JP2651868B2 - 樹脂封止半導体及びその製造方法 - Google Patents

樹脂封止半導体及びその製造方法

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JP2651868B2 JP1108726A JP10872689A JP2651868B2 JP 2651868 B2 JP2651868 B2 JP 2651868B2 JP 1108726 A JP1108726 A JP 1108726A JP 10872689 A JP10872689 A JP 10872689A JP 2651868 B2 JP2651868 B2 JP 2651868B2
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  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、樹脂封止半導体のリードフレームの材料と
その表面形状に係り、特に樹脂との接着強度を強くして
耐湿性を向上するに好適な樹脂封止半導体及びその製造
方法。
〔従来の技術〕
従来の樹脂封止半導体及びその製造方法においては、
リードフレームの表面形状に関し特別な配慮が加えられ
ず平坦な表面形状のまま利用されることが多く、樹脂と
熱伝導率差がなくかつ接着性が良い高価な素材が使用さ
れていた。特公昭62−014744号公報の第1図(イ)〜
(ニ)に示されるように、樹脂とリードフレームとの接
着強度の向上を目的として、レーザービームの照射によ
りオーバーハングした溝を付けることがなされていた。
また、その他の一般的手法は、機械加工やパンチング等
によりリードフレームの表面に凹凸を付ける発明も見受
けられた。
そして、特公昭60−21237号公報に記載のように、材
料の表面にメッキ層を生成させ、メッキ層の内部応力を
利用したり、曲げやショットピーニング加工又は焼鈍を
行って割れを発生させる方法が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の樹脂封止半導体及びその製造方法にあっては、
リードフレーム表層部に形成される割れ状凹凸の数や密
度が不足しており、凹凸がオーバーハングしていない形
状であったり、表層部の材料組成に配慮がなされていな
かった。そのため厳しい実使用環境下では、樹脂とリー
ドフレームとの間で剥離し、吸湿に伴って半導体チップ
上の配線が腐食断線する問題があった。
本発明の目的は、樹脂とリードフレームとの間の接着
強度が強く、半導体チップの損傷を防止する樹脂封止半
導体及びその製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記の目的を達成するため、本発明に係る樹脂封止半
導体及びその製造方法は、半導体チップとリードフレー
ム及びそれらを覆う樹脂部とからなる樹脂封止半導体に
おいて、42〜52wt%残部鉄の合金又は少くとも98wt%の
純銅で形成した基板を有するリードフレームの表層部に
SnとNiとの合金で形成した硬質薄体を生成し、該硬質薄
体に割れを発生させて微細な凹凸を形成するように構成
されている。
また、Sn,Ni,Cr,Cd,Zn,Pbおよびそれらを含む合金で
生成され、そのビッカース硬度が少くとも400である硬
質薄体をリードフレームの表層部に生成し、硬質薄体に
割れを発生させて微細な凹凸を形成するように構成され
ている。
さらに、リードフレームの基板と硬質薄体との間にそ
れぞれの拡散合金層又は第3の硬質材を形成した構成で
も良い。
そして、硬質薄体に発生された割れは、割れの平均割
れ深さdmと表面での割れ開口長さaとの関係がdm/a>1
でかつa<10μm又は近接する割れ間のピッチPと前記
割れ開口長さaとの関係が50<P/a<5でかつa<10μ
mである構成、硬質薄体に発生された割れの方向は、樹
脂封止されていないリードフレームの足の長手方向とほ
ぼ直角方向が多く、直角方向の割れの投影長さPrtと長
