JP2658745B2 - 焼結機の操業方法 - Google Patents

焼結機の操業方法

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JP2658745B2
JP2658745B2 JP17948192A JP17948192A JP2658745B2 JP 2658745 B2 JP2658745 B2 JP 2658745B2 JP 17948192 A JP17948192 A JP 17948192A JP 17948192 A JP17948192 A JP 17948192A JP 2658745 B2 JP2658745 B2 JP 2658745B2
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勝成 濱田
辰弘 中務
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、DL式焼結機におけ
る焼成点を高精度に安定化する操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DL式焼結機の焼成点を制御する方法に
は、例えば、特公昭59−37729号公報に記載され
たもののごとく、排風温度を因子とする特定の数式で焼
成点を求め、これに基づいて主排風機の回転数(風量)
を調整する方法(以下従来例1という)、特開平3−2
49139号公報に記載されたもののごとく、排風温度
の時間的変化からベクトル強度を求め、これに基づいて
パレット速度を調整する方法(以下従来例2という)、
特開昭60−13032号公報に記載されたもののごと
く、幅方向別に各測定した排風温度から幅方向別の各焼
成点をそれぞれ検出し、それらの平均値に基づいてパレ
ット速度を調整する方法(以下従来例3という)、及び
特開昭52−117204号公報に記載されたもののご
とく、焼成点の変化を原料の通気度から予測し、この焼
成点の予測値に基づいてパレット速度を調整する方法
(以下従来例4という)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例1、2、3
は、いずれも排風温度を利用するものであるが、温度測
定に供される熱電対は落鉱などから保護する必要上保護
管が被覆されており、この保護管の伝熱遅れなどが原因
して測定時間が遅延するので、十分な制御精度が得られ
ないという問題があった。
【0004】従来例4は、焼成過程における原料の通気
度を利用して測定時間の遅延を補償し、もって制御精度
を向上させようとするものであるが、原料用通気計は多
くの外乱を同時に取り込み、一般に高い信頼性が得られ
ないので、これもまた十分な制御精度は得られないとい
う問題があった。
【0005】この発明は、上述の問題に鑑み、外乱に影
響されず、かつ測定時間の遅延が少ない排ガス分析情報
を活用し、従来の排風温度の測定に起因する測定時間の
遅延を補償して焼成点制御の精度を飛躍的に向上安定さ
せる焼結機の操業方法を提案することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明が採用した手段は、焼結経路における排
鉱寄りの各風箱に排風温度を測定する装置を設けると共
に、主排風機に吸引される排ガスのSOxを測定する装
置を設けた焼結機の操業方法において、排風温度測定値
によって検出した焼成点をSOx測定値で補正し、該補
正した焼成点に基づいてパレット速度を調整するところ
にある。
【0007】焼結機の主排風機に吸引され外部に排出さ
れる排ガスは、公害監視の観点から赤外線ガス分析計な
どでSOxの含有量が測定される。本発明者らが、SO
xの測定値推移と排風温度によって検出した焼成点の変
動との関係について注意深く検討した結果、焼成点の変
動よりもSOxの測定値の方が数分間先行して変化する
ことを知見した。
【0008】主排風機に吸引される排ガス中のSOxが
焼成点の位置の変動に関連して変化する理由は、原料帯
が存在する焼成点以前にある充填層を通過する排ガス中
のSOxは原料帯でほとんど吸収されるが、原料帯が存
在しなくなった焼成点以後の充填層を通過する排ガス中
のSOxはほとんどそのまま主排風機へと吸引されるも
のと思われるからである。
【0009】SOx測定値の方が焼成点の位置の変動に
先行して変化するいま一つの理由は、赤外線ガス分析計
によってSOxが測定される時間は10秒前後であって
極めて短く、ガスサンプリング等分析以外の遅れ時間を
