JP2659914C - - Google Patents

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JP2659914C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、血液浄化器(ダイアライザ、血漿分離器、血液浄化用吸着器等)を
含む血液浄化回路(体外血液循環回路)を自動的にプライミング処理するための 方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 一般に、血液浄化回路は、その使用に際してその度毎に、プライミング処理、
すなわち回路内にプライミング液(一般に、生理食塩水)を導入充填して回路内
の異物および空気を除去する処理、を実施している。 【0003】 すなわち、この種のプライミング処理方法および処理装置においては、例えば
図3(実公平5−19076号公報参照)に示すように、基本的には、動脈側採
血部10から静脈側返血部12へ順次血液ポンプ14、入口側ドリップチャンバ
16、血液浄化器18および出口側ドリップチャンバ20を配置した血液浄化回
路22に対し、その採血および返血両部10、12(コネクタ10a、12a)
を接続して循環回路24を形成すると共に、血液ポンプ14の上流静脈側回路部
分24aには貯留容器26aおよび供給管26bからなるプライミング液供給系
26を接続すると共に、出口側ドリップチャンバ20にはオーバーフロー系28
をそれぞれ接続して構成されている。この場合、プライミング液供給系26には
貯留容器26a内のプライミング液に対する液切れ検出器30および流量調整弁
32を設けると共に、オーバーフロー系28にはクランプ手段34を設け、さら
に出口側ドリップチャンバ20の循環回路の下流側にはクランプ手段36を設け
る。そして、前記液切れ検出器30、両クランプ手段34、36および血液ポン
プ14を、それぞれ操作制御部38を介して所定のプライミング処理操作を行う
ように制御する構成からなる。 【0004】 従って、このような処理方法および/または処理装置(以下、従来技術と称す
る)において、両クランプ手段34、36を開いた状態で血液ポンプ14を駆動
すると、循環回路24内には、この回路24内に滞留される液とプライミング液
供給系26から補給されるプライミング液との混合液が循環され、補給プライミ
ング液に相当する混合液はオーバーフロー系28から排出される。従って、前記 従来技術によれば、一定量のプライミング液に関して、循環回路内を循環する洗
浄(混合)液が増大する。なお、この場合の洗浄液の増大量は、流量調整弁32
を介してプライミング液補給量を調整することにより、任意に調整し得るので、
プライミング効果(循環回路内の異物および空気の除去能率)を向上することが
できることは明らかである。なお、この場合、プライミング処理(工程)は、プ
ライミング液の液切れを検出器30で検出することにより完了(停止)する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前記の従来技術においては、以下に述べるように、なお改良す
べき難点を有していた。 【0006】 すなわち、前記従来技術は、循環回路24に対して、この回路24内の滞留液
および補給プライミング液の混合液を循環することにより、プライミング効果を
向上するように構成されている。しかるに、前記混合液による循環処理工程にお
いて、各回路部分24a、24bおよびプライミング液供給系26並びにオーバ
ーフロー系28における液の流れ方向は、いずれも矢印で示される一方向に限定
されている。このため、前記従来技術においては、特に出口側ドリップチャンバ
20からプライミング液供給系26の連結点40に至る間の静脈側回路部分24
aにおいて、先ずこの間の長い下向き配管のために空気抜きが良好には行われず
、またこの間に存在する異物(ごみ、薬品等)は動脈側回路部分24bへ流れて
行き、これが動脈側回路部分24bや血液浄化器18に付着し易いため、洗浄効
果を十分に発揮させることができなかった。なお、洗浄に関しては、循環時に汚
染されたプライミング液に、限られた量の新しい清浄なプライミング液を補充し
ながら、その一部をオーバーフローさせる方法のため、前記静脈側回路部分24
aだけではなく、動脈側回路部分24bを含む全循環回路24において、その洗
