JP2654673B2 - ペプチド及び抗痴呆剤 - Google Patents

ペプチド及び抗痴呆剤

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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、向知能作用を有し、従って医薬として有用
なペプチドに関する。
[従来の技術] バソプレシンに向知能作用のあることは古くから知ら
れているが、最近バソプレシンの断片とみなし得るペプ
チド、例えば、 で表わされるペプチドにもバソプレシンと同様に向知能
作用があることが報告された[サイエンス(Science)2
21,1310−1312(1983)]。
また、 で表わされるペプチドにも向知能作用があることも報告
されている(特開昭59−93036号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このようなバソプレシン及びバソプレシン
断片ペプチドよりも、さらに優れた向知能作用を有する
新規なペプチドを提供することを目的とするものであ
る。
[問題を解決するための手段] 本発明は、式(I): で表わされるペプチド若しくはその官能基における誘導
体、又はそれらの薬理学的に許容され得る塩に関する。
本発明はまた、式(II): で表わされるペプチド若しくはその官能基における誘導
体、又はそれらの薬理学的に許容され得る塩に関する。
上記式(I)、及び(II)のペプチドの官能基におけ
る誘導体は、下記のものを意味する。
a)1〜6個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸、好
ましくは酢酸から誘導されるN−アシル誘導体、 b)アミド又は1〜6個の炭素原子のアルキル基を有す
るモノアルキル又はジアルキル置換アミド、及び、 c)1〜18個の炭素原子を有するアルコール、好ましく
は1〜6個の炭素原子を有する脂肪族アルコールから誘
導されるエステル。
上記ペプチド若しくはその官能基における誘導体の薬
理学的に許容され得る塩としては、酸付加塩及び塩基性
塩を挙げることができる。このような酸付加塩として
は、無機酸(例、塩酸、硫酸、燐酸)又は有機酸(例、
酢酸、プロピオン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、シ
ュウ酸、メタンスルホン酸)等の塩が挙げられる。ま
た、塩基性塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、ト
リエチルアミン塩等が挙げられる。
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、保護基、溶
媒等は当該技術分野で慣用されている略号、或いは、IU
PAC−IUBの命名委員会で採用された略号を使用してい
る。例えば下記の略号が使用される。また、光学配置を
示さない場合アミノ酸はL型を意味するものとする。
Asn:アスパラギン Arg:アルギニン Cys:システイン Gly:グリシン pGlu:ピログルタミン酸 Pro:プロリン Boc:t−ブトキシカルボニル Z:ベンジルオキシカルボニル Mbs:p−メトキシベンゼンスルホニル MBzl:p−メトキシベンジル Acm:アセトアミドメチル Scm:カルボメトキシスルフェニル OSu:N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル DCC:N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド DCUrea:N,N′−ジシクロヘキシルウレア HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール NMM:N−メチルモルホリン TFA:トリフルオロ酢酸 MSA:メタンスルホン酸 THF:テトラヒドロフラン AcOEt:酢酸エチル AcOH:酢酸 DMF:N,N−ジメチルホルムアミド MeOH:メタノール 本発明の化合物は、ベプチド化学において通常用いら
れる方法、例えば、Schrder and Lbke著「ザ ペプ
チド(The Peptides)」第一巻、Academic Press,New Y
ork,U.S.A.(1965年)、泉屋信夫ら著「ペプチド合成の
基礎と実験」丸善(株)(1985年)などに記載されてい
る方法によって製造することができ、液相法及び固相法
のいずれによっても製造できる。
ペプチド結合を形成するための縮合方法として、アジ
ド法、酸クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド法、N,N′−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド−アディティブ法、活性
