JP2658563B2 - マイクロ波プラズマドライクリーニングの方法 - Google Patents

マイクロ波プラズマドライクリーニングの方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、マイクロ波と磁場とによる共鳴電離効果
によりプラズマ化したガスをウエーハの表面処理に用い
るマイクロ波プラズマ処理装置,すなわちその構成とし
て、マイクロ波が導入されかつ内部に磁場が形成され
て、導入されたプラズマ原料ガスをプラズマ化する円筒
状のプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室を同心に取
り囲んで前記磁場を形成する第1の励磁コイルと、排気
口を備えるとともに試料台を収納し、前記プラズマ生成
室と同軸にかつ開口を介して該プラズマ生成室と連通状
態に結合され前記試料台上のウエーハへの成膜時に反応
ガスが導入される円筒状の反応室と、を備えてなるマイ
クロ波プラズマ装置,いわゆるECRプラズマCVD装置によ
るウエーハ表面への成膜もしくはエッチング処理時に装
置内部に付着した反応生成物を、プラズマ生成室内にエ
ッチング用ガスを導入しつつこれをプラズマ化し、この
プラズマを用いて除去するマイクロ波プラズマドライク
リーニングの方法に関する。
〔従来の技術〕
ECRプラズマ処理装置の内部に付着した反応生成物を
除去する従来方法の代表的なものとして、ウェットクリ
ーニングとドライクリーニングとの2通りの方法があ
る。
ウェットクリーニングは、例えば50%濃度のものを10
%程度に希釈した弗酸中に、反応生成物が付着した装置
内部品を装置から取り出して浸漬し、化学反応により反
応生成物を溶解した後、純水で洗浄するか、あるいは装
置内へ管路をとおして弗酸を導入して満杯にし、化学反
応による溶解後弗酸を装置外へ排出して純水を満たし、
この操作を数回繰り返した後、装置内にN2ガスあるいは
空気を導入して乾燥させてクリーニングを終了させるも
のである。弗酸の代りに、例えば、特開平2-39530号公
報に開示されているように硝酸液を用いる方法もある。
ウェットクリーニングでは、クリーニングに要する時
間が反応生成物の膜厚にさほど左右されることなく短く
て済む反面、反応生成物が付着した部品を取り出し、ク
リーニング後に再び取り付けるのに手間と時間がかか
り、また装置内に大気を導入するため、クリーニング毎
に装置内の真空引きを必要とし、かつ真空の立ち上げに
時間がかかるほか、大気導入により装置内が汚染されや
すくなる欠点がある。
ドライクリーニングは、ウエーハ表面のエッチング処
理と処理の内容は同様であるが、ウエーハ表面のエッチ
ング処理は、ウエーハ上に形成されたパターンを均一か
つ高速にエッチングすることを目的として、ウエーハに
高周波電圧を印加してウエーハ表面に対地負のバイアス
電位を生じさせ、弗素系ガス(CF4,SF6等),塩素系ガ
ス(C Cl4)などのエッチング用ガスのプラズマ化によ
って生じた反応活性種であるラジカルがウエーハに集中
するようにして行われるのに対し、対象とする部位が装
置内側壁部と試料台とである点がウエーハ表面のエッチ
ング処理と異なる。すなわち、ドライクリーニングで
は、プラズマ生成室内でプラズマ化されたエッチング用
ガスを、第1の励磁コイルが形成する磁場に沿って装置
内側壁および試料台へ導き、側壁や試料台に付着してい
る反応生成物と反応させてこれを除去する。なお、クリ
ーニングに用いられるエッチング用ガスとしては、ウエ
ーハのエッチングに用いられる,上記弗素系あるいは塩
素系ガスのほか、特開昭61-247031号に開示されている
ように、ウエーハ表面の処理がCまたはHを含む反応性
ガスを用いて行われる場合にはO2ガスが用いられる場合
もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
ECRプラズマCVD装置で成膜を行うと、試料であるウエ
