JP2663153B2 - 家 屋 - Google Patents

家 屋

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JP2663153B2
JP2663153B2 JP23285288A JP23285288A JP2663153B2 JP 2663153 B2 JP2663153 B2 JP 2663153B2 JP 23285288 A JP23285288 A JP 23285288A JP 23285288 A JP23285288 A JP 23285288A JP 2663153 B2 JP2663153 B2 JP 2663153B2
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光彦 荻野
聖一 富田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は小屋裏空間、床下空間、および壁内空間を利
用してセントラル冷暖房を図った家屋に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来の家屋では、居住性を向上するために壁体等に断
熱材を配設し、家屋の内外部の熱の出入を遮断すること
が行われていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような家屋では、夏期における冷
房、冬期における暖房が個室冷暖房であるため、各部屋
間での移動の際に、温度差によるヒートショックを受け
る不利があった。また、夏期において開口部を通しての
太陽からの輻射熱、あるいは各種家電製品、人体から発
せられる熱気が家屋内に籠ってしまう不利があった。ま
た窓等の開口部を開放しても暖められた小屋裏空間に籠
り、居住空間での体感温度を上げてしまう不利があっ
た。さらにエアコン等を用いても冷たい空気は下降する
性質があるため、小屋裏空間の熱気は残存したままであ
った。このため全室空調を行うためには多数の室内空調
ユニットを必要とした。さらに冬期においては、暖房等
で発生した熱は小屋裏空間に籠り、この熱の再利用を図
ることができなかった。しかも、家屋内の換気を十分に
図ることができなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような点に鑑み、小屋裏空間と床下空間
を壁内空間で連通化すると共に、外壁、屋根に断熱材を
配設し、かつ、小屋裏空間と床下空間を空調機を介した
パイプによって連結し、また床下空間には土間断熱層、
コンクリート層、およびコンクリート層に埋設された熱
媒体用パイプからなる土間暖房部を形成し、しかも、家
屋内に熱交換器を配設し、この熱交換器を介して床下空
間と外部、小屋裏空間と外部を結び、夏期においては床
下空間の空気をパイプを介して空調機によって冷却して
小屋裏空間に放出し、壁内空間を下降させて居住空間の
冷房を行い、一方床下空間の空気の一部を熱交換器を介
して外部へ放出しながら、外部の新鮮な空気を熱交換器
を介して小屋裏空間に取り入れるようにし、また冬期に
おいては小屋裏空間の暖かい空気を床下空間へパイプを
介して送風し、かつこの空気を土間暖房部にてより加温
し、壁内空間を上昇させることで居住空間の冷気を除去
し、しかも、小屋裏空間の空気の一部を熱交換器を介し
て外部へ放出し、外部の新鮮な空気を熱交換器を介して
床下空間に取り入れることによって居住性、熱効率を向
上すると共に換気を図ることのできる家屋を提案するも
のである。
〔実施例〕
以下に図面を用いて本発明に係る家屋について詳細に
説明する。第1図(a)、(b)、および第2図
(a)、(b)は上記家屋Aの代表的一実施例を示す説
明図であり、1は小屋裏空間、2は居住空間、3は床下
空間で、それぞれ天井21、床22によって区切られた家屋
Aの内部空間である。4は断熱層で少なくとも家屋Aの
内部と外部の熱の出入を遮断するものであり、副次的に
防音性、気密性、防火性を有するものである。さらに説
明すると、断熱層4は屋根断熱層5と外壁断熱層6とか
らなり、それぞれボード状、マット状、シート状のも
の、あるいは屋根材、外壁材と一体になっているもの等
である。前者の例としては、ポリスチレンボード、ポリ
ウレタンボード、ポリイソシアヌレートフォームボー
ド、シージングボード、シージングインシュレーション
ボード、木片セメント板、木毛セメント板、グラスウー
ルマット等、もしくはこれらの複合板等であり、これら
の表面に金属製屋根材、瓦等を配することによって屋根
を、また金属系パネル、タイル、窯業系パネル、ALC板
等を配することにより外壁を形成するものである。また
後者の例としては、表面材と断熱芯材および必要に応じ
て裏面材とを一体に形成したパネル、ALC外装パネル、
木片セメントパネル、木毛セメントパネル等で、これら
を主柱、間柱等の躯体上に配することによって外壁断熱
層6、屋根断熱層5を形成するものである。7は壁内空
間で、外壁断熱層6と内壁23間に設けたものであり、小
屋裏空間1と床下空間3とを連通化し、後述する空調機