手方向の割れの投影長さPrlとの比がPrt/prl>5でかつ
a<10μm又は割れの100個中の最大割れ深さdMと所定
断面における平均割れ深さdmとの比が平均してdM/dm<
3である構成、硬質薄体に発生させた割れは、割れのオ
ーバーハングした側壁長さWOHと全側壁長さWとの比が
WOH/W>0.1である構成でも良い。
さらに、半導体チップとリードフレーム及びそれらを
覆う樹脂部とからなる樹脂封止半導体の製造方法におい
て、リードフレームの表層部に硬質薄体を生成する工程
と、大気中でリードフレームを所定の曲率で変形、ショ
ットピーニング加工又は水素吸収処理後の変形、ショッ
トピーニング加工により硬質薄体に割れを発生させて微
細な凹凸を形成する工程とを備える構成である。
また、リードフレームの表層部に硬質薄体を生成する
工程と、セラミック粒子にAlコーティングした粒状体を
リードフレームの基板に圧着又は焼成して硬質薄体に微
細な凹凸を形成する工程とを備えた構成でも良い。
〔作用〕
本発明の樹脂封止半導体及びその製造方法によれば、
リードフレームに硬質薄体を生成し、その硬質薄体に割
れを発生させるとともに、それぞれの材質と割れの形状
とを選択することによって、リードフレームと樹脂との
境界面に生じる残留応力や、腐食性環境中の実使用に伴
う境界面に生じる応力又は腐食作用がなくなる。つまり
各材質の種類や製造プロセスを配慮することによって、
硬質薄体の表層部に形成される割れは、オーバハングし
た形状となって最も有効なアンカー効果をもたらし、境
界面における接着強度が強くなる。
〔実施例〕
本発明の実施例を第1図〜第11図を参照しながら総括
的に説明する。第10図、第11図、第1図及第2図に示さ
れるように、半導体チップ20とリードフレーム2及びそ
れらを覆う樹脂部22とからなる樹脂封止半導体におい
て、リードフレーム2の表層部に硬質薄体9を生成し、
硬質薄体9に割れ10を発生させて微細な凹凸を形成する
ように構成されている。
そしてリードフレーム2の基板8は、30〜60wt%のNi
を含む鉄系材料又は少くとも80wt%のCuを含む銅系材料
である構成又はリードフレーム2は、42〜52wt%残部鉄
の合金又は少くとも98wt%の純銅で形成し、その硬質薄
体9はSnとNiとの合金である構成でも良い。
また、硬質薄体9は、Sn,Ni,Cr,Cd,Zn,Pbおよびそれ
らを含む合金で生成し、そのビッカース硬度は少くとも
400である構成とする。
さらにリードフレーム2の基板8と硬質薄体9との間
にそれぞれの拡散合金層又は第3の軟質材を形成した構
成でも良い。
そして、硬質薄体9に発生させた割れは、第8図に示
される割れ16,17の平均割れ深さdmと表面での割れ開口
長さaとの関係がdm/a>1でかつa<10μm又は近接す
る割れ間のピッチPと割れ開口長さaとの関係が50<P/
a<5でかつa<10μmである構成、硬質薄体9に発生
させた割れの方法は、第9図に示される樹脂封止されて
いないリードフレーム2の足の長手方向とほぼ直角方向
が多く、直角方向の割れ14の投影長さPrtと長手方向の
割れ15の投影長さPrlとの比がPpt/prl>5でかつa<10
μm又は割れ14,15の100個中の最大割れ深さdMと所定断
面における平均割れ深さdmとの比が平均してdM/dm<3
である構成、硬質薄体9に発生させた第8図に示される
割れ16,17は、割れ17のオーバーハングした側壁長さWOH
と全側壁長さWとの比がWOH/W>0.1である構成、硬質薄
体に割れを発生させる部分は、第11図に示される半導体
チップ20の樹脂部22とリードフレーム2との境界面25、
境界面25より半導体チップ側の所定の深さ部分24又はリ
ードフレームの足の曲げ部19である構成、硬質薄体9に
割れ10を発生する部分は、半導体チップ20の最薄方向B
と直交する面C内でかつリードフレーム2の平面部であ
る構成でも良い。
そして、半導体チップ20とリードフレーム2及びそれ
らを覆う樹脂部22とからなる樹脂封止半導体の製造方法
において、リードフレーム2の表層部に硬質薄体9を生