ーハにはもちろん膜が形成されるが、試料台の端部や側
壁等の周辺部、さらに反応室側壁、開口を備え反応室と
プラズマ室とを連通状態に仕切るアパーチャ、プラズマ
生成室の側壁、プラズマ生成室内部と導波管内部とを気
密に仕切るマイクロ波窓にも膜が付着し、ある程度ウエ
ーハ枚数に膜付けを実施すると、成膜条件(マイクロ波
パワーやガス流量等)を変えなくても、初期の膜質を維
持することができなくなる。このため、再現性のある成
膜を継続して実施できるようにするためには、定期的に
装置内部をクリーニングして初期状態を維持する必要が
ある。また、エッチングした場合にも、プラズマ化した
ガスとウエーハの構成成分との反応生成物が付着し、ク
リーニングによりこれを除去して装置内を初期状態に回
復させるとエッチングの再現性が良くなる等の点から、
エッチング後のクリーニングも見直されている。
ところで、従来のドライクリーニングでは、プラズマ
化されたクリーニング用ガスが装置内中心部や試料台に
集中し、装置内側壁へのプラズマ密度の配慮がなされて
いなかった。このため、エッチングによって装置内に付
着した反応生成物を除去する場合、エッチングレートが
遅く、クリーニングに時間がかかるという問題があっ
た。
この発明の目的は、装置内(側壁,試料台等)に付着
した反応生成物を高速に除去することのできるドライク
リーニングの方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明においては、こ
のクリーニングの方法を、プラズマ生成室内に磁界を形
成する第1の励磁コイルから試料台のウエーハ取付け面
より遠方の位置に該第1の励磁コイルと同軸に第2の励
磁コイルを配して該両励磁コイルでミラー磁場を形成
し、このミラー磁場と装置内ガス圧を0.1〜1.0Torrとし
た高圧力領域のガスとを用いてクリーニングを行う第1
段階のクリーニング工程と、このクリーニング工程につ
づき、前記ミラー磁場と装置内ガス圧を1〜50m Torrと
した低圧力領域のガスとを用いてクリーニングを行う第
2段階のクリーニング工程とにより装置内の反応生成物
を除去する方法とするか、第1の励磁コイルから試料台
のウエーハ取付け面より遠方の位置に該第1の励磁コイ
ルと同軸に第2の励磁コイルを配して該両励磁コイルで
ミラー磁場を形成し、このミラー磁場と装置内ガス圧を
0.1〜1.0Torrとした高圧力領域のガスとを用いてクリー
ニングを行う第1段階のクリーニング工程と、このクリ
ーニング工程につづいて前記両励磁コイルでカスプ磁場
を形成し、このカスプ磁場と装置内ガス圧を1〜50m To
rrとした低圧力領域のガスとを用いてクリーニングを行
う第2段階のクリーニング工程とにより装置内の反応生
成物を除去する方法とするか、あるいは、前記カスプ磁
界を用いる方法において、第2段階のクリーニングが試
料台に高周波電圧を印加して行われる方法とするものと
する。
〔作用〕
まず、プラズマ生成室内でプラズマ化されたガスの行
路を決める磁場の種類を第2図に示す。同図(a)は第
1の励磁コイルのみで磁場を形成したときの磁場配位を
示し、磁束がウエーハに近づくにつれて半径方向に広が
る発散磁場が形成される。発散磁場では、反応室側壁に
到達する磁束が少なく、従ってプラズマ密度も小さい。
同図(b)は、第2の励磁コイルに第1の励磁コイル
と同方向の磁場を発生させた場合に生じる磁場配位,す
なわちミラー磁場を示す。磁束は両励磁コイルの中間位
置で外方へ膨らみ、磁束密度が反応室側壁側で大きくな
る。
同図(c)は、第2の励磁コイルに第1の励磁コイル
と逆方向の磁場を発生させた場合の磁場配位,すなわち
カスプ磁場を示す。カスプ面すなわち軸方向の磁束密度
成分が零となる面は、第1,第2両励磁コイルに供給する
励磁電流の大きさにより移動するが、ウエーハの表面処
理時には、通常、ウエーハ面と一致する位置に形成され
る。このカスプ磁場では、磁力線の多くが反応室側壁へ
向かう。
前記発散磁場,ミラー磁場およびカスプ磁場を用いて
