JP2657569C - - Google Patents

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JP2657569C
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ethylene
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真トナー用離型剤及び組成物に関する。さらに詳しくはトナー
離型性に優れた加熱定着型の複写機もしくはプリンター用に適した電子写真トナ
ー用離型剤及び組成物に関する。 [従来の技術] 熱定着方式のトナーはヒートロールにより支持体上に定着される。その際、定
着下限温度は低いことが望まれる。一方ロール温度が高くなるとトナーがロール
にくっつく現象が現れる。このホットオフセットの起こる温度は高いことが望ま
れる。一般にバインダーの分子量が高くなるとホットオフセット温度は高くなる
が同時に定着下限温度も高くなる。逆に分子量が下がるとホットオフセット温度
と定着下限温度共に低くなる。 この矛盾した要求性能を満たすための方法として電子写真用トナーに低分子量
ポリプロピレンを添加する方法が従来提案されている(特公昭52-3304号公報)
。 [発明が解決しようとする課題] しかし低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を添加する方法では十
分なホットオフセット温度が得られないばかりかヒートロールとの離型性が低下
し分離爪による爪跡が生じ、さらにはキャリアーへのフィルミング等の問題が生
じる。 [課題を解決するための手段] 本発明者は十分なホットオフセット温度が得られ、低温定着性に優れかつキャ
リアーへのフィルミングが生じることのない電子写真トナー用離型剤について鋭
意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は160℃における溶融粘
度が60〜1000cpsであるエチレン−プロピレン系樹脂からなり、エチレンとプロ
ピレンがランダム構造であり、エチレン−プロピレン系樹脂の重量に基づきエチ
レン含有量が25%以下3%以上であり、998cm-1の吸光度(D998)と974cm-1の吸
光度(D974)の比(D998/D974)が0.75〜0.90であることを特徴とする電子写真
トナー用離型剤及びこの離型剤と熱可塑性樹脂からなる電子写真トナー用組成物
である。 本発明に係るエチレン−プロピレン系樹脂はエチレン−プロピレン以外に他の
オレフィンも構成成分として含ませることもできる。他のオレフィンとしては、
ブテン、オクテン等を挙げることができる。 エチレン−プロピレン系樹脂の組成としてはエチレン含有量が、通常25重量%
以下で且つ3重量%以上のものが用いられる。特に好ましくは10重量%以下3重量
%以上である。25重量%を越えると離型効果が低下し十分なオフセット温度が得
られない。 プロピレンの含有量は、通常65重量%以上97重量%以下、好ましくは90重量%
以上97重量%以下である。 他のオレフィンの含有量は通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である
。10重量%を越えるとトナーとした際、離型効果が不十分となる。 本発明に係るエチレン−プロピレン系樹脂はエチレン−プロピレンのランダム
構造を有するものである。ランダム構造を有することによりこれを用いると低温
時の定着性に優れたトナーを得ることができる。 本発明に係るエチレン−プロピレン系樹脂の160℃における溶融粘度は60〜100
0cps、好ましくは70〜500cpsである。160℃における溶融粘度が1000cpsを越える
ものは電子写真トナーに用いた際に十分なホットオフセット温度が得られないこ
とがあり、60cps未満では電子写真トナーに用いた際にトナーの流動性が低下す
ることがある。エチレン−プロピレン系樹脂の160℃における溶融粘度はブルッ
クフィールド型回転粘度計を用いて測定する。測定温度以外の条件は、JIS-K155
7-1970に準じて行う。測定試料の温度調整には温度レギュレーター付きオイルバ
スを用いる。 本発明に係るエチレン−プロピレン系樹脂の998cm-1の吸光度(D998)と974cm
-1の吸光度(D974)の比(D998/D974)は0.75〜0.90である。0.90を越えると電
子写真トナーとした際、定着性が不十分となることがあり、0.75未満では電子写
真トナーとした際、トナー流動性が低下することがある。吸光度は赤外分光光度
計で測定する。 本発明に係るエチレン−プロピレン系樹脂の製法は特に限定されるものではな
いが、例えば1):高分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体を熱的に減
成することや2):高分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体、または上
記1)の樹脂の酸化分解により得られた酸価が30以下のエチレン−プロパン系樹
脂を用いる方法や3):上記1)はたは2)で得られた樹脂をエチレン性不飽和
