JP2658385B2 - 炉内ナトリウム注入型ナトリウム缶詰方法及び缶取扱用集合体 - Google Patents

炉内ナトリウム注入型ナトリウム缶詰方法及び缶取扱用集合体

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JP2658385B2
JP2658385B2 JP1108016A JP10801689A JP2658385B2 JP 2658385 B2 JP2658385 B2 JP 2658385B2 JP 1108016 A JP1108016 A JP 1108016A JP 10801689 A JP10801689 A JP 10801689A JP 2658385 B2 JP2658385 B2 JP 2658385B2
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誠人 木下
和彦 新田
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、高速増殖炉の使用済燃料を冷却媒体とと
もに貯蔵,保管するための缶詰方法及びこれらの燃料を
収容して移送するための缶取扱用集合体の構造に関す
る。
【従来の技術】 高速増殖炉は減速材を用いず、冷却材にナトリウムを
用い、原子炉容器内のナトリウム液面上はアルゴンガス
で満たされている。原子炉容器内の炉心の周囲には、使
用済燃料を一定期間炉容器内で冷却(放射能を減衰させ
る)するための炉内燃料貯蔵ラックが並べられている。 第5図は高速増殖炉の燃料取扱装置の配置図である。
使用済燃料は燃料交換機9により炉心から取り出され、
炉内燃料貯蔵ラックに貯蔵して崩壊熱レベルを低下させ
た後、原子炉容器26から燃料出入機10によつて外部へ取
り出し、炉外中継槽11を経て、取り出された使用済燃料
は、付着ナトリウムの反応を防ぐため不活性のアルゴン
ガスが満たされたアルゴンガスセル24内をインセルクレ
ーン12によりセル床下に設けられた固定式の燃料洗浄槽
13に受け渡されて洗浄される。洗浄が完了した使用済燃
料は、地下台車14に移され、さらに水プール室燃料移送
機15によつて水をプールした使用済燃料貯蔵ラック16内
に移送され、再処理工場へ搬出されるまで貯蔵される。 また、使用済燃料の再処理工場への搬出手順は、水プ
ール室燃料移送機15により使用済燃料貯蔵ラック16から
キャスク内容器に数本ずつ収容された後、キャスク蓋取
扱クレーン17を用いてキャスク接続装置18を経てキャス
ク台車19に受け渡され、天井クレーン20により吊り上げ
られ港湾設備まで運ばれる。高発熱燃料及び破損燃料は
缶詰装置21に移送し、缶詰専用に備えたナトリウム注入
系あるいは水注入系により缶詰缶内にナトリウムあるい
は水を注入した後に缶詰缶に蓋をして貯蔵保管してい
た。
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、使用済燃料をナトリウムに漬
けて缶詰にするとき、原子炉容器外に設けた缶詰装置に
て缶詰内にナトリウムを注入するため、専用のナトリウ
ム注入系とナトリウム浄化系が必要となる。 また原子炉容器内で缶詰缶を浸漬し、缶詰缶にナトリ
ウムを注入する方法では、缶詰缶外面に原子炉容器内で
付着したナトリウムにより缶詰缶移送中の放射化したナ
トリウムの飛散により、汚染が拡散するという問題があ
つた。 この発明は、缶詰缶外面にナトリウムが付着しないよ
うにし、かつ缶詰装置における使用済燃料取扱のため
に、専用のナトリウム注入系とナトリウム浄化系を必要
としないナトリウム缶詰方法及びこの缶詰方法に用いる
缶取扱用集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的は、炉外のアルゴンガスセル内に缶詰装置を
有する高速増殖炉の燃料取扱装置により使用済燃料をナ
トリウムに漬けて缶詰にする方法において、燃料集合体
を収納する缶胴と、この缶胴の外周面と気蜜を保って前
記缶胴を収容するブーツとを備え、かつ前記缶胴と前記
ブーツとを分解,組立自在に構成された缶取扱用集合体
を用いて、この缶取扱用集合体に前記原子炉内で前記使
用済燃料を収容するとともに、ナトリウムを注入し、こ