成し、硬質薄体9に割れを発生させて微細な凹凸を形成
する工程は、リードフレーム2の曲げ変形工程又は化学
処理によるプロセスである構成とする。
また、硬質薄体9をメッキ、溶射又は拡散浸透処理の
物理化学的方法で生成した構成、硬質薄体9の割れ10
は、大気中でリードフレーム2を所定の曲率で変形、シ
ョットピーニング加工又は水素吸収処理後の変形、ショ
ットピーニング加工により形成する構成、硬質薄体9の
凹凸は、硬質薄体9に生成する溶融金属をリードフレー
ム2の基板8に噴射して付着させた構成、硬質薄体9の
凹凸は、金網状の硬質薄体9をリードフレーム2の基板
8に焼成、圧延又は圧着して形成した構成、硬質薄体9
の凹凸は、セラミック粒子にAlコーティングした粒状体
をリードフレーム2の基板8に圧着又は焼成して形成し
た構成でも良い。
次に、それぞれの実施例の実験値について説明する。
(実施例1) 第1図に300μm厚さの50Ni合金に3μm厚さのSn/Ni
合金メッキを両側に施こしたリードフレーム2を、曲げ
冶具3および曲げ冶具4にはさみ、曲げることで、Sn/N
i合金層に割れを入れる手法の概要が示される。第2図
はそのようにして得た割れ10の断面形状の例である。ま
た第3図はその表面の拡大図である。この素材のように
して作成したリードフレームを用い1Mbit,DRAMを作成し
た。使用した樹脂材料はノボラック系エポキシ樹脂で、
トランスファーマシン(射出成形機)を用い200℃で成
形した。このようにして作成したDRAMを121℃、PCT試
験(圧力鍋による水蒸気加湿試験)、3%NaCl溶液中
に1hr予浸漬後の65℃/85%RH試験(相対湿度試験)およ
び65℃/85%RH試験を行なった。その結果、1000hr保
持後におけるLSI(半導体)動作故障を生じた製品の割
合は、PCT試験において1ケ/500ケ試験体、3%NaC
l予浸漬後の65℃/85%RH試験では1ケ/1000ケ試験体お
よび65℃/85%RH試験では0ケ/1000ケ試験体であっ
た。
一方、前記の割れ発生処理をしない場合は、,お
よびの同様な各試験法における動作故障率はそれぞれ
12ケ/500ケ、320ケ/1000ケおよび3ケ/1000ケ試験体で
あった。また、この場合の製品を解体検査すると、故障
発生品の総べておよび未故障品の多くはリードフレーム
と樹脂間が剥離しており、この部分より水分が半導体チ
ップ上に達し半導体チップ上のAl配線が腐食断線してい
た。
一方、本発明手法に基づく製品では前記剥離がほとん
ど生じてないことがわかった。
以上より、請求項1が有効と判断される。
(実施例2) 前記の手法の一部において素材、処理法、割れ及び表
面状況などを第1表に示されるように変化させた。その
結果、前記〜の動作故障評価試験法〜における
故障率は表中に示す値を示した。以下詳細に説明する。
第1表のNo.1は実施例1の場合であり、評価試験結果
(故障率)の欄中( )内の値は加工・処理を与えない
場合の値である。
No.2は実施例1と同様な素材を用い同様に加工・処理
を与えた場合であるが、加工時点で第1図に示されるよ
うに、腐食液6は0.1%H2SO4溶液を用い、直流電源5に
より、リードフレームに+3mA/cm2の電流を合計2分間
付与した。その結果、第3図に示される微細な割れの側
壁を発生しその下方が腐食浸食し、第5図に示される断
面形状が得られた。なお第4図は本腐食処理なしの場合
である。その結果、樹脂との接着強度がNo.1の場合以上
に増大することが確認された。それが表中に示される故
障率の低下として表われたものである。
以上より、請求項11が有効と判断される。なお、この
ように腐食液中において割れを入れる場合、均一な割れ
がより低い曲げ変形で得られることが確認されており、
最終的に平板に曲げ直しする作業の減少あるいは省略が
可能である。
次に第1表のNo.3はリードフレームの素材の化学組成
を変化させた場合であり、表中に示した範囲の材料を準
備して、その他は実施例1と同様にして試験した。その
結果Ni含有量が30wt%以下、60wt%以上の場合および
