JP2663352B2 - 高強度亜鉛合金 - Google Patents

高強度亜鉛合金

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JP2663352B2 JP63124782A JP12478288A JP2663352B2 JP 2663352 B2 JP2663352 B2 JP 2663352B2 JP 63124782 A JP63124782 A JP 63124782A JP 12478288 A JP12478288 A JP 12478288A JP 2663352 B2 JP2663352 B2 JP 2663352B2
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応之 坂本
研一郎 松尾
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプラスチック射出成形用あるいはプレス成形
用の簡易金型材料として好適な高強度亜鉛合金に関す
る。
〔従来の技術〕
一般にプラスチック射出成形品やプレス成形品の量産
品をつくる場合、高級鋼を素材として切削を主体とした
加工によってつくられる本型と呼ばれる量産用金型が用
いられるが、試作品または例えば5千個以下の少量製品
については、通常、型製作期間が短く、製作費用も少な
い簡易型が用いられる。このような簡易型は亜鉛合金や
低融点合金の鋳造あるいは樹脂の注型によってつくられ
ることが多いが、その中でも亜鉛合金は鋳鉄に近い強度
を持つと共に鋳造が容易で転写性がよく、加工性にも優
れている等の特色があって、代表的な簡易型材料として
扱われている。現在、簡易型用亜鉛合金としてはアルミ
ニウム約4%,銅約3.5%,マグネシウム約0.04%及び
残部亜鉛の合金でZAMAK#2,Kirksite等の名称で呼ばれ
ている合金がそのうちの代表的なものとして用いられて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、最近、自動車等製品の多様化を求めるユー
ザ志向が強まってきており、それに伴って部品について
も例えば数万個単位の多品種少量生産の必要性が増大し
ている。しかし、通常十万個程度以上のショット数に耐
える本型では金型のコストが高すぎるため経済性に問題
があり、代わりに簡易型の利用で対処しようとする動き
が著しくなってきている。
しかしながら、前記ZAMAK#2合金では、砂型鋳造試
験片でビッカース硬さが90〜100、引張り強さが20〜25k
g/mm2程度しかなく、この材料でつくった金型は、通常
のプラスチック射出成形に使用すると、千個程度のショ
ット数で摩耗のためバリが発生するなどで使用に耐えな
くなることが多い。このため、この合金にチタニウムや
ベリリウムを添加した材料や銅を増量した材料(特公昭
37−18609号公報,特公昭48−20967号公報)を簡易型用
に利用しようとする動きもあるが、依然として強度不足
あるいは鋳造性不良の問題を残している。換言すれば、
鋳造法でつくることのできる簡易型用の材料として従来
の亜鉛合金に代わり得る強力な材料が依然として求めら
れている。
このような状況に鑑み、本発明はプラスチック射出成
形やプレス成形による少量本格生産品のための新たなる
鋳造による簡易型用の高強度亜鉛合金材料を提供するこ
とを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
以上の目的を達成するために、本発明は、アルミニウ
ム3〜11%,銅5〜13%,マグネシウム0.02〜0.5%,
チタニウム0.1〜1.5%,ほう素0.03〜0.5%及びベリリ
ウム0.01〜0.1%を含み、残部が実質的に亜鉛よりなる
高強度亜鉛合金を、また、アルミニウム3〜11%,銅5
〜13%,マグネシウム0.02〜0.5%,チタニウム0.1〜1.
5%,ほう素0.03〜0.5%及びマンガン0.1〜2.0%を含
み、残部が実質的に亜鉛よりなる高強度亜鉛合金を提案
しようとするものである。
本発明の合金は従来の型用亜鉛合金即ちKAMAK#2よ
りもかに高い硬さ従って高い耐磨耗性及び大きい引張り
強さを有している。即ち、砂型鋳造試験片でビッカース
硬さ130〜160を有し、同時に、引張り強さは20〜30kg/m
m2を有している。
本発明合金の合金組成において、アルミニウムは3%
を下回ると硬さ等強度が不足し、また鋳造性も悪い。11
%を上回ると鋳造性が悪くなり、伸びや衝撃値が低下し
て脆くなる。銅は5%を下回ると硬さを向上させない
し、13%を越えてもそれ程硬さを向上させないし、却っ
て鋳造性を阻害する。マグネシウムは結晶を細かくして
強度を向上させ、また不純物による粒間腐食を防止する
作用があるが、0.02%以下では効果がなく、0.5%を越
えると鋳造性及び靭性を阻害する。
ほう素はチタニウムとの顕著な相乗効果により、靭性
及び鋳造性を阻害することなく、硬さを向上させる。し
かし、ほう素は0.03%そしてチタニウムは0.1%を下回
ると効果がなく、またほう素は0.5%そしてチタニウム
は1.5%を上回ると合金化が難しくなる。
以上のような成分に加えられるベリリウムは、ほう素
との共存状態において、さらに硬さを向上させる効果が
あり、特に、0.01%以上が好ましく、0.1%を上回って
もそれほどの効果が見られない。マンガンのほう素との
共存による強度上昇の効果は顕著であり、0.1%付近か
ら硬さの上昇が認められる。ただし、2.0%を上回って
も添加量に見合う程の改善が見られないので不経済であ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を述べる。
本発明の特許請求の範囲内の合金及び比較例としての
範囲外の比較合金を溶製し、砂型閉鎖鋳型を用いて鋳造
した試験片について、それぞれ引張り強さ及びビッカー
ス硬さを測定した。なお、原料亜鉛としては純度99.997
%以上の最純亜鉛を用いている。その結果を第1表に示
す。
以上のように、本発明の合金は、ビッカース硬さで13
0〜160、引張り強さで20〜30kg/mm2の値を示したが、発
明範囲外の組成の合金はいずれもそれらの数値を満足し
なかった。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明の合金によれば、鋳造性を損な
うことなく、硬さは砂型鋳造品でビッカース硬さ130以
上で耐磨耗性が高く、且つ、引張り強さの大きい簡易型
用の鋳造合金が得られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム3〜11%,銅5〜13%,マグ
    ネシウム0.02〜0.5%,チタニウム0.1〜1.5%,ほう素
    0.03〜0.5%及びベリリウム0.01〜0.1%を含み、残部が
    実質的に亜鉛よりなることを特徴とする高強度亜鉛合
    金。
  2. 【請求項2】アルミニウム3〜11%,銅5〜13%,マグ
    ネシウム0.02〜0.5%,チタニウム0.1〜1.5%,ほう素
    0.03〜0.5%及びマンガン0.1〜2.0%を含み、残部が実
    質的に亜鉛よりなることを特徴とする高強度亜鉛合金。
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JPH01165740A (ja) * 1987-12-22 1989-06-29 Sekisui Chem Co Ltd 亜鉛基合金

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