単量体で変性する方法等を挙げることができる。 1)の高分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体の熱減成により製造す
る場合、原料となる高分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体としては、
メルトインデックスが通常0.1〜100、好ましくは1〜50のものが使用される。熱
減成は高分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体を熱の加わり方が均一で
ある管状反応器等を用い、300〜450℃で0.5〜10時間で通過させることにより行
うことができる。熱減成物の溶融粘度は、熱減成温度と熱減成時間で調整するこ
とができる。300℃未満では低溶融粘度化に時間を要し、450℃を越えると低溶融
粘度化が短時間に起こりコントロールが困難となる。 2)の酸化分解による場合、a)高分子量エチレン−プロピレンランダム共重
合体または上記1)の熱減成で得られたエチレン−プロピレン系樹脂を酸素また は酸素含有ガス(空気)で酸化する方法、オゾン含有酸素またはオゾン含有ガス
(空気)で酸化する方法、b)高分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体
を酸化分解し、さらにそれを熱減成する方法で得られる。酸化物の酸価は通常30
以下、好ましくは10以下である。酸価が30以上であると離型効果が不十分となる
ことがある。 3)のエチレン性不飽和単量体で変性する場合エチレン性不飽和単量体として
は、スチレン系単量体(α−メチルスチレン、p−メチルスチレン)、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体[アルキル(メタ)アクリレート[アルキル基の炭
素数が1〜18のもの、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレート]、
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート[ヒドロキシルエチル(メタ)アクリ
レート等]、アミノ基含有(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ
)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、ビニルエス
テル(酢酸ビニル等)、ビニルエーテル(ビニルエチルエーテル等)、エチレン
性不飽和基含有脂肪族炭化水素(α−オレフィン、ブタジエン等)、ニトリル基
含有ビニル化合物[(メタ)アクリロニトリル等]、窒素含有ビニル化合物(N-
ビニルピロリドン等)、不飽和カルボン酸もしくはその無水物[(メタ)アクリ
ル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等]、珪素含有単量体(トリエトキシビ
ニルシラン等)、弗素含有単量体(パーフルオロヘキサエチルメタアクリレート
等)等を挙げることができる。これらのうち好ましくは、スチレン系単量体、不
飽和カルボン酸無水物及び、珪素含有単量体である。変性に用いるエチレン性不
飽和単量体の量は、離型剤の重量に基づき通常0.1%以上である。変性の方法と
しては1)の熱減成で得られたエチレン−プロピレン系樹脂を過酸化物を用いて
処理しエチレン性不飽和単量体を付加(グラフト化等)する方法等を挙げること
ができる。 本発明の組成物は上述したランダム構造を有するエチレン−プロピレン系樹脂
からなる離型剤と熱可塑性樹脂からなるものである。熱可塑性樹脂としてはスチ
レン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系 樹脂、エポキシ系樹脂等を用いることができる。 本発明の組成物の離型剤と熱可塑性樹脂の構成比率は任意に選ぶことができる
。 本発明の電子写真トナー用離型剤及び組成物は必要により前記熱可塑性樹脂、
着色剤、さらに種々の添加剤等を含有させ電子写真トナーとすることができる。 着色剤としてはカーボン、鉄黒、ベンジジンイエロー、キナクドリン、ローダ
ミンB、フタロシアニン等が挙げられる。磁性粉として鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等を用い
てもよい。 さらに種々の添加剤としては荷電調整剤(ニグロシン、四級アンモニウム塩等
)等が挙げられる。 本発明の離型剤及び組成物の添加方法はトナー製造時に加えても、離型剤を熱
可塑性樹脂に予め混合した形で加えてもよい。 電子写真トナーの製造は、1)前記トナー成分を乾式ブレンドした後、溶融混
練されたその後粗粉砕され、最終的にジェット粉砕機を用いて微粉化し、さらに
分級し粒径が通常2〜20μの微粉を得るか、2)熱可塑性樹脂を構成する単量体
を他の前記トナー成分の存在下で、懸濁重合し粒径が通常2〜20μの微粉を得る
ことによっても得ることができるが、特に製法はこれらに限定されるものではな
い。 前記電子写真トナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェ
ライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。
また粉体の流動性改良のため疎水性コロイダルシリカ微粉末を用いることもでき
