JP2654994B2 - 5´―置換―5―フルオロウリジン誘導体 - Google Patents

5´―置換―5―フルオロウリジン誘導体

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JP2654994B2
JP2654994B2 JP1181441A JP18144189A JP2654994B2 JP 2654994 B2 JP2654994 B2 JP 2654994B2 JP 1181441 A JP1181441 A JP 1181441A JP 18144189 A JP18144189 A JP 18144189A JP 2654994 B2 JP2654994 B2 JP 2654994B2
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勝彦 藤本
忠史 寺田
純一 山下
三治 安本
節夫 武田
淳二 内田
ヴィエジバ・コンスタンチ
雄次 山田
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な5′−置換−5−フルオロウリジン誘
導体、より詳しくは、優れた制癌作用を有し抗腫瘍剤と
して有用な新規5′−置換−5−フルオロウリジン誘導
体に関する。
従来の技術 5−フルオロウリジン(以下FURとする)は1959年に
最初に合成され、その優れた抗悪性腫瘍作用が既に知ら
れている(米国特許第2885398号)。しかしながら毒性
面で臨床上問題があり、開発の課題とするところであっ
た。FURを種々の誘導体に変換することで上記の問題を
解決しようとする試みが数多く行われているが、効力に
優れ、勝つ毒性面で満足できる化合物はまだ得られてい
ない。
発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、効力に優れ、且つ毒性面で満足でき
るFUR誘導体を提供することにある。
本発明者らはかかる状況に鑑みて、臨床上有効なFUR
の誘導体について検討した結果、上記目的を達成し得る
5′−置換−5−フルオロウリジン誘導体を見出だし、
ここに本発明を完成した。
問題を解決するための手段 本発明の5′−置換−5−フルオロウリジン誘導体
は、下記一般式(I) [式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はアラルキル
基を表し、R2は低級アルキル基又はアラルキル基を、又
R1とR2は隣接する炭素原子及び酸素原子と共にテトラハ
イドロフラニル基又はテトラハイドロピラニル基を形成
してもよい。]で示される。
本発明の化合物(I)はFURに比べ毒性が低く、且つ
強力な抗腫瘍作用を有し医薬として有用である。
上記一般式(I)中、R1又はR2で示される低級アルキ
ル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝状のアルキ
ル基が挙げられる。
アラルキル基としては、1個又は数個の芳香族置換
基、例えばフェニル基又はナフチル基で置換されている
炭素数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基、例えばベ
ンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、
α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニル
メチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニル
メチル等が挙げられる。又芳香族基それ自体が、1〜3
個の炭素原子を有する1個又は数個のアルキル基又はア
ルコキシ基で置換されても良く、この場合のアラルキル
基としては、例えば4−メチルベンジル、2,4,6−トリ
メチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メ
トキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチ
ル等が挙げられる。好適にはベンジル基である。以下に
本発明化合物の製造方法について説明する。
まず、5−フルオロウリジンを出発原料とし、2′位
及び3′位の水酸基を通常のアシル化反応で、又はニト
ロフェニルクロロホルメートを用い環状カルボニル基を
形成する文献記載の方法[アール.エル.レチンジャー
(R.L.Letsinger)ら、ジャーナル オブ オーガニッ
ク ケミストリー(J.Org.Chem.)32、296(1967)]に
従って保護し、下記一般式(III)とする。
[式中R3、R4は水酸基の保護基を表す。] 次に、一般式(III)の化合物を、 一般式 [式中R1及びR2は前記に同じ] で表されるアセタール化合物又は 一般式 R2O−CH=CH−R5 (V) [式中R2は前記に同じ。R5は水素原子、低級アルキル
基、アリル基又はアラルキル基を表す。R2とR5は互いに
結合してジヒドロピラン又はジヒドロフランを形成して
もよい。] で表されるエノールエーテル化合物と、適当な有機溶媒
中、酸の存在下に反応させ、下記一般式(II)の化合物
を得る。
[式中R1、R2、R3及びR4は前記に同じ] 化合物(II)は単離し又は単離することなく、2′位
及び3′位の保護基を除去することにより本発明の化合
物(I)が得られる。
