JP2660199B2 - β−サイアロン粉末の製造方法 - Google Patents
β−サイアロン粉末の製造方法Info
- Publication number
- JP2660199B2 JP2660199B2 JP16638188A JP16638188A JP2660199B2 JP 2660199 B2 JP2660199 B2 JP 2660199B2 JP 16638188 A JP16638188 A JP 16638188A JP 16638188 A JP16638188 A JP 16638188A JP 2660199 B2 JP2660199 B2 JP 2660199B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sialon
- powder
- slurry
- aluminum
- added
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は、β−サイアロンセラミックスの原料である
β−サイアロン粉末の新規な製造方法に関する。
β−サイアロン粉末の新規な製造方法に関する。
β−サイアロンは一般式Si6-ZAlzOzN8-Z(但し0<Z
<4.2)で表わされ、β型窒化けい素のSiおよびNの一
部をAlおよびOで置換固溶した連続固溶体である。その
性質は高温における耐酸化性、高温強度、耐薬品性に優
れているので、エンジン部品、ガスタービン部品、金属
溶湯用部品、切削工具用部材として注目されている。
<4.2)で表わされ、β型窒化けい素のSiおよびNの一
部をAlおよびOで置換固溶した連続固溶体である。その
性質は高温における耐酸化性、高温強度、耐薬品性に優
れているので、エンジン部品、ガスタービン部品、金属
溶湯用部品、切削工具用部材として注目されている。
ロ.従来の技術 従来のβ−サイアロン粉末の製造方法には、 1) 天然シリカ−アルミナ鉱物、たとえばカオリナイ
トを主成分とする粘土粉末にカーボン粉末を混合したも
のを窒素気流注で還元窒化焼成する方法 2) シリコンアルコキシドおよびアルミニウムアルコ
キシドに有機溶媒を加えた混合溶液に水を加え、加水分
解して得た共沈物とカーボン粉末を湿式混合したのち、
乾燥し、窒素気流中で還元窒化焼成する方法 3) ホワイトカーボン、シリカゲル等の高純度シリカ
粉末、アルミナアエロジル等の高純度アルミナ粉末およ
び還元剤、水、分散剤、アンモニアを加えて均一なスラ
リーとし、乾燥後、窒素気流中で還元窒化焼成する方法 4) シリカ粉末とアルミニウム金属の混合粉末を窒素
気流中で窒化焼成する方法 5) 四塩化けい素とアンモニアから製造した無定形の
窒化けい素粉末にアルミナ粉末およびアルミニウム金属
粉末を添加した混合粉末を窒素雰囲気中、1200〜1700℃
で焼成する方法 がある。
トを主成分とする粘土粉末にカーボン粉末を混合したも
のを窒素気流注で還元窒化焼成する方法 2) シリコンアルコキシドおよびアルミニウムアルコ
キシドに有機溶媒を加えた混合溶液に水を加え、加水分
解して得た共沈物とカーボン粉末を湿式混合したのち、
乾燥し、窒素気流中で還元窒化焼成する方法 3) ホワイトカーボン、シリカゲル等の高純度シリカ
粉末、アルミナアエロジル等の高純度アルミナ粉末およ
び還元剤、水、分散剤、アンモニアを加えて均一なスラ
リーとし、乾燥後、窒素気流中で還元窒化焼成する方法 4) シリカ粉末とアルミニウム金属の混合粉末を窒素
気流中で窒化焼成する方法 5) 四塩化けい素とアンモニアから製造した無定形の
窒化けい素粉末にアルミナ粉末およびアルミニウム金属
粉末を添加した混合粉末を窒素雰囲気中、1200〜1700℃
で焼成する方法 がある。
ハ.発明が解決しようとする問題点 これらの方法のうち、 1)の方法は、出発原料として天然の粘土粉末を用い
るため、アルカリや鉄等の混入が不可避であり、得られ
たβ−サイアロンの純度が低い。
るため、アルカリや鉄等の混入が不可避であり、得られ
たβ−サイアロンの純度が低い。
2)の方法は、高純度のアルコキシド原料を使用する