浄効果には限界があった。また、前記従来技術においては、2つの制御クランプ
手段34、36を必要とすることから、構成が比較的複雑かつ高価となる難点も
有していた。 【0007】 そこで、本発明の目的は、プライミング効果を十分に達成すると共に、比較的
簡単に構成することができる血液浄化回路の自動プライミング処理方法および装
置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するため、本発明に係る血液浄化回路の自動プライミング処理
方法は、血液ポンプと血液浄化器とを備える血液浄化回路の両端に動脈側採血部
と静脈側返血部とを設け、これらの動脈側採血部と静脈側返血部とを接続して循
環回路を構成し、血液浄化器の上流側に血液ポンプを配置すると共にこの血液ポ
ンプと動脈側採血部との間にプライミング液供給系を接続し、血液浄化器と静脈
側返血部との間に開閉手段を設けると共に、血液浄化器と前記開閉手段との間に
オーバーフロー方式により排液可能なオーバーフロー系を設けて前記血液ポンプ
を駆動することにより該血液浄化回路内にプライミング液を充填可能に構成して
血液浄化回路を自動プライミング処理する方法において、最初に前記循環回路に
対してプライミング液供給系からのプライミング液をそれ自体の落差を利用して
血液ポンプの上流静脈側回路部分から前記オーバーフロー系へと流動させる静脈
側洗浄排出工程と、次いでプライミング液供給系からのプライミング液をそれ自
体の落差および血液ポンプの吐出圧力を利用して血液ポンプの下流動脈側回路部
分から前記オーバーフロー系へと流動させる動脈側洗浄排出工程と、そして前記
両工程の後に循環回路内の滞留液を血液ポンプの吐出圧力により該循環回路全体
に循環させる全体洗浄循環工程を行わせることを特徴とする。 【0009】 この場合、前記静脈側洗浄排出工程と、動脈側洗浄排出工程と、全体洗浄循環
工程とを実施するプライミング処理の終了後に、さらに静脈側洗浄排出工程およ
び/または動脈側洗浄排出工程を実施するようにすることができる。また、前記
静脈側洗浄排出工程および動脈側洗浄排出工程の後に、さらに全体洗浄循環工程
を継続させると共に、その後に前記動脈側洗浄排出工程と全体洗浄循環工程とを それぞれ一回もしくは複数回繰り返すように実施することもできる。さらに、前
記全体洗浄循環工程において、循環回路内の滞留液に対し、プライミング液供給
に設けた開閉手段を操作することによりプライミング液を供給および停止また
一部補給するように実施することもできる。 【0010】 また、前記血液浄化回路の自動プライミング処理方法を実施する装置としては
、血液ポンプと血液浄化器とを備える血液浄化回路の両端に動脈側採血部と静脈
側返血部とを設け、これらの動脈側採血部と静脈側返血部とを接続して循環回路
を構成し、血液浄化器の上流側に血液ポンプを配置すると共にこの血液ポンプと
動脈側採血部との間にプライミング液供給系を接続し、血液浄化器と静脈側返血
部との間に開閉手段を設けると共に、血液浄化器と前記開閉手段との間にオーバ
ーフロー方式により排液可能なオーバーフロー系を設けて前記血液ポンプを駆動
することにより該血液浄化回路内にプライミング液を充填可能に構成してなる血
液浄化回路の自動プライミング処理装置において、プライミング液供給系に液切
れ検出器とプライミング液を供給および停止または一部補給するためのクランプ
手段を設けると共に、血液浄化回路の出口側ドリップチャンバの下流側には開
閉手段として例えばクランプ手段を設け、さらに前記液切れ検出器、両クランプ
手段および血液ポンプに対し、前記血液浄化回路において、プライミング液供給
系からのプライミング液をそれ自体の落差を利用して血液ポンプの上流静脈側回
路部分から前記オーバーフロー系へと流動させる静脈側洗浄排出工程と、プライ
ミング液供給系からのプライミング液をそれ自体の落差および血液ポンプの吐出
圧力を利用して血液ポンプの下流動脈側回路部分から前記オーバーフロー系へと
流動させる動脈側洗浄排出工程と、前記両工程の後に循環回路内の滞留液を血液
ポンプの吐出圧力により該循環回路全体に循環させる全体洗浄循環工程とからな
る処理工程を実施するための制御操作を行う制御手段を設けることを特徴とする
。 【0011】 この場合、入口側ドリップチャンバおよび血液浄化器は、循環回路の上向き配
管部に配置すれば好適である。 【0012】 【作用】 本発明によれば、血液浄化回路を静脈側回路部と動脈側回路部とからなる循環
