JP2662801B2 - 希土類添加▲iii▼−▲v▼族化合物半導体の気相成長法 - Google Patents
希土類添加▲iii▼−▲v▼族化合物半導体の気相成長法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばGaAs,InP系のIII−V族化合物半導
体、及びこれに類するIII−V族混晶半導体に希土類元
素を添加するための気相成長法に関するものである。
体、及びこれに類するIII−V族混晶半導体に希土類元
素を添加するための気相成長法に関するものである。
MOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)
法はIII−V族化合物半導体の結晶成長法として知られ
ており、またこのIII−V族化合物半導体を母体にして
種々の不純物を添加する技術が検討されている。このMO
CVD法はIII族元素の原料となる有機金属化合物と、V族
元素の原料となる水素化合物、例えばアルシンAsH3、ホ
スフインPH3などと、不純物添加元素の原料となる有機
金属化合物とを各々反応管に導入し、反応管に設けられ
たサセプタ上に配置された被成長用基板、例えばGaAs基
板上で熱分解し、不純物添加III−V族化合物半導体の
エピタキシヤル結晶を成長するものである。
法はIII−V族化合物半導体の結晶成長法として知られ
ており、またこのIII−V族化合物半導体を母体にして
種々の不純物を添加する技術が検討されている。このMO
CVD法はIII族元素の原料となる有機金属化合物と、V族
元素の原料となる水素化合物、例えばアルシンAsH3、ホ
スフインPH3などと、不純物添加元素の原料となる有機
金属化合物とを各々反応管に導入し、反応管に設けられ
たサセプタ上に配置された被成長用基板、例えばGaAs基
板上で熱分解し、不純物添加III−V族化合物半導体の
エピタキシヤル結晶を成長するものである。
不純物添加元素に希土類を用いる希土類添加III−V
族化合物半導体の結晶成長は種々の成長法で試みられて
いるが、従来よく知られているNd:YAGのような誘電体結
晶中の希土類イオンの内殻遷移が非常に鋭い発光スペク
トルを示すのに比べ、半導体中の希土類の発光スペクト
ルはブロードであつた。このような材料系のMOCVD法に
おいては、まだどのような成長条件がよいのかは従来技
術からは明らかにされていない。MOCVD法による希土類
添加III−V族化合物半導体の成長は、実願昭61−82488
(実開昭 − 号公報)にあるような有機
金属熱分解気相成長用原料容器の問題を解決して、最近
になつてようやく可能になつてきたものである。本発明
の主旨は希土類添加III−V族化合物半導体結晶の成長
技術に重要な結果を与えるものである。
族化合物半導体の結晶成長は種々の成長法で試みられて
いるが、従来よく知られているNd:YAGのような誘電体結
晶中の希土類イオンの内殻遷移が非常に鋭い発光スペク
トルを示すのに比べ、半導体中の希土類の発光スペクト
ルはブロードであつた。このような材料系のMOCVD法に
おいては、まだどのような成長条件がよいのかは従来技
術からは明らかにされていない。MOCVD法による希土類
添加III−V族化合物半導体の成長は、実願昭61−82488
(実開昭 − 号公報)にあるような有機
金属熱分解気相成長用原料容器の問題を解決して、最近
になつてようやく可能になつてきたものである。本発明
の主旨は希土類添加III−V族化合物半導体結晶の成長
技術に重要な結果を与えるものである。
従来の希土類添加III−V族化合物半導体のMOCVD法で
は、成長条件は従来のIII−V族化合物半導体の成長条
件を基にしているため、GaAs,InPでは成長温度は主に60
0℃以上を選定していた。これらの温度は成長速度や残
留不純物濃度などの観点から選定され、600℃程度、も
しくはそれ以上の成長温度で結晶成長を行うことは良好
な電気的な特性を有する等の結晶性の点からよく知られ
ている。しかし600℃以上の温度領域による希土類添加I
II−V族化合物半導体の結晶成長における希土類イオン