加味しても、ガス分析トータル時間の方が排風温度測定
の遅れ時間よりも短いことに起因する。なお、ガスサン
プリング用配管を細くするなど、ガスサンプリング時間
を短縮する手段を講ずれば、ガス分析トータル時間を更
に短くすることも可能である。
【0010】この発明は、上記の事情に着目してなされ
たものであって、排風温度によって検出した焼成点をS
Oxの測定値で補正することにより、排風温度の測定遅
れを補償し、高い制御精度で焼成点を安定化することが
できる。
【0011】
【作用】この発明の作用として、焼成点の検出方法と焼
成点を制御するためのパレット速度の算出方法について
説明する。図1は、焼成点と各風箱の排風温度との関係
を示す説明図であり、図2は同上の各風箱と、それらに
配設された排風温度測定用熱電対の位置を示す平面図で
ある。
【0012】複数基の原料槽(図示せず)から切り出さ
れた原料は、原料装入嵩高計1の測定値が所定の値とな
るように、サージホッパー2からロールフィーダ3の回
転によって連続的にパレットのグレート5上に給鉱され
る。給鉱された原料は、所定層厚の充填層6を形成しな
がらパレットの移動によって排鉱部へと搬送され、この
間に点火炉7で充填層6の表面に点火される。
【0013】一方、充填層6の下方には各風箱8が設置
され、燃焼ガスは各風箱8を通じて主排風機9の方へ強
制的に吸引される。このとき、各風箱8毎に設けられた
熱電対10によって、燃焼ガスの排風温度が測定されて
いるが、充填層6の燃焼前線12−1及び12−2がパ
レットのグレート5に到達するまでは、風箱8を通過す
る排ガスの温度(排風温度)はほぼ一定であり、グレー
ト5への到達点すなわち焼成点13−1及び13−2と
前後して排風温度は上昇し始める。
【0014】図1の各風箱8の下方には、原料の移動に
従いパレットの幅方向別に測定された各風箱8の排風温
度推移線14−1及び14−2が示されているが、その
排風温度推移線14−1及び14−2の立ち上がり点1
5−1及び15−2を幅方向それぞれの部分における焼
成点とみなすことができる。
【0015】これにより、幅方向における平均の焼成距
離(点火炉から焼成点までの距離)は次の数1によって
求められる。
【0016】
【数1】
【0017】ただし、Lffp:幅方向における平均焼
成距離(m) Lffp1、 Lffp2:排風温度推移曲線で検出された焼成点より
求めた焼成距離(m) α:補正係数(−)
【0018】主排風機9の近くには赤外線ガス分析計1
9(図5参照)が設けられるが、この赤外線ガス分析計
19で測定された主排風機9によって吸引された排ガス
中のSOxの値の変化は、図3に例示するように、数1
によって求めた焼成距離の変動に対比して先行してい
る。このことから、例えば数2のごとき数式を用いて補
正すれば、焼成点を検出する場合の時間遅れが補償でき
る。
【0019】
【数2】
【0020】ただし、LFfp:SOxで補正した焼成
距離(m) SOx1:最新のSOx測定値(ppm) SOx2:排風温度計とSOx計の測定遅れ時間差分だ
け過去のSOx測定値(ppm) β:補正係数(m/ppm)
【0021】また、焼成距離間の平均実績焼成速度Vf
は、図4に示す関係から、上記補正した焼成距離LFf
pを用いることにより、数3及び4で求めることができ
る。
【0022】
【数3】
【0023】
【数4】
【0024】ただし、Vf(−t):tmin前の焼成
速度実績値(m/min) Ps(−t):tmin前のパレット速度測定値(m/
min) h(−t):tmin前の充填層厚測定値(m) LFfp(−t):tmin前の補正焼成距離検出値
(m) L11:パレット速度変更により焼成点検出値が変化す
るまでの無駄時間(min) L12:充填層厚変更により焼成点検出値が変化するま
での無駄時間(min) Tt:焼成距離間の移動所要時間(min) (Ttは数5を満たす値)
【0025】
【数5】
【0026】ところで、他に外乱がなければ、焼成速度
は、数6に示すように、主排風量にほぼ比例して変化す
る。
【0027】
【数6】
【0028】ただし、K:比例係数 Q:主排風量(Nm3/min)
【0029】従って、焼成速度は、例えば数7によって
予測可能である。
【0030】
【数7】
【0031】ただし、VfY(−t):tmin前の焼
成速度予測値(m/min) Qs(−t):tmin前の主排風量設定値(Nm3
min) Q(−t):tmin前の主排風量測定値(Nm3/m