Cu含有量が80wt%以下の場合は、それぞれPCT試験に
よる故障率がNo.1を上回り、0.5〜1.5%を示した。一
方、Ni含有量が30〜60wt%残部Feの場合およびCu含有量
が80wt%以上の場合は故障率が0.2〜0.3%を示し、Ni含
有量が42〜52wt%の場合およびCu含有量が98wt%の場合
の故障率0.15〜0.2%に近い値を示した。よって、請求
項2が有効と判断される。また請求項3が更に有効と判
断される。
ここで、前記化学組成が良い理由は、素材の熱膨張率
がシリコンチップ、樹脂との関係から、パッケージング
ストレスが大きいために起因するものと考えられる。
次に第1表No.4は実施例1のSn/Ni合金メッキに代え
て、純Sn,純Ni,純Cr,純Cd,純Znおよび純Pbそれらの合金
メッキ、たとえば30Sn−70Ni、Pb−Sb及びNi−Pなどを
用いた。その結果、いずれの場合においても、メッキ層
に割れが生じた場合は接着力の増大が見られた。しかし
硬質薄体の硬さがHv≦400の場合は、割れを入れるため
にリードフレームの変形量が大きくなり、その後の曲げ
修正作業が手間を要し能率的でない。したがって、その
硬さをHv≧400とする材料を選択することが有効であ
る。
以上より請求項4が有効と判断される。
次に第1表のNo.6は、No.1においてSn/Ni層を蒸着に
より5μm厚さで付与後、350℃×1/4hrの焼鈍を行ない
50Ni合金とSn/Ni合金層間に拡散合金層を与えた場合で
ある。ここでこれらの硬質薄体をそのまま曲げ変形する
と第6図に示されるようにリードフレームと接合が不十
分であるためか、曲げ変形により硬質薄体の一部が脱落
して、実用に供しにくい表面となるのに対し、前記の焼
鈍を与えた場合は、第7図に示されるように割れが拡散
合金層の手前あるいはその中間で停止し、硬質薄体の脱
落は生じなかった。これらの手法は請求項1,3あるいは
4についても有効と確認された。以上より、請求項5も
また有効と判断される。
次に第1表のNo.7はNo.1においてSn/Ni合金メッキ層
に代えてSn30/Ni70合金のフレーム溶射、およびSnメッ
キ後における800℃×3/2分の拡散浸透処理を行った場合
である。そして、前者の平均膜厚を30μm、後者を3μ
m、その他は実施例1と同様である。
この場合はSn/Ni合金メッキに比べ、割れの発生密度
やその分布にばらつきが大きいものの、故障率の改善効
果は明確に存在する。
よって、請求項12が有効と判断される。
次に第1表のNo.8はNo.1における割れ発生加工をa)
所定曲率での変形、b)ワイヤーピーニング加工、c)
水素吸収処理後のショットピーニングとした。a)では
第1図に示されるように曲げ冶具3と曲げ冶具4の加工
面の曲率をリードフレームの上下にフィット(密着)す
るように設定し、リードフレームに上下から強くおしつ
けることで所定の変形を与える手法を取った。
b)ではリードフレームを移動させながら、レベラー
を用いφ×1000の棒鋼のたばを圧縮空気力により激し
く加工面に打ちつける手法をとった。
c)では第1図におけるタンク7中での変形は行なわ
ず、0.1%H2SO4溶液中で−3.0mA/cm2のカソード水素吸
収処理を合計10分間与えた直後、250μm粒径のSiN砂粒
を圧縮空気流により高速でリードフレーム上にふきつけ
た。これらの結果、前記a)では従来、偶発的に又は部
分的に生じていた硬質薄体の脱落がほとんど生じなくな
った。また前記b)では加工処理後のリードフレームに
曲りや変形がなく、その後の曲げ直し(曲がり取り)が
不要となった。また、前記c)では硬質薄体中に水素が
吸収され脆くなることで、わずかなショットピーニング
加工により割れを入れることが可能となった。このよう
にして作成した製品の故障率は従来のものと同様に優れ
ていた。以上より、本加工法による処理は加工の容易さ
の他にその後の加工・処置も容易となり、請求項13が有
効と判断される。
次に第1表のNo.9−1〜No.9−4、No.1において作成
