JP2660126B2 - 周波数変動抑制装置 - Google Patents

周波数変動抑制装置

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JP2660126B2
JP2660126B2 JP3294761A JP29476191A JP2660126B2 JP 2660126 B2 JP2660126 B2 JP 2660126B2 JP 3294761 A JP3294761 A JP 3294761A JP 29476191 A JP29476191 A JP 29476191A JP 2660126 B2 JP2660126 B2 JP 2660126B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/16Mechanical energy storage, e.g. flywheels or pressurised fluids

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に小規模な電力系統
の周波数変動抑制に有効なフライホイール発電電動機に
よる周波数変動抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、日本の電力系統は交流系統
であり、良質の電気とは、その周波数の変動が極力少な
いことである。そして、その電力系統の周波数変動は、
発電電力と消費電力の差によって発生する。交流で接続
された電力系統の周波数は、どの点においても同一であ
り場所により異なることはない。
【0003】ところで、大規模電力系統では、非常に多
くの発電機と負荷が接続されているので、個々の負荷が
大きく変動してもそれらが同期して変動する確率は非常
に小さい。即ち、大規模の電力系統の負荷の瞬時変動
は、平均化され、発電設備の出力制御が追従することが
できるから電力系統の周波数変動幅は小さい。
【0004】ところが、小規模の電力系統では、瞬時に
変動する大きな負荷が存在すれば、負荷変動の平均化は
困難である。この場合に発電設備の制御が追従すること
ができなければ、電力の供給と負荷との差により周波数
変動を生じる。このように小規模の電力系統の周波数変
動幅は大きい。
【0005】従来、小規模電力系統では上記した周波数
変動を小さくするために、発電設備の制御性改善を図る
一方で、大きな瞬時変動負荷設備の設置を避けている。
その上、電力系統の規模にかかわらず大きな変動負荷は
電力系統に好ましくない影響があることから負荷変動を
補償し、周波数変動を抑制する設備が考えられている。
その一つにフライホイール発電電動機による周波数変動
抑制装置がある。
【0006】ここで、上記した従来の周波数変動抑制装
置の一例を図5を参照して説明する。
【0007】電力系統1には、変動負荷2と巻線型誘導
機3の固定子3aとが接続されている。この巻線型誘導
機3は、その回転子3bに慣性の大きいフライホイール
がついており、制御系により発電機と電力機の動作をす
るためフライホイール発電電動機と呼ばれる。
【0008】電力制御装置4は巻線型誘導機3の回転子
3bの二次電流を制御することにより電力系統1への入
出力電力を制御する。レゾルバ5は巻線型誘導機3の回
転子3bに結合し、回転子3bの回転数を検出する。変
圧器6は巻線型誘導機3の回転子3bの二次電流を流す
ための電源を供給する。目標値制御装置7は、電力制御
装置4に巻線型誘導機3の入出力電力の目標値Pref
を出力する。目標値制御装置7は、電力検出器8と不完
全微分回路9からなる。なお、CT1、CT2は計器用
電流変成器を示す、PTは計器用電圧変成器を示す。
【0009】上記構成で、変動負荷2の電力P2が図6
に示す如く変動した場合の作用について説明する。
【0010】今、図6に示す如くの変動負荷2の電力P
2が、t1時点とt2時点間およびt3時点とt4時点
間でオンとなるように周期的にオンオフを繰り返してい
る状態とする。この場合、仮に以下説明するこの周波数
変動抑制装置がなければ電力系統1から供給される電力
P1は、負荷2の電力P2と同じとなる。
【0011】まず、計器用電流変成器CT1と計器用電
圧変成器PTから電流および電圧を目標値制御装置7の
電力検出器8が入力して、この電力検出器8が電力P2
を検出する。電力検出器8で検出された電力P2に比例
する検出信号P2dは、不完全微分回路9で図6に示す
如くの目標値Prefの波形となり出力される。つま
り、目標値制御装置7では入力電力の変化分のみが目標
値Prefとして出力され、入力電力に変化がないとき
には、出力信号が暫時減衰する。
【0012】電力制御装置4は、この目標値Prefを
入力して、この目標値Prefに基づいて巻線型誘導機
3への電力P3を制御する。即ち、具体的に説明すると
