JP2649405B2 - 酸素吸蔵物質・貴金属含有保護層を備えた空燃比制御用酸素センサ及びその製法 - Google Patents

酸素吸蔵物質・貴金属含有保護層を備えた空燃比制御用酸素センサ及びその製法

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JP2649405B2 JP1032604A JP3260489A JP2649405B2 JP 2649405 B2 JP2649405 B2 JP 2649405B2 JP 1032604 A JP1032604 A JP 1032604A JP 3260489 A JP3260489 A JP 3260489A JP 2649405 B2 JP2649405 B2 JP 2649405B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車等の排気ガス浄化システムの三元触媒
と組合せて利用される空燃比制御用酸素センサに関す
る。
[従来技術及び課題] 自動車等の排ガス規制がますます強化され,数多くの
酸素センサが開発されている。こうした状況下,酸素吸
蔵・放出作用を示す酸化セリウム等と触媒とを併用して
なる層を備えた酸素センサも提案されている(特開昭61
−79155,同62−245148)。
しかし,上記提案に係る酸素センサはいずれも酸化セ
リウム等と触媒とを混合してコートしてなるので両成分
が共に単一層に存在する。そのため,触媒成分の強い影
響を受けて酸化セリウム等による酸素の吸蔵・放出作用
が過度に高められ,センサとしての制御周波数を減じ,
排気ガス浄化システムの三元触媒のウィンドから外れて
しまう事がある。
[課題の解決手段・作用・効果] そこで,本発明の空燃比制御用酸素センサはセンサ素
子の排気ガスにさらされる側に,耐熱性金属酸化物から
なる第1,第2保護層を備え、第1保護層が電極により近
接して位置し, 第1保護層が貴金属を,第2保護層が酸素吸蔵物質を
夫々含有していることを特徴とする。
この酸素センサによれば,第1,第2保護層が別々に触
媒としての貴金属と酸素吸蔵物質(以下,「OSC」とい
う)を含有している。そのため,貴金属はその触媒作用
を,OSCはその酸素吸蔵放出作用を,相互に殆んど影響を
及ぼすことなく発揮できる。即ち,第1保護層に含有さ
れた貴金属は,触媒として排ガス中の未燃成分を平衡状
態にするものである。そのため未燃成分による空気過剰
率(λ)のリーン側へのズレを防止して,初期,耐久後
において正確な空燃比制御を可能とする。一方,第2保
護層に含有されたOSCは,理論値よりリッチA/F時におい
ては酸素吸着能力が殆んどなく,リーンA/F時に酸素吸
着能力が高くなるものである(第13図)。そのため,加
速時等の急激な空気量増加時(リーンA/F時)に一旦酸
素を吸蔵し,センサ素子本体には実際の排ガスより少な
い酸素を有した排ガスが達し,結果としてセンサによる
リーン信号の出力時期を遅らせる。又,エンジンが加速
を終了して定常運転に戻った時には,第2保護層は単な
る保護層として第1保護層と共に(測定)電極を保護
し,しかも第1保護層の貴金属触媒が使用時に飛散して
λポイントズレ及び出力低下するのを確実に防止する。
従って,排ガス中の未燃成分によるλポイントズレ
(リーン側へのズレ)を貴金属によって,又急激な空気