の缶取扱用集合体を前記原子炉から前記缶詰装置まで移
送し、前記缶詰装置内で前記缶胴の上部に缶蓋をして前
記使用済燃料を缶胴内に缶詰にするようにした炉内ナト
リウム注入型ナトリウム缶詰方法によつて達成される。 さらに、炉外のアルゴンガスセル内に缶詰装置を有す
る高速増殖炉の燃料取扱装置により使用済燃料をナトリ
ウムに漬けて缶詰にする装置において、燃料集合体を収
容する缶胴と、この缶胴を収容するブーツと、前記缶胴
及びブーツの上部を覆い前記ブーツに着脱自在に係合
し、前記缶胴内のナトリウムの液位を調整するサイフォ
ン管とグリッパと噛み合うハントリングヘッドとを有す
るサイフォンエレメントと、前記缶胴及びブーツの上端
と前記サイフオンエレメントの内側との間に挟んだシー
ルとから構成する缶取扱用集合体を用いれば好適であ
る。
【作 用】
使用済燃料をナトリウム缶詰にするときは、これらの
燃料を収納した缶胴を気蜜にブーツに保管するととも
に、分解,組立自在の缶詰取扱用集合体を用いて、原子
炉内で燃料とナトリウムとを缶胴内に収納してから缶詰
装置まで移送するようにしたので、缶詰装置においてナ
トリウムを缶胴へ注入する必要がない。 また、缶詰装置において缶取扱用集合体を分解して使
用済燃料及び缶胴を取り出せば、缶胴の外表面はナトリ
ウムの付着がないので、缶胴に缶蓋をして移送中にナト
リウムによる放射能汚染はない。 缶取扱用集合体は、燃料集合体を収容する缶胴と、こ
の缶胴を収容するブーツと、前記缶胴及びブーツの上部
を覆い前記ブーツに着脱自在に係合し、前記缶胴内のナ
トリウムの液位を調整するサイフオン管とグリッパに噛
み合うハンドリングヘッドとを有するサイフォンエレメ
ントと、前記缶胴及びブーツの上端と前記サイフォンエ
レメントの内側との間に配置されるシールとから構成す
るので、缶胴の外表面とブーツ内面との間は気密に保た
れ、缶胴の外表面にはナトリウムの付着がない。
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。第
1図はこの発明の実施例による缶取扱用集合体に、高発
熱使用済燃料または破損燃料などの燃料集合体を収容
し、ナトリウムを満たした状態を示す断面図、第2図は
第1図のA−A断面図、第3図は原子炉から取り出しア
ルゴンガスセル内に移送されたこの発明の実施例による
缶取扱用集合体の断面図である。 第5図において、高速増殖炉内から使用済燃料を取り
出すときは、通常液体ナトリウムを満たしたポットに燃
料集合体7を入れて燃料交換機9及び燃料出入機10を用
いてアルゴンガスセル24へ移送される。 しかし、この発明の実施例によれば、高発熱使用済燃
料あるいは破損燃料は、これらの燃料を収納する缶胴3
と、この缶胴3の外周面と気密を保って缶胴3を収容す
るブーツ1とを備え、かつ缶胴3とブーツ1とを分解,
組立自在に構成された缶取扱用集合体25を用いて、燃料
交換機10により燃料集合体7を缶胴3に収容する。さら
に燃料集合体7及びナトリウム8を収容した缶取扱用集
合体25のハンドリングヘッド6を燃料交換機9のグリッ
パ22を介して係合させ、燃料出入機10及びインセルクレ
ーン12によりアルゴンガスセル24内の缶詰装置21に移送
し、サイフォンエレメント4とブーツ1とを取り出し缶
蓋23で蓋をして燃料集合体7を密封した後、使用済燃料
貯蔵ラック16に保管する。 この発明の実施例による缶取扱用集合体25は、燃料集
合体7を収容する缶胴3と、缶胴3を収容するブーツ1
と、缶胴3及びブーツ1の上部を覆いブーツ1に着脱自
在に係合し、缶胴3内のナトリウム8の液位を調整する
サイフォン管5とグリッパ22に噛み合うハンドリングヘ
ッド6とを有するサイフォンエレメント4と、缶胴3及
びブーツ1の上端とサイフォンエレメント4の内側との
間に挟んだシール2とから構成され、このシール2を圧
縮しているので、缶胴3の外周面とブーツ1の内面との
間は気密となる。そのため、原子炉26内に缶取扱用集合
体25を浸漬しても、缶胴3の外面に液体ナトリウムが付
着することはない。なお、ブーツ1の上部外面にねじを
備え、サイフォンエレメント4の内面にスプライン溝を
刻んで係合させ、サイフォンエレメント4を回転させて