回路として形成すると共に、この循環回路にプライミング液供給系およびオーバ
ーフロー系を接続したプライミング処理装置に対して、プライミング液供給系に
は液切れ検出器および開閉手段として例えばクランプ手段を設ける共に、前記循
環回路の所定位置すなわち出口側ドリップチャンバの下流側に、開閉手段として
例えばクランプ手段を設けることにより、前記循環回路に対して、静脈側洗浄排
出工程、動脈側洗浄排出工程および全体洗浄循環工程を含む各処理工程を、適宜
組合せて実施することができる。 【0013】 従って、本発明においては、先ず静脈側回路部分は、静脈側洗浄排出工程にお
いてプライミング液供給系からのプライミング液を、それ自体の落差でこの静脈
側回路部分を通り、オーバーフロー系へと直接かつ上向きに流動させることによ
り、良好な空気抜きと十分な洗浄効果を達成し得ることは明らかである。次に、
動脈側回路部分は、動脈側洗浄排出工程においてプライミング液供給系からのプ
ライミング液を、それ自体の落差および血液ポンプの吐出圧力でこの動脈側回路
部分を通り、オーバーフロー系へと直接流動させることにより、十分な洗浄効果
を達成し得ることは明らかである。なお、前記静脈および動脈側の両回路部分す
なわち循環回路全体に、空気および異物が残留していると、全体洗浄循環工程に
おいて循環回路内の滞留液を血液ポンプの吐出圧力により、これらを回路全体に
循環させることになり、回路内の所定部位すなわち出口側ドリップチャンバに集
積させることができる。そして、次に実施される動脈側洗浄排出工程において、
オーバーフロー系へ円滑に排出させることができる。 【0014】 【実施例】 次に、本発明に係る血液浄化回路の自動プライミング処理方法につき、この方
法を実施する装置との関係において、添付図面を参照しながら以下詳細に説明す る。なお、説明の便宜上、図3に示す従来の構造と同一の構成部分には同一の参
照符号を付し、詳細な説明は省略する。 【0015】 図1において、先ず本発明の自動プライミング処理装置の基本的構成は、前記
従来の処理装置(図3)と同一である。従って、重複するが理解を容易にするた
め再び簡単に説明する。すなわち、動脈側採血部10から静脈側返血部12へ順
次血液ポンプ14、入口側ドリップチャンバ16、血液浄化器(例えば、ダイア
ライザ)18および出口側ドリップチャンバ20を配置した血液浄化回路22に
対して、その採血および返血両部10、12(コネクタ10a、12a)を接続
して循環回路24を形成する。次に、血液ポンプ14の上流静脈側回路部分24
aには、貯留容器26aおよび供給管26bからなるプライミング液供給系26
を接続すると共に、出口側ドリップチャンバ20にはオーバーフロー系28を接
続した構成からなる。 【0016】 しかるに、本発明においては、前記構成において、プライミング液供給系26
には、貯留容器26a内のプライミング液に対する液切れ検出器50および開閉
手段としてのクランプ手段52を設けると共に、出口側ドリップチャンバ20の
循環回路の下流側には、開閉手段としてのクランプ手段54を設ける。そして、
これら液切れ検出器50、両クランプ手段52、54および血液ポンプ14を、
それぞれ操作制御部56を介して所定のプライミング処理操作を行うように構成
する。なお、入口側ドリップチャンバ16および血液浄化器18は、それぞれ上
向き配管部に配置すると共に、それぞれ段部を形成して下向き配管部を可及的に
短くするように構成する。これは、後述するように、空気および異物の排出能力
を増大して、プライミング効果を向上するためである。 【0017】 従って、本発明においては、前記構成において、循環回路24に対して、静脈
側洗浄排出工程(第1種処理工程)、動脈側洗浄排出工程(第2種処理工程)お
よび全体洗浄循環工程(第3種処理工程)を含む各処理工程を順次かつ適宜組合 わせて実施する。すなわち、図2を併せ参照して、先ず初めに、工程0において
待機処理工程を実施し、工程1において第1種処理工程を実施し、工程2におい
て第2種処理工程を実施する。その後、工程3において第3種処理工程を実施し
、工程4において再び第2種処理工程を実施し、さらにその後必要に応じて、工
程5において再び前記処理工程(第3種〜第2種)もしくはその繰返しを実施し
、最後に工程6において完了(停止)処理工程を実施する。 【0018】 なお、この場合、工程0(待機処理工程)は、操作制御部56の待機スイッチ