化合物(II)を得るための反応に用いられる有機溶媒
としては、反応に悪影響を与えないものであれば特に限
定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロ
ロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プ
ロトン性極性溶媒等の従来公知のものを単独であるいは
複数混合して用いることができる。
化合物(II)を得るための反応に用いられる酸として
は、この種の反応に通常用いるれる種々の酸を使用で
き、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、トシル酸等の有機酸、塩化亜鉛、塩化アルミニウム
等のルイス酸、Dowex−50W(H+[ダウケミカルズ社]等
の強酸性陽イオン交換樹脂等が好適に用いられる。酸の
使用量は、一般式(III)の化合物1モルに対し通常0.0
1〜10モル程度、好ましくは0.01〜3モル程度である。
アセタール化合物(IV)の使用量は化合物(III)1
モルに対し通常1〜20モル程度、好ましくは2〜10モル
程度である。
反応温度は特に限定されるものではないが、通常0〜
100℃程度、好ましくは室温から60℃程度が反応の進行
に有利である。反応時間は、使用する溶媒、酸の種類、
反応温度により異なるが、一般には1〜24時間程度であ
る。
化合物(II)の2′位及び3′位保護基の脱保護反応
は、塩基を用いる加溶媒反応によって容易に実施され
る。ここで用いられる溶媒としては、加溶媒反応に使用
される溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、水等のプロトン性極性溶媒を単独で、或いは反応
に悪影響を及ぼさない溶媒ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
類等を複数混合して用いることができる。塩基として
は、この種の脱保護反応で通常用いられる種々の塩基を
使用でき、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア、炭酸ナト
リウム等の無機塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、ピリジ
ン、イミダゾール、トリアリキルアミン、ジアルキルア
ミン、モノアルキルアミン等の有機塩基が用いられる。
脱保護反応に用いられる塩基の使用量は、一般式(II)
の化合物1モルに対して1〜20モル程度である。反応温
度は0℃から溶媒の還流温度、好ましくは15〜40℃程度
がよい。反応時間は1〜24時間、好ましくは1〜8時間
程度がよい。
上記の方法で得られる本発明化合物(I)及び(II)
は、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の
通常の分離精製手段により、単離精製することができ
る。
上記一般式(II)及び(III)中、R3、R4で示される
2′位及び3′位の水酸基の保護基としては、核酸化学
の分野で常用され、塩基性条件で脱保護できる例えばア
セチル、プロピオニル、ブチリル若しくはイソブチリル
基等のアルカノイル基、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル若しくはプロポキシカルボニル基等のアルコ
キシカルボニル基、アセチルオキシメチルカルボニル、
プロピオニルオキシメチルカルボニル若しくはアセチル
オキシエチルカルボニル基等のアシルオキシアシル基、
p−クロロベンゾイル、p−メチルベンゾイル、p−ニ
トロベンゾイル基等の置換基を有するアロイル基等のア
シル基、又はR3とR4とが一緒になった環状カルボニル基
などの使用が望ましい。
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
参考例1[5−フルオロウリジン−2′,3′−サイクリ
ックカーボネートの製造] 5−フルオロウリジン5.00g(19.0mmol)のピリジン5
0ml溶液に、氷冷下にp−ニトロフェニルクロロホルメ
ート5.38g(26.7mmol)及びジメチルアミノピリジン0.5
gを加え、室温で25時間攪拌する。反応液を減圧下濃縮
し、得られた残査を冷5%塩酸水150mlにあけ、食塩で
飽和した後、酢酸エチル(100ml×3)で抽出する。抽
出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、
得られた残査をシリカゲル(200g)カラムクロマトグラ
フィに付す。酢酸エチル溶出分から目的物4.20gを得る
(収率76%)。1 H−NMR(DMSO−d6)のδ(ppm)値 12.3(1H,br,3−NH) 8.17(1H,d,J=7.03,C6−H) 5.97(1H,m,C1′−H) 5.22〜5.64(3H,m,C2′,C3′−H,5′−OH) 4.15〜4.50(3H,m,C4′,C5′−H) 実施例1[5′−(テトラヒドロピラン−2−イル)−
5−フルオロウリジン(化合物I−1)の製造] 5−フルオロウリジン−2′,3′−サイクリックカー
ボネート1.5g(5.2mmol)の無水ジオキサン20ml溶液
に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン4.4g(52.3mmol)のジ
オキサン20ml溶液、次いでパラトルエンスルホン酸100m
