JP2662871B2 - 偏光回折素子 - Google Patents

偏光回折素子

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、光の特定の偏光成分を分離する偏光分離
装置に係り、特に固体表面上を伝搬する表面弾性波〔SA
W:Surface Acoustic Wave〕によって圧電性基板に偏光
選択性が生ずることに鑑み、入射光のうちの所定の偏光
面を有する光を回折させ、分離できる偏光回折素子に関
するものである。
〔従来の技術〕
従来技術における偏光分離用光学部品としては誘電体
多層膜を備えた偏光ビームスプリッターがある。この偏
光ビームスプリッターは、該誘電体多層膜の設計値、つ
まり膜の厚さと屈折率を変えることにより使用できる光
の波長と特定の偏光状態の光を分離する比率(0次光の
光量と±1次回折光の光量の比に相当するもの。以後、
偏光分離比という。)が自由に選べる長所をもってい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、別の波長の光に対しては新たに設計し直す
必要があり、波長帯域の広い光源に対しては利用価値が
小さく、さらに偏光分離比は設計値で決定されてしまい
可変にはできないという短所をもっている。
本発明の目的は、波長依存性がなく、かつ、偏光分離
比が可変な偏光回折素子を実現することである。
〔課題を解決するための手段〕
固体表面上を伝搬すSAWを利用した光関連の装置とし
ては、SAWが形成する表面の正弦波状の凹凸と周期的な
屈折率の変化を回折格子として用いた光偏向装置(例え
ば、表面弾性波を利用した光の回折装置「特開昭第62−
94831号」)や光の周波数シフターなどがある。これら
はいずれもラマンナース回折による±1次回折光に着目
して応用されたものである。
しかしながら、SAWによる回折作用が入射光の偏光状
態により、いかなる影響を受けるかについて論じられた
ものはなく、また利用された装置等もない。
この発明は、その点、すなわち入射光の偏光状態とSA
Wによる回折作用との関係に着目し、後述する実験によ
ってSAW素子の偏光選択性を確認し、それを利用するこ
ととした。
手段を具体的に述べれば、この発明の偏光回折素子
は、光透過性を有しており、かつ、その表面に表面弾性
波を伝搬させたとき偏光選択性を生じ、表面弾性波が伝
搬している部分に入射される光のうち所定の偏光面を有
する光のみを選択的に回折する圧電性基板と、該圧電性
基板に前記表面弾性波を発生させるために、該圧電性基
板の表面に設けられた交差指形電極とを備えている。
〔作用〕
表面弾性波が伝搬している圧電性基板には回折格子が
生じ、なおかつ、偏光選択性が生じているから、本発明
の偏光回折素子に光を入射させると、所定の偏光面を有
する光のみが少なくとも一部、選択的に回折される。
そして、SAW素子による回折作用は、SAWによる正弦波
状格子の格子間隔をdとしたとき、入射光の波長λと回
折角度θの関係が、 2d・sin θ=λ ……(1) であることが知られている。この関係より波長の違いは
回折角度に影響を与えるものの、偏光を分離するという
点においては波長依存性はない。もし、回折角度θを所
望の角度にしたいのであれば、入射光の波長λに応じた
格子間隔dとすればよく、格子間隔dは、SAWを発生す
べく備えられた交差指形電極へ入力する周波数で制御で
きる。また、偏光分離比は、交差指形電極への入力電力
で制御可能である。
以下、SAW素子の偏光選択性を調べた実験について説
明する。
実験で用いたSAW素子には、圧電性基板としてニオブ
酸リチウム結晶(LiNbO3)のYカット基板を用い、圧電
性基板の表面に交差指形電極(共振周波数f0=107M H
z)を設け、該交差指形電極をSAWがZ軸方向へ伝搬する
ように配置した。
光源は、波長λが0.633μmのHe−Neレーザー(ラン
ダム偏光)を使用して、消光比が10-4以下の特性をもつ
偏光子に1回通し、直線偏光に直してからSAW伝搬平面
に対して垂直に入射するようにした。
測定は、入射する直線偏光の偏光面の角度を変え、そ
の変えた角度における回折光量を測定する方法を採っ
た。
第2図(a)および第2図(b)に、入射光の偏光状
態とSAW素子の設置関係を示す。図において、1は圧電
性基板、2は交差指形電極、3は入射光、4はS偏光成
分、5はP偏光成分、6は回折光、7は透過光、X・Y
・Zは圧電性基板の結晶軸である。
以下、第2図(a)に示す設置状態をHorizontal typ
e(以下、H−typeと略す)、第2図(b)に示す設置
状態をVertical type(以下、V−typeと略す)と呼ぶ
ことにする。H−typeとV−typeの重要な相異点は、H
−typeではSAW伝搬方向に垂直な偏光状態の光は入射光
3のうち、S偏光成分4の光であり、V−typeではSAW
伝搬方向に垂直な偏光状態の光は入射光3のうち、P偏
光成分5の光であるという点である。また、第2図
(a)および第2図(b)において、圧電性基板1のほ
ぼ中央部に示してある格子模様は、SAWによる周期的な
屈折率の変化の状態をモデル化して描いたものである。
第3図(a)に、偏光面の回転角度と回折光量の関係
についての測定結果を示した。ただし、回折光量は最大
値で規格化してある。図において、HはH−typeを示
し、VはV−typeを示している。この測定結果は、SAW
伝搬方向に対して垂直な偏光状態の光が入射したときに
最も回折光量が多くなることを示している。
第3図(b)は回折光量が最大になる設定、つまり入
射偏光面をSAW伝搬方向と垂直な状態に設定して入射光