ため、高純度のβ−サイアロンが得られる反面、シリコ
ンアルコキシドとアルミニウムアルコキシドの加水分解
共沈物が活性過ぎて、原料が粘着性となり、回転キルン
や流動焼成炉等の工業炉で焼成する場合、炉内での固結
の原因となり、連続運転ができない場合がある。また回
転キルンや流動焼成炉の中で、N2ガスで原料が飛散しな
いように、混合原料を0.1〜5mmφ程度に造粒する必要が
あるが、シリコンアルコキシドとアルミニウムアルコキ
シドの加水分解共沈物は最初にガラス相が生成し、造粒
物が緻密化し、N2ガスが拡散しにくくなり、還元窒化反
応が十分進行しない場合があるため、工業的製造方法と
しては問題がある。
ため、高純度のβ−サイアロンが得られる反面、シリコ
ンアルコキシドとアルミニウムアルコキシドの加水分解
共沈物が活性過ぎて、原料が粘着性となり、回転キルン
や流動焼成炉等の工業炉で焼成する場合、炉内での固結
の原因となり、連続運転ができない場合がある。また回
転キルンや流動焼成炉の中で、N2ガスで原料が飛散しな
いように、混合原料を0.1〜5mmφ程度に造粒する必要が
あるが、シリコンアルコキシドとアルミニウムアルコキ
シドの加水分解共沈物は最初にガラス相が生成し、造粒
物が緻密化し、N2ガスが拡散しにくくなり、還元窒化反
応が十分進行しない場合があるため、工業的製造方法と
しては問題がある。
3)の方法は、1次粒子が数十ミリミクロンではある
が、凝集性が強いホワイトカーボン(SiO2)およびアル
ミナアエロジル(Al2O3)を原料として使用しているた
め、原料を均一混合するために水を加えてスラリーに
し、更に分散剤、アンモニア等のpH調整剤を加えてボー
ルミル等で混合する必要がある。この方法では、アンモ
ニアがホワイトカーボンやアルミナアエロジルに吸着さ
れるので、分散性の良いスラリーにするためにはpHを9
〜10にする必要があり、そのためのアンモニアが大量に
必要となり、原料コストが高くなる。またアルミナアエ
ロジルの配合を少くした低Z値のβ−サイアロン用原料
をつくる場合、上記方法で原料を混合してもアルミナ分
を均一に分散しにくく、例えばZ値が0.3や0.5の低Z値
のβ−サイアロンを合成するには問題がある。
が、凝集性が強いホワイトカーボン(SiO2)およびアル
ミナアエロジル(Al2O3)を原料として使用しているた
め、原料を均一混合するために水を加えてスラリーに
し、更に分散剤、アンモニア等のpH調整剤を加えてボー
ルミル等で混合する必要がある。この方法では、アンモ
ニアがホワイトカーボンやアルミナアエロジルに吸着さ
れるので、分散性の良いスラリーにするためにはpHを9
〜10にする必要があり、そのためのアンモニアが大量に
必要となり、原料コストが高くなる。またアルミナアエ
ロジルの配合を少くした低Z値のβ−サイアロン用原料
をつくる場合、上記方法で原料を混合してもアルミナ分
を均一に分散しにくく、例えばZ値が0.3や0.5の低Z値
のβ−サイアロンを合成するには問題がある。
4)の方法は、シリカ粉末とアルミニウム金属を均一
に混合する必要から、微粉のアルミニウム金属を使用す
る。微粉のアルミニウム金属は酸化されやすく、シリカ
粉末との混合原料を窒化してβ−サイアロン組成(Si
6-ZAlzOzN8-Z)にコントロールすることは困難である。
また、アルミニウム金属が酸化されやすいので、原料を
混合する際に酸化をおさえることは困難である。したが
って工業的製造方法としては問題がある。
に混合する必要から、微粉のアルミニウム金属を使用す
る。微粉のアルミニウム金属は酸化されやすく、シリカ
粉末との混合原料を窒化してβ−サイアロン組成(Si
6-ZAlzOzN8-Z)にコントロールすることは困難である。
また、アルミニウム金属が酸化されやすいので、原料を
混合する際に酸化をおさえることは困難である。したが
って工業的製造方法としては問題がある。
5)の方法は、高価な四塩化けい素およびアンモニア
を出発原料としているので製造コストが高い。また、ア
ルミナ粉末およびアルミニウム金属粉末を添加混合する