エステル法、カルボニルジイミダゾール法、酸化還元
法、ウッドワード試薬Kを用いる方法等が挙げられる。
縮合反応において本発明のペプチド類を構成するアミ
ノ酸のうち、シスチン部位はシスチン誘導体を用いる
か、若しくは、システイン残基としてペプチド鎖を形成
後に公知の方法によりシスチンに変換することも可能で
ある。
縮合反応を行なう前に、それ自体公知の手段により、
反応に関与しないカルボキシル基、アミノ基等を保護し
たり、また反応に関与するカルボキシル基、アミノ基を
活性化してもよい。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチル、
エチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、t−ブチル、
シクロヘキシル等のエステルを挙げることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、ベンジルオキシ
カルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、イソボルニ
ルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル基等を挙げることができる。
グアニジノ基の保護基としては、例えば、ニトロ基、
ベンジルオキシカルボニル基、トシル基、p−メトキシ
ベンゼンスルホニル基、メシチレンスルホニル基等を挙
げることができる。
メルカプト基の保護基としては、例えば、トリチル
基、アセトアミドメチル基、ベンジル基、p−メトキシ
ベンジル基、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基
等を挙げることができる。
カルボキシル基の活性化されたものとしては、例え
ば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコ
ール(例、ベンタクロロフェノール、2,4−ジニトロフ
ェノール、シアノメチルアルコール、p−ニトロフェノ
ール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボキシイミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−
ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール)とのエステル]等が挙げられる。アミノ基の活
性化されたものとしては、例えば、対応する燐酸アミド
が挙げられる。
反応は、通常溶媒中に行なわれ、例えば、クロロホル
ム、ジクロルメタン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、水、メタノール等の溶媒、又
は、これらの混合物中で行なうことができる。
反応温度は、一般に使用される約−30℃〜約50℃の範
囲で行なうことができる。
本発明のペプチドの保護基脱離反応は、使用する保護
基の種類によって異なるが、ペプチド結合に影響を与え
ず、保護基が除かれることが必要である。
保護基の脱離方法としては、例えば、塩化水素、臭化
水素、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、又は、これら
の混合物等による酸処理が挙げられるが、この他に、液
体アンモニア中ナトリウム、パラジウム炭素による還元
等も挙げられる。上記酸処理による脱保護基反応におい
ては、アニソール、フェノール、チオアニソールの如き
カチオン捕捉剤の添加が有効である。
このようにして製造された本発明のペプチドは、反応
終了後、それ自体公知のペプチドの分離手段、例えば、
抽出、分配、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグラフィ
ー等によって収得することができる。
また、本発明のペプチドは、それ自体公知の方法によ
り、前記のような、その官能基における誘導体、又は、
それらの薬理学的に許容され得る塩にすることができ
る。
本発明のペプチドは、ラットにおける受動的回避試験
において強い向知能作用を示す。
本発明のペプチドの有用な対象疾病名としては、例え
ば、老年痴呆(アルツハイマー型痴呆)、脳血管性痴
呆、ならびに、アルツハイマー病、ピック病、ハンチン
トン無踏病、クロイツフェルト・ヤコブ病、パーキンソ
ン病、小脳脊髄変性症、等に基く痴呆症などが挙げら
れ、これらの疾病の予防又は治療に用いることができ
る。
本発明のペプチドの毒性は、極めて低く、薬効有効量
を遥かに上回る投与量でも死亡例はない。
本発明のペプチドは、遊離体、又はその官能基におけ
る誘導体、又はそれらの塩として投与できる。その投与
量は、それらの何れであっても、遊離体の量として、一
般に体重1kg当り1ng〜1mg/日の範囲の量が適当である。