量増加によるλポイントズレ(いわゆるリッチエクスカ
ージョン)を酸素吸蔵物質によって,夫々極力防止し,
もって初期・耐久後における加速時・定常運転時のいか
なるときにおいても正確な空燃比制御を達成できる。
本発明の酸素センサにおいて,第1保護層は保護層の
うち(測定)電極に近接して位置し,直接的に排ガスか
ら(測定)電極を保護する。第1保護層は耐熱性金属酸
化物例えばアルミナ,スピネル及びマグネシア,ベリリ
ア,ジルコニア等又はこれらの混合物で構成するとよ
く,特にMgO・Al2O3等のスピネルを主体とするものが好
ましい。その気孔率は5〜20%,好ましくは7〜20%,
その厚みは30〜200μm,好ましくは50〜170μmにすると
よい。排ガス通過性に支障を生ずることなく,(測定)
電極を確実に保護できる。
第1保護層に含有される貴金属としては,特にPtを主
体とするもの例えばPt80wt%以上からなるものが好まし
い。未燃成分のうちCO,HCの酸化反応を促進できる。又,
Rh,Pdを主体とすれば,未燃成分のうちNOxの還元反応を
促進できる。その担持量は,第1保護層を構成する耐熱
性金属酸化物に対して0.01〜5wt%の範囲にするとよ
い。0.01wt%未満では効果がなく,5wt%を越えると目詰
りを生ずるおそれがある。但し,濃い(リッチ)排ガス
に晒される条件下では約1wt%であることが好ましい。3
wt%を越えると,多量に存在する未燃成分が貴金属触媒
に吸着又は反応して保護層にキレが発生するおそれがあ
る。この触媒は,第1保護層全域に均一又は不均一に分
散でき,例えば,排ガスの未燃成分が多い素子先方部に
おいて貴金属の含有率を大としてもよい。又,触媒の材
質を各部で異ならせてもよい。
第2保護層については,第1保護層と同様な耐熱性金
属酸化物例えばスピネル,アルミナ等の化学量論的化合
物の他,非化学量論的化合物例えばTiO2-x(x=0.02〜
0.3),NiO等で構成してもよい。OSCを高分散状態で担持
してその酸素吸蔵作用を効率良く発揮でき,しかも耐熱
性に優れる。化学量論的化合物と非化学量論的化合物と
を併用してなるものでもよい。第2保護層の気孔率(開
気孔)は第1保護層のそれよりも1.5倍以上大,例えば
8〜35%にするとよい。酸素吸蔵作用を有効に発揮しつ
つ,排ガス通過性及びセンサ応答性の劣化を防止でき
る。又,同様な見地で,第2保護層の厚みを第1保護層
のそれより薄く,例えば10〜50μm,好ましくは20〜35μ
mにするとよい。
第2保護層に含有されるOSCとしては,非化学量論的
化合物例えば希土類元素の酸化物が挙げられる。特に酸
化セリウム,酸化バナジウムが好ましい。酸素の吸蔵・
放出作用が強く,これと同等な作用を他の物質で得るに
はその量を多くしたり,厚くする必要があり,従って目
詰りし易くなる。
OSCは第2保護層を構成する耐熱性金属酸化物に対し
て0.2〜30wt%(OSCの金属元素換算)存在される。0.2w
t%未満では特に過渡応答時等で多量の余剰酸素を吸蔵
できない。一方,30wt%を超えると定常状態でも吸蔵・
放出作用が大きすぎて応答周波数特性がゆるやかになり
すぎてしまう。但し,後述のように第2保護層としての
OSC含有層の耐久性を向上させるために第2保護層本体
形成後にOSCの金属塩溶液に浸漬させる場合には,その
保護層の目詰りを防ぐために0.2〜8wt%,好ましくは0.