(図示せず)を入力することにより発動するが、この状態においては、図2に示
すように、プライミング液供給系26のクランプ手段52の作動(閉)を除き、
他の構成要素は非作動(開もしくは停止)に保持される。そして、各部において
液の流れは無い。その後、前記状態において、操作制御部56のプライミングス
イッチ(図示せず)を入力(手動もしくは自動)することにより、前述した各後
続工程1〜6を順次かつ自動的に実施するように構成されている。 【0019】 すなわち、先ず工程1(静脈側洗浄排出工程)が発動されると、プライミング
液供給系26のクランプ手段52が開となることにより、プライミング液供給系
26からのプライミング液が、それ自体の落差で、連結点40から静脈側回路部
分24a(およびこの間のコネクタ10a、12aおよび出口側ドリップチャン
バ20)を通り、オーバーフロー系28へと流動排出される。しかるに、この時
、プライミング液は、静脈側回路部分24a内を直接かつ上向き(*印で図示)
に流動するので、この静脈側回路部分24aの空気抜きおよび洗浄が良好かつ十
分に達成されることは明らかである。 【0020】 次いで、所定時間経過後に、工程2(動脈側洗浄排出工程)が発動されると、
静脈側回路部分24aのクランプ手段54が閉となると共に、血液ポンプ14が
所定状態に運転され、プライミング液供給系26からのプライミング液が、それ
自体の落差および血液ポンプ14の吐出圧力で、連結点40から動脈側回路部分 24b(およびこの間の入口側ドリップチャンバ16および血液浄化器18)を
通り、オーバーフロー系28へと流動排出される。しかるに、この時、プライミ
ング液は、動脈側回路部分24b内を直接に流動すると共に、前記ドリップチャ
ンバ16および血液浄化器18は可及的に短い上向き配管段部内に配置されてい
るので、前述したように空気および異物の排出能力が増大する。従って、動脈側
回路部分24bの空気抜きおよび洗浄を良好かつ十分に達成することができるこ
とは明らかである。 【0021】 このように、本発明において、工程1および工程2におけるプライミング処理
は、ほぼ完全に達成し得るが、さらに効果を向上するために、以下の処理工程を
実施することができる。すなわち、その後、工程3(全体洗浄循環工程)が発動
されると、静脈側回路部分24aのクランプ手段54が開となると共に、プライ
ミング液供給系26のクランプ手段52が閉となることにより、循環回路24内
の滞留プライミング液は、血液ポンプ14の吐出圧力でこの回路24内を循環す
る。従って、空気および異物が、なお回路24内に残留していると、これらの残
留物は、最終的には出口側ドリップチャンバ20に集積される。なお、この時、
血液ポンプ14を高速/停止の繰り返し運転を行うと、前記集積効果を増進する
ことができる。また、この工程3においては、静脈側回路部分24aのクランプ
手段54と共に、プライミング液供給系26のクランプ手段52をも、同時に開
とすることにより、前記滞留プライミング液に対して新鮮なプライミング液をプ
ライミング液供給系26から一部補給するよう構成することもできる。 【0022】 その後、工程4が発動されると、静脈側回路部分24aのクランプ手段54が
閉となると共に、プライミング液供給系26のクランプ手段52が開となること
により、処理工程が再び動脈側洗浄排出工程(工程2)に復帰し、これにより入
口側ドリップチャンバ16内に集積されている残留物(ごみやグリセリン等の薬
品)のみならず、洗浄される回路内全体に含まれている残留物は、オーバーフロ
ー系28から排出される。さらに、その後必要に応じて、工程5において再び前 述の処理工程(第3種)もしくはその繰り返し(第2種〜第3種)を実施するこ
とにより、プライミング効果を更に一層向上し得ることは明らかである。なお、
このことは、比喩的に説明すると、洗濯時には濯ぎながら流すよりも、絞ってか
ら濯ぐ方が、単位洗浄水当りの洗浄効率が高くなることと同じである。 【0023】 また、前記工程4として、工程1(静脈側洗浄排出工程)に復帰させ、さらに
、その後必要に応じて、工程5において再び前述の処理工程(第3種、あるいは
第2種〜第3種)もしくはその繰り返し(第1種〜第3種、あるいは第1種〜第
2種〜第3種)を実施することにより、プライミング効果を向上し得ることは明
らかである。 【0024】 そして、最後に、工程6(完了停止工程)が発動され、液切れ検出器50が貯
留容器26a内のプライミング液の液切れを検出すると、静脈側回路部分24a