工程で無定形窒化けい素と均一に混合するのは難しく、
特に低Z値のβ−サイアロンが合成しにくい。したがっ
て、工業的製造方法としては問題がある。
を出発原料としているので製造コストが高い。また、ア
ルミナ粉末およびアルミニウム金属粉末を添加混合する
工程で無定形窒化けい素と均一に混合するのは難しく、
特に低Z値のβ−サイアロンが合成しにくい。したがっ
て、工業的製造方法としては問題がある。
ニ.問題点を解決するための手段 本発明者等は、上記従来のβ−サイアロン粉末の製造
方法の欠点を解決するため鋭意研究をした結果、本発明
に到達した。
方法の欠点を解決するため鋭意研究をした結果、本発明
に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、アルコールを添加したホ
ワイトカーボンのスラリーとアルミニウムアルコキシド
とを混合し、その混合スラリーに水を加えてアルミニウ
ムアルコキシドを加水分解させ、さらにカーボン質原料
を添加したのち、そのスラリーを乾燥し、得られた乾燥
物を還元窒化反応させることを特徴とするβ−サイアロ
ン粉末の製造方法にある。
ワイトカーボンのスラリーとアルミニウムアルコキシド
とを混合し、その混合スラリーに水を加えてアルミニウ
ムアルコキシドを加水分解させ、さらにカーボン質原料
を添加したのち、そのスラリーを乾燥し、得られた乾燥
物を還元窒化反応させることを特徴とするβ−サイアロ
ン粉末の製造方法にある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するけい素源としてのホワイトカーボン
には、水ガラス水溶液を中和攪拌、洗浄して製造した微
粉のシリカおよび四塩化けい素を熱分解して製造したシ
リカアエロジル等が挙げられる。その平均粒径は3μm
以下が好ましく、それより大きいと合成したβ−サイア
ロン粉末中に、中間生成物(たとえば、酸窒化けい素)
が残存し、純度を低下させる場合があるので好ましくな
い。
には、水ガラス水溶液を中和攪拌、洗浄して製造した微
粉のシリカおよび四塩化けい素を熱分解して製造したシ
リカアエロジル等が挙げられる。その平均粒径は3μm
以下が好ましく、それより大きいと合成したβ−サイア
ロン粉末中に、中間生成物(たとえば、酸窒化けい素)
が残存し、純度を低下させる場合があるので好ましくな
い。
アルミ源として使用するアルミニウムアルコキシドに
は、固体状のアルミニウムイソプロポキシド(Al(i−
OC3H7)3)(以下AIPとする)や液状のアルミニウムモ
ノブトキシジイソプロポキシドAl(i−OC3H7)2(sec
−OC4H9)(以下AMDとする)が挙げられる。固体状のア
ルミニウムアルコキシドを使用する場合は、イソプロピ
ルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキサン等
に溶かして使用する。液状のアルミニウムアルコキシド
を使用する場合はそのまま使用してもよいし、上記有機
溶媒で希釈して使用してもよい。
は、固体状のアルミニウムイソプロポキシド(Al(i−
OC3H7)3)(以下AIPとする)や液状のアルミニウムモ
ノブトキシジイソプロポキシドAl(i−OC3H7)2(sec
−OC4H9)(以下AMDとする)が挙げられる。固体状のア
ルミニウムアルコキシドを使用する場合は、イソプロピ
ルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキサン等
に溶かして使用する。液状のアルミニウムアルコキシド
を使用する場合はそのまま使用してもよいし、上記有機
溶媒で希釈して使用してもよい。
還元剤として使用するカーボン質原料としては、ファ
ーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック
等のカーボンブラックや熱分解してカーボンを生成する
有機化合物粉末が使用でき、これに該当するものとして
フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹
脂等が挙げられる。
ーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック
等のカーボンブラックや熱分解してカーボンを生成する
有機化合物粉末が使用でき、これに該当するものとして
フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹
脂等が挙げられる。
ホワイトカーボン、アルミニウムアルコキシド、カー
ボン質原料の配合は以下の通り行う。βサイアロンはSi
6-ZAlzOzN8-Zで表わされ、0<Z≦4.2の範囲の連続固
溶体である。本発明では上記Z値範囲の内、Z値が0.1
以上4.2以下、好ましくは0.25以上3.4以下になるように
配合する。
ボン質原料の配合は以下の通り行う。βサイアロンはSi
6-ZAlzOzN8-Zで表わされ、0<Z≦4.2の範囲の連続固
溶体である。本発明では上記Z値範囲の内、Z値が0.1
以上4.2以下、好ましくは0.25以上3.4以下になるように
配合する。
すなわちホワイトカーボン(けい素分)とアルミニウ
ムアルコキシド(アルミ分)は、原子比でAl/(Si+Al
分)が0.1/6.0以上4.2/6.0以下で配合する。Z値が0.1
より小さい場合はAl分が少ないので、窒化けい素の組成
に近くなり、サイアロンの性質である耐酸化性、高温強
度等が発揮できなくなり好ましくない。4.2より大きい
場合は、アルミ分の固溶範囲よりβ−サイアロンの他に
AlNのポリタイプが生成したりして好ましくない。
ムアルコキシド(アルミ分)は、原子比でAl/(Si+Al
分)が0.1/6.0以上4.2/6.0以下で配合する。Z値が0.1
より小さい場合はAl分が少ないので、窒化けい素の組成
に近くなり、サイアロンの性質である耐酸化性、高温強
度等が発揮できなくなり好ましくない。4.2より大きい
場合は、アルミ分の固溶範囲よりβ−サイアロンの他に
AlNのポリタイプが生成したりして好ましくない。
カーボン質原料の配合量はカーボンに換算し、理論的
にはサイアロンを生成するための必要量以上あればよ
い。しかしそのカーボン量はサイアロンのZ値、すなわ
ち原料でのホワイトカーボンおよびアルミニウムアルコ
キシドをシリカ分とアルミナ分に換算した比率によって
異なる。例えば、Z=0.5のサイアロンを合成する場合
は反応式は一般式(1)、Z=2.0のサイアロンを合成
する場合は一般式(2)で表わされる。これをシリカ、
アルミナ、カーボンに換算した重量比で示すとZ=0.5
の場合はシリカ100重量部、アルミナ7.7重量部、カーボ
ン40.8重量部、またZ=2.0の倍はシリカ100重量部、ア
ルミナ42.4重量部、カーボン44.9重量部となる。上記の
如く、Z値によって理論カーボン量は異なる。
にはサイアロンを生成するための必要量以上あればよ
い。しかしそのカーボン量はサイアロンのZ値、すなわ
ち原料でのホワイトカーボンおよびアルミニウムアルコ
キシドをシリカ分とアルミナ分に換算した比率によって
異なる。例えば、Z=0.5のサイアロンを合成する場合
は反応式は一般式(1)、Z=2.0のサイアロンを合成
する場合は一般式(2)で表わされる。これをシリカ、
アルミナ、カーボンに換算した重量比で示すとZ=0.5
の場合はシリカ100重量部、アルミナ7.7重量部、カーボ
ン40.8重量部、またZ=2.0の倍はシリカ100重量部、ア
ルミナ42.4重量部、カーボン44.9重量部となる。上記の
如く、Z値によって理論カーボン量は異なる。
22SiO2Al2O3+15N2+45C =4Si5.5Al0.5O0.5N7.5+45CO 式(1) 4SiO2+Al2O3+3N2+9C=Si4Al2O2N6+9CO 式(2) 実際にサイアロンを製造する場合のカーボン添加量は
理論量以上あればよいが、その上限は経済性を考慮すれ
ば理論量の4倍以下で十分である。理論量以下では還元
が不十分で、中間生成物である酸窒化けい素が残存した
りして好ましくない。
理論量以上あればよいが、その上限は経済性を考慮すれ
ば理論量の4倍以下で十分である。理論量以下では還元
が不十分で、中間生成物である酸窒化けい素が残存した