8〜3wt%にするとよい。尚,OSC含有量は,第2保護層を
設ける前,後の重量差[X]と,OSC含有後の重量増分
[Y]から次式の如く求めた。
(ここで,A:OSCの金属元素の原子量,M:OSCの分子量,面
積比:OSCの金属塩溶液に浸漬又はOSCのスラリーを塗布
した部分の面積/第2保護層の全表面積) OSCは第2保護層の全表面積の1/2以上に含有させると
よい。1/2未満ではOSC存在部以外を通過して測定電極に
達する排気ガスが多くなり,その部分での出力変動が支
配的になる。好ましくは7/10以上である。
本発明の酸素センサは,更に,例えば次のような構成
を許容する。
(a)センサ素子近傍にヒータを備えてもよい。低温時
においても,第1保護層の貴金属による触媒作用,及び
第2保護層のOSCによる酸素吸蔵・放出作用を安定に発
揮できる。
(b)第2保護層を被覆して,第3保護層を更に備えて
もよい。耐久性をより向上させ,より一層長期に亘って
貴金属及びOSCの上記作用を安定に発揮できる。
(c)素子本体と第1保護層との間,又第1保護層と第
2保護層との間に複数の球状突起部を介在させてもよ
い。保護層のハクリを防止して,耐久性を高め得る。
(d)保護層にII a族成分特にCa,Mgの非酸化物例えばC
aCO3,CaCl2,Mg(NO3を含有させてもよい。オイル中
のSiによる被毒を防止できる。
次に,本発明の空燃比制御用酸素センサの製造方法
は,センサ素子の排気ガスにさらされる側の処理につい
て, 耐熱性金属酸化物を被着して耐熱性金属酸化物層を形
成した後,貴金属塩溶液に浸漬させる工程, 耐熱性金属酸化物を酸素吸蔵物質とからなるスラリー
を塗布し、焼成する工程,或は耐熱性金属酸化物を被着
して耐熱性金属酸化物層を形成した後,酸素吸蔵物質の
金属塩溶液に浸漬させる工程, を含むことを特徴とする。
この製法によれば,貴金属を含有する第1保護層を形
成した後,OSCを含有する第2保護層を形成できるので,
貴金属とOSCとを別個独立の保護層内に含有させること
ができる。従って,前述の酸素センサ即ち,センサ使用
時において触媒とOSCとが殆んど相互作用を及ぼすこと
なく貴金属の触媒作用及びOSCの酸素吸蔵作用を発揮で
きる酸素センサを量産性良く製造できる。
第1保護層の形成としては,その材料の溶液又は粉末
を刷毛塗布,浸漬,噴霧等の後焼成する等種々の方法が
挙げられるが,溶射,特にプラズマ溶射が好ましい。溶
射粉末同志の固着強度が強く,その条件を適宜変更する
ことにより,任意の気孔率,気孔径とすることができ
る。また,センサ素子の本体材料(例えばZrO2固体電解
質,TiO2,CoO半導体など)からなる生シートに貴金属ペ
ーストにて電極を印刷後,Al2O3等の第1保護層材料を更
に印刷し,これらを同時焼成してもよい。
第1保護層への触媒担持は,金属塩溶液中にて浸漬処
理し,その乾燥後,焼成して行なうとよい。その溶液の
濃度は触媒が充分に分散し,含浸的に目詰りを起こさな
いようにする見地で決定するとよい。例えば,触媒が,P
tの場合,Ptが充分分散した溶液としては,H2PtCl6溶液が
あり,そのPt濃度を0.01〜5g/にするとよい。Pt濃度
が0.01g/未満では触媒作用が不充分となり,5g/を越
えると第1保護層の孔が目詰りし,センサ応答性が悪く
なる。浸漬処理は減圧又は加圧しながら行なうとよい。
貴金属含有塩溶液が第1保護層の奥深くまで浸漬し,従
って貴金属触媒を第1保護層内に均一に分散できる。焼
成温度は400〜700℃にするとよい。
尚,耐熱性金属酸化物及び貴金属を配合してなるスラ
リを用い,これを素子本体に塗布することによって第1
保護層を形成することも可能である。但し,かかる方法
の場合,貴金属の触媒機能を有効に発揮できず耐久性に
乏しくなり,又高価な貴金属について無駄が多くなる。
第2保護層の形成は,第1保護層の形成と同様に行な
うとよい。例えばスピネル(MgO・Al2O3)をプラズマ溶