の偏光状態と回折光(出射光)の偏光状態の比較を示し
たものである。横軸は回転する検光子の回転角度を示
し、縦軸は検出した回折光量を最大値で規格化した値を
示す。図において、実線は入射光を、点は回折光を示
す。
以上の測定結果より、この実験で測定したSAW素子は
回折作用においてSAW伝搬方向に対して垂直な偏光状態
の光のみ、その少なくとも一部を回折するという偏光選
択性をもち、その回折した光(回折光)は入射光の偏光
状態を保持していることが確認された。
〔第1の実施例〕 第1図に、本発明に係る偏光回折素子の第1の実施例
を示す。図において、1は光透過性を有する圧電性基板
であり、前述の実験で確認されたSAWの伝搬方向に垂直
な偏光状態の光だけを回折する性質を生ずる圧電性基板
を使用している。2はSAWを圧電性基板1上に発生させ
るため備えられた交差指形電極である。この交差指形電
極2の電極幅や交差指間隔(電極の中心間距離)は数μ
m〜数10μm程度と微細であるが、これらの加工はホト
リソグラフィによる微細加工技術で実現することが可能
である。
このように構成したSAW素子の交差指形電極2に共振
周波数f0の電気信号を入力して効率よくSAWを発生さ
せ、該圧電性基板1の表面付近に周期的な屈折率の変化
を生じさせる。
いま、SAWが励振している領域に入射光3が入射する
と、光は回折作用(ラマンナース回折による作用)を受
け、入射光の光量(入射光量)の数%が回折する。この
ようにして回折した回折光6は、入射光3のうち、SAW
伝搬方向に対して垂直な偏光成分のみを含んでおり、も
し、回折光6が見られない場合、入射光3は前記SAW伝
搬方向に対して垂直な偏光成分を含まないと言える。
また、交差指形電極2へ入力する電気信号の電力を一
定にして、そのときの回折効率(入射光量に対する回折
光の光量(回折光量)の割合)がρ%であるとしたと
き、回折光量から入射光3が含む該SAW伝搬方向に対し
て垂直な偏光成分の光量Pinは、回折光量をPdiffとする
と、次の式から算出することができる。
Pin=Pdiff/ρ ……(2) 以上、述べたように、偏光選択性を有するSAW素子を
利用し、偏光ビームスプリッターのはたらきをさせるこ
とにより、入射光がSAW伝搬方向に対して垂直な偏光成
分を含んでいるか否かの確認や、該SAW伝搬方向に対し
て垂直な偏光成分の光量測定にも使用できる偏光回折素
子を実現することが可能となった。
〔第2の実施例〕 一般的に圧電性基板は複屈折性を有する結晶がよく利
用されるため、第1図に示す圧電性基板1を透過した透
過光7の偏光状態は、入射光3の偏光状態と比較して異
なる場合がある。例えば、本発明に係る偏光回折素子の
構成素子としての圧電性基板1に実験で用いたニオブ酸
リチウム結晶のYカット板を使用した場合、このYカッ
ト板は常光線屈折率noと異常光線屈折率neの2つの異な
る屈折率を有し、結晶中での光速度も異なることから圧
電性基板の厚みに応じて偏光状態もいろいろと変化す
る。
第4図に、前記したニオブ酸リチウム結晶の結晶軸と
屈折率との関係を示す。
この図より、入射光3のS偏光成分4は常光線屈折率
no=2.286(λ=0.633μm)で圧電性基板1中をY軸方
向へ進み、P偏光成分5は異常光線屈折率ne=2.200で
圧電性基板1中をY軸方向へ進むことになり、仮りに、
圧電性基板1の厚みをTとしたとき、S偏光とP偏光の
基板中での光路差ΔLは、次式で与えられる。
ΔL=(no−ne)・T ……(3) この光路差ΔLが光の波長λの整数倍であるとき、圧
電性基板1の入射前のS偏光とP偏光の位相状態が出射
後も等しくなり、偏光状態は変化しないことになる。
圧電性基板1の厚みを、上記(3)式の条件を満たす
ように作製することにより、偏光状態の変化が生じると
都合の悪い、既存の光学系へ偏光測定を行なう目的で挿
入しても、偏光状態を乱すことなく、光線中の偏光状態
を測定することができる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、圧電性基板上に
発生したSAWが、偏光選択性をもつ光回折格子を形成す
ることを実験により確認し、その性質を利用することと
したから、光の波長に依存しない、かつ、偏光分離比が
可変な偏光回折素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る偏光回折素子の一実施例を示す。
第2図(a)及び第2図(b)は入射光の偏光状態とSA
W素子の設置関係を示す。第3図(a)は偏光面の回転
角度と回折光量の関係を、第3図(b)は回折光量が最
大になる設定、つまり、入射偏光面をSAW伝搬方向と垂
直な状態に設定して入射光の偏光状態と回折光(出射
光)の偏光状態の比較を示す。第4図は圧電性基板の結
晶軸と屈折率の関係を示す。 図において、1は圧電性基板、2は交差指形電極、3は
入射光、4はS偏光成分、5はP偏光成分、6は回折
光、7は透過光をそれぞれ示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性を有しており、かつ、その表面に
    表面弾性波を伝搬させたとき、入射される光のうち所定
    の偏光面を有する光のみを選択的に回折する圧電性基板
    (1)と、該圧電性基板に前記表面弾性波を発生させる
    ために、該圧電性基板の表面に設けられた交差指形電極
    (2)とを備え、入射光のうち所定の偏光面を有する光
    を回折させ、分離するようにしたことを特徴とする偏光
    回折素子。
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