】実施例5 収束繊維軸に垂直な断面の縦横比が1:8のガラス繊維
チョップドストランドBを用いた以外は実施例1と同様
の方法を用いてスタンパブルシートを得た。シートの曲
げ試験、アイゾット衝撃試験を行い結果を表1に示す。
また実施例1と同様の方法を用い流動性の指標r/roを
求めた。結果を表1に示す。
【0034】比較例5 収束繊維軸に垂直な断面の縦横比が1:3のガラス繊維
チョップドストランドBを用いた以外は実施例1と同様
の方法を用いてスタンパブルシートを得た。シートの曲
げ試験、アイゾット衝撃試験を行った。結果を表1に示
す。また実施例1と同様の方法を用い流動性の指標r/
roを求めた。結果を表1に示す。
【0035】比較例6 強化用ガラス繊維としてガラス繊維チョップドストラン
ドBは使用せず、ガラス繊維チョップドストランドA 2
2.50gを用いた以外は実施例1と同様の方法を用いてス
タンパブルシートを得た。シートの曲げ試験、アイゾッ
ト衝撃試験を行った。結果を表1に示す。また実施例1
と同様の方法を用い流動性の指標r/roを求めた。結果
を表1に示す。
【0036】本発明のスタンパブルシートは、単繊維が
複数本収束した繊維束を添加しても強度の低下が小さ
い。さらに繊維束を添加することによりアイゾット衝撃
強度流動性が向上することがわかる。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ガラス繊維とマ
トリックス樹脂の界面の濡れ性や接着性および流動性を
向上させた、高強度、高弾性率を有するスタンパブルシ
ートを提供することができる。このため高強度、高剛性
を必要とする構造部材、たとえばバンパービームなどに
使用することができる。さらに、流動性がよいのでリ
ブ、ボスなど複雑な形状をもつ成形品などにも使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単繊維が複数本収束させた強化用ガラス繊維束
の収束繊維軸に垂直な断面の模式図である。
【図2】マトリックス樹脂Aと樹脂Bを溶融混練した場
合の樹脂中の官能基濃度とスタンパブルシートの曲げ強
度の関係を示すグラフである。
【図3】マトリックス樹脂Aと樹脂Bを混合した場合の
樹脂中の官能基濃度とスタンパブルシートの曲げ強度の
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 309:08 (72)発明者 涌井 正浩 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平4−163109(JP,A) 特開 平4−201420(JP,A) 特開 平3−290439(JP,A) 特開 平6−155463(JP,A) 特開 平6−238658(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気の微小気泡が分散した界面活性剤含
    有水性媒体中に強化用ガラス繊維と粒状のマトリックス
    樹脂を分散させた液を多孔性支持体上で抄くことにより
    シート状のウェブを得、該ウェブを乾燥後、熱と圧力を
    加えシート状に固化したスタンパブルシートにおいて、
    該強化用ガラス繊維が、単繊維に開繊されたガラス繊維
    と単繊維が複数本収束されたガラス繊維からなり、該単
    繊維が複数本収束されたガラス繊維は繊維の収束繊維軸
    に垂直な断面の縦横比が縦1に対して横4以上であり、
    さらに該強化用ガラス繊維がシランカップリング剤で表
    面処理され、かつ該マトリックス樹脂が該シランカップ
    リング剤と共有結合可能な官能基を0.02〜3.0 %{(官
    能基の重量/マトリックス樹脂の重量)×100 }含有す
    ることを特徴とする機械的強度、流動性に優れるスタン
    パブルシート。
  2. 【請求項2】 スタンパブルシート中のマトリックス樹
    脂が、シランカップリング剤と共有結合可能な官能基を
    分子中に含有しないマトリックス樹脂Aとシランカップ
    リング剤と共有結合可能な官能基を分子中に含有するマ
    トリックス樹脂Bからなることを特徴とする請求項1記
    載の機械的強度、流動性に優れるスタンパブルシート。
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