射したり,又Al2O3,TiO2の微細粉末を刷毛塗布した後焼
成する等によって行なうとよい。特に,この微細粉末の
粒径は1μm以下にするとよい。これによって形成され
る第2保護層本体が微細開気孔となり,この第2保護層
に担持されるOSCの酸素吸蔵・放出作用をより効果的に
発揮できる。又使用時において排ガスが進入してきた
際,被毒成分としてのSi,C等をこの第2保護層において
確実に捕捉できることにもなる。次いでOSCの金属塩溶
液に浸漬させた後,乾燥,焼成するとよい。第2保護層
を第1保護層上に強固に付着形成させた後,その第2保
護層(多孔質)内にOSCの金属塩溶液を含浸させること
により,OSCを高分散担持できると共に,使用時における
飛散を防止できる。従って,OSCの前記作用を長期間安定
に持続できる。
OSCの金属塩としては,硝酸塩,酢酸塩が挙げられ
る。Ce塩の場合,例えば硝酸セリウムにするとよい。pH
は5以下にするとよい。OSCの金属塩溶液が第2保護層
内に深く入り込みOSCの付着強度を強くできる上,非常
に分散性が高い。より好ましくはpH3以下とすると良
い。保護層内に入り込み易い為,この保護層内の排ガス
の流通路に確実にCeを分散できる。浸漬は300mmHg以
下,好ましくは200mmHg以下の真空ないしは減圧下又は
加圧下で行なうとよい。金属塩の可溶性を高め,かつ第
2保護層内に深く効率良く高分散させることができる。
300mmHgを越えると,浸漬処理時間又は回収を多く必要
とし,保護層内部よりもむしろ表面部に多く付着し,保
護層が目詰りするおそれがある。浸漬は室温以上,より
好ましくは20℃以上で行なうとよい。
浸漬処理にあたり,予め第2保護層は溶射等によって
形成されている。従って,OSCの金属塩溶液は第1保護層
へは殆んど含浸しない。又,保護層の浸漬はセンサ検知
部を下方へ位置させて行なうが,この場合保護層のうち
下端より95%の部位までを浸漬させるようにするとよ
い。95%を超えると導通部分となるべき素子鍔部にOSC
の金属塩溶液が付着してその使用時における導通性を阻
害するおそれがある。尚,金属塩溶液に耐熱性金属酸化
物例えばアルミナ,スピネルを含有させて,これに第2
保護層を浸漬してもよい。但し,この場合には第2保護
層ひいては測定電極に対する接着強度が弱く耐用性が低
下するおそれがある。
又,含浸により担持されるOSC量は,耐熱性金属酸化
物に対して0.2〜8wt%(OSCの金属元素換算)が良い。
より好ましくは0.8〜3wt%がよい。上限は保護層の目詰
りを防ぎ,又センサ使用時の保護層のキレを防ぐためで
ある。下限未満ではOSCの効果が若干悪くなる。
浸漬処理によるOSC金属塩溶液の含浸後,300℃〜850℃
の温度にて酸化雰囲気中にて熱処理するとよい。OSC金
属塩を熱分解させると共に水分を揮発させOSCに変更で
きる。300℃未満ではかかる作用が不充分であり,一方8
50℃を越えると測定電極等にO2が吸着したりする事もあ
る他,OSCに一時的に酸素の吸蔵が多くなり,使用時にこ
の酸素の放出が困難になるおそれがある。好ましくは80
0℃以下である。又,還元雰囲気中にてこの熱処理を行
なうと,例えば硝酸塩の場合毒性のNOが発生するので,
取扱いが煩雑となる。
第2保護層の形成は,又,保護層本体材料及びOSCを
配合してなるスラリーで第2保護層を被覆し,その後焼
成することによって行なってもよい。保護層本体の形成
とOSCの担持とを同時に行なうことによって,より強固
にOSCを担持させ,使用時における飛散を防止して長期
安定に酸素吸蔵・放出作用を発揮させ得る。又,スラリ
ーとすることによって,形成時に結合剤等が飛散し,所
望の気孔率及び気孔径を容易に得ることができる。スラ
リーは通常の如く結合剤,溶剤等を配合して得られる。
被覆方法としては刷毛塗布,浸漬,噴霧等いずれであっ
てもよい。又,保護層材料とOSCとの配合は,保護層材
料粉末にOSCの金属塩溶液を含浸させることにより行な