のクランプ手段54が開となると共に、プライミング液供給系26のクランプ手
段52が閉となることにより、処理工程は再び全体洗浄循環工程(工程3)に復
帰し、この状態において、プライミング処理が完了(停止)する。 【0025】 また、プライミング処理の完了(停止)に際して、液切れ検出器50を使用す
ることなく、例えば血液ポンプ14の動作信号に基づいてプライミング液の送液
流量を算出すると共に積算するように構成し、所定量のプライミング液が送液さ
れた際に、前記と同様にしてプライミング処理の完了(停止)動作を行うように
構成することもできる。 【0026】 このように、本発明によれば、循環回路(血液浄化回路)の全体、特にその静
脈側回路部分に対して良好な空気抜きおよび洗浄作用を発揮し得るので、十分な
プライミング効果を達成することができる。さらに、本発明は、オーバーフロー
系にはクランプ手段を要せず、また静脈側回路部分のクランプ手段には、血液浄
化装置において通常設けられている気泡検出器連動用クランプを、そのまま流用 することができるので、比較的簡単かつ安価に構成し得る利点を有する。 【0027】 以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定
されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可
能である。 【0028】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明に係る血液浄化回路の自動プライミング処理方法
および処理装置は、血液浄化回路を静脈側回路部分および動脈側回路部分からな
る循環回路に形成すると共に、この循環回路にプライミング液供給系およびオー
バーフロー系を接続したプライミング処理装置に対して、プライミング液供給系
には液切れ検出器および開閉手段としてのクランプ手段を設けると共に、循環回
路の所定位置すなわち出口側ドリップチャンバの下流側には開閉手段としてのク
ランプ手段を設けることによって、前記循環回路に対して、静脈側洗浄排出工程
、動脈側洗浄排出工程および全体洗浄循環工程を含む各処理工程を、それぞれ順
次にかつ適宜工程を組合せて実施できるように構成すれば、静脈側回路部分は、
静脈側洗浄排出工程においてプライミング液供給系からのプライミング液をそれ
自体の落差を利用してこの静脈側回路部分を通りオーバーフロー系へと直接かつ
上向きに流動させて、良好な空気抜きと十分な洗浄効果とを達成することができ
、また動脈側回路部分は、動脈側洗浄排出工程においてプライミング液供給系か
らのプライミング液をそれ自体の落差および血液ポンプの吐出圧力を利用してこ
の動脈側回路部分を通りオーバーフロー系へと直接流動させて、十分な洗浄効果
を達成することができる。なお、仮に空気および異物が循環回路内に残留してい
るとしても、これらは全体洗浄循環工程およびこれに継続する静脈側洗浄排出工
程および/または動脈側洗浄排出工程において、オーバーフロー系へ適正に排出
することができる。 【0029】 従って、本発明によれば、循環回路(血液浄化回路)の全体、特にその静脈側 回路部分に対して十分なプライミング効果を達成することができる。さらに、本
発明は、オーバーフロー系にはクランプ手段を要せず、また静脈側回路部分のク
ランプ手段には、血液浄化装置に通常備えられている気泡検出器連動用クランプ
をそのまま流用することができるので、比較的簡単かつ安価に構成することがで
きる利点を有する。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る血液浄化回路の自動プライミング処理装置の一実施例を示す系統
図である。 【図2】 図1に示す処理装置における自動プライミング処理動作を示す工程説明図であ
る。 【図3】 従来の血液浄化回路の自動プライミング処理装置を示す系統図である。 【符号の説明】 10 動脈側採血部 12 静脈側採血部 10a 採血側コネクタ 12a 返血側コネクタ 14 血液ポンプ 16 入口側ドリップチャンバ 18 血液浄化器 20 出口側ドリップチャンバ 22 血液浄化回路 24 循環回路 24a 静脈側回路部分 24b 動脈側回路部分 26 プライミング液供給系 26a 貯留容器 26b 供給管 28 オーバーフロー系 40 連結点 50 液切れ検出器 52 供給管クランプ手段 54 静脈側回路部分クランプ手段 56 操作制御部