した多数の試験体について検討したものであり、故障率
と割れの形態について検討したものである。No.9−1は
平均割れ深さdmと割れ開口長さaおよびaの絶対値に関
するもので、当初aは大きい程優れた樹脂接着特性を示
すように考えられたが、aが10μm以上では割れ数の密
度や分布が粗くなり、実質的な効果が減少した。またそ
の深さdmあるいはピッチPについては表中に示される関
係を満足した法が故障率は小さい傾向を示した。
同様に、No.9−2では割れの平面形態がリードフレー
ムの足の長手方向(樹脂中への水分の拡散侵入A方向)
と直角な割れの全投影長さ平面から見た長さPrlと、リ
ードフレームの足の長手方向の全投影長さPrlが表中に
示される関係を満足し、a<10μmの場合が故障率は小
さくなる傾向を示した。
同様にNo.9−3より任意断面における最大割れ深さdM
とdmとの比が3以下の場合は、前記の割れ発生処理又は
半導体のリードフレームの足の曲げ加工において、多数
の割れが均質に出てスムースに曲げることが可能になる
ものの、dM/dm>3では均質な密度分布の割れが得られ
ず、同時に前記のリードフレームの足曲げ加工でわずか
な頻度ではあるが足が折れるものがあった。
同様にNo.9−4より、任意断面における割れ形態を第
8図に示されるように、オーバハングしていない割れ側
壁16の長さWとオーバハングした割れ側壁17の長さWOH
とを分類した場合、WOHの全側壁Wおける割合いが0.1以
上の場合は前記故障率が小さい傾向を示した。そして、
第1表中に示した関係を満足した製品は確実に優れてい
た。一方、表中の関係を満足しない製品の多くは故障率
が表中の値の3〜8倍を示すものが散在していた。
以上より、請求項6が有効と判断される。
(実施例3) 第10図及び第11図に示されるように前記の割れ発生部
分(斜線部分)19をリードフレームの一部分に特定し
た。すなわち、半導体形状の最も薄いB方向に直角な面
Cのリードフレームの足部分で封止樹脂との接合部の端
面の内側直下Dおよび外側直下Fである。
ここで内側直下Dは樹脂がリードフレームより剥離し
始める部分であり、この部分の接合が十分であれば、そ
の他の部分は不要になるはずである。また半導体形状の
最も薄いB方向に直角な面Cはパッケージングの際のス
トレスが最も大きく、剥離しやすい部分である。次に外
側直下Fは第11図より明らかなようにリードフレームの
足を曲げる部分に相当し、この曲げ応力が小さければ地
点24に樹脂とリードフレームとの境界面が開口あるいは
機械的損傷を受けにくくなることが期待される。このよ
うな期待より、第10図における割れ発生部分19のみに前
記の表面割れ処理を施こした。その結果、第1表No.10
に示されるように、全面に表面割れ処理した場合と大差
のないことが明らかになった。
以上より、請求項9が有効と判断される。
ここで、本手法を適用することにより、各種処 理における素材の利用や加工範囲が縮小されるため、原
価低下、省力化が得られる効果もある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、樹脂封止半導体のリードフレームに
硬質薄体を生成し、その表層部に割れを発生させること
によって、樹脂のリードフレームに対する接着強度が向
上して耐湿性に優れた半導体が得られるため、厳しい腐
食性環境中においても半導体の使用が可能になるととも
に、故障し難くなることで機器の信頼性が向上し、半導
体の使用範囲及び適用範囲が拡大される効果がある。
一方、本発明により、高価な素材や、加工法及びプロ
セスなどが省力化されるため、安価な半導体が製造可能
となる効果もある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例の製造方法を示す縦断面図、
第2図は第1図の一部を拡大した縦断面図、第3図は第
2図のIII方向より割れ形状を示す図、第4図〜第7図
は割れ形状を示す縦断面図、第8図及び第9図は割れ形
状の一部拡大図、第10図は半導体のリードフレームの割