gを加え、室温で2時間攪拌した。反応液にトリエチル
アミン(150mg)を加えた後、減圧下濃縮した。残査を
シリカゲル(100g)カラムクロマトグラフィに付し、ク
ロロホルム−メタノール(100:1)の溶出分から5′−
(テトロヒドロピラン−3−イル)−5−フルオロウリ
ジン−2′,3′−サイクリックカーボネート(化合物II
−1)の1.5gを得た。
得られた化合物(II−1)をピリジン−水(1:1)混
合液20mlに溶解し、20分間還流した。反応液を濃縮し、
得られた残査をシリカゲル(100g)カラムクロマトグラ
フィに付した。クロロホルム−メタノール(9:1)の溶
出分を減圧濃縮し、残査をエーテルで結晶化して、標題
の化合物(I−1)645mgを得た。
化合物(II−1)の1H−NMR(溶媒DMSO、内部標準TM
S)のδ(ppm)値を第1表に、化合物(I−1)の1H−
NMR(溶媒DMSO、内部標準TMS)のδ(ppm)値、収率
(%)及び融点(℃)を第2表に各々示す。
実施例2[5′−(1−ベンジルオキシプロピル)−5
−フルオロウリジン(化合物I−2)の製造] 5−フルオロウリジン−2′,3′−サイクリックカー
ボネート3.0g(10.4mmol)及びプロピオンアルデヒドジ
ベンジルアセタール16.0g(62.5mmol)の無水ジオキサ
ン(40ml)溶液にピリジウムパラトルゥエンスルホネー
ト300mgを加え、50℃で1.5時間攪拌した。反応液にトリ
エチルアミン1mlを加えた後、減圧下濃縮した。残査を
シリカゲル(40g)カラムクロマトグラフィに付し、ク
ロロホルム−メタノール(49:1)の溶出分を減圧濃縮す
ることにより、5′−(1−ベンジルオキシプロピル)
−5−フルオロウリジン−2′,3′−サイクリックカー
ボネート(化合物II−2)を得た。これをピリジン−水
(1:1)混合液100mlに溶解し、30分間還流加熱した。反
応液を減圧濃縮し、得られた残査をシリカゲル(50g)
カラムクロマトグラフィに付した。クロロホルム−メタ
ノール(97:3)の溶出分を減圧濃縮し、残査をエーテル
で結晶化して、標題の化合物(I−2)2.22gを得た。
化合物(I−2)の1H−NMR(溶媒DMSO、内部標準TM
S)のδ(ppm)値、収率(%)及び融点(℃)を第2表
に示す。
実施例3[5′−(1−ベンジルオキシ−2,2−ジメチ
ル−プロピル)−5−フルオロウリジン(化合物I−
3)の製造] 5−フルオロウリジン−2′,3′−サイクリックカー
ボネート3.0g(10.4mmol)及びピバルアルデヒドジベン
ジルアセタール16.0g(56.3mmol)の無水ジオキサン(3
0ml)溶液にパラトルエンスルホン酸100mgを加え、60℃
で1時間反応した。反応液にトリエチルアミン0.4mlを
加えた後、減圧下濃縮し、得られる残査をシリカゲル
(50g)カラムクロマトグラフィに付した。ヘキサン−
酢酸エチル(1:1)の溶出分を減圧濃縮して得られた粗
製物を、ピリジン−水(1:1)混合液に溶解し、40分間
還流加熱した。反応液を濃縮し、得られた残査をシリカ
ゲル(50g)カラムクロマトグラフィに付し、クロロホ
ルム−メタノール(97:3)の溶出分を減圧濃縮し、残査
をヘキサン−エーテルで再結晶して、標題の化合物(I
−3)683mgを得た。
化合物(I−3)の1H−NMR(溶媒DMSO、内部標準TM
S)のδ(ppm)値、収率(%)及び融点(℃)を第2表
に示す。
実施例4 同様にして化合物(II−4)、(II−5)及び化合物
(I−4),(I−5)を製造した。これらの同定値を
第1表及び第2表に各々示す。
薬理試験 マウス可移植性腫瘍ザルコーマ180細胞5×106個を雄
性ICR/JCLマウス(体重27〜30g)の背部皮下に移植し
た。検体を0.1%ツイーン80を含有する生理食塩水に溶
解または懸濁し、これを1群を7匹としたマウスに0.1m
l/10gマウス体重の用量で、腫瘍移植日後1日目、5日
目及び9日目に計3回腹腔内投与した。
対照群には、検体を含まない上記溶液を同様の方法に
て投与した。
移植後12日目に各検体について、各々の投与量での平
均腫瘍重量を測定し、これらを対照群における平均重量
と対比し、各投与量での対照群に対する腫瘍増殖抑制率
を求めた。
得られた結果を第3表に示す。
表中の死亡匹数は、腫瘍移植後12日以内に死亡したマ
ウスの匹数を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 淳二 徳島県板野郡藍住町矢上字春日3―3 (72)発明者 ヴィエジバ・コンスタンチ 徳島県板野郡北島町北村字新川屋41―2 (72)発明者 山田 雄次 徳島県徳島市住吉4―2―8

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基又はアラルキル
    基を表し、R2は低級アルキル基又はアラルキル基を、又
    R1とR2は隣接する炭素原子及び酸素原子と共にテトラハ
    イドロフラニル基又はテトラハイドロピラニル基を形成
    してもよい。]で示される5′−置換−5−フルオロウ
    リジン誘導体。
JP1181441A 1989-07-13 1989-07-13 5´―置換―5―フルオロウリジン誘導体 Expired - Lifetime JP2654994B2 (ja)

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