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 血液ポンプと血液浄化器とを備える血液浄化回路の両端に動脈
    側採血部と静脈側返血部とを設け、これらの動脈側採血部と静脈側返血部とを接
    続して循環回路を構成し、血液浄化器の上流側に血液ポンプを配置すると共にこ
    の血液ポンプと動脈側採血部との間にプライミング液供給系を接続し、血液浄化
    器と静脈側返血部との間に開閉手段を設けると共に、血液浄化器と前記開閉手段
    との間にオーバーフロー方式により排液可能なオーバーフロー系を設けて前記血
    液ポンプを駆動することにより該血液浄化回路内にプライミング液を充填可能に
    構成して血液浄化回路を自動プライミング処理する方法において、 最初に前記循環回路に対してプライミング液供給系からのプライミング液をそ
    れ自体の落差を利用して血液ポンプの上流静脈側回路部分から前記オーバーフロ
    ー系へと流動させる静脈側洗浄排出工程と、次いでプライミング液供給系からの
    プライミング液をそれ自体の落差および血液ポンプの吐出圧力を利用して血液ポ
    ンプの下流動脈側回路部分から前記オーバーフロー系へと流動させる動脈側洗浄
    排出工程と、そして前記両工程の後に循環回路内の滞留液を血液ポンプの吐出圧
    力により該循環回路全体に循環させる全体洗浄循環工程を行わせることを特徴と
    する血液浄化回路の自動プライミング処理方法。 【請求項2】 静脈側洗浄排出工程と、動脈側洗浄排出工程と、全体洗浄循環
    工程とを実施するプライミング処理の終了後に、さらに静脈側洗浄排出工程およ
    び/または動脈側洗浄排出工程を実施することからなる請求項1記載の血液浄化
    回路の自動プライミング処理方法。 【請求項3】 静脈側洗浄排出工程および動脈側洗浄排出工程の後に、さらに
    全体洗浄循環工程を継続させると共に、その後に前記動脈側洗浄排出工程と全体
    洗浄循環工程とをそれぞれ一回もしくは複数回繰り返してなる請求項2記載の血
    液浄化回路の自動プライミング処理方法。 【請求項4】 全体洗浄循環工程において、循環回路内の滞留液に対し、プ ライミング液供給系に設けた開閉手段を操作することによりプライミング液を
    給および停止または一部補給してなる請求項1記載の血液浄化回路の自動プライ
    ミング処理方法。 【請求項5】 血液ポンプと血液浄化器とを備える血液浄化回路の両端に動脈
    側採血部と静脈側返血部とを設け、これらの動脈側採血部と静脈側返血部とを接
    続して循環回路を構成し、血液浄化器の上流側に血液ポンプを配置すると共にこ
    の血液ポンプと動脈側採血部との間にプライミング液供給系を接続し、血液浄化
    器と静脈側返血部との間に開閉手段を設けると共に、血液浄化器と前記開閉手段
    との間にオーバーフロー方式により排液可能なオーバーフロー系を設けて前記血
    液ポンプを駆動することにより該血液浄化回路内にプライミング液を充填可能に
    構成してなる血液浄化回路の自動プライミング処理装置において、 プライミング液供給系に液切れ検出器とプライミング液を供給および停止また
    は一部補給するためのクランプ手段を設けると共に、血液浄化回路の出口側ド
    リップチャンバの下流側にクランプ手段を設け、さらに前記液切れ検出器、両ク
    ランプ手段および血液ポンプに対し、前記血液浄化回路において、最初にプライ
    ミング液供給系からのプライミング液をそれ自体の落差を利用して血液ポンプの
    上流静脈側回路部分から前記オーバーフロー系へと流動させる静脈側洗浄排出工
    程と、次いでプライミング液供給系からのプライミング液をそれ自体の落差およ
    び血液ポンプの吐出圧力を利用して血液ポンプの下流動脈側回路部分から前記オ
    ーバーフロー系へと流動させる動脈側洗浄排出工程と、そして前記両工程の後に
    循環回路内の滞留液を血液ポンプの吐出圧力により該循環回路全体に循環させる
    全体洗浄循環工程とからなる処理工程を実施するための制御操作を行う制御手段
    を設けることを特徴とする血液浄化回路の自動プライミング処理装置。

Family

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