れ部分を示す平面図、第11図は樹脂とリードフレームの
境界面を説明する一部縦断面図である。 2……リードフレーム、5……直流電源、 6……腐食処理液、8……基板、9……硬質薄板、 10……割れ。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体チップとリードフレーム及びそれら
    を覆う樹脂部とからなる樹脂封止半導体において、42〜
    52wt%残部鉄の合金又は少くとも98wt%の純銅で形成し
    た基板を有するリードフレームの表層部にSnとNiとの合
    金で形成した硬質薄体を生成し、該硬質薄体に割れを発
    生させて微細な凹凸を形成したことを特徴とする樹脂封
    止半導体。
  2. 【請求項2】半導体チップとリードフレーム及びそれら
    を覆う樹脂部とからなる樹脂封止半導体において、Sn,N
    i,Cr,Cd,Zn,Pbおよびそれらを含む合金で生成され、そ
    のビッカース硬度が少くとも400である硬質薄体を前記
    リードフレームの表層部に生成し、該硬質薄体に割れを
    発生させて微細な凹凸を形成したことを特徴とする樹脂
    封止半導体。
  3. 【請求項3】前記リードフレームの基板と前記硬質薄体
    との間にそれぞれの拡散合金層又は第3の硬質材を形成
    したことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂封止
    半導体。
  4. 【請求項4】前記硬質薄体に発生させた割れは、該割れ
    の平均割れ深さdmと表面での割れ開口長さaとの関係が
    dm/a>1でかつa<10μm又は近接する割れ間のピッチ
    Pと前記割れ開口長さaとの関係が50<P/a<5でかつ
    a<10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項記載の樹脂封止半導体。
  5. 【請求項5】前記硬質薄体に発生させた割れの方向は、
    樹脂封止されていないリードフレームの足の長手方向と
    ほぼ直角方向が多く、該直角方向の割れの投影長さPrt
    と前記長手方向の割れの投影長さPrlとの比がPpt/prl>
    5でかつa<10μm又は前記割れの100個中の最大割れ
    深さdMと所定断面における平均割れ深さdmとの比が平均
    してdM/dm<3であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項記載の樹脂封止半導体。
  6. 【請求項6】前記硬質薄体に発生させた割れは、該割れ
    のオーバーハングした側壁長さWOHと全側壁長さWとの
    比がWOH/W>0.1であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項記載の樹脂封止半導体。
  7. 【請求項7】半導体チップとリードフレーム及びそれら
    を覆う樹脂部とからなる樹脂封止半導体の製造方法にお
    いて、前記リードフレームの表層部に硬質薄体を生成す
    る工程と、大気中で前記リードフレームを所定の曲率で
    変形、ショットピーニング加工又は水素吸収処理後の前
    記変形、前記ショットピーニング加工により前記硬質薄
    体に割れを発生させて微細な凹凸を形成する工程とを備
    えたことを特徴とする樹脂封止半導体の製造方法。
  8. 【請求項8】半導体チップとリードフレーム及びそれら
    を覆う樹脂部とからなる樹脂封止半導体の製造方法にお
    いて、前記リードフレームの表層部に硬質薄体を生成す
    る工程と、セラミック粒子にAlコーティングした粒状体
    を前記リードフレームの基板に圧着又は焼成して前記硬
    質薄体に微細な凹凸を形成する工程とを備えたことを特
    徴とする樹脂封止半導体の製造方法。
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