特に、非経口投与、経鼻投与では、10ng〜100μg/kg・
日が好ましく、経口投与、直腸投与では、非経口投与の
10〜100倍投与することが好ましい。本発明のペプチド
は、主として、非経口的に投与(例、静脈内又は皮下注
射、脳室内又は脊髄腔内投与、経鼻投与、直腸投与)さ
れるが、場合によっては、経口投与されてもよい。
剤型としては、例えば、注射剤、坐剤、散剤、点鼻
剤、丸剤、錠剤等が挙げられる。本発明のペプチドは生
理食塩水の溶液として保存することができるが、マンニ
トール、ソルビトールを添加して凍結乾燥アルプルと
し、使用時に溶解することもできる。
従って、本発明は、上記のペプチドのいずれか、又は
それらの薬理学的に許容される塩の有効量、及び薬理学
的に許容される担体もしくは希釈剤を含有してなる抗痴
呆剤にもある。
以下に実施例を示す。
各実施例において、薄層クロマトグラフィーの展開溶
媒は下記の通りであり、メルク社製TLCプレートシリカ
ゲル60F254を用いた。
Rf 1:クロロホルム−メタノール−酢酸−水 (80:20:2.5:5)下層 Rf 2:クロロホルム−メタノール−水 (70:30:5) Rf 3:n−ブタノール−酢酸−水(2:1:1) また、高速液体クロマトグラフィーによる精製は、 カラム:μBondapak C18 1.9×15cm 移動相:A)0.05%TFA、B)アセトニトリルを使用して
行なった。
[実施例1] (1)Z−D−Arg(Mbs)−Gly−NH2 Z−D−Arg(Mbs)−OHジシクロヘキシルアミン塩30
gを、AcOEt 500ml+5%クエン酸水200ml中で攪拌溶解
させた後、AcOEt層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。
溶媒を留去し、得られた残留物をDMF300mlに溶解し、
氷冷下にH−Gly−NH2塩酸塩5g、NMM 5ml、HOBt 8g及び
DCC 9.8gを添加した。混合物を室温で18時間攪拌した
後、DCUreaを濾別し、DMFを留去した。
残留物を2−ブタノール−CH2Cl2(5:1v/v)に溶解
し、飽和炭酸水素ナトリウム水、食塩飽和希塩酸水、飽
和食塩水にて順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。
溶媒を留去の後、残留物をMeOH−エーテルより結晶化
させ標記の化合物を濾集した。
収量:14.6g 融点:194〜196℃ Rf 1:0.24 Rf 2:0.52 [α]D:−2.9゜(c=0.5,DMF) (2)Boc−Pro−D−Arg(Mbs)−Gly−NH2 Z−D−Arg(Mbs)−Gly−NH210.7gを、80%AcOH200
ml中で10%パラジウム炭素の存在下に、6時間水素気流
中で攪拌した。
パラジウム炭素を濾別した後、溶媒を留去した。残留
物を減圧乾燥した後、DMF100mlに溶解し、NMM3ml、Boc
−Pro−OSu6.2gを加え、室温にて18時間攪拌した。
DMFを留去し、残留物を2−ブタノール−CH2Cl2(5:1
v/v)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水、食塩飽和
希塩酸水、飽和食塩水にて順次洗浄の後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。
溶媒を留去の後、残留物にエーテルを加え結晶化させ
標記の化合物を濾集した。
収量:11.9g 融点:108〜111℃ Rf 1:0.32 Rf 2:0.56 [α]D:−6.9゜(c=0.5,DMF) (3)Boc−Cys(Acm)−Pro−D−Arg(Mbs)−Gly−N
H2 Boc−Pro−D−Arg(Mbs)−Gly−NH29gを、THF100ml
と4NHCl−AcOEt100mlとの混合溶媒中に室温で30分間放
置した後、溶媒を留去した。
残留物を減圧乾燥した後、DMF100mlに溶解し氷冷下で
NMM3.3ml、Boc−Cys(Acm)−OH4.8g、HOBt2.4g及びDCC
3.4gを加え、室温にて18時間攪拌した。
DCUreaを濾別し、DMFを留去し、残留物を2−ブタノ
ール−CH2Cl2(5:1v/v)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水、食塩飽和希塩酸水、飽和食塩水にて順次洗浄の
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去の後、残留物にエーテルを加え結晶化させ
標記の化合物を濾集した。
収量:9.8g 融点:88〜90℃ Rf 1:0.21 Rf 2:0.52 [α]D:−17.6゜(c=0.5,DMF) (4)Z−pGlu−Asn−Cys(Acm)−Pro−D−Arg(Mb
s)−Gly−NH2 Boc−Cys(Acm)−Pro−D−Arg(Mbs)−Gly−NH26.
