JP2650139B2 - 金属化フィルムコンデンサの製造方法 - Google Patents
金属化フィルムコンデンサの製造方法Info
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- JP2650139B2 JP2650139B2 JP63058078A JP5807888A JP2650139B2 JP 2650139 B2 JP2650139 B2 JP 2650139B2 JP 63058078 A JP63058078 A JP 63058078A JP 5807888 A JP5807888 A JP 5807888A JP 2650139 B2 JP2650139 B2 JP 2650139B2
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- film
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- metallized film
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、絶縁油の含浸方法を改良した金属化フィル
ムコンデンサの製造方法に関する。
ムコンデンサの製造方法に関する。
(従来の技術) 一般に蒸着金属を施したプラスチックフィルムを誘電
体とする金属化フィルムコンデンサは、含浸を完全に行
うことはむずかしい。
体とする金属化フィルムコンデンサは、含浸を完全に行
うことはむずかしい。
中でもポリプロピレンフィルムは、特に含浸は困難に
近い。このため、含浸しなくても使用できる範囲で設計
し、空気層を極力小さくする目的で素子をできるだけ硬
く巻いたり、あるいは熱処理などを行っているのが現状
である。
近い。このため、含浸しなくても使用できる範囲で設計
し、空気層を極力小さくする目的で素子をできるだけ硬
く巻いたり、あるいは熱処理などを行っているのが現状
である。
しかしながら、絶縁物の絶縁耐力は誘電体を絶縁油で
含浸して使用する場合、非常に良好な特性を示すことを
考慮すると、未含浸の金属化ポリプロピレンフィルムコ
ンデンサでは、誘電体として多くの利点を有するポリプ
ロピレンフィルムが本来有する特性を十分に生かし切れ
ていないのが現状にある。
含浸して使用する場合、非常に良好な特性を示すことを
考慮すると、未含浸の金属化ポリプロピレンフィルムコ
ンデンサでは、誘電体として多くの利点を有するポリプ
ロピレンフィルムが本来有する特性を十分に生かし切れ
ていないのが現状にある。
したがって、未含浸のものを例えば交流用に用いた場
合、コロナ発生による変化が無視できず、コロナ発生を
極力少なくするために含浸を施さなければならなかっ
た。
合、コロナ発生による変化が無視できず、コロナ発生を
極力少なくするために含浸を施さなければならなかっ
た。
金属化フィルムコンデンサの含浸状態は、誘電体とし
て使用するプラスチックフィルムの種類及び含浸剤の種
類、又は含浸条件(含浸剤の粘度及び含浸時間など)に
よって差はあるが、通常の状態で巻き取ったコンデンサ
素子に効率的に含浸を施すことは不十分であった。
て使用するプラスチックフィルムの種類及び含浸剤の種
類、又は含浸条件(含浸剤の粘度及び含浸時間など)に
よって差はあるが、通常の状態で巻き取ったコンデンサ
素子に効率的に含浸を施すことは不十分であった。
これらを考慮して、含浸性を向上させるものとして例
えば特開昭50−83754号公報に記載された技術がある。
これは、誘電体と電極との少なくとも一方に微粒子を付
着し、それら誘電体と電極とが重積巻回された両者間の
間隙に含浸剤を浸透させるものである。しかしながら、
このときに用いる微粒子は、絶縁性を有する物質で、大
きさはミクロン単位のものと開示されているが、通常金
属化フィルムコンデンサに用いられるフィルム厚さは数
μm〜10数μmであり、このようなフィルム間にミクロ
ン単位の微粒子を介在させることは、コンデンサ素子巻
回時の圧力によって微粒子に接触したフィルム部分が薄
くなり、薄くなった当該部分の耐電圧が低下するという
問題点がある。
えば特開昭50−83754号公報に記載された技術がある。
これは、誘電体と電極との少なくとも一方に微粒子を付
着し、それら誘電体と電極とが重積巻回された両者間の
間隙に含浸剤を浸透させるものである。しかしながら、
このときに用いる微粒子は、絶縁性を有する物質で、大
きさはミクロン単位のものと開示されているが、通常金
属化フィルムコンデンサに用いられるフィルム厚さは数
μm〜10数μmであり、このようなフィルム間にミクロ
ン単位の微粒子を介在させることは、コンデンサ素子巻
回時の圧力によって微粒子に接触したフィルム部分が薄
くなり、薄くなった当該部分の耐電圧が低下するという
問題点がある。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように、金属化フィルムコンデンサには絶縁油
などの含浸剤の含浸が十分に行われないため、誘電体と
して本来的に有する利点を十分に生かし切れていない現
状にある。
などの含浸剤の含浸が十分に行われないため、誘電体と
して本来的に有する利点を十分に生かし切れていない現
状にある。
また、フィルム間に微粒子で間隙を形成し含浸剤を含
浸する場合には、フィルムの耐電圧が低下するという欠
点があった。
浸する場合には、フィルムの耐電圧が低下するという欠
点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、含浸を
より完全にすることによって、諸特性向上並びに小形化
に貢献できる金属化フィルムコンデンサの製造方法を提
供することを目的とするものである。
より完全にすることによって、諸特性向上並びに小形化