行ったクリーニングの結果(詳細は実施例の項で説明す
る)によれば、発散磁場と数ミリTorrオーダの低圧力領
域のガスとを用いたクリーニングでは、反応室側壁のエ
ッチングレートが小さく、かつこのレートが側壁の部位
により2倍程度の比で異なる。また、試料台のエッチン
グレートは、側壁における小さい方のエッチングレート
と同等の大きさを示した。また、ガス圧力を数百ミリTo
rrオーダの高圧力領域とした場合にも、反応室側壁,試
料台ともに低圧力領域とほぼ同等のエッチングレートと
なることが示された。
一方、ミラー磁場では、ガス圧力を数ミリTorrオーダ
の低圧力領域とした場合、反応室側壁のエッチングレー
トおよびそのばらつきは発散磁場の場合とほぼ同じであ
るが、試料台では3倍程度の速度を示した。さらに、ガ
ス圧力を数百ミリTorrオーダの高圧力領域とした場合に
は、反応室側壁のエッチングレートのばらつきがなくな
り、かつ発散磁場で得られた,大きい方のエッチングレ
ートを上まわる速度が得られた。逆に試料台では発散磁
場と同等以下の速度となった。従って、ミラー磁場と高
圧力領域のガスとでクリーニングを行うことにより、反
応室側壁が高速にクリーニングされ、つづいてガス圧力
を下げ、ミラー磁場と低圧力領域のガスとでクリーニン
グすることにより、高圧力領域でのクリーニング時に試
料台に残った反応生成物を高速に除去することができ
る。
さらに、カスプ磁場を用いてクリーニングを行った場
合には、ガス圧力を数ミリTorrオーダの低圧力としたと
き、反応室側壁でのエッチングレートは前記発散磁場,
ミラー磁場の場合と大きさ,ばらつきともにほぼ等しい
が、試料台でのエッチングレートは発散磁場の場合の3
〜4倍と大きく、ミラー磁場と同等以上のエッチングレ
ートとなることが示された。従って、ミラー磁場と高圧
力領域のガスとで反応室側壁を高速にクリーニングした
後、カスプ磁場と低圧力領域のガスとでクリーニングを
行うことにより、高圧力領域でのクリーニング時に試料
台に残った反応生成物をより高速に除去することができ
る。
しかし、一方、上述のような方法でクリーニングを行
った場合、クリーニングが終了するまでの時間は、実験
により得られたエッチングレートと反応生成物の厚みと
から計算で求めた時間よりも長めの時間となる。これ
は、プラズマ生成室や反応室に付着した反応生成物がク
リーニングによりガス化して排気口方向へ飛んで行く行
程で排気口周辺や試料台周辺で再度反応して付着し、こ
の再付着した反応生成物の除去に時間を必要とするから
である。以下、この再付着に到るまでの各種反応の推移
を、反応生成物がSiO2である場合を例に説明する。この
説明は、明確でない部分もあるが、以下の反応と推定さ
れる。
(1)プラズマ生成室でのエッチングガス(NF3)プラ
ズマ化時の反応: NF3→NF2+F*(*印はラジカルを意味する) NF2→NF+F* (2)SiO2エッチング時の反応: Si+4F*→SiF4↑(↑印はガスを意味する) SiO2+4F*→SiF4↑+O2↑ SiO2+2NF2→SiF4↑+N2↑+O2↑ SiO2+4NF→SiF4↑+2N2↑+O2↑ この反応により、SiやSiO2がガス化してSiやSiO2膜が
除去される。Siウエーハを、被成膜面を鉛直方向下向き
として成膜を行うECRプラズマCVD装置の場合には、排気
口が反応室の上方に設けてあるため、排気口周辺や試料
台周辺に再付着が発生する。このことは、クリーニング
の初期でクリーニングを中断して装置内部を観察する
と、再付着した膜が試料台や排気口に付着しているのが
確認されることから裏付けできる。再付着が生じる理由
ははっきりしていないが、質量分析器を用いてエッチン
グ途中の排ガス中のエッチング分解ガスを分析したとこ
ろ、SiF4が検出されていることから、エッチングによる
SiF4とO2とが反応して再付着が発生していることが考え
られる。
(3)再付着時の反応: SiF4+O2→SiO2+4F* SiF3+O2→SiO2+3F* SiF4+O2→SiO2+4F すなわち、SiO2の析出がエッチング速度を遅くしている