の内殻遷移の発光がブロードであることは、例えば上井
他(K.Uwai et.al)によつてアプライド フイジクス
レター(Applied Physics Letter)Vol51,No13,'87
1010によつて報告されているところである。またLPE法
による希土類添加化合物半導体の結晶では層中に希土類
の凝結物が生じることが判つており、このために発光効
率を増加できない、シヤープなスペクトルを得られない
等の問題があつた。これらの問題は次のような理由によ
るものと考えられ、これを取り除くことが希土類添加II
I−V族化合物半導体の発光スペクトルの改善に重要に
なる。
は、成長条件は従来のIII−V族化合物半導体の成長条
件を基にしているため、GaAs,InPでは成長温度は主に60
0℃以上を選定していた。これらの温度は成長速度や残
留不純物濃度などの観点から選定され、600℃程度、も
しくはそれ以上の成長温度で結晶成長を行うことは良好
な電気的な特性を有する等の結晶性の点からよく知られ
ている。しかし600℃以上の温度領域による希土類添加I
II−V族化合物半導体の結晶成長における希土類イオン
の内殻遷移の発光がブロードであることは、例えば上井
他(K.Uwai et.al)によつてアプライド フイジクス
レター(Applied Physics Letter)Vol51,No13,'87
1010によつて報告されているところである。またLPE法
による希土類添加化合物半導体の結晶では層中に希土類
の凝結物が生じることが判つており、このために発光効
率を増加できない、シヤープなスペクトルを得られない
等の問題があつた。これらの問題は次のような理由によ
るものと考えられ、これを取り除くことが希土類添加II
I−V族化合物半導体の発光スペクトルの改善に重要に
なる。
希土類イオンの発光中心は4f内殻電子によるエネルギ
ー準位を起源にしている。このエネルギー準位は結晶中
では多数の分裂した準位を形成するため、一般にそのス
ペクトルはいくつかの発光線より成ることは、研究の進
んでいる誘電体材料中の希土類イオンの発光特性から知
られている。母体がIII−V族化合物半導体の場合は前
に述べた希土類の凝結物が生じる他に、半導体中の希土
類元素はV族元素と結合してNaCl構造の結合エネルギー
の強い結晶系をつくる。一方よく知られているようにII
I−V族化合物半導体はZinc−Blende構造であるから希
土類元素が添加された結晶中では格子定数の異なる二種
類の結晶形が存在するために歪が生じ結晶性が悪くな
る。そのために、希土類イオンの内殻遷移の遷移確率が
結晶場の影響を受けて、母体が誘導体の場合に比べると
多くの発光線を形成するようになる。この結果、発光線
はブロードになるのである。従つて、希土類元素とV族
元素との結合を制御できるような良好な条件で成長を行
えば発光線は単純になり、その数は減少することにな
る。そして誘電体材料中の希土類イオンと同程度の鋭い
線状のスペクトルが得られるようになるものと考えられ
る。
ー準位を起源にしている。このエネルギー準位は結晶中
では多数の分裂した準位を形成するため、一般にそのス
ペクトルはいくつかの発光線より成ることは、研究の進
んでいる誘電体材料中の希土類イオンの発光特性から知
られている。母体がIII−V族化合物半導体の場合は前
に述べた希土類の凝結物が生じる他に、半導体中の希土
類元素はV族元素と結合してNaCl構造の結合エネルギー
の強い結晶系をつくる。一方よく知られているようにII
I−V族化合物半導体はZinc−Blende構造であるから希
土類元素が添加された結晶中では格子定数の異なる二種
類の結晶形が存在するために歪が生じ結晶性が悪くな
る。そのために、希土類イオンの内殻遷移の遷移確率が
結晶場の影響を受けて、母体が誘導体の場合に比べると
多くの発光線を形成するようになる。この結果、発光線
はブロードになるのである。従つて、希土類元素とV族
元素との結合を制御できるような良好な条件で成長を行
えば発光線は単純になり、その数は減少することにな
