JP2649907B2 - 移植機の自動操向装置 - Google Patents

移植機の自動操向装置

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JP2649907B2
JP2649907B2 JP8050603A JP5060396A JP2649907B2 JP 2649907 B2 JP2649907 B2 JP 2649907B2 JP 8050603 A JP8050603 A JP 8050603A JP 5060396 A JP5060396 A JP 5060396A JP 2649907 B2 JP2649907 B2 JP 2649907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植付け済の苗株の列
条を倣いガイドとして、移植機を自動的に操向せしめる
移植機の自動操向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】田植機は、走行機体と該走行機体の後部
に連結された植付部とからなり、走行機体を走行させつ
つ、植付部に搭載した苗株を、該植付部に装備された植
付爪の動作により、所定の間隔にて田面に植付けるもの
である。
【0003】ところで、苗株相互間の植付け間隔が過度
に狭いと、苗株の生育不良を招来する虞があり、逆に植
付け間隔が過度に広いと、単位面積当たりの収穫量が少
なくなるため、苗株の植付けは適正な植付け間隔にて行
われることが望ましい。田植機においては、前記植付爪
が走行機体の走行速度と同期して動作するようになって
おり、走行機体の進行方向の植付け間隔は、走行速度の
如何に拘わらず、自動的に適正に保たれる。
【0004】一方、走行機体の進行方向と直交する方向
の植付け間隔(以下条間隔という)を適正に保つために
は、既に植付けられた苗株の列条に沿って走行機体を操
向させつつ植付けを行わせる必要がある。そこで条間隔
を適正に保った状態で植付け作業が行えるよう、走行機
体を既に植付けられた苗株の列条に沿って自動的に操向
せしめる自動操向装置を装備した田植機がある。
【0005】この自動操向装置の一例として、特開昭53
−127113号に開示されている発明がある。これは、現在
の植付け条に隣接する既植苗の列条に赤外線を照射し、
走行機体の側部に左右方向に並設した複数個の受光素子
からなるセンサにより前記既植苗からの反射光を受光す
る場合に、これらのセンサの内、既植苗の列条の直上に
位置するセンサにより前記反射光の受光がなされること
を利用し、所定のセンサにより常に受光がなされるよう
に操向制御を行うことで、既植苗の列条に対する走行機
体の相対位置を適正に保つものであり、前記所定のセン
サよりも左側(又は右側)に位置するセンサにより受光
がなされた場合には、既植苗に列条に対する走行機体の
相対位置が右(又は左)にずれていると判断し、このず
れを解消すべく、左方向(又は右方向)に所要量の操舵
を行う構成となっている。
【0006】しかしながら前記した従来技術において
は、苗株の列条からの反射波の時系列的検出値を操向制
御に用いているため、前記苗株の列条が僅かでも不規則
となっていると、前輪操舵装置に不必要動作を指令
し、その動きがハンチング的挙動を示し、植えられた苗
が不規則となり、またセンサから発せられた赤外線が前
記苗株の列条から逸脱する虞があった。これを解決する
ために2次元的に前記苗株の列条を撮像するビデオカメ
ラ等を用いて自動操向する装置が開示されている(特開
昭62−61509 号公報) 。
【0007】前記公報に開示された従来装置は、ビデオ
カメラを用いて苗株の列条を撮像し、その画像情報の緑
色成分と青色成分との色差を演算し、この色差の画像情
報を設定閾値に基づいて2値化し、2値化された一方の
画素の座標毎にその座標を通過する線分を極座標系で表
わしたハフ値とその線分の角度として定義し、同一ハフ
値をとる頻度を計数し、その最大頻度のハフ値及びその
角度から線分を特定し、その線分を苗列とみなすもので
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
装置においては、撮像された画像情報の緑色成分と青色
成分との色差を演算し、該色差の画像情報を設定閾値を
用いて2値化しているが、閾値を用いて2値化を行う
と、時刻毎又は天候により変化する外乱光の明暗等の外
部条件に応じて、閾値の変更が必要となり、その閾値の
変更が煩雑となる虞がある。またこの閾値を自動的に設
定するにはソフトウェア面及びハードウェア面で複雑な
制御が必要となり操向制御装置の価格の面で問題があ
る。
【0009】本発明は斯かる事情に鑑みなされたもので
あり、2値化を閾値を用いずに行い、外乱光の明暗等の
外部条件の影響を受けることなく画像情報を2値化し
画素の抽出を行い、抽出された画素直線近似を行い、
直線近似された線分に沿わせて操向させることでハンチ
ング的挙動の少ない自動操向装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る移植機の自
動操向装置は、植付け済の苗株の列条に倣い自動操向す
る移植機の自動操向装置において、前記苗株の列条を撮
像する苗列撮像装置と、該苗列撮像装置により撮像され
た苗株を含まない画像情報の緑色成分、赤色成分及び青
色成分のうち、緑色成分を含む少なくとも2つの色成分
の平均出力を算出し、夫々の構成比率を求め、構成
率が同一となるように各色成分を正規化するための各色
成分毎の補正係数を求める手段と、苗株を含み撮像され
た画像情報の緑色成分を含む少なくとも2つの前記色成
分に、その色成分に対応する各別の前記補正係数を乗
じ、緑色成分に補正係数を乗じた値が他の成分に補正
数を乗じた値より大きい画素を抽出する2値化手段と、
該2値化手段により2値化され、抽出された画素直線
近似された線分を求める手段と、該手段により直線近似
された線分に倣い自動操向する手段とを具備することを
特徴とする。
【0011】本発明においては、苗株のない状態で苗列
撮像装置により撮像された画像情報の緑色成分、赤色成
分及び青色成分のうち、緑色成分を含む少なくとも2つ
の色成分の平均値を算出し、その色成分の構成比率を求
め、その構成比率に基づき各色成分の補正係数を算出
し、その補正係数を苗列撮像によって得た各画素の各色
成分に乗じ、緑色成分に補正係数を乗じた値が他の成分
補正係数を乗じた値より大きい画素を抽出することで
2値化しているので閾値を用いず2値化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る田植機
の自動操向装置(以下本発明装置という)を装備した乗
用田植機の側面図、図2はその平面図である。図におい
てAは、左右各一対の前輪1,1及び後輪2,2に支持
された走行機体であり、該走行機体Aは、その前部に搭
載した動力部3にて発生された動力を、図示しない主ク
ラッチ, 変速機等の伝動機構を介して後輪2,2に伝達
し、前記後輪2,2の回転により、田面を自走する。
【0013】またBは、走行機体Aの後部に装着された
3点リンク機構4の後端部に、該3点リンク機構4の昇
降動作に伴って、走行機体Aに対して昇降自在となるよ
うに取付られた植付部であり、該植付部Bは、6条植え
の田植機の場合、図2に示す如く、その後端部の左右両
側に一対の植付爪7,7を備え、左右方向に互いに適長
離隔させて並設された3組の苗植装置6,6,6、該苗
植装置6,6,6の上側に左右方向への摺動自在に取付
けられた苗載台8、及び苗植装置6,6,6の下側に、
左右方向に互いに適長離隔させて、前後方向に揺動自在
に取付けられた3個のフロート9,9,9等から構成さ
れている。
【0014】而して、3点リンク機構4の動作により田
面に降下された植付部Bは、走行機体Aに牽引されて、
フロート9,9,9の作用により田面を滑走しつつ、苗
植装置6,6,6の夫々の植付爪7,7…の動作によ
り、苗載台8上に載置されこれに沿って滑動落下する苗
マットを、苗載台8の最下部において、数本づつの苗株
に切り分け、田面に列条をなして植付ける。走行機体A
の、前輪1,1の中心よりもやや前方の左右両側には、
一対のマーカ取付杆10a,10a の基端部が、水平面内での
回動自在に取付けてあり、前記マーカ取付杆10a,10a の
下方に向けて屈曲された先端部には、容易に視認可能な
ように、黄色のプラスチックにて円柱状に成形されたマ
ーカ10,10 が、田面の上方に適長離隔させて夫々固着さ
れている。
【0015】マーカ取付杆10a,10a は夫々の先端部を、
図1及び図2に示す如く、左前方又は右前方に突出させ
た位置と、走行機体Aの下部に収納された位置とのいず
れか一方の位置にて選択的に拘束できるようにしてあ
り、左側(又は右側)の取付杆10a が突出位置にある場
合に、この先端の前記マーカ10を、走行機体Aの左側
(又は右側)の既植苗の列条に一致させることにより、
植付部Bにより新たに植付けられる苗株と、前記既植苗
の列条との間の条間隔を所定値に保つことができる。
【0016】また、走行機体Aの、後輪2,2の上端よ
りもやや前上方の左右両側には、その先端部を左右に突
出させて、センサ取付杆21L,21R が固着してあり、該セ
ンサ取付杆21L,21R の先端部には、苗列撮像装置20L,20
R が取付けてある。図3は苗列撮像装置20L の取付状態
を示す拡大側面図、図4はその平面図である。苗列撮像
装置20L は、カラービデオカメラ20Laを用い、走行機体
の進行方向に対して前下方にそのレンズ部の中心を向
け、その取付位置から所定距離前下方の田面に前行程で
植えられた苗列のうちの最外側の4株程度の苗株を撮像
できるようその前後方向の取付角度を設定され、その視
野内にて撮像された画像を後述する画像処理部22に伝達
する。またこのカラービデオカメラ20Laは焦点を甘くし
てあり、苗株の列条を画像として膨張させて見ることが
できるようになしてある。
【0017】走行機体Aの右側に位置する苗列撮像装置
20R は前記左側の苗列撮像装置20Lと同様に取付けられ
ている。走行機体Aの後部には運転席DSが設けてあり、
該運転席DSの左側には、前記変速機の変速段の変更及び
前記主クラッチの係脱を行うための主変速レバ11が、ま
た運転席DSの右側には、作業選択レバ12が夫々配設され
ている。図5は、作業選択レバ12の取付位置近傍の上方
からみた拡大平面図である。作業選択レバ12は、その下
部を走行機体Aの適宜位置に枢支される一方、走行機体
Aの上部に固設された案内板13に前後方向を長手方向と
して形成された案内孔14にその中途部を挿通させてあ
り、該案内孔14に沿って、これを前後方向又は左右方向
に回動操作し、所定の係止位置にて係止せしめることに
より、種々の作業状態を選択できるようにしたものであ
る。
【0018】即ち、前記作業選択レバ12を前記案内孔14
の後半部(図5においては右半部)において、前後方向
に回動操作することにより、前記3点リンク機構4の図
示しない昇降用油圧シリンダへの圧油の送給方向を切換
え、該昇降用油圧シリンダの動作により植付部Bが走行
機体Aに対して上昇又は下降し、前記後半部の中途部に
右向きに分岐形成された係止部14a に係止せしめること
により、植付部Bが適宜の高さ位置にて停止するように
なっている。
【0019】また、前記作業選択レバ12を案内孔14の前
半部に回動操作することにより、図示しない植付けクラ
ッチが係合され、動力部3からの動力が伝達され、植付
部Bがその動作を開始するようにしてある。前記作業選
択レバ12を案内孔14の最前部に係止させた場合には、植
付部Bの動作速度が高速となり、案内孔14の前半部の中
途に係止させた場合には、植付部Bの動作速度が低速と
なる。更に、前記2個所の係止位置の夫々において、案
内孔14に左右に分岐形成された横孔14b,14c に沿って、
作業選択レバ12を右又は左に回動操作することにより、
右側又は左側の前記マーカ10が突出されると同時に、逆
側のマーカ10が収納されるようになっている。
【0020】図6は前輪1,1の操舵機構の模式的平面
図である。図において30は、その長手方向を左右方向と
して走行機体Aの下部に水平に固着されたフロントアク
スルであり、該フロントアクスル30の左, 右両端部に
は、左, 右の前輪1,1を夫々軸支するナックルアーム
32,32 が、キングピン31,31を介して水平面内での回動
自在に枢支されている。また、前記フロントアクスル30
の上面の適宜位置には、枢軸33が上向きに立設されてお
り、前記枢軸33には、図6に示す如き変形T字形の平面
形状を有する回動部材34が、T字形の交叉部を水平面内
での回動自在に枢支して取付けられている。前記回動部
材34のT字形の縦線に相当する部分は、前方に突出させ
てあり、その端部は、各別のリンク部材35,36 を介して
前記ナックルアーム32,32 の前端部と夫々連結させてあ
る。
【0021】また前記回動部材34のT字形の横線に相当
する部分の右側の端部は、その基端部を走行機体Aの前
部に水平面内での回動自在に枢支してなる操向シリンダ
40のピストンロッド40a の先端部に、また左側の端部
は、前記操向シリンダ40への圧油の送給方向を切換える
方向切換弁41のスプール41a の一端部に夫々係止してあ
る。前記方向切換弁41は、4ポート3位置切換式であ
り、運転席DSの前部に配設された前輪操舵用のハンドル
15が左又は右方向に回動操作された場合に、これに応動
して鉛直面内にて回動し、その下部が後又は前方向に移
動する回動アーム16の下端部に、前記スプール41a の他
端部を係止させて配設されている。
【0022】本発明装置の油圧回路は、前記操向シリン
ダ40、前記方向切換弁41、動力部3から駆動力を伝達さ
れて回転する油圧ポンプP、及び4ポート3位置切換式
の電磁方向切換弁V等から構成されており、油圧ポンプ
Pからの圧油は、分配弁42により2方向に分岐され、一
方が方向切換弁41を経て、また他方が電磁方向切換弁V
を経て、夫々操向シリンダ40に送給されるようになして
ある。前述の如く、方向切換弁41のスプール41a は、回
動アーム16の下端部に係止してあり、ハンドル15が右方
向に回動操作され、回動アーム16が図6における時計廻
りに回動した場合、前記スプール41a は前記回動アーム
16の下端部によって押圧され、方向切換弁41を通過した
圧油が操向シリンダ40の進出側油室に送給され、ピスト
ンロッド40a が進出する結果、前記回動部材34が図6に
おける時計廻りに回動し、前記回動部材34の前端に係止
したリンク部材35,36 を介して、ナックルアーム32,32
と共に、前輪1,1は右に操舵される。
【0023】また前記ハンドル15が左方向に回動操作さ
れた場合、方向切換弁41を通過した圧油が操向シリンダ
40の退入側油室に送給され、ピストンロッド40a が退入
する結果、操舵機構が前述の場合と逆方向に動作して前
輪1,1は左に操舵される。また、前記電磁方向切換弁
Vのソレノイド Sl(又はソレノイド Sr)が励磁され
た場合には、油圧ポンプPからの圧油が、前記電磁方向
切換弁Vを通過して操向シリンダ40の退入側(又は進出
側)油室に送給され、この圧油によりピストンロッド40
a が退入(又は進出)する結果、前記ハンドル15が左方
向(又は右方向)に回動操作された場合と同様に、前記
回動部材34が図6における時計廻り(又は反時計廻り)
に回動し、前記回動部材34の前端に係止したリンク部材
35,36を介して、ナックルアーム32,32 と共に左右の前
輪1,1は左(又は右)に操舵される。
【0024】このようにして操舵される前輪1,1の操
舵角を検出すべく、前記キングピン31,31 の一方に、該
キングピン31の回動位置に応じた電位を出力するポテン
ショメータを用いてなる操舵角センサ38が装着されてい
る。該操舵角センサ38は、直進に対して右に操向されて
いるときは負の電位を出力し、また左に操向されている
ときは正の電位を夫々出力する。またハンドル15に操作
力が加えられていない場合には、前記電磁方向切換弁V
を通過した圧油による油圧シリンダ40の動作により前記
回動部材34の回動位置が変化したときにおいても、方向
切換弁41はスプール41a に設けたばねの作用によりその
中立位置をとるようにしてあり、これと共にハンドル15
は直進走行状態に復帰するようになっている。そしてハ
ンドル15に連結されたステアリングコラム15a の基端部
には、前記ハンドル15が直進状態から右又は左方向に回
動操作された場合にオンする手動操舵検出スイッチ54
(図7参照)が配設してある。
【0025】さて、図7は本発明装置の要旨である制御
系のブロック図であり、図8は画像処理部の構成を示す
ブロック図である。図において50はマイクロプロセッサ
を用いてなる操向制御部であり、前記操向制御部50の入
力ポートa1 には画像処理部22の出力が与えられてい
る。画像処理部22はマイクロプロセッサを用いてなり、
その分解能は縦横夫々256 画素を有している。また画像
処理部22は作業選択レバ12が案内孔14の前記横孔14b も
しくは横孔14c に沿って左方向又は右方向に回動操作さ
れ、左側又は右側の前記マーカ10が突出された場合に切
換わり、図8に示す如く左右の苗列撮像装置20L, 20Rを
選択する選択スイッチ221 、NTSC方式のビデオカメラ入
力信号をこの画像処理部の画素毎に赤色、緑色、青色の
各色信号R,G,B に分離するNTSCデコーダからなるカメラ
入力信号変換部222 、分離された赤、緑、青の各色信号
R,G,B に基づき、後述する演算により画像情報を2値化
する2値化演算部、2値化された画素のうち所定の画素
間距離を有する画素を抽出する画素抽出部226 、抽出さ
れた画素により直線近似を行うハフ変換部227 の順で接
続されてなり、前記2値化演算部225 、画素抽出部226
、ハフ変換部227 は前記マイクロプロセッサによりそ
の演算を行っている。
【0026】またハフ変換部227 及びカメラ入力信号変
換部222 は画像情報演算結果及び直線近似結果等の各種
情報をビデオ信号出力に変換するモニタ出力信号変換部
に接続され、変換されたビデオ信号により前記各種情報
を表示するカラーモニタ224がモニタ出力信号変換部224
に接続されている。そしてハフ変換部227 からの出力
が操向制御部50の入力ポートa1 に与えられる。また前
記操向制御部50の入力ポートa2 には、前記操舵角セン
サ38の出力電位が与えられており、該入力ポートa2
入力される信号は、操向制御部50の入力インタフェース
にて所定の処理を施され、前輪1,1の現在の操舵角に
対応するディジタルデータDとして、操向制御部50のCP
U に取込まれるようになっている。
【0027】また操向制御部50の入力ポートa3 には、
運転席DSに着座した作業者による手動操作可能な位置に
配設され、自動操向を行わせる場合にオンされる自動ス
イッチ51が接続されており、該自動スイッチ51がオンさ
れた場合に入力ポートa3 はハイレベルに転じる。入力
ポートa4 には、作業選択レバ12が案内孔14前半部の回
動位置にある場合にオンする植付けスイッチ52が接続さ
れており、前記操向制御部50は、前記植付けスイッチ52
のオンに伴って入力ポートa4 がハイレベルになること
により、植付部Bが動作していることを認識する。
【0028】入力ポートa5 には、主変速レバ11の操作
により主クラッチが係合された場合にオンする主クラッ
チスイッチ53が接続されており、前記操向制御部50は、
前記主クラッチスイッチ53のオンに伴って入力ポートa
5 がハイレベルになることにより、走行機体Aが走行し
ていることを認識する。更に前記操向制御部50の入力ポ
ートa6 には、前述の如く配設された手動操作検出スイ
ッチ54が接続されており、該手動操作検出スイッチ54が
オンされた場合に入力ポートa6 がハイレベルに転じる
ようになしてある。
【0029】入力ポートa7 には作業者が第1列植付時
の田面に苗株のない状態の画像を教示するときに使用す
る画像教示スイッチ55が接続されており、前記操向制御
部50は前記画像教示スイッチ55のオンに伴って入力ポー
トa7 がハイレベルになることにより田面の画像を画像
処理部22に取り込む。一方、前記操向制御部50の出力ポ
ートb1 は、電磁方向切換弁VのソレノイドSlとボデ
ィーアースの間に介装したスイッチングトランジスタ60
に接続されており、同様に、出力ポートb2 は、ソレノ
イド Sr とボディーアースの間に介装したスイッチング
トランジスタ61に接続されている。そして出力ポートb
1 (又は出力ポートb2 )がハイレベルとなった場合に
は、スイッチングトランジスタ60(又は同61)が動作し
て、ソレノイド Sl(又は同 Sr)に励磁電流が流れる
ようになっている。
【0030】前記操向制御部50の出力ポートb3 は、操
向制御が行われていることを作業者に報知せしめるため
の自動ランプ62に、また出力ポートb4 は、前記苗列撮
像装置20L,20R のいずれかにより既植苗が検出されてお
り、操向制御が適正に行われていることを作業者に報知
せしめるための苗検出ランプ63に夫々接続されており、
出力ポートb3 , b4 のハイレベル出力に応じて各ラン
プが点灯するようになっている。
【0031】また、出力ポートb5 , b6 は、各種警報
出力のための警報ランプ64, 警報ブザ65に夫々接続され
ており、出力ポートb5 のハイレベル出力に応じて警報
ランプ64が点灯し、出力ポートb6 のハイレベル出力に
応じて警報ブザ65が鳴動するようになっている。前記操
向制御部50、苗列撮像装置20L,20R 及びソレノイド S
l, Srは、前記操舵角センサ38及び各スイッチと共
に、いずれもエンジン始動用のキースイッチ70を介して
電源に接続されており、該キースイッチ70がオンされて
いる場合にのみ夫々の動作を行うことができる。
【0032】さて以上の如く構成された操向制御部50の
動作内容について、本発明装置を装備した乗用田植機に
よる植付け作業手順と共に説明する。運転席DSに着座し
た作業者は田面上の所定位置から第1行程の苗植作業を
手動操向にて行うと共に、画像教示スイッチ55をオン
し、苗株のない状態での田面を苗列撮像装置20L にて撮
像し、その画像を画像処理部22に取り込む。画像処理
22にて後述の演算により所定の係数が求められ記憶され
る。第1列の苗植えが完了すると、画像教示スイッチ55
をオフし、作業選択レバ12を後方に回動操作し、植付部
13を上昇させ、田植機を回向させ、自動操向の所定位置
に停止させる。次に運転席DSに着座した作業者により自
動スイッチ51がオン操作され、入力ポートa3 がハイレ
ベルに転じると、操向制御部50は出力ポートb3 を断続
的にハイレベルとし、自動ランプ62を点滅せしめて制御
動作の準備段階にあることを作業者に報知する。
【0033】次いで作業者は、作業選択レバ12を前方に
回動操作して植付部Bを田面に降下せしめ、更に走行機
体Aの走行速度に応じて植付部Bの動作速度を選択し、
作業選択レバ12を前記案内孔14における前半部の所定の
係止位置まで回動操作する。このレバ操作により、前記
植付けスイッチ52がオンされて入力ポートa4 がハイレ
ベルに転じると、操向制御部50は出力ポートb3 を連続
的にハイレベルとし、自動ランプ62を点灯させ、以後そ
の制御動作を開始する。さて作業者は、作業選択レバ12
を所定の係止位置に係止せしめた後、例えば、倣いガイ
ドとなる既植苗の列条が走行機体Aの左側にある場合に
は、前記作業選択レバ12を左方向に回動操作し、左側の
マーカ10を機体Aの左側に突出させる。
【0034】作業者は、左側に突出された前記マーカ10
を視認しつつ、これが前行程において植付けた苗株の列
条の内、最も右側に位置する列条の直上に位置するよう
にハンドル15を操作し、走行機体Aの大略の位置決めを
行った後、更に、苗検出ランプ63を視認しつつ、これが
点灯されるまでハンドル15を操作して、走行機体Aの初
期位置設定を行う。その後は、前記最も右側に位置する
列条中に所定の間隔で植付けられている苗が苗列撮像装
置20L によって連続的に撮像され、この撮像結果に基づ
く画像処理部22及び操向制御部50の後述の動作により、
所定の基準線s(本実施の形態においてはカラービデオ
カメラ20Laの撮像範囲の中心線)に前記苗が常に位置す
るように走行機体Aが自動操向される。
【0035】図9は画像処理部の制御内容を示すフロー
チャートであり、第1列の植付け時に苗列撮像装置20L
によって田面が撮像されると、画像処理部22は、カラー
ビデオカメラ20Laの画像情報であるビデオカメラ入力信
号を設定タイミング毎に取り込みカメラ入力信号変換部
222 にて赤色信号, 緑色信号,青色信号の各色信号R,G,
B に分離する。これを全ての画素について行うのである
が、縦横256 画素×256 画素=65,536画素について行う
と計算時間に多大な時間を要するので、縦横32画素×32
画素=1024画素について行う。即ち8画素毎にサンプリ
ングして前記各信号R,G,B を分離する(ステップ1)。
【0036】次に分離された各画素の各色信号R,G,B 夫
々の平均出力を求め、その各色信号R,G,B の平均出力の
構成比率、即ち、各色信号R,G,B の平均出力の和と各
色信号R,G,B 夫々との比率を求める。そしてその構成比
率が同一となるように各色成分を正規化するため、即ち
明るさに関係なく色のみ識別するための各色成分毎の補
正係数RK, GK, BKを求め、これら補正係数を記憶する
(ステップ2)。ここに、正規化とは苗の存在しない田
画像における各色信号R,G,B の平均出力が等しくな
るように処理することをいう。この処理のための係数が
補正係数RK, GK, BKであり、この補正係数RK, GK, BK
乗じることで構成比率は同一となる。また、正規化する
理由は苗株が植えられた田面の画像の各色信号R,G,B の
平均出力を求めた結果、色信号G の構成比率が大きくて
も、それが苗による結果か、田面自体の特性かを判別出
来ないからである。
【0037】次に自動操向に移行し、既植苗を苗列撮像
装置20L により撮像する。その後その画像をステップ1
と同様に各色信号R,G,B に分離する (ステップ3)。次
に分離された各画素の各色信号R,G,B に前記補正係数R
K, GK, BKを各別に乗じ(R×RK,G×GK, B×BK) 、その
緑色成分の乗算結果が他の成分の乗算結果より大きい画
素(G×GK> R×RKかつ G×GK> B×BK) を抽出する2値
化を行う(ステップ4)。一般に苗は背景、即ち苗を含
まない画像に比較して全体に対する緑色成分の比率が他
色の比率よりも大きいから、上記の処理によって苗の画
像のみの抽出が可能となる。この乗算結果の比較による
2値化は閾値を用いず2値化するために発明されたもの
であり、これにより時刻毎に変化する外乱光の明暗等の
外部条件に応じた閾値の変更が不要となった。
【0038】次に得られた2値化画像の抽出及び直線近
似の手段について説明する。図10は撮像範囲内における
2値化された画像を表示した模式図であり、撮像範囲の
中心Oを原点とし進行方向をy軸正方向とし、また左右
方向をx軸方向となしている。またsは前述した基準線
を示し、本実施の形態ではy軸と一致している。更にa
〜dは2値化された画素を示しており、各画像a,b…
の添字の各画素(8画素分を1画素をしている)を示し
ている。画像a,b…が2値化されると、図10左上より
32×32画素を走査し、上から順に画素αを抽出する (図
10では最初に画素a1 が抽出される)。次に抽出された
画素αと下記の条件の範囲にある画素βを全て抽出する
(ステップ5)。
【0039】いま画素αのx,y座標を夫々xα, y
α、画素βのx,y座標を夫々xα,yβとすると、条
件式を下記の如く設定する。 一般に既植苗に倣う田植作業を行う場合、田植機の進行
方向に対して既植苗の苗列の傾きは小さく、また苗株毎
の画像に表われた直線成分は、苗株の長さがほぼ一定長
以下なので、ある一定数画素以下となる。これらのこと
より前記条件式(1) にて傾きの小さな画素を抽出し、条
件式(2) にて同一苗株を抽出するのを防止し、苗株の直
線成分が近似直線に影響を与えないようにしている。
【0040】本実施の形態では上記条件式(1) ,(2) に
て画素βとして画素b1 〜b5 、d1〜d4 が抽出さ
れ、画素c1 〜c4 、e1 , e2 、f1 , f2 、g1 ,
2 は抽出されない。次の画素α(図10では画素a2)に
ついて同じように条件式(1) (2)を用いて画素βを抽出
し、この動作を画素βが抽出不可となるまで繰返す(ス
テップ6)。次にハフ変換部227 にて画素αと抽出され
た画素βとを結ぶ直線を算出し、その直線毎に、その直
線と中心Oとの距離ρ1 , …及びその角度θ1 , …を求
める(ステップ7)。
【0041】次に求められた距離ρ1 , …及び角度
θ1 , …夫々の平均値を求め、平均値たる距離をρ,平
均値たる角度をθとすると、このρが求めるハフ値とな
り、θがその角度となる。そして、このハフ値ρ及び角
度θの算出を設定タイミング毎に演算する(ステップ
8)。画像処理部22が設定タイミング毎にハフ値ρ及び
角度θを算出するとその値が操向制御部50に出力される
(ステップ9)。このように本実施の形態においては、
32画素をサンプリングし、色信号を分離しているので演
算速度を高速化でき、また2値化を閾値を使用せずに行
っているので、外乱光等の明暗による閾値の変更等の設
定動作が不要となり、更に2値化した画素のうち所定の
範囲内にある画素を抽出し、これらについて直線近似し
ているので、苗列の直線成分の画素及びノイズ等の苗以
外の画素に直線近似が影響を受けることがない。
【0042】通常ハフ値を用いる自動操向制御では得ら
れた画像上のハフ値ρ及び角度θを圃面上のハフ値ρ0
及び角度θ0 (図4参照)に換算し、それにより求めた
目標操舵角と操舵角センサ38で得られたディジタルデー
タDとを比較して操向制御するのであるが、前記自動操
向制御では圃面上へのハフ値の換算に多くの計算を必要
とするので、本実施の形態ではファジー制御の手法を用
い目標操舵角を算出するための操向操舵量を推論し自動
操向することとした。いま最新の設定タイミングT1
ときのハフ値をρt1、その角度をθt1,最新よりひとつ
前の設定タイミングT2 のときのハフ値ρt2、その角度
をθt2、ハフ値の差(ρt1−ρt2)をΔρ、角度の差
(θt1−θt2)をΔθ、操向操作指示量をSとして以下
に示す18とおりの制御ルールを操向制御部50に設定して
いる。
【0043】従って設定タイミングT1 ,T2 における
ハフ値ρt1,ρt2、角度θt1,θt2及びΔρ,Δθの値
に基づき前記18とおりの制御ルールから少なくとも1つ
の制御ルールを選定し、これに従った操向制御を行う。
なお図10に示す如く右上の象限 (これをI象限という)
から左回りにII, III,IV象限とし、中心Oから近似直線
へ下した垂線の足をPとすると、PがI又はIVの象限に
ある場合、走行機体は近似直線より左側、即ちハフ値ρ
が左であることを意味し、またPがII又はIII の象限に
ある場合、走行機体は近似直線より右側、即ちハフ値ρ
が右であることを意味する。
【0044】一方、PがII又はIVの象限にある場合、走
行機体は近似直線より右向き、即ち角度θが右であるこ
とを意味し、またPがI又はIII の象限にある場合、走
行機体は近似直線より左向き、即ち角度θが左であるこ
とを意味する。なおρ, θ (−π≦θ<π) の絶対値の
度合が大の場合は「大きく」、小の場合は「小さく」と
表現するものとする。更にΔρが右とは|ρt1|>|ρ
t2|であって、PがI又はIV象限に位置する場合を、更
にΔρが左とは|ρt1|>|ρt2|の場合であって、P
がII又はIII象限に位置する場合を意味する。Δθが左
とはθt1>θt2の場合を、更にΔθが右とはθt1<θt2
に場合を夫々意味する。なお、Δρは‖ρt1|−|ρt2
‖の場合が、またΔθは|θt1−θt2|の度合いが大の
場合を「大きく」、小の場合は「小さく」と表現するも
のとする。
【0045】(1) ρt1が大きく右で Δρが0であれば
Sは小さく左に切る。 即ち「ハフ値ρt1が大きく右」とは前述の如く中心Oか
ら近似直線に下した垂線の足PがII又はIII の象限に位
置し、走行機体が近似直線よりも右に位置する場合であ
って、しかもρの絶対値の度合が相対的に大きいことを
意味する。 (2) ρt1が大きく左で Δρが0であれば Sは
小さく右にきる。 (3) ρt1が小さく右で Δρも小さく右であれば Sは
大きく左に切る。 ここに「Δρも小さく右」とは (4) ρt1が小さく左で Δρも小さく左であれば Sは
大きく右に切る。 (5) ρt1が0で Δρが大きく右であれば Sは
小さく左に切る。 (6) ρt1が0で Δρが大きく左であれば Sは
小さく右に切る。 (7) ρt1が小さく右で Δρが小さく左であれば Sは
直進とする。 (8) ρt1が小さく左で Δρが小さく右であれば Sは
直進とする。 (9) ρt1が0で Δρも0であれば Sは
直進とする。 (10)θt1が大きく左で Δθが0であれば Sは
小さく右に切る。
【0046】即ち「θt1が大きく左」とは前述の如く中
心Oから近似直線に下した垂線の足PがIII又はIVの象
限に位置し、走行機体が近似直線よりも左向きになって
おり、しかもθの絶対値の度合が相対的に大きいことを
意味する。 (11)θt1が大きく右で Δθが0であれば Sは
小さく左に切る。 (12)θt1が小さく左で Δθも小さく左であれば Sは
大きく右に切る。 ここに「Δθも小さく左」とは (13)θt1が小さく右で Δθも小さく右であれば Sは
大きく左に切る。 (14)θt1が0で Δθが大きく左であれば Sは
小さく右に切る。 (15)θt1が0で Δθが大きく右であれば Sは
小さく左に切る。 (16)θt1が小さく左で Δθが小さく右であれば Sは
直進とする。 (17)θt1が小さく右で Δθが小さく左であれば Sは
直進とする。 (18)θt1が0で Δθも0であれば Sは
直進とする。
【0047】次にハフ値ρt1,角度θt1,Δρ,Δθ,
操向操作指示量Sの値を下記表により重みづけする。第
1表は横欄にハフ値ρt1(画素数で表示)を、また縦欄
に操向量(ラベルで表示) 及び該当する制御ルール番号
を夫々とり、横欄と縦欄との交わる各欄内に、該当する
重み付け量(W)を夫々記入してある。第2表は横欄に
角度θt1(×1/30rad)を、また縦欄に操向量 (ラベルで
表示)を夫々とり、横欄と縦欄との交わる各欄内に該当
する重み付け量 (W) を夫々記入してある。
【0048】第3表は横欄にハフ値の作業Δρを、また
縦欄に操向量 (ラベルで表示) を夫々とり、横欄と縦欄
との交わる各欄に該当する重み付け量 (W) を夫々記入
してある。第4表は横欄に角度の差Δθを、また縦欄に
操向量 (ラベルで表示) を夫々とり、横欄と縦欄との交
わる各欄に該当する重み付け量 (W) を夫々記入してあ
る。第5表は横欄に操向操作指示量 (S) を、また縦欄
に操向量 (ラベルで表示)を夫々とり、横欄と縦欄との
交わる各欄に該当する重み付け量 (W) を夫々記入して
ある。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】いま1例として となる。この条件を前述の(1) 〜(18)の制御ルールにあ
てはめると、ρt1が大きく右という条件を設定する制御
ルール(1) が成立する。図11は、例えば制御ルーチン
(1),(11),(13) が成立した場合における操向操作指示量
の推論手順を示すグラフであり、縦軸に重みづけの値
を、また横軸に操向操作指示量をとっている。
【0055】また制御ルール(1) の場合のグラフを図11
(a) に示している。制御ルール(1) ではρt1が“大きく
右”なので第1表よりρt1=4のとき、重みづけ値wは
8となる。また第4表よりΔθ=−1×1/30(rad) の
とき重みづけ値wは7となる。この2つの重みづけ値
7,8の小さい方の重みづけ値をw=7を最大値とし、
第5表の操向操作指示量Sのラベルが“小さく左”の場
合のx軸と重みづけ値wとで閉じられた図形を求める
{図11(a) 参照}。
【0056】制御ルール(11)の場合のグラフを図11(b)
に、制御ルール(13)の場合のグラフを図11(c) に、そし
て推論結果の合成を図11(d) に示している。制御ルール
(11)では同様に、第2表にて重みづけ値w=3、第4表
にて重みづけ値w=7が求められ、その小さい方の重み
けづけ値w=3を最大値として第5表の操向操作指示量
Sのラベルが“小さく左”の場合の同様の図形を求める
{図11(b) 参照}。制御ルール(13)も同様に第2表,第
4表より小さい重みづけ値w=7を求め、第5表の操向
操作指示量Sの図形を求める{図11(c) 参照}。
【0057】次に得られた3個の図形を重ね合わせ、重
ね合わせてできた図形の重心位置を求めることにより
{図11(d) 参照}、操向操作指示量Sを算出する。この
例の場合、操向操作指示量Sは2.26となる。得られた操
向操作指示量Sを操舵角データZに変換し、操舵角デー
タZと前記ディジタルデータDとを比較し、その差U
(U=Z−D)に応じて操向制御部50の出力ポートb1
又はb2 にハイレベル出力を与え、ソレノイド Sl又は
同Srを励磁し自動操向する。前記操向操作指示量Sが正
のとき左に、負のとき右に操向するように設定してお
り、また前記ディジタルデータDは直進に対して右に操
向されているときは負、左に操向しているときは正とし
ているので、前記差Uが正のとき(又は負のとき)は出
力ポートb1 (又はb2 )がハイレベル出力され、ソレ
ノイド Sl (又はSr)が励磁され、走行機体Aは左に
(又は右に)操向制御されることになる。
【0058】そしてこの自動操向制御が各設定タイミン
グ毎に行なわれる。このように、本実施の形態において
は、2値化演算部226 にて2値化された画素と所定距離
を有する画素を抽出してハフ変換しているので、苗株の
直線成分,ノイズ等による画素等の影響を受けずに精度
の高い直線近似か可能となる。一方、前記2値化演算部
225 により、2値化が不能の場合、又は画素抽出部226
にて画素が抽出不能の場合、操向制御部50は、その制御
動作を直ちに停止すると共に、出力ポートb5 ,b6
ハイレベルとして、警報ランプ64を点灯させ、警報ブザ
65を鳴動させて作業者に自動操向が不可能であることを
報知する。また操向制御部50は、前述の如き制御動作を
行っている間にその入力ポートa6 のレベルを常時監視
しており、該入力ポートa6 がハイレベルに転じた場合
には、作業者によりハンドル15の手動操作がなされたと
判断し、この操作による操舵を優先すべく、操向制御動
作を直ちに停止する。そしてこの停止は、ハンドル15の
操作が終了し、前記入力ポートa6 がローレベルに復帰
してから所定時間経過後に解除され、これ以後、操向制
御部50は前述の制御動作を継続して行う。
【0059】尚本実施の形態では苗列撮像装置としてカ
ラービデオカメラを用いたが、本発明はこれに限るもの
ではなく、苗株を検出でき、それを2値化できる撮像装
置であれば何でもよい。また本実施の形態では基準線s
を撮像範囲の進行方向の中心線とし、ハフ値及びその角
度を撮像範囲の中心点から求めたが、本発明はこれに限
るものではなく、その基準位置は撮像範囲であればどこ
でもよく、ハフ値及び角度を求める点も撮像範囲であれ
ばどこでもよい。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明装置において
は、苗列撮像装置の第1列植付時の撮像結果により各色
成分夫々の構成比率を求め、これから各色成分夫々を正
規化する各別の補正係数を求め、その補正係数に自動操
向時の各色成分を乗じた結果により閾値を用いずに2値
化しているので、2値化が外乱光等の外部条件の変化に
影響を受けず行えると共に、2次元にて苗列をとらえて
いるので、苗列が不規則となっていても前輪操舵装置に
ハンチング等の不必要動作をさせない等優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を装備した乗用田植機の側面図であ
る。
【図2】本発明装置を装備した乗用田植機の平面図であ
る。
【図3】苗列撮像装置の拡大側面図である。
【図4】苗列撮像装置の平面図である。
【図5】作業選択レバの操作位置説明のための平面図で
ある。
【図6】前輪の操舵機構の模式的平面図である。
【図7】本発明装置の構成を示すブロック図である。
【図8】画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図9】画像処理部の制御内容を示すフローチャートで
ある。
【図10】撮像範囲内の2値化された画像を示す模式図
である。
【図11】操向操作指示量の推論手順を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
A 走行機体 B 植付部 1 前輪 2 後輪 10 マーカ 12 作業選択レバ 20L,20R 苗列撮像装置 22 画像処理部 38 操舵角センサ 50 操向制御部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 7/00 G06F 15/70 310

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植付け済の苗株の列条に倣い自動操向す
    る移植機の自動操向装置において、 前記苗株の列条を撮像する苗列撮像装置と、 該苗列撮像装置により撮像された苗株を含まない画像情
    報の緑色成分、赤色成分及び青色成分のうち、緑色成分
    を含む少なくとも2つの色成分の平均出力を算出し、
    の構成比率を求め、構成比率が同一となるように各
    色成分を正規化するための各色成分毎の補正係数を求め
    る手段と、 苗株を含み撮像された画像情報の緑色成分を含む少なく
    とも2つの前記色成分に、その色成分に対応する各別の
    前記補正係数を乗じ、緑色成分に補正係数を乗じた値が
    他の成分に補正係数を乗じた値より大きい画素を抽出す
    る2値化手段と、 該2値化手段により2値化され、抽出された画素直線
    近似された線分を求める手段と、 該手段により直線近似された線分に倣い自動操向する手
    段とを具備することを特徴とする移植機の自動操向装
    置。
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