原因と考えられる。
そこで、試料台近傍部位のエッチングレートを大きく
するために、試料台近傍の磁束密度が最大となるカスプ
磁場の下で、試料台に高周波電圧を印加して試料台表面
に対地負のバイアス電圧を生じさせ、低圧力領域のガス
を用いてクリーニングを行うと、反応室側壁でのエッチ
ングレートは発散磁場やミラー磁場の場合と同様に小さ
く、かつばらつきが大きいものの、試料台でのエッチン
グレートはカスプ磁場の場合のさらに約2倍に達する。
従って、ミラー磁場と高圧力領域のガスとで反応室側壁
を高速にクリーニングした後、試料台に高周波電圧を印
加しつつ、カスプ磁場と低圧領域のガスとを用いてクリ
ーニングを行うことにより、装置内を高速にクリーニン
グすることができる。
〔実施例〕
以下、第1図に示す構成のマイクロ波プラズマ処理装
置を用い、発散磁場,ミラー磁場およびカスプ磁場と、
エッチングガス側の条件(ガス圧力,流量等)との各組
合わせによりクリーニングを行ったときのクリーニング
速度の実験結果につき説明する。
まず、第1図の装置構成につき説明する。装置は、導
波管3を通してマイクロ波ガ導入される,円筒共振器と
して形成されたプラズマ生成室5と、プラズマ生成室5
を同心に取り巻く第1の励磁コイル1と、アパーチャ6
の開口を通してプラズマ生成室5と内部空間同志が連通
する,プラズマ生成室5と同軸にプラズマ生成室5と結
合された円筒状の反応室7と、反応室7を貫通して上下
方向に移動する試料台14と、第1の励磁コイル1から試
料台14のウエーハ取付け面より遠方の位置に第1の励磁
コイル1と同軸に配された第2の励磁コイル2とを主要
部材として構成されている。
この装置構成による成膜は、図示されないマイクロ波
発生装置から導波管3により導かれたマイクロ波をマイ
クロ波窓4を通してプラズマ生成室5内へ導入するとと
もに、第1の励磁コイル1に励磁電流を供給してプラズ
マ生成室5内に磁場を形成し、排気口9から装置内を真
空排気しつつガス導入口16を通して導入されたプラズマ
原料ガスをプラズマ化し、このプラズマを第1の励磁コ
イル1が形成する磁場に沿って反応室7内へ移動させ、
反応室7内へガス導入口8を通して導入された反応ガス
をプラズマで活性化しつつ試料台11に取り付けられたウ
エーハ15の表面に反応生成物を堆積させて行う。このと
き、反応生成物はウエーハ以外の装置内側壁や試料台な
どに付着するため、再現性のある成膜を継続して行うこ
とができるためには、定期的に装置内部をクリーニング
して初期状態を維持する必要がある。
このクリーニングを第1の励磁コイル1のみによる発
散磁場のもとで行ったときの実験結果を以下を説明す
る。
まず、装置内ガス圧力の低圧力と高圧力との切換えの
ために、ここには図示されていない真空排気装置を、タ
ーボ分子ポンプと、ターボ分子ポンプの背圧側に接続さ
れるドライポンプあるいはロータリポンプとを用いて構
成した。実用装置においてターボ分子ポンプで達成可能
な真空度は0.001m Torr,ドライポンプやロータリポンプ
で達成可能な真空度は0.1m Torr程度である。ガス圧力
を低圧力とする場合にはターボ分子ポンプとドライポン
プあるいはロータリポンプとを用いて真空引きを行っ
た。このときの排気量すなわち装置内のクリーニング用
ガスの流量は0〜100sccmの範囲をカバーすることがで
きた。またガス圧力を高圧力とする場合には、ターボ分
子ポンプを停止してドライポンプあるいはロータリポン
プのみで真空引きを行った。必要な真空度を得るための
流量調整のため、ターボ分子ポンプの上流側に径の異な
るオリフィスを数種設けておき、このオリフィスをバル
ブで短時間に切換えるように排気装置の圧力制御系を構
成した。
排気装置をこのように構成し、発散磁場を形成する第
1の励磁コイル1に150Aを流し、マイクロ波電力を1800
W,エッチングガス(NF3)の流量を40sccm,ガス圧力を7.