シール2を圧縮する。 燃料出入機10により原子炉26から缶取扱用集合体25が
引き上げられると、途中の原子炉液面部にて、サイフォ
ンエレメント4に備えたサイフォン管5から缶胴3内の
液体ナトリウム8が排出され、燃料集合体7のグリップ
部が液体ナトリウム8液面より露出する。この状態を第
3図に示す。 アルゴンガスセル24内での缶取扱用集合体25の取扱
は、サイフオンエレメント4のハンドリングヘッド6か
らグリッパを挿入して燃料集合体7に容易に係合させ、
移送できる。缶詰装置21に移送された缶取扱用集合体25
は、サイフォンエレメント4を回転させて、ブーツ1か
ら取り出し、缶胴3上部の開口に缶蓋23をボルト締めに
より取り付け燃料集合体7を密封する。第4図は、第3
図の缶胴3に缶蓋23を取り付けた状態を示す図である。
【発明の効果】
この発明によれば、燃料集合体を収納する缶胴と、こ
の缶胴の外周面と気密を保って前記缶胴を収納するブー
ツとを備え、かつ前記缶胴と前記ブーツとを分解,組立
自在に構成された缶取扱用集合体を用いて、この缶取扱
用集合体に原子炉内で使用済燃料とナトリウムとを収容
し、この缶取扱用集合体を前記原子炉から缶詰装置まで
移送し、前記缶詰装置内で缶胴の上部に缶蓋をして前記
燃料を密封するようにしたので、缶胴内のナトリウムは
原子炉から供給されるため、アルゴンガスセル内の缶詰
装置には専用のナトリウム注入系及び浄化系を必要とし
ない。また原子炉内で缶胴に使用済燃料を収容し、ナト
リウムを満たしても、缶胴の外面にナトリウムが付着す
ることがないので、缶詰め装置から使用済燃料を収納し
た缶胴を取り出し外部へ移送りしてもナトリウムにより
汚染することはない。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例による缶取扱用集合体に燃料
集合体を収容しナトリウムを満たした状態を示す断面
図、第2図は第1図のA−A断面図、第3図は原子炉か
ら取り出しアルゴンガスセル内に移送されたこの発明の
実施例による缶取扱用集合体の断面図、第4図は第3図
の缶胴に缶蓋を取り付けた状態を示す断面図、第5図は
高速増殖炉の燃料取扱装置の配置図である。 1:ブーツ、2:シール、3:缶胴、4:サイフォンエレメン
ト、5:サイフォン管、6:ハンドリングヘッド、7:燃料集
合体、8:ナトリウム、9:燃料交換機、10:燃料出入機、2
1:缶詰装置、22:グリッパ、23:缶蓋、24:アルゴンガス
セル、25:缶取扱用集合体、26:原子炉容器。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉外のアルゴンガスセル内に缶詰装置を有
    する高速増殖炉の燃料取扱装置により使用済燃料をナト
    リウムに漬けて缶詰にする方法において、燃料集合体を
    収納する缶胴と、この缶胴の外周面と気蜜を保って前記
    缶胴を収容するブーツとを備え、かつ前記缶胴と前記ブ
    ーツとを分解,組立自在に構成された缶取扱用集合体を
    用いて、この缶取扱用集合体に前記原子炉内で前記使用
    済燃料を収容するとともに、ナトリウムを注入し、この
    缶取扱用集合体を前記原子炉から前記缶詰装置まで移送
    し、前記缶詰装置内で前記缶胴の上部に缶蓋をして前記
    使用済燃料を缶胴内に缶詰にするようにしたことを特徴
    とする炉内ナトリウム注入型ナトリウム缶詰方法。
  2. 【請求項2】炉外のアルゴンガスセル内に缶詰装置を有
    する高速増殖炉の燃料取扱装置により使用済燃料をナト
    ウムに漬けて缶詰にする装置において、燃料集合体を収
    容する缶胴と、この缶胴を収容するブーツと、前記缶胴
    及びブーツの上部を覆い前記ブーツに着脱自在に係合
    し、前記缶胴内のナトリウムの液位を調整するサイフオ
    ン管とグリッパと噛み合うハンドリングヘッドとを有す
    るサイフォンエレメントと、前記缶胴及びブーツの上端
    と前記サイフォンエレメントの内側との間に挟んだシー
    ルとから構成することを特徴とする缶取扱用集合体。
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