in) L2:主排風量変更により焼成点検出値が変化するまで
の無駄時間(min)
【0032】以上のことから、目標の焼成距離を得るた
めのパレット速度Pscは、目標の焼成距離が与えられ
ると、例えば数8により算出することができる。
【0033】
【数8】
【0034】ただし、数8のLffpAは焼成距離目標
値である。
【0035】
【実施例】図5は、この発明方法を実施するための装置
構成例を示す概略図である。同図中18は充填層厚計、
19は赤外線ガス分析計、20は焼成距離演算装置、2
1は焼成点制御演算装置、22は手動設定器、23はパ
レット速度検出調整装置、そして24は主排風量検出調
整装置である。その他、図1に示したものと同じものに
は同じ符号を付して示してある。
【0036】焼成距離演算装置20では、各風箱8に設
置の熱電対10で測定された排風温度を入力して、その
排風温度の推移から焼成点の検出を行い、数1によって
幅方向の平均焼成距離Lffpを演算する。続いて焼成
距離演算装置20は、赤外線ガス分析計19によって測
定されたSOxを入力して、数2によって焼成距離を補
正し、その補正した焼成距離Lffpを焼成点制御演算
装置21へ出力する。
【0037】焼成点制御演算装置21では、焼成距離演
算装置20から入力した補正焼成距離LFfp、手動設
定器22から入力した焼成距離目標値LffpA、充填
層厚計18から入力した充填層厚測定値h、パレット速
度検出調整装置23から入力したパレット速度測定値P
s及び主排風量検出調整装置24から入力した主排風量
測定値Qや主排風量設定値Qsにより、数3、数4、数
7、数8によって、目標の焼成距離を得るためのパレッ
ト速度Pscを算出する。そして、この算出されたパレ
ット速度になるようにパレット速度Pscをパレット速
度検出調整装置23の設定値Pssとして与えることに
より調整するのである。
【0038】
【発明の効果】この発明を実際にDL式焼結機に適用し
て操業した結果を、排風温度のみから検出した焼成点に
基づいてパレット速度を調整した従来法(従来例3)と
比較して表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】以上説明したごとく、この発明方法によれ
ば、焼結機における焼成点を高精度に制御し、もって焼
結鉱の生産性を向上維持しつつ、その品質を安定にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成点と各風箱の排風温度との関係を示す説明
図である。
【図2】風箱と排風温度測定用熱電対の配置を示す平面
図である。
【図3】排風温度から検出した焼成点と赤外線ガス分析
計で測定したSOxとを比較して両者間の時間的変化の
ずれを示す説明図である。
【図4】定常状態における燃焼速度とパレット速度との
関係を示す説明図である。
【図5】この発明方法を実施するための装置構成例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 原料装入嵩高計 2 サージホッパー 3 ロールフィーダー 4 原料 5 パレットのグレート 6 充填層 7 点火炉 8 風箱 9 主排風機 10 熱電対 12−1,12−2 燃焼前線 13−1,13−2 焼成点 14−1,14−2 排風温度推移 15−1,15−2 排風温度立ち上がり点 18 充填層厚計 19 赤外線ガス分析計 20 焼成距離演算装置 21 焼成点制御演算装置 22 手動設定器 23 パレット速度検出調整装置 24 主排風量検出調整装置 Vt 燃焼速度(m/min) Ps パレット速度(m/min) h 充填層厚(m) Lffp 焼成距離(m)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結経路における排鉱寄りの各風箱に排
    風温度を測定する装置を設けると共に、主排風機に吸引
    される排ガス中のSOxを測定する装置を設けた焼結機
    の操業方法において、排風温度測定値によって検出した
    焼成点をSOx測定値で補正し、該補正した焼成点に基
    づいてパレット速度を調整することを特徴とする焼結機
    の操業方法。
JP17948192A 1992-06-11 1992-06-11 焼結機の操業方法 Expired - Lifetime JP2658745B2 (ja)

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