りして好ましくない。
ホワイトカーボン、アルミニウムアルコキシド、カー
ボン質原料は以下の方法で混合する。ホワイトカーボン
にエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、
n−ヘキサン等の有機溶媒を添加して、アルコールがホ
ワイトカーボン全体に行き渡るように予備混合し、スラ
リーをつくる。次に該スラリーにAMD等の液体のアルミ
ニウムアルコキシドまたはアルコールに溶かしたアルミ
ニウムイソプロポキシド等の固体状のアルミニウムアル
コキシドを加え、全体が均一になるようにスラリーを攪
拌する。次にアルミニウムアルコキシドを加水分解する
ために水を添加する。その添加量は加水分解暗能を起こ
すための理論量以上あればよいが、多くても理論量の4
〜5倍以下で十分である。水は一度に全量添加するので
はなく、できるだけ少量づつ加え、しかもスラリーを攪
拌しながら添加するのがよい。水を一度に添加した場
合、アルミニウムアルコキシドが局部的に加水分解して
非晶質アルミナ含水物が凝集してホワイトカーボンとの
混合が不均一となるので好ましくない。水を少量づつ添
加して徐々に加水分解させることにより、非晶質アルミ
ナ含水物とホワイトカーボンの混合が均一になる。次に
該スラリーの中にカーボン質原料を添加する。この際、
均一混合しやすいように必要に応じてスラリーを攪拌し
ながら水を加え粘性調整を行う。上記方法で作製したホ
ワイトカーボン、非晶質アルミナ含水物、カーボンの混
合スラリーは通常の方法、例えばスプレードライによる
乾燥やフィルタープレスによる脱水後のロータリードラ
イヤーによる乾燥等の方法で乾燥する。
ボン質原料は以下の方法で混合する。ホワイトカーボン
にエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、
n−ヘキサン等の有機溶媒を添加して、アルコールがホ
ワイトカーボン全体に行き渡るように予備混合し、スラ
リーをつくる。次に該スラリーにAMD等の液体のアルミ
ニウムアルコキシドまたはアルコールに溶かしたアルミ
ニウムイソプロポキシド等の固体状のアルミニウムアル
コキシドを加え、全体が均一になるようにスラリーを攪
拌する。次にアルミニウムアルコキシドを加水分解する
ために水を添加する。その添加量は加水分解暗能を起こ
すための理論量以上あればよいが、多くても理論量の4
〜5倍以下で十分である。水は一度に全量添加するので
はなく、できるだけ少量づつ加え、しかもスラリーを攪
拌しながら添加するのがよい。水を一度に添加した場
合、アルミニウムアルコキシドが局部的に加水分解して
非晶質アルミナ含水物が凝集してホワイトカーボンとの
混合が不均一となるので好ましくない。水を少量づつ添
加して徐々に加水分解させることにより、非晶質アルミ
ナ含水物とホワイトカーボンの混合が均一になる。次に
該スラリーの中にカーボン質原料を添加する。この際、
均一混合しやすいように必要に応じてスラリーを攪拌し
ながら水を加え粘性調整を行う。上記方法で作製したホ
ワイトカーボン、非晶質アルミナ含水物、カーボンの混
合スラリーは通常の方法、例えばスプレードライによる
乾燥やフィルタープレスによる脱水後のロータリードラ
イヤーによる乾燥等の方法で乾燥する。
乾燥原料を窒素またはアンモニア気流中で1350〜1550
℃、3〜10時間焼成することによりβ−サイアロンを生
成させる。焼成温度が1350℃より低い場合は中間生成物
の酸窒化けい素が存残したりして好ましくない。一方15
50℃より高い温度ではβ−SiCが副生したりして好まし
くない。焼成時間が3時間より短い場合は中間生成物の
酸窒化けい素が存残したりして好ましくない。焼成時間
は10時間以上でも技術的に問題はないが、経済性を考え
れば10時間以内で十分である。焼成は静置式のバッチ炉
または0.2mmφ〜5mmφ程度に造粒後回転キルンや流動焼
成炉で行ってもよい。上記方法で還元窒化した焼成物に
残留カーボンが残る場合は、一般に行われるように600
〜800℃、空気中で酸化除去すればよい。