る。 上記電子写真用トナーは複写機たとえば加熱定着型複写機またはプリンターの
熱定着ヒートロール部で加熱されることによって支持体(紙、ポリエステルフィ
ルム等)に定着され記録材料とされる。 [実施例] 以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれにより限定されるも
のではない。実施例中、部はいずれも重量部を現す。 実施例1 高分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量3重量%)
をスタティックミキサーを組み込んだ管に連続的に通しながら360〜365℃で100
分間熱減成を行ない、吸光度の比(D998/D974)が0.85、160℃での溶融粘度が8
5cpsのエチレン−プロピレン系樹脂を得た。これを本発明の離型剤(1)とする
。 比較例1 高分子量ポリプロピレンホモポリマーをスタティックミキサーを組み込んだ管
に連続的に通しながら360〜365℃で100分間熱減成を行ない吸光度の比(D998/D
974)が0.96、160℃での溶融粘度が1500cpsのプロピレン系樹脂を得た。これを
比較離型剤(1)とする。 比較例2 高分子量エチレン−プロピレン共重合体(エチレン含有量40重量%)をスタテ
ィックミキサーを組み込んだ管に連続的に通しながら360〜365℃で100分間熱減
成を行ない吸光度の比(D998/D974)が0.85、160℃での溶融粘度が50cpsのプロ
ピレン系樹脂を得た。これを比較離型剤(2)とする。 製造例1 スチレン660部、ブチルアクリレート340部を溶剤、重合開始剤を用いず130〜1
80℃で熱重合を行ない熱可塑性樹脂を得た。熱可塑性樹脂のTgは53℃、数平均分
子量は11000、重量平均分子量は70000であった。分子量はGPC法により行なった
。GPC法によるスチレン系樹脂の分子量測定は以下の条件で行なった。 装置 :東洋曹達製 HLC802A カラム :TSK gel GMH6 2本 測定温度 :40℃ 試料溶液 :0.5Wt%のTHF溶液 溶液注入量:200μl 検出装置 :屈折率検出器 使用例A 実施例1の離型剤および製造例1の熱可塑性樹脂を用いて以下の方法により電
子写真トナーを作製した。さらに、電子写真現像剤を作製した。 トナー作製方法 熱可塑性樹脂 87部 実施例1の離型剤 4部 カーボンブラック 8部 (三菱化成工業製(株)製MA-100) 荷電調整剤 1部 (保土谷化学工業(株)製スピロンブラックTRH) 上記配合物を粉体ブレンドしたのちラボプラストミルで140℃、30rpmで10分間
混練し、混練物をジェットミルPJM100(日本ニューマチック社製)で微粉砕した
。粉体気流分級機MSD(日本ニューマチック社製)で微粉砕物から2μ以下の微
粉をカットした。得られた粉体1000部にアエロジルR972(日本アエロジル)3部
を均一混合してトナーを得た。 現像剤作製方法 上記トナー25部に電子写真用キャリアー鉄粉(日本鉄粉社製F-100)1000部を
混合して現像剤を得た。 比較使用例B,C 使用例Aでの実施例1の離型剤を比較例1〜2の離型剤にする以外は同様の方
法で現像剤を得た。 各現像剤の評価結果を表−1に示す。 耐ホットオフセット 市販の熱定着方式の複写機を用い、ホットオフセットが発生するヒートロール
の温度で評価した。 E 220℃以上 G 200℃以上220℃未満 P 200℃未満 低温定着性 市販の熱定着方式の複写機を用い、ヒートロール温度170℃での定着強度をテ
ープ剥離法により求めた。評価した。 E 残存率 90%以上 G 80%以上90%未満 P 80%未満 キャリアーへのフィルミング 現像剤をターブラシェカーミキサーで3時間100rpm混合した後、キャリアー表
面に付着しているトナーの量を顕微鏡で観察した。 本発明の離型剤はこれを含む電子写真トナーとした場合、耐ホットオフセット
性に優れているのみならず爪跡が発生しにくくまたキャリアーへのトナー付着(
キヤリアーへのフィルミング)も少ないことが確認できた。 [発明の効果] 本発明の離型剤はこれを含む電子写真トナーとした場合、耐ホットオフセット
性に優れているのみならず低温定着性にも優れさらにキャリアーへのフィルミン
グ物の付着量の増大を防ぐことができその有用性は極めて高い。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】160℃における溶融粘度が60〜1000cpsであるエチレン−プロピレン
    系樹脂からなり、エチレンとプロピレンがランダム構造であり、エチレン−プロ
    ピレン系樹脂の重量に基づきエチレン含有量が25%以下3%以上であり、998cm-1
    の吸光度(D998)と974cm-1の吸光度(D974)の比(D998/D974)が0.75〜0.90
    であることを特徴とする電子写真トナー用離型剤。 【請求項2】エチレン−プロピレン系樹脂の重量に基づきエチレン含有量が10
    %以下である請求項1記載の電子写真トナー用離型剤。 【請求項3】請求項1または2記載の離型剤と熱可塑性樹脂からなる電子写真ト
    ナー用組成物。

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