うとよい。均質に配合させ得る。保護層材料としては,
金属酸化物の他,熱分解によって金属酸化物を形成し得
る化合物例えば水酸化物又は塩などであってもよい。そ
の粉末粒径は2μm以下にするとよい。焼結性が向上し
固着強度が高められ,従って使用時において第2保護層
が剥離し難くなる。好ましくは0.3〜1.5μmである。熱
処理温度は酸化性雰囲気中で600〜900℃で行なうとよ
い。
本発明は,種々のタイプの空燃比制御用酸素センサ,
即ち理論空燃比制御,稀薄空燃比制御,全域空燃比制御
(ポンプ素子を併設したもの);固体電解質型(Zr
O2),半導体型(TiO2,CoO)等の酸素センサとして広く
適用できる。
〔実施例〕
実施例A 以下の工程により第1〜3図に示すようなU字管型酸
素センサ(試料No.1〜13,比較試料I〜III)を得た。
尚,各試料についての具体的組成を第1表に示す。
工程1: 純度99%以上のZrO2に純度99.9%のY2O3を5mol%添加
し,混合した後,1300℃で2時間仮焼する。
工程2: 水を加えボールミル中にて湿式にて粒子の80%が2.5
μm以下の粒径になるまで粉砕する。
工程3: 水溶性バインダを添加し,スプレードライにて平均粒
径70μmの球状の造粒粒子を得る。
工程4: 工程3にて得た粉末をラバープレスし所望の管状(U
字管状)に成形し乾燥後,砥石にて所定の形状に研削す
る。
工程5: 外面上に,工程3で得た造粒粒子に水溶性バインダ繊
維素グリコール酸ナトリウム及び溶剤を添加した泥漿を
付着させる。
工程6: 乾燥後,1500℃×2Hrsにて焼成する。検出部に対応す
る部分について,軸方向長25mm,外径約5mmφ,内径約3m
mφとした。
工程7: 無電解メッキにより,外面にPt測定電極層を厚さ0.9
μmに析着させ,その後1000℃で焼付する。
工程8: MgO・Al2O3(スピネル)の粉末にてプラズマ溶射して
厚さ約150μmの保護層を形成する。
工程9: 工程7と同様にして,内面にPt基準電極層を形成し
た。
工程10: 第1保護層を第10図に示すようにPt0.05g/〜1g/
のH2PtCl6溶液及び/又はRh0.05g/のRhCl3・xH2O溶液
に浸し,50〜100mmHgの圧力下で約5分放置して,第1保
護層中に貴金属塩を含浸させた。この含浸操作を複数回
繰返した。その後,600℃大気中にて処理して,第1保護
層中に貴金属を担持させた。
工程11: 硝酸セリウムに水を加え,平均粒径0.5μmのAl2O3
末又は平均粒径0.3μmのTiO2粉末を混合し,噴霧器又
はドブ付けにて第1保護層上に塗布し,600℃大気中にて
処理した(第2保護層)。試料No.4,5については,溶射
によって20μmのスピネル層を再度形成した後,第10図
に示すように硝酸セリウム溶液中に浸して,含浸させ
た。その後,600℃大気中にて処理して,第2保護層中に
酸化セリウムを担持させた。
工程12 素子1をハウジング7内に挿入した後,加締用リング
8及び滑石等の充填材9を挿填して,素子Bをハウジン
グ7内に固定する。
工程13: 電極部2,3に端子を介してリードを接続する。
工程14: 素子B先端部を覆って保護管10を配置し,ハウジング
7先端と保護管10後端とを溶接する。
工程15: 外筒を被せて酸素センサを得る。
実施例B 以下の工程により第6(a)図,6(b)図に示すよう
な板状型酸素センサ(試料No.14,15,比較試料IV)を得
た。
工程1: ZrO2+Y2O35モル%を主成分とするシートを厚み0.8mm
にドクターブレード法にて成形した。
工程2: スクリーン印刷法によりPtを主成分とし,有機バイン
ダと溶剤を加えたペーストにて電極を20μm厚両面に印
刷した。
工程3: 該電極を被覆する様にAl2O3を主成分とし,有機バイ
ンダと溶剤とを加え更に多孔質にする為デンプン等を少
量加えたペーストにて厚み30μmコーティングした(第
1保護層としての多孔質Al2O3層の形成)。