3gを2NHCl−AcOH20ml中に室温で30分間放置した後、溶
媒を留去した。
残留物を減圧乾燥した後、DMF100mlに溶解し、氷冷下
でNMM1ml、Z−pGlu−Asn−OH3.1g、HOBt1.3g及びDCC1.
8gを加えた。
室温にて40時間攪拌した後、DCUreaを濾別し、DMFを
留去した。
残留物を2−ブタノール−CH2Cl2(5:1v/v)に溶解
し、飽和炭酸水素ナトリウム水、食塩飽和希塩酸水、飽
和食塩水にて順次洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。
溶媒を留去の後、残留物にエーテルを加え結晶化させ
標記の化合物を濾集した。
収量:6.0g 融点:161〜166℃ Rf 1:0.05 Rf 2:0.31 [α]D:−35.0゜(c=0.5,DMF) (5)Z−pGlu−Asn−Cys(Scm)−Pro−D−Arg(Mb
s)−Gly−NH2 Z−pGlu−Asn−Cys(Acm)−Pro−D−Arg(Mbs)−
Gly−NH21.0gのCH2Cl2−MeOH(1:1v/v)50ml溶液に氷冷
下、Cl−Scm0.15mlを加え、1時間攪拌した。
溶媒を留去し、エーテルを加え結晶化させ標記の化合
物を濾集した。
収量:1.0g 融点:176〜180℃ Rf 1:0.11 Rf 2:0.42 [α]D:−54.3゜(c=0.5,DMF) Z−pGlu−Asn−Cys(Scm)−Pro−D−Arg(Mbs)−
Gly−NH2 1.0gDMF20ml溶液にシステイン塩酸塩0.38gを加え、室温
で1時間攪拌した。
溶媒を流去し、残留物をCHCl3−MeCHを用いて シリカゲルカラム精製後、エーテルにて結晶化させ標
記の化合物を濾集した。
収量:0.68g 融点:162〜166℃ Rf 2:0.05 [α]D:−37.9゜(c=0.5,DMF) 420mgをMSA4ml及びアニソール0.4ml中で、室温で1.5
時間攪拌した後、エーテルを加え、上澄を除去した。沈
殿物を水に溶解し、Dowex1×2(アセテート型)処理の
後、水を留去した。
残留物を0.05%TFAに溶解し、15ml/分(流量)、0か
ら10%B)20分直線グラジエント(移動相)にて、高速
液体クロマトグラフィー精製の後、Dowex1×2(アセテ
ート型)処理し、凍結乾燥して標記の化合物を得た。
収量:80mg Rf 3:0.07 [α]D:−129.1゜(c=0.6,水) [実施例2] (1)Boc−D−Pro−Arg(Mbs)−Gly−NH2 Z−Arg(Mbs)−Gly−NH25.2g、Boc−D−Pro−OSu
3.1g、及びNMM2.2mlから、実施例1(2)におけると同
様にして標記の化合物を得た。
収量:5.7g 融点:88〜91℃ Rf 1:0.35 Rf 2:0.59 [α]D:+8.7゜(c=0.6,DMF) (2)Boc−Cys(Acm)−D−Pro−Arg(Mbs)−Gly−N
H2 Boc−D−Pro−Arg(Mbs)−Gly−NH22.5g、Boc−Cys
(Acm)−OH1.3g、HOBt0.73g、DCC0.94g及びNMM1mlか
ら、実施例1(3)におけると同様にして標記の化合物
を得た。
収量:2.2g 融点:110〜114℃ Rf 1:0.22 Rf 2:0.50 [α]D:−21.9゜(c=0.5,DMF) (3)Z−pGlu−Asn−Cys(Acm)−D−Pro−Arg(Mb
s)−Gly−NH2 Boc−Cys(Acm)−D−Pro−Arg(Mbs)−Gly−NH22
g、Z−pGlu−Asn−OH2g、HOBt0.5g、DCC0.58g及びNMM
0.5mlから、実施例1(4)におけると同様にして標記
の化合物を得た。
収量:1.8g 融点:120〜124℃ Rf 1:0.09 Rf 2:0.35 [α]D:−23.3゜(c=0.5,DMF) (4)Z−pGlu−Asn−Cys(Scm)−D−Pro−Arg(Mb
s)−Gly−NH2 Z−pGlu−Asn−Cys(Acm)−D−Pro−Arg(Mbs)−