℃、3〜10時間焼成することによりβ−サイアロンを生
成させる。焼成温度が1350℃より低い場合は中間生成物
の酸窒化けい素が存残したりして好ましくない。一方15
50℃より高い温度ではβ−SiCが副生したりして好まし
くない。焼成時間が3時間より短い場合は中間生成物の
酸窒化けい素が存残したりして好ましくない。焼成時間
は10時間以上でも技術的に問題はないが、経済性を考え
れば10時間以内で十分である。焼成は静置式のバッチ炉
または0.2mmφ〜5mmφ程度に造粒後回転キルンや流動焼
成炉で行ってもよい。上記方法で還元窒化した焼成物に
残留カーボンが残る場合は、一般に行われるように600
〜800℃、空気中で酸化除去すればよい。
ホ.作 用 本発明の如く、ホワイトカーボン、アルミニウムアル
コキシドおよびカーボン質原料を上記の方法で加水分
解、混合した原料を用いることにより、高純度なβ−サ
イアロン粉末が合成できるのは以下の理由によるものと
思われる。
コキシドおよびカーボン質原料を上記の方法で加水分
解、混合した原料を用いることにより、高純度なβ−サ
イアロン粉末が合成できるのは以下の理由によるものと
思われる。
ホワイトカーボンをアルコールでスラリーにした中に
アルミニウムアルコキシドを添加したのち、水を加えて
加水分解することにより、数百オングストロームオーダ
の細かい粒子径でホワイトカーボンと非晶質アルミナ含
水物が均一に混合された状態になる。これはホワイトカ
ーボンが核となって加水分解が進行するための考えら
れ、ホワイトカーボンに対して少量のアルミ分を均一に
混合する手段として有望な方法と思われる。そのため、
その後の工程でカーボンを混合し、乾燥、還元窒化する
ことにより、均一なβ−サイアロン粉末が合成できる。
上記の方法は、ホワイトカーボンと非晶質アルミナ含水
物を均一に混合できる方法であるので、特にアルミ分の
少ない低Z置のβ−サイアロンを製造するには有望な方
法である。またホワイトカーボン、非晶質アルミナ含水
物は通常のシリカ、アルミナ原料よりも高活性で還元窒
化され易いので均一で未反応物および中間生成物がない
β−サイアロンが製造できる。
アルミニウムアルコキシドを添加したのち、水を加えて
加水分解することにより、数百オングストロームオーダ
の細かい粒子径でホワイトカーボンと非晶質アルミナ含
水物が均一に混合された状態になる。これはホワイトカ
ーボンが核となって加水分解が進行するための考えら
れ、ホワイトカーボンに対して少量のアルミ分を均一に
混合する手段として有望な方法と思われる。そのため、
その後の工程でカーボンを混合し、乾燥、還元窒化する
ことにより、均一なβ−サイアロン粉末が合成できる。
上記の方法は、ホワイトカーボンと非晶質アルミナ含水
物を均一に混合できる方法であるので、特にアルミ分の
少ない低Z置のβ−サイアロンを製造するには有望な方
法である。またホワイトカーボン、非晶質アルミナ含水
物は通常のシリカ、アルミナ原料よりも高活性で還元窒
化され易いので均一で未反応物および中間生成物がない
β−サイアロンが製造できる。
一方、この方法で製造した原料はシリコンアルコキシ
ド、アルミニウムアルコキシドから製造した原料のよう
に炉内で固結することもなく反応性の高い状態で還元窒
化ができるので、工業的にサイアロンを製造するための
原料として適している。これは、シリコンアルコキシド
とアルミニウムアルコキシドから製造する方法と比較し
て原料が焼成中に粘着性とならないので、固結化が起こ
らないためと思われる。
ド、アルミニウムアルコキシドから製造した原料のよう
に炉内で固結することもなく反応性の高い状態で還元窒
化ができるので、工業的にサイアロンを製造するための
原料として適している。これは、シリコンアルコキシド
とアルミニウムアルコキシドから製造する方法と比較し
て原料が焼成中に粘着性とならないので、固結化が起こ
らないためと思われる。
ヘ.実施例 次に本発明を実施例によって説明する。
下記のホワイトカーボン、アルミニウムアルコキシ
ド、カーボンブラックを用いてβ−サイアロン粉末の合
成実験を行った。