5m Torrとしてクリーニングしたとき、反応室側壁18の
エッチングレートが400〜800Å/minと、側壁の部位によ
るプラズマ密度の差異を反映した結果が得られた。プラ
ズマ密度の大きい部位は試料台11側の部位である。ま
た、試料台11では400Å/minと小さい値が得られた。こ
の値は反応室側壁におけるエッチングレートの小さい方
の値とほぼ等しく、試料台でのプラズマ密度が小さいこ
とを示している。
次にガス圧力を920m Torrとし、他の条件を低圧力領
域のときと同一に保ったとき、反応室側壁のエッチング
レートは400〜700Å/minと低圧力領域のときとほぼ同様
の結果を示した。また試料台では300Å/minと、これも
低圧力領域の場合とほぼ等しい。
次に、第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとでミラ
ー磁場を形成してクリーニングを行ったときの実験結果
につき説明する。
第1の励磁コイル1に150A,第2の励磁コイル2に174
Aを流し、マイクロ波電力を1800W,エッチングガス(N
F3)の流量を40sccm,ガス圧力を6.7m Torrとしてクリー
ニングしたとき、反応室側壁のエッチングレートは、第
3図に示すように、側壁の部位により差を生じ、300〜6
00Å/minとなり、発散磁場の場合と同等以下であるが、
試料台11でのエッチングレートは1100Å/minと、反応室
と比べ顕著に大きい値が得られた。
また、ガス圧力を920m Torrとし、かつエッチングガ
スの流量を250sccmとすると、第4図に示すように、反
応室側壁18での部位による差異がなくなり、エッチング
レートも900Å/minと高い値を示した。しかし試料台で
は300Å/minと小さい値となった。
次に、第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとでカス
プ磁場を形成してクリーニングを行ったときの実験結果
につき説明する。
第1の励磁コイル1に150A,第2の励磁コイルに195A
を流し、マイクロ波電力を1800W,エッチングガス(N
F3)の流量を40sccm,ガス圧力を6.7m Torrとしてクリー
ニングしたとき、反応室側壁のエッチングレートは400
〜1400Å/minと、最大値がカスプ面を移動させたことに
より変わるほかは発散磁場の場合とほぼ同じ結果が得ら
れた。しかし、試料台では1340Å/minと、ミラー磁場の
場合よりもさらに大きい値が得られた。
次に、第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとでカス
プ磁場を形成するとともに、試料台に高周波電圧を印加
して高周波電力を供給しつつクリーニングを行ったとき
の実験結果につき説明する。
第1,第2の励磁コイルに流す電流,マイクロ波電力,
エッチングガス(NF3)の流量,ガス圧力はすべて前述
のカスプ磁場の場合と同一とし、試料台に供給する高周
波電力を400Wとしてクリーニングしたとき、反応室側壁
のエッチングレートは400〜1400Å/minと、高周波電圧
を印加しない場合と変化がないが、試料台でのエッチン
グレートは2450Å/minと、前述のいずれのクリーニング
方法と比較しても顕著に大きい値が得られた。このエッ
チングレートは、高周波電力とマイクロ波電力とのいず
れか一方、または両方を上げて行くとさらに大きくなる
結果が得られている。
次に、ガス圧力とエッチングレートとの関係を発散磁
場でみた結果を第7図に示す。この結果から、反応室側
壁のエッチングレートは圧力が高いほど速くなることが
わかる。この傾向はミラー磁場やカスプ磁場の場合でも
同様であるが、異なるのは、エッチングレートとその分
布とである。エッチングレートの最小値は、カスプ磁場
の場合、ガス圧力を変えても400Åにとどまり、カスプ
磁場では反応室側壁の高速クリーニングは困難である。
第5図にカスプ磁場と高圧力領域のガスとによるクリー
ニング時の反応室側壁のエッチングレートの部位による