Gly−NH21g及びCl−Scm0.15mlから実施例1(5)にお
けると同様にして標記の化合物を得た。
収量:0.9g 融点:142〜147℃ Rf 1:0.20 Rf 2:0.49 [α]D:−40.8゜(c=0.5,DMF) Z−pGlu−Asn−Cys(Scm)−D−Pro−Arg(Mbs)−
Gly−NH20.5g及びシステイン塩酸塩0.15gから、実施例
1(6)におけると同様にして標記の化合物を得た。
収量:0.46g 融点:162〜165℃ Rf 2:0.07 [α]D:−26.2゜(c=0.5,DMF) 120mgを実施例1(7)におけると同様にしてMSA−ア
ニソール処理した後、12ml/分(流量)、0から20%
B)20分直線グラジエント(移動相)にて、高速液体ク
ロマトグラフィ精製し、Dowex1×2(アセテート型)処
理の後、凍結乾燥して標記の化合物を得た。
収量:53mg Rf 3:0.10 [α]D:−106.0゜(c=0.5,水) 次に、本発明のペプチドの有効性を示す薬理学的試験
例を示す。
[薬理学的試験例] 記憶固定に対する作用はWistar系雄性ラットを用い
て、ブルバッハ(Burbach)ら[サイエンス(Scienc
e),221,1310−1312(1983年)]の方法に準じた一試
行受動的回避実験により検討した。実験装置は、明室と
暗室とから成り、床はステンレス製グリッドでできてい
る。明室に入れられたラットは自由に暗室へ移動でき、
ラットが暗室に入った時に一回の電気ショックを経験さ
せる。電気ショックに対する受動的回避行動の保持は、
一定時間後に再び明室に置かれたラットが暗室に入るま
での時間(反応潜時)によって判定した。
1)記憶促進効果の検討 電気ショック(0.25mA)を経験させた直後に、前記実
施例1〜3で得られた本発明のペプチドまたは生理食塩
水を皮下投与し、24時間後に電気ショックの記憶保持試
験を行った。
生理食塩水のみを投与した対照群のラットは、一般に
50秒前後の反応潜時を示した。
また、比較のために、 比較例1(前記公知のペプチド): 比較例2(前記公知のペプチド): についても、同様の試験を行った。各群の試験に使用し
たラットの数は6〜8匹である。最大測定時間は600秒
とした。
各実施例で得られたペプチド及び各比較例のペプチド
について、その投与量及び効果(対照群の反応潜時に対
する各例の反応潜時の割合を%で示す)を第1表に示
す。
2)サイクロヘキシミド(cycloheximide)による実験
的逆向性健忘の改善効果の検討 本発明のペプチドまたは生理食塩水を皮下投与し1時
間後に電気ショック(0.5mA)を経験させ、その直後に
サイクロヘキシミド2.7〜3.0mg/kgまたは生理食塩水を
皮下投与し、48時間後に記憶保持試験を行った。生理食
塩水のみを投与したラットは一般に300秒前後の反応潜
時を示し、サイクロヘキシミドのみを投与した対照群の
ラットは50秒前後の反応潜時を示し逆向性健忘を発現し
た。
本発明のペプチド投与群の反応潜時の平均値と対照群
のそれとを比較した。各群の試験にに使用したラットの
数は6〜8匹である。最大測定時間は600秒とした。
各実施例で得られたペプチド及び比較例のペプチドに
ついて、その投与量及び効果(対照群の反応潜時に対す
る各例の反応潜時の割合を%で示す)を第2表に示す。
上記の試験結果から、本発明のペプチドは、公知のペ
プチドに比べて、1/10乃至1/100の投与量で同等の効果
を奏しており、優れた記憶促進効果及び逆向性健忘に対
する改善効果を示すことが明らかである。
本発明のペプチドは、公知のペプチドと構造が類似し
てはいるものの僅かな相違を有しており、この相違がペ
プチドの記憶固定に対する作用効果に重要な影響を及ぼ
している。この相違によって本発明のペプチドが優れた
効果を示すことは、ペプチドの記憶固定に対する作用
は、ペプチドの構造からは予測することが不可能である
ことを如実に明示するものであり、本発明のペプチドが
その作用効果において特異性を有するものであることを
示すものである。
例えば、実施例1で得られたペプチドは、比較例1の
ペプチドのL−ArgがD−Argに変っている他は同一であ
るにもかかわらず、その記憶固定に対する作用効果は、
実施例1で得られたペプチドは比較ペプチドに比べて1/
10の投与量で同等の効果を示しており、実施例1で得ら
れたペプチドが著しく優れた効果を奏することが明らか
である。
[製剤例1](注射剤) 注射用蒸留水100ml中に、実施例1で得られたペプチ
ド0.1mg、及び塩化ナトリウム0.9gを含有させ、pHを水
酸化ナトリウムで6.0〜8.0に調節した水溶液を調製し
た。これを、細胞濾過後1mlアンプルに充填、熔閉し加
熱滅菌して、注射剤を製造した。
[製剤例2](凍乾製剤) 注射用蒸留水100ml中に、実施例1で得られたペプチ
ド5mg、及びD−マンニット5gを含有させ、pHをリン酸
緩衝液で6.0〜8.0に調節した水溶液を調製した。これ
を、細菌濾過し、バイアル瓶に1ml分注した後、凍結乾
燥を行ない、凍結乾燥注射剤を製造した。
[製剤例3](点鼻剤) 生理食塩水100ml中に、実施例1で得られたペプチド1
0mgを含有させ、pHをクエン酸緩衝液で3.0〜6.0に調節
し、1回投与量0.5ml中に50μg含有する点鼻剤を製造
した。
[製剤例4](坐剤) ハードファット(飽和脂肪酸のトリグリセライド)9
8.5gに卵黄レシチン0.5gを加え、40〜45℃にて溶融させ
た後、実施例1で得られたペプチド5mgをPEG400の1gに
溶解させた液をこれに添加し攪拌分散させた後、その1g
を坐剤型に注入し、固化後型から分離して坐剤を製造し
た。
[発明の効果] 本発明のペプチドは、新規な化合物であり、優れた向
知能性作用を有しており、医薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 義春 東京都新宿区下落合4丁目6番7号 富 士レビオ株式会社内 (72)発明者 真崎 光夫 千葉県千葉市真砂5―11―6 (72)発明者 三宅 雅久 埼玉県越谷市弥十郎183―8 (72)発明者 上原 正樹 埼玉県北葛飾郡吉川町平沼1340―2 (72)発明者 平手 謙二 埼玉県春日部市増田新田407―9 (56)参考文献 特開 昭62−234095(JP,A) 特開 昭59−93036(JP,A) Sci.Sin.,(Ser.B) (Engl.Ed.)(1986),29 (8),832−43

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)もしくは(II): で表わされるペプチド、若しくはその官能基における下
    記の誘導体: a)1〜6個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸から
    誘導されるN−アシル誘導体、 b)アミドまたは1〜6個の炭素原子のアルキル基を有
    するモノアルキル又はジアルキル置換アミド、および c)1〜18個の炭素原子を有するアルコールから誘導さ
    れるエステルのいずれか、又はそれらの薬理学的に許容
    され得る塩。
  2. 【請求項2】式(I)もしくは(II): で表わされるペプチド、若しくはその官能基における下
    記の誘導体: a)1〜6個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸から
    誘導されるN−アシル誘導体、 b)アミドまたは1〜6個の炭素原子のアルキル基を有
    するモノアルキル又はジアルキル置換アミド、および c)1〜18個の炭素原子を有するアルコールから誘導さ
    れるエステル のいずれか、又はそれらの薬理学的に許容される塩の有
    効量、及び薬理学的に許容される担体もしくは希釈剤を
    含有してなる抗痴呆剤。
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