ド、カーボンブラックを用いてβ−サイアロン粉末の合
成実験を行った。
1)ホワイトカーボン 多木化学(株)社製 ゼオシール1000V 2)アルミニウムアルコキシド コルコート(株)社製 アルミニウムイソプロポキシド(AIP) 川研ケミカル(株)社製 アルミニウムモノブトキシジイソプロポキシド(AMD) 3)カーボンブラック 三菱化成(株) カーボンブラックMA−200RB 実施例1 ホワイトカーボン(ゼオシール1000V)100重量部にイ
ソプロピルアルコール500重量部を加え、ポットミルで
1時間混合した。該混合スラリーにAMD29重量部加えた
のち、攪拌しながら水10重量部を少量づつ滴下しながら
加えた。
ソプロピルアルコール500重量部を加え、ポットミルで
1時間混合した。該混合スラリーにAMD29重量部加えた
のち、攪拌しながら水10重量部を少量づつ滴下しながら
加えた。
次にアンモニア水を2重量部、カーボンブラック70数
量部を加え、ポットミルで1時間混合して原料スラリー
をつくった。該スラリーをスプレードライヤーで乾燥し
たのち、転動造粒機で1mmφに造粒した。該造粒原料を
小型流動層式合成炉を使用し、1480℃、6時間、N2ガス
雰囲気下で流動焼成を行った。炉内に原料が固結するこ
ともなく流動焼成することができた。焼成物を空気中、
700℃、5時間焼成して脱カーボンを行った。得られた
粉末についてX線解析を行った結果、β−サイアロン
(Z=0.5)が生成していた。
量部を加え、ポットミルで1時間混合して原料スラリー
をつくった。該スラリーをスプレードライヤーで乾燥し
たのち、転動造粒機で1mmφに造粒した。該造粒原料を
小型流動層式合成炉を使用し、1480℃、6時間、N2ガス
雰囲気下で流動焼成を行った。炉内に原料が固結するこ
ともなく流動焼成することができた。焼成物を空気中、
700℃、5時間焼成して脱カーボンを行った。得られた
粉末についてX線解析を行った結果、β−サイアロン
(Z=0.5)が生成していた。
ト.効 果 本発明の方法によれば、炉内で原料が固結することも
なく、高純度のβ−サイアロン粉末を合成することがで
きる。またホワイトカーボンと非晶質アルミナ含水物と
の均一混合ができるので、アルミ分の少ない低Z置のβ
−サイアロン粉末も合成できる。
なく、高純度のβ−サイアロン粉末を合成することがで
きる。またホワイトカーボンと非晶質アルミナ含水物と
の均一混合ができるので、アルミ分の少ない低Z置のβ
−サイアロン粉末も合成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩貝 達也 東京都江東区清澄1―2―23 日本セメ ント株式会社中央研究所内 (72)発明者 林 睦夫 東京都江東区清澄1―2―23 日本セメ ント株式会社中央研究所内 (72)発明者 山岸 千丈 東京都江東区清澄1―2―23 日本セメ ント株式会社中央研究所内 審査官 板橋 一隆
Claims (1)
- 【請求項1】アルコールを添加したホワイトカーボンの
スラリーとアルミニウムアルコキシドとを混合し、その
混合スラリーに水を加えてアルミニウムアルコキシドを
加水分解させ、さらにカーボン質原料を添加したのち、
そのスラリーを乾燥し、得られた乾燥物を窒素又はアン
モニア雰囲気中、1350〜1550℃で3〜10時間還元窒化反
応させることを特徴とするβ−サイアロン粉末の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16638188A JP2660199B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | β−サイアロン粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16638188A JP2660199B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | β−サイアロン粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0218308A JPH0218308A (ja) | 1990-01-22 |