電力制御装置4は、巻線型誘導機3の回転子3bの速度
をレゾルバ5で検出する一方、巻線型誘導機3の固定子
3aの周波数と回転子3bの速度の差に相当するすべり
周波数を巻線型誘導機3の回転子3bの二次巻線に供給
する。これにより、機器の能力から決まる許容範囲内の
任意の回転速度で運転できる。さらに、巻線型誘導機3
の回転子3bの二次電流の位相を変化させると、巻線型
誘導機3を図示電力P3の矢印方向でP3を正として発
電機状態になる。逆に、図示矢印方向と逆向きでP3を
負として電動機状態にすることができる。ここで、図6
の如くの変動負荷2の電力P2の変動があると、まず、
電力制御装置4は、目標値制御装置7より図6の如く、
電力P3とするように急激な目標値Prefを出力す
る。これにより巻線型誘導機3は、発電機状態(P3
正)となり、慣性に蓄えられた回転エネルギーを電気に
変換して電力系統1へ電力P3を出力する。目標値制御
装置7は図6の如く、電力P3とするようにゆるやかに
低下してt2時点で目標値Prefがほとんど零とな
る。これに伴って、電力制御装置4で制御された電力P
3は、ほぼ図6の目標値と同じとなる。なお、図6で
は、説明を簡単にするために目標値Prefと巻線型誘
導機3の電力P3を同じ波形で示している。次に、t3
時点で変動負荷2の電力P2が零となると、図6に示す
如く、目標値制御装置7の目標値Prefは、逆方向に
急激な出力をする。このため、巻線型誘導機3は電動機
状態(P3負)となり、電力系統1の電力を慣性のエネ
ルギーとして蓄え、電力P3はt4時点で0となる。
【0013】このようにして巻線型誘導機3は、t5,
t6,t7時点で図示動作をして変動負荷2の電力変動
をフライホイールの慣性体の回転エネルギーとして蓄え
たり、放出したりして電力P1の変化を平滑化する。こ
の結果、電力P2と電力P3の差となる電力系統1の電
力P1は、電力P2のみの場合に比較して図6に示す如
く、急激な変化が抑制されたものとなり、t1時点から
t2時点まで電力系統1の電力P1は緩慢に上昇し、そ
の後、ゆるやかに降下し、これを繰り返す。
【0014】また、他の公知例として図7に示す目標値
制御装置の如く、電力系統の周波数を検出してその変動
を抑制する方式(特公昭63ー34699電力貯蔵装置
の運転制御方法)もある。
【0015】この装置は、図示しない計器用変圧器PT
より入力した電力を周波数検出器10で電力系統周波数
fを検出する。この検出周波数fと検出周波数設定器1
1の基準周波数f0とを加算器12で加算し、この周波
数偏差Δfを不感帯回路13へ出力する。
【0016】不感帯回路13では、周波数偏差Δfが不
感帯域の+Δf1以上のときリレー14を作動させ、ま
たは、周波数偏差Δfが−Δf1以下のときリレー15
を作動させる。そして、リレー14の接点14Aまたは
リレー15の接点15Aの動作に対応して目標設定回路
16、17の電力設定器の設定値が不完全微分回路18
に出力される。
【0017】不完全微分回路18では、動作時急変しそ
の後暫時減衰する信号ΔPを出力する。そして、この信
号ΔPは、加算器19で定常出力設定器20の定常出力
P0(ここでは、P=0)が加算され、目標値Pref
を出力する。このようにして得られた目標値Pref
は、図5で説明したと同様の目標値Prefとして電力
の制御に用いられる。
【0018】その他上記以外にも、水車発電機のガイド
弁の操作や蒸気タービン発電機の蒸気加減弁を操作して
発電設備の出力制御をする手段もある。ところが、最終
的に機械的な操作が介在する手段に比べこのフライホイ
ール発電電動機は、その電力制御が電気的な制御のみで
行え容易に高速制御ができるから、急激に変動する負荷
に対応する設備として適したシステムである。
【0019】但し、フライホイール発電電動機は、フラ
イホイール発電電動機に出し入れできるエネルギーには
限界がある。従って、長時間にわたる負荷電力と発電電
力との不平衡を補償するためのものでなく、発電設備の
制御が追従するまでの過渡的な補償に役立つ。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の周波数変動抑制装置には、次の問題がある。
【0021】まず、第一に、図5および図6において説
明したフライホイール発電電動機の制御では、特定の変
動負荷を対象とした制御である。従って、上記制御で
は、特定の負荷の変動を補償してその負荷の電力系統に
与える影響を軽減することはできる。ところが、上記制
御では、変動負荷パターンや補償の程度によっては、電
力系統の周波数変動を目標値内に抑制することはできな
いという問題がある。
【0022】周波数変動抑制のためには個々の負荷変動
よりも電力系統の総合負荷の変動が問題である。従っ
て、大きな変動負荷が電力系統の各所に散在する場合に
は、負荷電力の検出が技術的には容易とは言っても経済
的なことではない。また、各々の変動負荷に対して負荷
変動補償設備を設けることも不経済である。
【0023】第二に、図7で説明した従来例は、常時の
緩慢な周波数変動幅の小さい大規模電力系統において、
特に大きい短時間周波数変動が発生したときにそれを抑
圧するには有効な装置である。ところが、常時の緩慢な
周波数変動幅が大きく、かつ、それに短時間変動が重な
る小規模電力系統には適した装置ではない。その理由
は、基準周波数f0との偏差として求めた周波数偏差Δ
fには、緩慢な大きな変動も含まれる。このことからエ
ネルギ−の電力の出し入れの大きい緩慢な変動に対して
フライホイール発電電動機では対処することができない
ためである。
【0024】そこで、本発明は、少数の適性容量のフラ
イホイール発電電動機により電力系統の周波数変動の軽
減させる周波数変動抑制装置を提供することを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、負荷変動に応
じてフライホイール発電電動機の入出力電力を制御し電
力系統の周波数変動を抑制する周波数変動抑制装置にお
いて、電力系統の周波数を検出する周波数検出手段と、
この周波数検出手段で検出された周波数信号を不完全微
分する第一の不完全微分手段と、この第一の不完全微分
手段に出力信号をさらに不完全微分する第二の不完全微
分手段と、この第二の不完全微分手段の出力信号を目標
値としてフライホイール発電電動機の入出力電力を制御
する電力制御装置とを設けるようにしたものである。
【0026】
【作用】上記構成で、電力系統からの周波数信号を2段
の不完全微分機能を通すことで緩慢な変動が除去され周
波数の変化分に対応した信号が得られる。このため、こ
の信号でフライホイール発電電動機の入出力電力を制御
することにより、一般の発電設備の制御が追従できない
急激な変動のみをフライホイール発電電動機で補償して
電力系統からの周波数変動を小さくすることができ、さ
らに、この電力系統の周波数からフライホイール発電電
動機の目標値を得ている。これにより複数の変動負荷の
総合されたものの平均化された結果に対して補償を行う
ので、より容量の小さいフライホイール発電電動機で周
波数変動抑制作用がある。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0028】図1は本発明の一実施例を示す周波数変動
抑制装置のブロック構成図である。図5と同一符号は、
同一部分または相当部分を示す。図5と異なる点は、従
来の目標値制御装置7の替わりに目標値制御装置21を
備え、これを周波数検出器22、第一の不完全微分回路
23、第二の不完全微分回路24および不感帯回路25
で構成した点である。
【0029】ここで、周波数検出器22は、計器用変圧
器PTを介してその周波数を検出する。
【0030】第一の不完全微分回路23は、一般に不完
全微分と呼ばれる伝達関数TaS/1+TaSで示され
周波数検出器22の検出信号fdの変化に比例しつつ不
完全微分時定数で減衰する信号faを出力する。第二の
不完全微分回路24は、TbS/1+TbS伝達関数で
示され、入力信号faの緩慢な変化分を除去し、信号f
bを出力する。
【0031】不感帯回路25は、信号fbが関数設定値
fc以上関数設定値fd以下のときは零を出力する。ま
た、不感帯回路25は信号fbが関数設定値fd以上の
ときは、信号fbと図示関数設定値との偏差を出力する
一方、信号fbが関数設定値fc以下のとき信号fbと
図示関数設定値との偏差を出力する。
【0032】上記構成で、変動負荷2の電力が変動する
と、これに伴って、電力系統1の周波数が変動する。こ
の電力系統1の周波数は、計器用変圧器PTを介して目
標値制御装置21の周波数検出器22に出力される。こ
の周波数検出器22で電力系統1の周波数に比例した信
号fdを検出して出力する。
【0033】次に、この信号fdは、第一の不完全微分
回路23にて、信号fdの変化に比例しつつ不完全微分
時定数で減衰する信号faを出力する。これを別の表現
にすると、信号faは周波数信号fdの平均値からの変
化分の信号となる。続いて、信号faは、第二不完全微
分回路24にて、その中に含まれている緩慢な変化分を
除去した信号fbを出力する。
【0034】次の不感帯回路25では、信号fbがfc
以下またはfd以上のとき信号fbと図示関数設定値と
の偏差を出力する。不感帯回路25の出力信号は目標値
Prefとして電力制御装置4に与えられる。
【0035】電力制御装置4では、電力系統1に接続さ
れた巻線型誘導機3の固定子3a回転磁界と、レゾルバ
5で検出された回転子3bの回転数との差に相当するす
べり周波数で二次電流を供給し、回転子3bの回転速度
を制御する。この場合、目標値制御装置21からの目標
値信号Prefに追従するように上記二次電流の大きさ
と位相を制御する。そして、巻線型誘導機3の二次電流
の位相を目標値信号Prefに基づいて変化させること
により図示矢印方向の発電状態(P3正)または図示矢
印の逆方向の電動機状態(P3負)に制御される。ここ
で、発電機の状態(P3正)では、慣性に蓄えられた回
転エネルギーが電気に変換され回転速度は低下する。逆
に、電動機状態(P3負)では電力系統1から電力が慣
性の回転エネルギーとして蓄えられる。
【0036】このようにして、変動負荷2の電力P2を
目標値制御装置21の目標値Pref基づいて巻線型誘
導電動機3が電力を入出力して、電力系統1の全体の電
力の供給と負荷のバランスを保つ。よって、電力系統の
総発電電力と総負荷電力の差によって発生する周波数変
動の内、発電設備の追従できない速い周波数変動が抑制
される。
【0037】以上の作用は、シミュレイション計算で確
認されており、上記説明を補足するため、シミュレイシ
ョン計算の結果を以下に示す。
【0038】ここでは、計算時間の関係から現象を分か
り易くするため、次のような負荷変動条件においてシミ
ュレイション計算を行っている。
【0039】第一に、系統の負荷が1%/秒の割合で増
加し続けており、かつ、5秒周期で初期負荷の±10%
に相当する負荷変動が継続した状態の条件を仮定する。
【0040】第二に、上記1%/秒の負荷増加による周
波数変化には発電機の調速制御が完全に追従して周波数
変化は調速制御系の速度調定率による変化と仮定しす
る。この場合、各々の発電機の速度調定率は、5%程度
であるが、調速制御している発電機が全発電機の50%
と仮定し、総合の速度調定率は10%とした。
【0041】第三に、5秒周期で初期負荷の±10%に
相当する負荷変動による周波数変動には、発電機の調速
制御が全く追従できず、その負荷変化は10秒と仮定し
た全発電機の慣性で緩和された周波数変動となると仮定
する。
【0042】このような条件の下で、例1のシミュレイ
ション計算の結果を図2に示す。例えば、負荷変化P2
と系統周波数変化Δfに対してそのΔfが時定数2秒の
不完全微分機能を1段通過した信号Δfaと、同じ時定
数の不完全微分機能を2段通過した信号Δfbとの各信
号の変化状態を示す。周波数変化Δfはゆっくりと増加
するものと5秒周期で増減するものとが合成されたもの
である。
【0043】この図から不完全微分信号Δfaは、0よ
り僅か正方向にシフトして5秒周期で変化する信号にな
っている。また、不完全微分信号Δfbは、正方向シフ
トが除去されほとんど0中心で変化する信号になってい
る。言い換えると、このシミュレイション計算によれば
不完全微分を2段通すことで長周期成分がほぼ完全に除
去された信号が得られることを示している。
【0044】一方、上記と同じ条件で例2のシミュレイ
ション計算の結果を図3に示す。この例2は、信号Δf
bの極性を反転した信号で図1の巻線型誘導機3の電力
を制御している。P3はフライホイール発電電動機3の
入出力の電力を示し、Jfwは巻線型誘導電動機3のエ
ネルギーを示す。図2と同じ符号は同じ信号を同じスケ
ールで示し、P3はP2と同じスケールで示している。
この場合、本実施例の構成から不感帯回路25を除いて
制御している。
【0045】このシミュレイション計算の結果から本実
施例によって、周波数変化Δfの短周期変動分が抑圧さ
れていることがよく分かる。また、巻線型誘導電動機3
のエネルギーJfwも一定範囲の範囲内で変動している
だけである。周波数変化|Δf|は、時間の経過と共に
大きくなっているが、実際に電力系統で採用されている
AFC(Automatic Frequency C
ontrol)は、調速制御系に比較して応答は遅いこ
とを考慮すれば、|Δf|の最大値はある値に抑制され
ている。さらに最終的には|Δf|はほとんど0に向か
って収束して行くので、フライホイール発電電動機でゆ
っくりとした変化が抑制されないことは全く問題となら
ない。
【0046】例3のシミュレイション計算の結果を図4
に示す。例3は、上記と同じ条件で、目標値Prefに
第一の不完全微分回路の出力の変化分Δfaを使用して
いる。この場合、制御信号にΔfaを使用したため、周
波数変化Δfの長周期成分も抑圧されているが、その代
償としてフライホイール発電電動機としての巻線型誘導
電動機3のエネルギーJfwが変動しながら徐々に放出
され続けていることが分かる。
【0047】このように本実施例によれば、電力系統の
周波数変化の過度的な変動のある値以上の信号によりフ
ライホイール発電電動機の電力が高速に制御できる。従
って、発電設備では応答できない速い周波数変動を抑圧
することができる。そして、従来の如く、各負荷ごとに
電力変動補償を行う装置に比較すれば、本実施例は複数
の負荷の変動の平均化された結果による周波数変化に着
目した制御を行つている。このためより規模の小さく、
かつ、少数のフライホイール発電電動機で目的が達成で
きる。また、変動負荷から地理的に離れた場所に特別な
信号伝送装置を設けることなく設置できる。
【0048】以上本実施例について説明したが他の実施
例として以下のようにしても本実施例と同様に実施でき
る。
【0049】(i)上記した実施例では不感帯回路を設
け微少な周波数変動ではフライホイール発電電動機の入
出力電力を制御しないようにしているが、不感帯回路を
除き微少な周波数変動でもフライホイール発電電動機の
入出力電力を制御するようにしても同様に実施できる。
このことは上記したシミュレイション結果で示した如く
であり、不感帯回路は本発明に不可欠の構成要素ではな
い。
【0050】(ii)上記した実施例のフライホイール
発電電動機は、巻線型誘導機の二次電流調整をする方式
で実現しているが、これに限定する必要はない。つま
り、電力系統の周波数で運転しながら自己の回転速度を
変化させ、回転エネルギーとして貯蔵したエネルギーを
出し入れすることにより入出力の電力を制御できるシス
テムであればよい。例えば、同期機にインバータとコン
バータを組合せたものでもよい。即ち、同期機の電機子
と電力系統とを2組のサイリスタ変換器で接続し各々の
交流側端子を同期機と電力系統に接続し、互いの直流端
子を電流が循環する向きに接続することでも実現でき
る。
【0051】(iii)フライホイール発電電動機の代
わりに超電動コイルとサイリスタ変換器によるエネルギ
ー貯蔵システムや引例の公報にも述べられている如く蓄
電池を使用することもできる。
【0052】(iv)実施例の制御装置は、回路で構成
しているが、その機能が果たすものであれば、その具体
的なハードは実施例の構成に限定されないことは明白で
ある。例えば、ハードとしてディジタル制御装置を用
い、ソフトで所望の機能を実現してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
力系統からの周波数信号を2段の不完全微分機能を通す
ことで緩慢な変動が除去され周波数の変化分に対応した
信号が得られる。このため、この目標値でフライホイー
ル発電電動機の入出力電力を制御することにより、一般
の発電設備の制御が追従できない急激な変動のみをフラ
イホイール発電電動機で補償して電力系統からの周波数
変動を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す周波数変動抑制装置の
ブロック構成図である。
【図2】同装置の例1のシミュレーション計算結果を示
す説明図である。
【図3】同装置の例2のシミュレーション計算結果を示
す説明図である。
【図4】同装置の例3のシミュレーション計算結果を示
す説明図である。
【図5】従来例を示す周波数負荷変動装置のブロック構
成図である。
【図6】同装置の作用を示す説明図である。
【図7】他の従来例を示す周波数負荷変動装置の部分ブ
ロック構成図である。
【符号の説明】
1 電力系統 2 変動負荷 3 巻線型誘導機 4 電力制御装置 5 レゾルバ 21 目標値制御装置 22 周波数検出器 23 第1の不完全微分回路 24 第2の不完全微分回路 25 不感帯回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野原 ▲真▼一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 山本 俊伸 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (56)参考文献 特開 昭59−53038(JP,A) 特公 昭63−34699(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷変動に応じてフライホイール発電電動
    機の入出力電力を制御し電力系統の周波数変動を抑制す
    る周波数変動抑制装置において、前記電力系統の周波数
    を検出する周波数検出手段と、この周波数検出手段で検
    出された周波数信号を不完全微分する第一の不完全微分
    手段と、この第一の不完全微分手段に出力信号をさらに
    不完全微分する第二の不完全微分手段と、この第二の不
    完全微分手段に出力信号を目標値として前記フライホイ
    ール発電電動機の入出力電力を制御する電力制御装置と
    を備えたことを特徴とする周波数変動抑制装置。
JP3294761A 1991-10-16 1991-10-16 周波数変動抑制装置 Expired - Lifetime JP2660126B2 (ja)

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