る。そして誘電体材料中の希土類イオンと同程度の鋭い
線状のスペクトルが得られるようになるものと考えられ
る。
本発明は上記考案にもとづき希土類元素とV族元素と
の結合を制御するため成長温度600℃以下、400℃以上に
したところ、希土類イオンにもとづく発光スペクトルが
変化し、希土類イオン固有の線スペクトルを観測するこ
とができ、希土類添加III−V族化合物半導体の発光材
料への道を開くものであり、本発明の目的は、III−V
族化合物半導体の有機金属気相成長法、いわゆるMOCVD
法において、成長温度600℃以下、400℃以上の低い温度
に選定することによつて、希土類添加III−V族化合物
半導体のエピタキシヤル成長結晶が有する化学的性質で
あるところの希土類イオンに関与する発光スペクトルの
形状をシヤープに、そしてその発光ピークの強度の増加
が安定確実に行うことができるようにする希土類添加II
I−V族化合物半導体の気相成長法を提供することにあ
る。
の結合を制御するため成長温度600℃以下、400℃以上に
したところ、希土類イオンにもとづく発光スペクトルが
変化し、希土類イオン固有の線スペクトルを観測するこ
とができ、希土類添加III−V族化合物半導体の発光材
料への道を開くものであり、本発明の目的は、III−V
族化合物半導体の有機金属気相成長法、いわゆるMOCVD
法において、成長温度600℃以下、400℃以上の低い温度
に選定することによつて、希土類添加III−V族化合物
半導体のエピタキシヤル成長結晶が有する化学的性質で
あるところの希土類イオンに関与する発光スペクトルの
形状をシヤープに、そしてその発光ピークの強度の増加
が安定確実に行うことができるようにする希土類添加II
I−V族化合物半導体の気相成長法を提供することにあ
る。
本発明は上記の目的を達成するため、III−V族化合
物半導体に希土類元素を添加する有機金属気相成長法に
おいて、前記III−V族化合物半導体の基板温度は600℃
以下、400℃以上の温度で希土類添加III−V族化合物半
導体の気相成長を行うことを特徴としている。
物半導体に希土類元素を添加する有機金属気相成長法に
おいて、前記III−V族化合物半導体の基板温度は600℃
以下、400℃以上の温度で希土類添加III−V族化合物半
導体の気相成長を行うことを特徴としている。
本発明は、サセプタ上の成長基板に希土類添加III−
V族化合物半導体をエピタキシヤル成長する場合、その
成長温度を600℃以下、400℃以上の低い温度で希土類添
加III−V族化合物半導体の気相成長を行うものである
ことから、上で述べたように、III−V族化合物半導体
の成長温度を600℃より低い温度に選定すると、希土類
元素とV族元素との反応を抑えて相互の結合を減少させ
ることができ、このため結晶中の希土類イオンの内殻電
子の特定のエネルギー準位の遷移確率を選択的に増加さ
せることが可能になる。このことは希土類イオンの発光
スペクトルが鋭くなり、かつそのピーク強度が増加する
という、発光材料として有効な特性を示すことになる。
以下図面にもとづき実施例について説明する。
V族化合物半導体をエピタキシヤル成長する場合、その
成長温度を600℃以下、400℃以上の低い温度で希土類添
加III−V族化合物半導体の気相成長を行うものである
ことから、上で述べたように、III−V族化合物半導体
の成長温度を600℃より低い温度に選定すると、希土類
元素とV族元素との反応を抑えて相互の結合を減少させ
ることができ、このため結晶中の希土類イオンの内殻電
子の特定のエネルギー準位の遷移確率を選択的に増加さ
せることが可能になる。このことは希土類イオンの発光
スペクトルが鋭くなり、かつそのピーク強度が増加する
という、発光材料として有効な特性を示すことになる。
以下図面にもとづき実施例について説明する。
第1図は本発明によるIII−V族化合物半導体の気相
成長法を示す実施例を説明する図で、成長用基板2とし
てGaAs単結晶基板を用い、これの上に希土類添加III−
V族化合物半導体層3をMOCVD法によつて形成した。こ
の場合III族元素の原料ガスとしてIII族元素の有機金属
化合物トリエチルガリウム(TEG)と、V族元素の原料
ガスとしてアルシン(AsH3)、及び希土類元素の原料ガ
スとして希土類の有機金属化合物のトリスメチルシクロ
ペンタジエニルエルビウム(Er(CH3C5H4)3)を反応
管に送り込んでMOCVDを行つた。各原料ガスの流量はTEG
が50cc/分、AsH3が50cc/分、Er(CH3C5H4)3が200cc/
分である。この時のIII族原料に対するV族原料の比は
約30である。成長温度はサセプタ1に細管の通る穴を開
け、基板下部の温度を、穴に挿入した成長温度測定用細
管4に接続した熱電対を用いて測定した値である。この
ような希土類添加化合物半導体層のMOCVD成長におい
て、その成長温度を変化させた場合の発光スペクトルの
測定結果を第2図に示す。なお発光強度は任意目盛であ
る。発光スペクトルの測定は、He−Neレーザー(632.8n
m)を励起光にして、77Kに冷却したGe−pinデイテクタ
を用いて測定した。同図に示すように成長温度(Tg)が
600℃の場合は発光スペクトルがブロードであるが、成
長温度が600℃より低くなると発光スペクトルの各発光
線の分裂が始まり、成長温度が550℃の場合は発光スペ
クトルが分解できない多くの発光線より成り、成長温度
が500℃の場合は発光スペクトル中のブロードな発光線
が減少し、成長温度が460℃の場合は発光スペクトルが
単純で鋭くなる。さらに成長温度が下がると発光ピーク
の強度が減少する現像が生じ、成長温度が400℃になる
と発光ピークは極端に減少した。このように成長温度を
下げるに従い発光スペクトルは鋭くなり、発光ピークの
数が少なくなる。また発光のピーク強度は増加する傾向
がある。第3図はこの変化の様子を示すため発光スペク
トルのメインピークの半値幅の変化をプロットしたもの
である。発光スペクトルが鋭くなるのは成長温度が600
℃より低い場合に生じており、成長温度を下げるとこの
効果は強くなることが判る。このような成長条件により
得られた結晶成長層の内、特に発光ピークの鋭いものは
ピークの半値全幅が0.03nmより小さいものが観測され、
Nd:YAGなどの誘電体結晶中の希土類イオンの発光ピーク
幅と同程度の特性が得られている。
成長法を示す実施例を説明する図で、成長用基板2とし
てGaAs単結晶基板を用い、これの上に希土類添加III−
V族化合物半導体層3をMOCVD法によつて形成した。こ
の場合III族元素の原料ガスとしてIII族元素の有機金属
化合物トリエチルガリウム(TEG)と、V族元素の原料
ガスとしてアルシン(AsH3)、及び希土類元素の原料ガ
スとして希土類の有機金属化合物のトリスメチルシクロ
ペンタジエニルエルビウム(Er(CH3C5H4)3)を反応
管に送り込んでMOCVDを行つた。各原料ガスの流量はTEG
が50cc/分、AsH3が50cc/分、Er(CH3C5H4)3が200cc/
分である。この時のIII族原料に対するV族原料の比は
約30である。成長温度はサセプタ1に細管の通る穴を開
け、基板下部の温度を、穴に挿入した成長温度測定用細
管4に接続した熱電対を用いて測定した値である。この
ような希土類添加化合物半導体層のMOCVD成長におい
て、その成長温度を変化させた場合の発光スペクトルの
測定結果を第2図に示す。なお発光強度は任意目盛であ
る。発光スペクトルの測定は、He−Neレーザー(632.8n
m)を励起光にして、77Kに冷却したGe−pinデイテクタ
を用いて測定した。同図に示すように成長温度(Tg)が
600℃の場合は発光スペクトルがブロードであるが、成
長温度が600℃より低くなると発光スペクトルの各発光
線の分裂が始まり、成長温度が550℃の場合は発光スペ
クトルが分解できない多くの発光線より成り、成長温度
が500℃の場合は発光スペクトル中のブロードな発光線
が減少し、成長温度が460℃の場合は発光スペクトルが
単純で鋭くなる。さらに成長温度が下がると発光ピーク
の強度が減少する現像が生じ、成長温度が400℃になる
と発光ピークは極端に減少した。このように成長温度を
下げるに従い発光スペクトルは鋭くなり、発光ピークの
数が少なくなる。また発光のピーク強度は増加する傾向
がある。第3図はこの変化の様子を示すため発光スペク
トルのメインピークの半値幅の変化をプロットしたもの
である。発光スペクトルが鋭くなるのは成長温度が600
℃より低い場合に生じており、成長温度を下げるとこの
効果は強くなることが判る。このような成長条件により
得られた結晶成長層の内、特に発光ピークの鋭いものは
ピークの半値全幅が0.03nmより小さいものが観測され、
Nd:YAGなどの誘電体結晶中の希土類イオンの発光ピーク
幅と同程度の特性が得られている。
第4図は母体がInPの場合の発光スペクトルの成長温
度による変化である。前と同様に成長温度を下げると発
光スペクトルが鋭くなる。そして温度変化を見るとやは
り600℃より低い成長温度でそれが顕著であることが判
る。この場合でも、成長温度が400℃になると発光ピー
クの強度が極端に減少した。
度による変化である。前と同様に成長温度を下げると発
光スペクトルが鋭くなる。そして温度変化を見るとやは
り600℃より低い成長温度でそれが顕著であることが判
る。この場合でも、成長温度が400℃になると発光ピー
クの強度が極端に減少した。
第5図は第4図で示した発光スペクトルを基にメイン
ピークの半値全幅と成長温度との関連を現しており、60
0℃より低い温度で発光スペクトルが鋭くなるのが判
る。500℃よりさらに450℃及び400℃について測定した
結果は500℃とほぼ同様であつた。
ピークの半値全幅と成長温度との関連を現しており、60
0℃より低い温度で発光スペクトルが鋭くなるのが判
る。500℃よりさらに450℃及び400℃について測定した
結果は500℃とほぼ同様であつた。
これらの結果は前に述べたように、成長温度によつて
希土類とV族元素との結合が制御されたためであり600
℃以下、400℃以上の低い成長温度でMOCVD法が希土類元
素の添加方法に有効なことが判る。
希土類とV族元素との結合が制御されたためであり600
℃以下、400℃以上の低い成長温度でMOCVD法が希土類元
素の添加方法に有効なことが判る。
従つて、本発明のように成長温度を600℃以下、400℃
以上の低い温度に選定すれば希土類元素とV族元素との
結合を制御でき、誘電体と同程度の発光スペクトルを得
ることが可能である。
以上の低い温度に選定すれば希土類元素とV族元素との
結合を制御でき、誘電体と同程度の発光スペクトルを得
ることが可能である。
なお以上述べた例はGaAs,InPの化合物半導体に本発明
を適用した例であるが、GaInAsP混晶半導体を母体にし
た希土類元素添加のMOCVD成長結晶においても同様の傾
向を示すことが認められた。
を適用した例であるが、GaInAsP混晶半導体を母体にし
た希土類元素添加のMOCVD成長結晶においても同様の傾
向を示すことが認められた。
また、添加用の希土類元素はここではErについて示し
たが、一般に希土類元素はその化学的性質が類似してい
るため他の希土類元素についても同様な効果を持つもの
で、従つて実施例に示したEr以外の希土類元素を用いた
希土類添加III−V族化合物半導体等に本発明を適用し
て有効である。
たが、一般に希土類元素はその化学的性質が類似してい
るため他の希土類元素についても同様な効果を持つもの
で、従つて実施例に示したEr以外の希土類元素を用いた
希土類添加III−V族化合物半導体等に本発明を適用し
て有効である。
以上述べたように、本発明においてはIII−V族化合
物半導体のMOCVDで希土類元素を添加するに際して、成
長温度を600℃以下、400℃以上の低い温度に選定するこ
とにより結晶中の希土類元素とV族元素との結合を制御
できるため、希土類イオンの発光スペクトルは600℃よ
り高温で成長した場合に比べ鋭くなり、誘電体材料と同
程度の鋭いスペクトルを得られる。これは母体が半導体
材料であることからP−N制御ができるため、電流注入
による励起を可能とし、小型で高性能な発光素子への道
を開くもので、その工業的な価値は非常に高い。