変化を、また、第5図の実験において、第2の励磁コイ
ル電流のみを変化させてカスプ面を移動させたときのエ
ッチングレートの部位ごとの変化を第6図に示す。
次に、エッチングガス(NF3)の流量と試料台でのエ
ッチングレートとの関係を、第7図の場合と同様に発散
磁場でみた結果を第8図に示す。この結果から、流量が
多いほど反応活性種であるFラジカルが多く生成され、
この活性種によりエッチング反応が促進され、エッチン
グレートが大きくなることがわかる。エッチングをさら
に高速化するためには、プラズマ密度を高くすることが
必要となる。反応室側壁でプラズマ密度が最も高くなる
のはミラー磁場の場合であり、試料台でのプラズマ密度
が最も高くなるのはカスプ磁界の場合である。
次に、カスプ磁場の場合における第2の励磁コイル電
流と試料台でのエッチングレートとの関係を第9図に示
した。反応室の大きさにより、最適電流値があり、本実
験で使用した装置の反応室の高さ180mmの場合、174Aの
ときに試料台で最大のエッチング速度が得られる。
〔発明の効果〕
本発明においては、ウエーハ表面処理時に装置内に付
着した反応生成物を、マイクロ波プラズマを用いて除去
するマイクロ波プラズマクリーニングの方法を上述のよ
うな方法としたので、次の効果が得られる。
請求項1の方法によれば、従来のECR型マイクロ波プ
ラズマ処理装置に第2の励磁コイルを付加し、第1の励
磁コイルとともにミラー磁場を形成すれば、装置内のク
リーニング用ガス圧力を高圧力領域の圧力から低圧力領
域の圧力に切換える操作を行うのみにて、装置内に付着
した反応生成物の除去作業を短時間に終了させることが
でき、装置の稼働率を向上させることができる。
請求項2の方法によれば、第2段階のクリーニング時
に第2の励磁コイルの入出力端子を切換える必要がある
ものの、この切換え操作が加わるのみの作業量の増加に
より、請求項1の場合と同等以上のクリーニング速度が
得られ、装置の稼働率が、わずかではあるが、さらに向
上する。
請求項3の方法によれば、請求項1および2の方法に
おける第1段階のクリーニング時に装置の排気口周辺や
試料台に残った反応生成物と、第1段階で一旦気化して
排気口周辺や試料台に再付着した反応生成物とを、前記
2方法よりさらに速いエッチングレートで除去すること
ができ、装置の稼働率をさらに高めることができる。
そして、前記3方法によるクリーニングの速度は、第
1段階のクリーニング工程ではガス圧力を上げ、またガ
ス流量を増すことにより、さらにミラー磁場の磁束密度
を上げることにより速くなり、また、第2段階のクリー
ニング工程では、試料台に高周波電圧を印加する方法に
おいて、マイクロ波電力と高周波電圧とのいずれか一方
または両方を増すことにより速めることができ、クリー
ニング速度を速めることのできるパラメータが多いか
ら、装置に無理を生じることなく高速クリーニングが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実現させるECR型マイクロ波プ
ラズマ処理装置構成の一実施例を示す縦断面図、第2図
はドライクリーニングに用いられる磁場を示す図であっ
て同図(a)は従来の方法に用いられた発散磁場、同図
(b),(c)はそれぞれ本発明の方法に用いられたミ
ラー磁場とカスプ磁場とのそれぞれ磁場配位を示す説明
図、第3図および第4図はそれぞれミラー磁場と低圧力
領域のガスおよびミラー磁場と高圧力領域のガスを用い
てクリーニングを行ったときの反応室側壁のエッチング
レートの側壁の部位による差異を示す線図、第5図はカ
スプ磁場と高圧力領域のガスとを用いてクリーニングを
行ったときの反応室側壁のエッチングレートの側壁の部
位による差異を示す線図、第6図はカスプ磁場と高圧力
領域のガスとを用い、かつカスプ面を移動させたときの
側壁のエッチングレートの側壁の部位による差異を示す
線図、第7図は発散磁場におけるエッチングガス圧力と
側壁のエッチングレートとの関係を示す線図、第8図は
発散磁場における第1の励磁コイル電流と試料台でのエ
ッチングレートとの関係をエッチングガスの流量をパラ