工程4: 工程1と同様の組成,厚みを有するシート上にAl2O3
を主成分とし有機バインダと溶剤とを加えたペーストを
厚み30μmに両面にコーティングした。
工程5: 工程2と同様のペーストにて20μmヒータパターンを
印刷した。
工程6: 更に工程4と同様にAl2O3コーティングした(ただし
ヒータパターン上の面のみ)。
工程7: 工程1と同様の組成,厚みを有するシートをコの字状
に切断してスペーサ用シートとする。第11図に示す如
く,このスペーサ用シートを工程1〜3で得た電極の印
刷されたグリーンシートと工程4〜6で得たヒータパタ
ーンを内在する対向部用グリーンシートとの間に配置さ
せ,熱圧着した。
工程8: 400℃で24Hrs樹脂抜きした後1500℃×4Hrsの焼成を行
なった。
工程9: 実施例Aの工程10と同様な貴金属塩溶液に浸し,第1
保護層中に貴金属塩を含浸させた。その後,600℃大気中
にて処理して第1保護層に貴金属を担持させた。
工程10(第2保護層の被着): 実施例Aの工程11と同様に,溶射によって20μmのス
ピネル層を形成した。
工程11: 硝酸セリウム溶液に浸した。その後600℃大気中にて
処理した。
工程12: こうして得られた素子の両側に,第12図に示すよう
に,一対の支持体をガラスシールによって取付けた。
工程13(センサへの組付): 実施例Aの工程12〜15と同じ。
第1〜6,10〜12図において,Aは酸素センサ,Bは酸素セ
ンサ素子,Cは一対の電極を有するポンプ素子,1は素子本
体(酸素イオン伝導性固体電解質体又は半導体),2は基
準電極,3は測定電極,4は第1保護層,4aは貴金属,5は第
2保護層,5aはOSC,6はヒータ,7はハウジング,8は加締用
リング,9は充填材,10は保護管を夫々表わす。
[試験] こうして得られた各試料について,下記のような試験
を行った。
(イ) 各試料を実車のエンジンに取付け,A/Fを徐々に
変化させてセンサ出力を計測した。その結果を第7図に
示す。
(ロ) 各試料を実車のエンジンに取付け,空燃比をA/
F12とA/F16とに2Hz周期で変動させて,センサの出力波
形を調べた。その結果を第8図に示す。
(ハ) 各試料をプロパンバーナ装置に取付け,そのバ
ーナを燃焼させ,雰囲気を第9図の如く一時的にλ≒0.
98から1.1に切替えてリーン側へ移動させ,その時のセ
ンサの出力状況を調べた。
試験(イ)において,第7図から明らかなように,比
較試料I(スピネルの第1保護層からなるもの),及び
比較試料IV(第1保護層に貴金属を担持させているも
の)はλ=1付近において非常に緩やかに起電力が低下
する出力特性を示す。従って,λ=1の検知特性が極め
て悪い。これに対して,実施例試料No.1〜15,及び比較
試料II,IIIはλ=1近傍において急激に低下する出力特
性を示す。従って,λ=1の検知特性に優れる。
試験(ロ)において,第8図から明らかなように,比
較試料I(スピネルの第1保護層からなるもの)は,応
答周波数Hzは高いが,立上りが早く立下りが遅い非対称
の応答カーブを描く。従って,この非対称性をコンピュ
ータで補正する必要がある。又,比較試料IIは(特開昭
62−245148の開示実施例に従って製造した酸素センサで
あって,CeO2及びPtからなる第2保護層を備えたもの)
は,応答カーブは対称性があるが,応答周波数Hzがあま
りに低い。従って,エンジン系へのフィードバック回数
(雰囲気の修正回数)が減じるため,制御の幅が広くな
ってしまい,三元触媒の能力を超えて排ガス濃度が全体
に濃くなってしまうおそれがある。これに対して,実施
例試料No.1〜15及び比較試料III,IVは応答カーブが対称
性を示し,しかも応答周波数が高くかつ振幅も広い。従
って,応答性に優れる。
試験(ハ)において,第9図から明らかなように,比
較試料I(既述),比較試料III(Pt触媒を担持した第
1保護層のみを備えた酸素センサ)は,A/Fが略理論値
