JP2659272B2 - セラミックヒータのリード端子接続構造 - Google Patents

セラミックヒータのリード端子接続構造

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徹夫 森山
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は金属電極を持つセラミックヒータに関し、
特にセラミックヒータのリード端子接続構造に関する。
(ロ)従来の技術 従来、セラミックヒータに金属電極を形成し、その電
極にリード端子を接続するためには、セラミック基体表
面に電極となる導電層を形成し、この導電層に各種のろ
う材を用いてリード端子を接続する方法が一般的であ
る。そして金属電極がアルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金の場合、溶射によりアルミニウム層を形成し、し
かる後、Al−Si系、Al−Mg系等のろう材を用いてリード
端子を接続する方法が採用されていた。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかしながら、アルミニウムあるいはアルミニウム合
金においては、その表面に非常に強固でかつ高融点の酸
化膜が常温においても生成されるため、上述したような
ろう付けは容易でなかった。この酸化膜を化学的に溶か
すためには、非常に強力なフラックスが必要とされる
が、ろう付け後そのフラックスを完全に除去しない限
り、アルミニウムが腐食されてしまうという問題があっ
た。そこでその問題をなくすため、Al−Mg系あるいはAl
−Si−Mg系のろう材を用いて、真空中でろう付けする方
法がよく採用されている。この方法は、マグネシウムが
アルミニウム表面の酸化膜を還元するため、フラックス
を必要としないという利点がある反面、真空ろう付け処
理においては、真空引き、加熱、冷却という長い工程を
要するだけでなく、高真空に耐え得る特殊な炉が必要で
あるため、結果としてイニシャルコストが高くなるとい
う欠点があった。
この発明は上記欠点に鑑みてなされたものであり、真
空加熱による種々の問題点を回避でき、フラックスを用
いなくとも簡単かつ瞬時にセラミック基体の電極とリー
ド端子とを接合することのできるセラミックヒータのリ
ード端子接続構造を提供する。
(ニ)課題を解決するための手段 この発明は、セラミック基体に、溶射によって付着形
成されたアルミニウムあるいはアルミニウム合金からな
る電極を有するセラミックヒータにおいて、前記電極の
表面に摩擦はんだ付けのための金属層が形成され、該金
属層の表面に載置されるリード端子を加熱しながら振動
を加えられることにより、前記金属層が熔融され、該リ
ード端子が前記金属層を介して前記電極と接続されてい
ることを特徴とするセラミックヒータのリード端子接続
構造である。
また、摩擦はんだ付けのための金属層は、溶射によっ
て前記セラミック基体に付着形成されていることが好ま
しい。
(ホ)作用 この発明に従えば、前記金属層は、加熱されることに
より熔融し、リード端子及び電極表面の酸化膜は振動が
加えられることによりある程度除去されるとともに、摩
擦はんだ付け可能な金属による還元が進行しやすくなる
ため、前記リード端子と電極とが金属層を介して接合さ
れる。
(ヘ)実施例 以下図に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。
なお、これによってこの発明は限定されるものではな
い。
第1図はこの発明に係るセラミックヒータの一実施例
の要部拡大断面図、第2図はセラミックヒータの全体を
示す斜視図である。両図において、セラミックヒータ1
は、格子状に成型された例えばSiCのような導電性セラ
ミックであり、その対向する側面部2aおよび2bには、ア
ルミニウム電極3が溶射によって付着形成されている。
さらに、前記アルミニウム電極3のリード端子取り付け
部には、摩擦はんだ可能な金属層(以下摩擦はんだ層と
略す)4が溶射により付着形成されている。摩擦はんだ
付け可能な金属としては、例えばナイス株式会社のAlul
4あるいはSol82(ともに商品名)のような、主としてZn
系のろう材があり、この種のろう材はフラックスなしで
ろう付けできるという特徴がある。またリード端子5
は、以下に記す方法により摩擦はんだ層4を介してアル
ミニウム電極3と接合されている。
第3図はこの発明に係るセラミックヒータのリード端
子接合方法を説明するための図である。加熱振動装置6
の下方先端に設けられた鏝7は、ヒータ8によって加熱
され、さらには振動子9により振動するよう構成されて
いる。なお、振動は水平方向に作用され、振動数は例え
ば7200Vpmに設定される。セラミックヒータ1は、安定
した台10にボルト締めなどにより強固に設置された固定
治具11によって固定されている。リード端子5は、摩擦
はんだ層4の表面に当接した状態で載置され、上方より
鏝7がそのリード端子5を押圧するようにして加熱振動
装置6が載置されている。このような状態にてヒータ8
および振動子9を5秒程度作動させると、摩擦はんだ層
4を熔融しながらアルミニウム電極3及びリード端子5
の表面酸化膜を還元あるいは除去するため、濡れ性が良
くなり両者はろう付け固定される。なお、摩擦はんだ層
4の厚さは50μm以上であることが好ましく、具体的に
は100μmであることが好ましい。鏝の温度範囲は450〜
500℃であることが好ましく、過度の加熱は冷却時にひ
びわれを生じるなどの問題があり好ましくない。
摩擦はんだ層4は、溶射により付着形成されているた
め、そのままでもアルミニウム電極3と密着している
が、加熱及び振動を加えることで、より強固に密着した
層が得られる。
なお、摩擦はんだ層4は、摩擦はんだ材を板状に成型
し、アルミニウム電極3とリード端子5との間に挟み込
むだけでもよいが、この方法では作業性が悪くなるた
め、溶射により固着させる方が好ましい。あるいは、前
記加熱振動装置6の鏝7に摩擦はんだ材を溶融付着させ
た後、アルミニウム電極3に鏝をあてがい、ヒータ8及
び振動子9を作動させることにより、摩擦はんだ層を付
着形成してもよい。
(ト)発明の効果 以上のようなリード端子接続構造を用いたこの発明に
よるセラミックヒータは、真空炉のような高価な設備を
必要としないので、イニシャルコストが安くて済むだけ
でなく、簡単かつ瞬時にリード端子を接合することがで
きるので、量産に非常に有利である。またアルミニウム
電極とリード端子とが化学的に結合されるため、長期間
使用していてもその接続部の抵抗劣化が皆無である高品
質なセラミックヒータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例であるリード端子接続部の
要部拡大断面図、第2図は同じくセラミックヒータの外
観を示す斜視図、第3図は同じくリード端子接続方法を
示す説明図である。 1……セラミックヒータ、 2a,2b……側面部、 3……アルミニウム電極、 4……摩擦はんだ層、5……リード端子、 6……加熱振動装置、7……鏝、 8……ヒータ、9……振動子、 10……台、11……固定治具。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基体に、溶射によって付着形成
    されたアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる
    電極を有するセラミックヒータにおいて、前記電極の表
    面に摩擦はんだ付けのための金属層が形成され、該金属
    層の表面に載置されるリード端子を加熱しながら振動を
    加えられることにより、前記金属層が熔融され、該リー
    ド端子が前記金属層を介して前記電極と接続されている
    ことを特徴とするセラミックヒータのリード端子接続構
    造。
  2. 【請求項2】摩擦はんだ付けのための金属層が、溶射に
    よって前記セラミック基体に付着形成されてなる請求項
    1記載のリード端子接続構造。
  3. 【請求項3】前記摩擦はんだ付けのための金属層が、Zn
    系のろう材からなることを特徴とする請求項1記載のリ
    ード端子接続構造。
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JPS5483374A (en) * 1977-12-16 1979-07-03 Hitachi Ltd Chip bonding process
JPS63182493U (ja) * 1987-05-18 1988-11-24

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