メータとして示す線図、第9図はカスプ磁場における第
2の励磁コイル電流と試料台でのエッチングレートとの
関係を示す線図である。 1:第1の励磁コイル、2:第2の励磁コイル、3:導波管、
5:プラズマ生成室、6:アパーチャ、7:反応室、9,10:排
気口、11:試料台、15:ウエーハ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波が導入されかつ内部に磁場が形
    成されて、導入されたプラズマ原料ガスをプラズマ化す
    る円筒状のプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室を同
    心に取り囲んで前記磁場を形成する第1の励磁コイル
    と、排気口を備えるとともに試料台を収納し、前記プラ
    ズマ生成室と同軸にかつ開口を介して該プラズマ生成室
    と連通状態に結合され前記試料台上のウエーハへの成膜
    時に反応ガスが導入される円筒状の反応室と、を備えて
    なるマイクロ波プラズマ装置の内部に付着した反応生成
    物を、前記プラズマ生成室にクリーニングガスを導入し
    てプラズマ化し、このプラズマを用いて除去するドライ
    クリーニングの方法であって、前記第1の励磁コイルか
    ら試料台のウエーハ取付け面より遠方の位置に該第1の
    励磁コイルと同軸に第2の励磁コイルを配して該両励磁
    コイルでミラー磁場を形成し、このミラー磁場と装置内
    ガス圧を0.1〜1.0Torrとした高圧力領域のガスとを用い
    てクリーニングを行う第1段階のクリーニング工程と、
    このクリーニング工程につづき、前記ミラー磁場と装置
    内ガス圧を1〜50m Torrとした低圧力領域のガスとを用
    いてクリーニングを行う第2段階のクリーニング工程と
    により装置内の反応生成物を除去することを特徴とする
    マイクロ波プラズマドライクリーニングの方法。
  2. 【請求項2】マイクロ波が導入されかつ内部に磁場が形
    成されて、導入されたプラズマ原料ガスをプラズマ化す
    る円筒状のプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室を同
    心に取り囲んで前記磁場を形成する第1の励磁コイル
    と、排気口を備えるとともに試料台を収納し、前記プラ
    ズマ生成室と同軸にかつ開口を介して該プラズマ生成室
    と連通状態に結合され前記試料台上のウエーハへの成膜
    時に反応ガスが導入される円筒状の反応室と、を備えて
    なるマイクロ波プラズマ装置の内部に付着した反応生成
    物を、前記プラズマ生成室にクリーニングガスを導入し
    てプラズマ化し、このプラズマを用いて除去するドライ
    クリーニングの方法であって、第1の励磁コイルから試
    料台のウエーハ取付け面より遠方の位置に該第1の励磁
    コイルと同軸に第2の励磁コイルを配して該両励磁コイ
    ルでミラー磁場を形成し、このミラー磁場と装置内ガス
    圧を0.1〜1.0 Torrとした高圧力領域のガスとを用いて
    クリーニングを行う第1段階のクリーニング工程と、こ
    のクリーニング工程につづいて前記両励磁コイルでカス
    プ磁場を形成し、このカスプ磁場と装置内ガス圧を1〜
    50m Torrとした低圧力領域のガスとを用いてクリーニン
    グを行う第2段階のクリーニング工程とにより装置内の
    反応生成物を除去することを特徴とするマイクロ波プラ
    ズマドライクリーニングの方法。
  3. 【請求項3】請求項第2項に記載のドライクリーニング
    の方法において、第2段階のクリーニングが試料台に高
    周波電圧を印加して行われることを特徴とするマイクロ
    波プラズマドライクリーニングの方法。
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