JP2660199B2 true JP2660199B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=15830362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16638188A Expired - Lifetime JP2660199B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | β−サイアロン粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2660199B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113800529B (zh) * | 2021-11-02 | 2022-12-30 | 怀化学院 | 一种白炭黑的制备方法及白炭黑 |
-
1988
- 1988-07-04 JP JP16638188A patent/JP2660199B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0218308A (ja) | 1990-01-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1435371A (zh) | 一种制备氮化铝粉末的方法 | |
JPS6121568B2 (ja) | ||
JPS62167209A (ja) | α−サイアロン質粉末及びその製造法 | |
JPS62129000A (ja) | 炭化けい素ウイスカ−の製造方法 | |
JP2660199B2 (ja) | β−サイアロン粉末の製造方法 | |
JPS62241812A (ja) | 窒化珪素の製造法 | |
JPH0339967B2 (ja) | ||
Jiang et al. | Synthesis and pyrolysis of novel polymeric precursors to TiC/Al2O3, TiN/Al2O3, and AlN/TiN nanocomposites | |
JPH0425204B2 (ja) | ||
JPH03261611A (ja) | 窒化けい素複合粉末の製造方法 | |
JPS63239104A (ja) | β相含有窒化ケイ素微粉末の製造方法 | |
JPH0274508A (ja) | β−サイアロン粉末の製造方法 | |
JPS60145902A (ja) | サイアロン質粉末の製造法 | |
AU648108B2 (en) | A proces for the preparation of alpha-silicon nitride powder | |
JPH0214282B2 (ja) | ||
JP2976076B2 (ja) | サイアロン・炭化けい素複合粉末の製造方法 | |
JPS638042B2 (ja) | ||
JPH026305A (ja) | 窒化アルミニウム超微粒子の製造方法 | |
RU2261848C2 (ru) | Способ получения порошка бета-сиалона | |
JPH05147924A (ja) | アルミナ・シリカ系粉末の製造方法 | |
JPH066513B2 (ja) | 窒化物系セラミツクスの製造方法 | |
JPS62297204A (ja) | 炭化けい素または窒化けい素粉末もしくはこれらの複合体粉末の製造法 | |
JP3496795B2 (ja) | 窒化珪素質粉末の製造方法 | |
RU2114055C1 (ru) | Способ получения порошка на основе нитрида алюминия | |
JPS59203714A (ja) | 窒化珪素の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |