JP2654797B2 - 商用電力系統に接続される局部発電システムの運転制御方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は太陽光発電装置等のように自然エネルギーを
利用し直流電力を発電し、交流電力に変換し商用電力系
統に送電する発電システムの運転制御方式に関するもの
である。

〔従来技術及び発明が解決しようとする課題〕

太陽電池を具備する太陽光発電装置等のように自然エ
ネルギーを利用し直流電力を発電し、この直流電力を交
流電力に変換し、商用電力系統に送電する発電システム
において、商用電力系統側が停電した場合、それを検知
し発電システムを商用電力系統から切り離すことが必要
となる。もしこの場合、発電システムを商用電力系統か
ら切離さないと、本来死線とすべき商用電力系統が活線
となり、商用電力系統の保守点検作業が非常に危険であ
る。しかしながら従来このようなシステムにおいて、発
電システム側で商用電力系統の停電を的確に検知する方
法はなく、商用電力系統側をしゃ断器を作動させて停電
させた際、この信号を発電システム側に有線等で伝送
し、発電システム側を商用電力系統から切り離してい
る。

しかしながら商用電力系統の送り出し端と発電システ
ム側の距離が離れていると上記信号を伝送するための信
号線が長くなり、設備費用が高価となり、また発電シス
テムの運転開始時の操作等に種々の困難な問題があっ
た。

本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、発電シス
テム側で商用電力系統の停電を的確に検出すると共に、
商用電力系統の停電の場合、発電システムを商用電力系
統から速やかに切り離すことができる商用電力系統に接
続される発電システムの運転制御方式を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため本発明は、第１図に示すよう
に、太陽電池１のような自然エネルギーを利用し直流電
力を発電する発電装置、蓄電池８、充電制御装置６及び
インバータ３を具備し、発電装置で発電された直流電力
及び蓄電池８に蓄電された直流電力をインバータ３によ
り交流電力に変換し、商用電力系統10に送電する商用電
力系統10に接続された発電システムの運転方式におい
て、インバータ３の出力側から充電制御装置６により蓄
電池８に供給する電流を定期的に短時間変化させ、イン
バータ３の出力電圧変化又は周波数変化から商用電力系
統10の停電を検知し、該商用電力系統10が停電の場合発
電システムを該商用電力系統から切離すことを特徴とす
る。

〔作用〕

上記のようにインバータ３の出力側から充電制御装置
６により蓄電池８が満充電に近い時は蓄電池８に常時低
電流を流すと共に定期的に短時間大電流を流し、また蓄
電池８が不足充電に近い時は蓄電池８に常時大電流を流
すと共に定期的に短時間低電流を流すことにより、商用
電力系統10が停電の場合インバータ３の出力と全負荷の
間に平衡がとれることなく、インバータ３の出力が増加
又は減少する方向に変化する。そしてこの変化はインバ
ータ３の電圧変化又は周波数変化としてあらわれるか
ら、この電圧変化又は周波数変化を監視することにより
商用電力系統10側の停電を的確に検知することができ
る。

〔実施例〕

第１図は本発明に係る運転制御方式を適用する発電シ
ステムの構成を示す図である。なお、本実施例では自然
エネルギーを利用して直流電流を発電する発電装置とし
て太陽電池を用いる発電システムを説明する。第１図に
おいて、１は太陽電池、２は逆流阻止ダイオード、３は
インバータ、４は開閉器、５は開閉器、６は充電制御装
置、７は逆流阻止ダイオード、８は蓄電池、９は交流負
荷、10は商用電力系統である。

上記構成の発電システムにおいて、正常時は太陽電池
１で発電された直流は逆流阻止ダイオード２を通してイ
ンバータ３及び蓄電池８に供給される。インバータ３で
は直流を商用電力系統10の周波数の交流に変換し、開閉
器５を通して商用電力系統10に送電する。また、インバ
ータ３は商用電源をモニターし、電圧、周波数を一定に
保っている。

充電制御装置６は蓄電池８に対し、満充電に近い時は
常時低電流を供給し、定期的に短時間大電流を供給す
る。（系統電圧に大きな影響を与えない範囲で低電流と
大電流の差が大きいほうがよい。）また、蓄電池８が不
足充電に近い場合は前記満充電に近い場合とは反対に常
時は大電流を供給し、定期的に短時間低電流を供給す
る。

発電システムが、商用電力系統10に接続されている状
態で、商用電力系統10の送り出し端において、しゃ断器
が作動し商用電力系統10が停電した場合、商用電力系統
10の負荷及び交流負荷９は全て太陽電池１又は蓄電池８
よりインバータ３を介して供給されることになる。この
時万一接続されている全負荷とインバータ３の出力とが
等しい時は、インバータ３において商用電力送り出し側
が停止した事を検知できず、負荷の消費電力が変化しな
い限り長時間電力を供給し続ける事が起こり得る。この
時上記充電制御装置６が定期的に短時間蓄電池８に対
し、電流を変化させれば、長時間全負荷とインバータ３
の出力が平衡することなく、インバータ３の出力は増加
するか又は減少する方向に変化する。そしてこの変化は
インバータ３において電圧の変化又は周波数の変化とな
って表れる。従って、インバータ３の出力電圧又は周波
数を監視し、出力電圧又は周波数の変化量がある一定範
囲を越えた時、開閉器５を作動させ、発電システムを商
用電力系統10から切り離す。これにより、商用電力系統
10が停電の場合、発電システムを商用電力系統10から切
り離さないことにより、本来死線とすべき商用電力系統
が活線となり、商用電力系統の保守点検作業が非常に危
険であるという問題は解消される。しかも従来のよう
に、商用電力系統10側のしゃ断器の動作信号を発電シス
テム側に有線等で伝送する必要がないから設備費が大幅
に低減できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、インバータの出
力側より充電制御装置により蓄電池に供給する電流を定
期的に短時間変化させることにより、インバータの出力
と全負荷の間に平衡がとりれなくなり、インバータの出
力が増加又は減少する方向に変化し、これがインバータ
の出力電圧変化又は周波数変化として表れるから、この
電圧変化又は周波数変化により商用電力系統側の停電を
的確に検知し、商用電力系統の停電の時、発電システム
を切り離すので、本来死線とすべき商用電力系統が活線
となり、商用電力系統の保守点検作業が非常に危険であ
るという問題を極めて安価な設備で解消できるという優
れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る運転制御方式を適用する発電シス
テムの構成を示す図である。 図中、１……太陽電池、２……逆流阻止ダイオード、３
……インバータ、４……開閉器、５……開閉器、６……
充電制御装置、７……逆流阻止ダイオード、８……蓄電
池、９……交流負荷、10……商用電力系統。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自然エネルギーを利用し直流電力を発電す
   る発電装置、蓄電池、充電制御装置及びインバータを具
   備し、前記発電装置で発電された直流電力及び蓄電池に
   蓄電された直流電力を前記インバータにより交流電力に
   変換し、商用電力系統に送電する商用電力系統に接続さ
   れた発電システムの運転方式において、 前記インバータの出力側から前記充電制御装置により前
   記蓄電池に供給する電流を定期的に短時間変化させ、イ
   ンバータの出力電圧変化又は周波数変化から前記商用電
   力系統の停電を検知し、該商用電力系統が停電の場合前
   記発電システムを該商用電力系統から切離すことを特徴
   とする商用電力系統に接続される発電システムの運転制
   御方式。