9によって冷却、送風された空気が自然対流によって流
れる空間である。8はパイプで小屋裏空間1と床下空間
3とを空調機9を介して結ぶものである。この空調機9
は、少なくとも送風機能、冷房機能を有するもので、必
要に応じて暖房機能、除湿機能、除塵、除臭機能等を有
するもので、具体的にはクーラー、エアコン等である。
さらに説明すると、パイプ8、空調機9は、夏期におい
て、床下空間3内の空気をパイプ8にて吸引し、冷却し
て小屋裏空間1に放出し、また冬期においては、居住空
間2からの熱気の籠った小屋裏空間1の空気を床下空間
3へ強制的に送風、あるいは加温して送風するものであ
る。なお、空調機9は第1図では小屋裏空間1内に配設
しているが、床下空間3内、あるいは家屋Aの外部に配
設することも可能である。10は熱交換器で、小屋裏空間
1、床下空間3、あるいは壁内空間7のいずれかに配設
するものであり、家屋Aの換気を熱のロスなく行うもの
である。すなわち熱交換器10は第2図(a)、(b)に
示すように小屋裏空間1に配した場合は、妻換気口11を
介して外気を取り入れ、この空気を夏期は第2図(a)
に示すように小屋裏空間1に、冬は(b)図に示すよう
に床下空間3に放出し、また夏期は床下空間3の空気
を、冬期は小屋裏空間1の空気を外部へ放出するもので
ある。この際、外部へ放出する空気と外部から家屋A内
へ取り入れる空気との間で熱交換を行い、家屋A内外の
熱の出入を阻止して、換気を行うことができる。12は土
間暖房部で床下空間3内を加温すると共に、地面からの
湿気の浸入を遮断するものである。この土間暖房部12
第3図に抽出して示すように土間断熱層13、コンクリー
ト層14、熱媒体用パイプ17から構成されたものである。
さらに説明を加えると、土間断熱層13は、ポリスチレン
フォーム、ポリウレタンフォーム、フェノールフォーム
等の硬質プラスチックフォームで独立気泡発泡組織で密
度が30〜100kg/m3程度の圧縮強度のあるもの、あるいは
ALC板、木片セメント板、木毛セメント板等の少なくと
も一種からなり、厚さが10〜100mm程度のものである。
この土間断熱層13は熱媒体用パイプ17内に温水等の熱媒
体を通して土間暖房を行う場合、この熱が地面に放出さ
れるのを阻止するためのものである。なお、土間断熱層
13は独立気泡発泡組織の硬質プラスチックフォーム等か
らなる場合には防湿性を有し、地面からの水分が家屋A
内に浸入することがないが、ALC板、木毛セメント板の
ように浸湿性の素材を用いた場合は、2点鎖線で示すよ
うに、あるいは土間断熱層13とコンクリート層14の中間
(図示せず)に防湿シート18を敷設することが好ましい
ものである。コンクリート層14は、蓄熱材、熱媒体用パ
イプ17から供給される熱の熱分散材として機能すると共
に熱媒体用パイプ17を埋設することにより、熱媒体用パ
イプ17内に万一水が貯留し、これが凍った際に熱媒体用
パイプ17が破裂するのを防止するのにも役立つものであ
る。なお、コンクリート層14は、便宜上補強ベースコン
クリート層15と土間コンクリート層16に区分される。補
強ベースコンクリート層15は、主に熱媒体用パイプ17の
配管を容易にするための層である。この補強ベースコン
クリート層15は、コンクリートの打込、あるいはPC板を
用いて形成することも可能である。また、土間コンクリ
ート層16は、熱媒体用パイプ17を埋設すると共に床下空
間3内の空気を一様に暖めるための放熱部として機能す
るものである。熱媒体用パイプ17は、例えば第4図
(a)、(b)に示すように配管するものであり、熱源
19から補強ベースコンクリート層15上の出入口までは、
断熱材20で被覆することが好ましいものである。この熱
媒体用パイプ17は、銅管、プラスチック管等からなり、
内部に不凍液、熱媒体ガス等の熱媒体を通すことによ
り、土間暖房を行うものである。
ここで家屋A内の空気の流れについて簡単に説明す
る。まず、夏期においては、第1図(a)、第2図
(a)に示すように床下空間3の空気はパイプ8によっ
て空調機9へ送られ、空調機9にて冷却、除湿等された
後、小屋裏空間1に放出される。また、小屋裏空間1に
は熱交換器10を介して取り入れられた外部の新鮮な空気
が放出される。このため、小屋裏空間1では圧力が高く
なると共に、温度が低下するため、空気は壁内空間7を
下降し、床下空間3へと移動する。この際、内壁23を介
して居住空間2の冷房も行う、なお、小屋裏空間1から
床下空間3へ下降する際、一部は漏気により天井21、内
壁23から直接居住空間2に流れ、冷房を行う。このため
家屋A内で熱気の籠る場所がなく、かつ、家屋Aの内部
全体に冷房が施されるため、体感温度も下がり、居住性
が大幅に向上する。また冬期においては第1図(b)、
第2図(b)に示すように小屋裏空間1内の空気は空調
機9に送られ、空調機9に暖房機能がある場合には加温
された後パイプ8を介して床下空間3に放出される。ま
た熱交換器10では、小屋裏空間1の空気を外部へ放出
し、外部の新鮮な空気を床下空間3に放出する。床下空
間3では、土間暖房部12によって一様に加温されるた
め、加温による上昇力と高圧とにより主に壁内空間7、
一部居住空間2を上昇し、小屋裏空間1に移動する。こ
のため、床22、内壁23付近の冷気を除去することがで
き、かつ、家屋A全体を加温することになるため各部屋
間の温度差が小さくなり居住性が向上するものとなる。
以上説明したのは本発明に係る家屋Aの一実施例にす
ぎず、第5図に示すように空調機9を屋外に設置するこ
ともできる。また、パイプ8、あるいは熱交換器10の小
屋裏空間1、床下空間3内の先端に第6図、第7図
(a)、(b)に示すように集気兼分散ダクト24を取り
付け、パイプ8を介する空気の吸引、放出を広範囲で行
うこともできる。すなわち、第6図は金属、プラスチッ
クからなるパイプ状のものをアンテナ状、あるいは図示
しないが、渦巻状等に形成し、四角形状、円形状、長円
形状等のスリット24aを有するものである。また第7図
(a)、(b)は連通組織からなる空隙を有する素材、
例えばグラスファイバー、プラスチックファイバー、鉱
物繊維、金属繊維等の繊維質材料、連続気泡組織のポリ
ウレタンフォーム、ポリウレアフォーム等の合成樹脂発
泡体、多孔質セラミック等を断面リング状、四角形状、
三角形状、多角形状等のパイプ状に形成したものからな
り、これを第8図(a)、(b)に示すように配したも
のである。この場合、連通組織の空隙がスリット24aの
役目を果たすため、均一的な吸引、放出を行うことがで
きるものとなる。また、図示しないが、パイプ8の途
中、壁内空間7にファンを配し、空気の流れを強制的に
生起させることもできる。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明に係る家屋によれば、外
壁、屋根に断熱層を形成するため、効率よく冷、暖房を
行うことができる。夏期において空調機によって冷却
された空気は小屋裏空間に放出されるため、冷気による
下降で家屋全体を冷房することができる。小屋裏空間
に熱気が籠らず体感温度も下がり、居住性が向上する。
冬期においては、土間暖房部を機能させ、家屋全体の
暖房を図ると共に、小屋裏空間に籠る熱気を暖房に再利
用を図ることができ、熱効率のよい家屋となる。土間
からの湿気の浸入を遮断することができ、耐久性のよい
家屋とすることができる。夏期、冬期共に外部と熱の
出入を阻止して換気を行うことができる。等の効果、特
徴がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)、および第2図(a)、(b)は
本発明に係る家屋の代表的一例を説明する説明図、第3
図、第4図(a)、(b)は土間暖房部を説明する説明
図、第5図、第6図、第7図(a)、(b)、第8図
(a)、(b)はその他の実施例を説明する説明図であ
る。 A……家屋、1……小屋裏空間、2……居住空間、3…
…床下空間、7……壁内空間、8……パイプ、9……空
調機、10……熱交換器、12……土間暖房部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−49646(JP,A) 特開 昭61−213532(JP,A) 特開 昭63−176940(JP,A) 特開 昭57−131948(JP,A) 実開 昭56−101515(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小屋裏空間、居住空間、床下空間からな
    り、かつ、小屋裏空間と床下空間を内壁、外壁間の壁内
    空間にて連通化した家屋において、前記空間を囲んでい
    る屋根、外壁に断熱層を形成すると共に、小屋裏空間と
    床下空間との間にパイプを配設し、該パイプの途中に少
    なくとも冷房、送風機能を有する空調機を配すると共
    に、前記小屋裏空間、床下空間、壁内空間内のいずれか
    に熱交換器を配設し、かつ熱交換器を介して床下空間と
    外部、小屋裏空間と外部を連通化し、また前記床下空間
    の土間を、土間断熱層上にコンクリート層を積層し、か
    つ、該コンクリート層中に熱媒体用パイプを埋設し、該
    熱媒体用パイプ内に熱媒体を通す土間暖房部を有するこ
    とを特徴とする家屋。
JP23285288A 1988-09-17 1988-09-17 家 屋 Expired - Fee Related JP2663153B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017014727A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 株式会社 ホームリサーチ 空調システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017014727A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 株式会社 ホームリサーチ 空調システム

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