に貢献できる金属化フィルムコンデンサの製造方法を提
供することを目的とするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明による金属化フィルムコンデンサの製造方法
は、一対の金属化フィルムを積層巻回時、この一対の金
属化フィルムそれぞれの表面の幅方向の一部に連続した
絶縁油の塗膜を形成しながら巻回し、得られたコンデン
サ素子に前記絶縁油と同種の絶縁油を含浸することを特
徴とするものである。
は、一対の金属化フィルムを積層巻回時、この一対の金
属化フィルムそれぞれの表面の幅方向の一部に連続した
絶縁油の塗膜を形成しながら巻回し、得られたコンデン
サ素子に前記絶縁油と同種の絶縁油を含浸することを特
徴とするものである。
(作用) 上記の手段によれば、一対の金属化フィルム間に絶縁
油の塗膜による隙間が形成されるため、その後の含浸工
程における含浸剤が前記隙間に容易に浸入できるので、
コンデンサ素子に対する含浸性が十分に確保できる。
油の塗膜による隙間が形成されるため、その後の含浸工
程における含浸剤が前記隙間に容易に浸入できるので、
コンデンサ素子に対する含浸性が十分に確保できる。
また、本発明では、塗膜を形成する絶縁油と含浸剤と
しての絶縁油に同種のものを用いたので、特性に影響を
与えないものである。
しての絶縁油に同種のものを用いたので、特性に影響を
与えないものである。
(実施例) 以下、本発明の一実施例につき説明する。すなわち、
まず第2図に示すように一対の金属化フィルム供給ドラ
ム1から供給された一対の金属化フィルム2を巻芯3で
必要数巻回する際、一対の絶縁油ボックス4に収納され
た絶縁油5を例えばデスペンサ6を用い、前記金属化フ
ィルム2の表面幅方向に連続した絶縁油塗膜7を形成し
ながら巻回し、金属化フィルム2間に絶縁油塗膜7によ
って形成した隙間8を有するコンデンサ素子9を得る。
まず第2図に示すように一対の金属化フィルム供給ドラ
ム1から供給された一対の金属化フィルム2を巻芯3で
必要数巻回する際、一対の絶縁油ボックス4に収納され
た絶縁油5を例えばデスペンサ6を用い、前記金属化フ
ィルム2の表面幅方向に連続した絶縁油塗膜7を形成し
ながら巻回し、金属化フィルム2間に絶縁油塗膜7によ
って形成した隙間8を有するコンデンサ素子9を得る。
第3図は金属化フィルム2に絶縁油塗膜7が塗布され
た状態を示し、第4図は金属化フィルム2巻回後におけ
る絶縁油塗膜7の状態を示し、第5図は前記コンデンサ
素子9の断面図を示した。
た状態を示し、第4図は金属化フィルム2巻回後におけ
る絶縁油塗膜7の状態を示し、第5図は前記コンデンサ
素子9の断面図を示した。
しかして、上記のようにして得られたコンデンサ素子
9の両端面に第1図に示すようにメタリコン電極10を形
成し、しかるのち公知の手段で含浸処理を施し、前記隙
間8に絶縁油11を含浸し、前記メタリコン電極10に引出
端子(図示せず)を取着し、外装を施してなるものであ
る。
9の両端面に第1図に示すようにメタリコン電極10を形
成し、しかるのち公知の手段で含浸処理を施し、前記隙
間8に絶縁油11を含浸し、前記メタリコン電極10に引出
端子(図示せず)を取着し、外装を施してなるものであ
る。
この場合絶縁油塗膜7を構成するデスペンサ6から塗
布される絶縁油5は、含浸剤としての絶縁油11と同種で
あり、述べるまでもなく金属化フィルム2を膨潤させな
い物性を有するものとする。
布される絶縁油5は、含浸剤としての絶縁油11と同種で
あり、述べるまでもなく金属化フィルム2を膨潤させな
い物性を有するものとする。
また、デスペンサ6によって塗布される絶縁油5の量
は、巻回時の拡がりによってコンデンサ素子9両端面よ
りはみ出すことにより後工程のメタリコン作業を阻害し
ないことを考慮し、コンデンサ素子9両端面よりはみ出
ない程度にコンデンサ素子9の大きさなどにより適宜設
定する必要がある。
は、巻回時の拡がりによってコンデンサ素子9両端面よ
りはみ出すことにより後工程のメタリコン作業を阻害し
ないことを考慮し、コンデンサ素子9両端面よりはみ出
ない程度にコンデンサ素子9の大きさなどにより適宜設
定する必要がある。
以上のように構成してなる金属化フィルムコンデンサ
の製造方法によれば、一対の金属化フィルム2の巻回
時、形成される絶縁油塗膜7の存在によって金属化フィ
ルム2間に隙当8が形成されるため、含浸処理によるコ
ンデンサ素子9内への絶縁油11の含浸が極めて良好であ
り、破壊電圧及びコロナ電圧特性を大幅に改善すること
ができる。
の製造方法によれば、一対の金属化フィルム2の巻回
時、形成される絶縁油塗膜7の存在によって金属化フィ
ルム2間に隙当8が形成されるため、含浸処理によるコ
ンデンサ素子9内への絶縁油11の含浸が極めて良好であ
り、破壊電圧及びコロナ電圧特性を大幅に改善すること
ができる。
次に、実験例について述べる。すなわち、金属化フィ
ルムに絶縁油塗膜を形成してなる本発明Aと絶縁油塗膜
を形成しない従来例Bとの特性比較を行った結果、次表
のようであった。
ルムに絶縁油塗膜を形成してなる本発明Aと絶縁油塗膜
を形成しない従来例Bとの特性比較を行った結果、次表
のようであった。
試料は100mm×10μm厚の金属化ポリプロピレンフィ
ルムを用い構成した12μFの金属化ポリプロピレンフィ
ルムコンデンサで、含浸剤は本発明A,従来例Bとも植物
油を用い、本発明Aにおける絶縁油塗膜は含浸剤と同様
植物油で構成した。
ルムを用い構成した12μFの金属化ポリプロピレンフィ
ルムコンデンサで、含浸剤は本発明A,従来例Bとも植物
油を用い、本発明Aにおける絶縁油塗膜は含浸剤と同様
植物油で構成した。
上表から明らかなように、本発明Aは、従来例Bにお
ける比破壊電圧及びコロナ電圧特性が大幅に改善され、
従来の400WVAC定格が500WVAC定格まで上昇することが可
能となる結果を示した。
ける比破壊電圧及びコロナ電圧特性が大幅に改善され、
従来の400WVAC定格が500WVAC定格まで上昇することが可
能となる結果を示した。
なお、本試料それぞれを実験後分解して含浸状態をみ
た結果、従来例Bはほとんど含浸されていないのに対
し、本発明Aでは完全に含浸されていることが確認され
た。
た結果、従来例Bはほとんど含浸されていないのに対
し、本発明Aでは完全に含浸されていることが確認され
た。
以上、実施例では金属化ポリプロピレンフィルムを例
示して説明したが、金属化ポリエチレンテレフタレート
フィルム,金属化ポリスルホン又はその他誘電体として
用いられる金属化プラスチックフィルムを用いたものに
適用できることは勿論である。
示して説明したが、金属化ポリエチレンテレフタレート
フィルム,金属化ポリスルホン又はその他誘電体として
用いられる金属化プラスチックフィルムを用いたものに
適用できることは勿論である。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によればコンデンサ素子の
絶縁油含浸が完全であり、破壊電圧並びにコロナ電圧特
性を大幅に改善できる金属化フィルムコンデンサの製造
方法を得ることができる。
絶縁油含浸が完全であり、破壊電圧並びにコロナ電圧特
性を大幅に改善できる金属化フィルムコンデンサの製造
方法を得ることができる。
第1図〜第5図は本発明の一実施例に係り、第1図は含
浸処理後のコンデンサ素子を示す一部切欠断面図、第2
図は巻取手段を説明するための説明概略図、第3図は金
属化フィルム表面に絶縁塗膜を塗布した状態を示す一部
切欠平面図、第4図は金属化フィルム巻回後における絶
縁塗膜の状態を示す一部切欠平面図、第5図は含浸処理
前のコンデンサ素子を示す一部切欠断面図である。 2……金属化フィルム 7……絶縁油塗膜 9……コンデンサ素子 11……絶縁油
浸処理後のコンデンサ素子を示す一部切欠断面図、第2
図は巻取手段を説明するための説明概略図、第3図は金
属化フィルム表面に絶縁塗膜を塗布した状態を示す一部
切欠平面図、第4図は金属化フィルム巻回後における絶
縁塗膜の状態を示す一部切欠平面図、第5図は含浸処理
前のコンデンサ素子を示す一部切欠断面図である。 2……金属化フィルム 7……絶縁油塗膜 9……コンデンサ素子 11……絶縁油
Claims (1)
- 【請求項1】一対の金属化フィルムを積層巻回時、この
一対の金属化フィルムそれぞれの表面の幅方向一部に連
続した絶縁油の塗膜を形成しながら巻回する工程と、こ
の工程によって得られたコンデンサ素子に前記絶縁油と
同種の絶縁油を含浸する工程とを具備したことを特徴と
する金属化フィルムコンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63058078A JP2650139B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | 金属化フィルムコンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63058078A JP2650139B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | 金属化フィルムコンデンサの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01231310A JPH01231310A (ja) | 1989-09-14 |
JP2650139B2 true JP2650139B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=13073882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63058078A Expired - Lifetime JP2650139B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | 金属化フィルムコンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2650139B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021198200A1 (de) * | 2020-04-03 | 2021-10-07 | Tdk Electronics Ag | Prozess des bildens eines wickelkondensators, kontinuierlicher prozess des bildens eines wickelkondensators und kondensatorwickelmaschine |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5083754A (ja) * | 1973-11-29 | 1975-07-07 | ||
JPS55163831A (en) * | 1979-06-07 | 1980-12-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Condenser and and method of manufacturing same |
-
1988
- 1988-03-10 JP JP63058078A patent/JP2650139B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01231310A (ja) | 1989-09-14 |
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