物半導体のMOCVDで希土類元素を添加するに際して、成
長温度を600℃以下、400℃以上の低い温度に選定するこ
とにより結晶中の希土類元素とV族元素との結合を制御
できるため、希土類イオンの発光スペクトルは600℃よ
り高温で成長した場合に比べ鋭くなり、誘電体材料と同
程度の鋭いスペクトルを得られる。これは母体が半導体
材料であることからP−N制御ができるため、電流注入
による励起を可能とし、小型で高性能な発光素子への道
を開くもので、その工業的な価値は非常に高い。
第1図は本発明によるIII−V族化合物半導体の気相成
長法を示す実施例の説明図、第2図は成長温度を変えた
場合の発光スペクトルで母体がGaAs、添加用希土類元素
元素はEr、第3図は第2図で示した発光スペクトルを基
にメインピークの半値全幅と成長温度との関連を示す
図、第4図は成長温度を変えた場合の発光スペクトルで
母体がInP、添加用希土類元素はEr、第5図は第4図で
示した発光スペクトルを基にメインピークの半値全幅と
成長温度との関連を示す図である。 1……サセプタ、2……成長用基板、3……希土類添加
III−V族化合物半導体層、4……成長温度測定用細管
長法を示す実施例の説明図、第2図は成長温度を変えた
場合の発光スペクトルで母体がGaAs、添加用希土類元素
元素はEr、第3図は第2図で示した発光スペクトルを基
にメインピークの半値全幅と成長温度との関連を示す
図、第4図は成長温度を変えた場合の発光スペクトルで
母体がInP、添加用希土類元素はEr、第5図は第4図で
示した発光スペクトルを基にメインピークの半値全幅と
成長温度との関連を示す図である。 1……サセプタ、2……成長用基板、3……希土類添加
III−V族化合物半導体層、4……成長温度測定用細管
Claims (1)
- 【請求項1】III−V族化合物半導体に希土類元素を添
加する有機金属気相成長法において、 前記III−V族化合物半導体の基板温度は、600℃以下、
400℃以下の温度で希土類添加III−V族化合物半導体の
気相成長を行う ことを特徴とする希土類添加III−V族化合物半導体の
気相成長法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17048988A JP2662801B2 (ja) | 1988-07-08 | 1988-07-08 | 希土類添加▲iii▼−▲v▼族化合物半導体の気相成長法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17048988A JP2662801B2 (ja) | 1988-07-08 | 1988-07-08 | 希土類添加▲iii▼−▲v▼族化合物半導体の気相成長法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0220017A JPH0220017A (ja) | 1990-01-23 |
JP2662801B2 true JP2662801B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=15905907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17048988A Expired - Fee Related JP2662801B2 (ja) | 1988-07-08 | 1988-07-08 | 希土類添加▲iii▼−▲v▼族化合物半導体の気相成長法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2662801B2 (ja) |
-
1988
- 1988-07-08 JP JP17048988A patent/JP2662801B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0220017A (ja) | 1990-01-23 |
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