(λ=0.98)から一時的にリーン側(λ=1.1)に移行
した場合,A/Fが略理論値(λ=0.98)に復帰しても,応
答遅れによりA/F曲線についてリッチ側へ大きく逸脱す
る減少(リッチエクスカージョン)を生ずる。これに対
して,実施例試料No.1〜15及び比較試料II,IVはOSCの存
在によって空気量増加時に一旦酸素を貯蔵させることに
より,リーン信号を出力する時期を遅らせ,結果として
リーン信号を出力している期間を短縮する。従って,上
記リッチエクスカージョン現象を生ずることなく,空気
増量終了後にA/Fは速やかに理論値近傍に復帰する。
従って,実施例試料No.1〜15はいずれも定常運転状態
において優れたλ=1検知特性及び十分な応答性を示
す。そのため,特に排気系のガス流速が速い空燃比制御
系において極めて有用である。加えて,加速時等の急峻
な空気増量時においても,λポイントズレを生ずること
なく,正確な空燃比制御が可能である。かくして,排気
浄化システムの三元触媒のウィンドから外れることな
く,有害物質の浄化特性を高く維持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るU字型酸素センサの一例を示す半
断面図, 第2,3図は第1図のII,III拡大断面の模式図であって,
第2図は請求項1,2の一例に係るもの,第3図は請求項
1,3の一例に係るもの, 第4図は本発明に係る半導体型酸素センサの一例を示す
図であって,第4(a)図はその平面図(但し保護層は
省略),第4(b)図はその断面図, 第5図は本発明に係る全域空燃比制御用酸素センサ(ポ
ンプ素子を併設したもの)の一例を示す断面図, 第6図は本発明に係る板状型酸素センサの一例を示す図
であって,第6(a)図はその斜視図,第6(b)図は
その断面図, 第7図は試験(イ)の結果を示すグラフであって,空気
過剰率(λ)とセンサ出力との関係を示したもの, 第8図は試験(ロ)の結果を示すグラフであって,時間
とセンサ出力との関係を示したもの, 第9図は試験(ハ)の結果を示すグラフであって,時間
とセンサ出力との関係を示したもの, 第10図は実施例Aの工程10又は実施例Bの工程9を説明
するための断面図, 第11図は実施例Bの工程7を説明するための分解斜視
図, 第12図は同じく工程12を説明するための断面図,そし
て, 第13図はOSCの酸素吸蔵量とλとの関係を示したグラ
フ, を夫々表わす。 A……酸素センサ、B……酸素センサ素子 1……素子本体、3……測定電極 4……第1保護層、4a……貴金属 5……第2保護層 5a……酸素吸蔵物質(OSC)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−67556(JP,A) 特開 昭61−93944(JP,A) 特開 昭61−79155(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】センサ素子の排気ガスにさらされる側に、
    耐熱性金属酸化物からなる第1、第2保護層を備え、第
    1保護層が電極により近接して位置し、 第1保護層が貴金属を、第2保護層が酸素吸蔵物質を夫
    々含有していることを特徴とする空燃比制御用酸素セン
    サ。
  2. 【請求項2】センサ素子の排気ガスにさらされる側の処
    理について、 耐熱性金属酸化物を被着して耐熱性金属酸化物層を形成
    し、貴金属塩溶液に浸漬させる工程、 耐熱性金属酸化物と酸素吸蔵物質とからなるスラリーを
    塗布し、焼成する工程、 を含むことを特徴とする空燃比制御用酸素センサの製造
    方法。
  3. 【請求項3】センサ素子の排気ガスにさらされる側の処
    理について、 耐熱性金属酸化物を被着して耐熱性金属酸化物層を形成
    した後、貴金属塩溶液に浸漬させる工程、 さらに耐熱性金属酸化物を被着して耐熱性金属酸化物層
    を形成した後、酸素吸蔵物質の金属塩溶液に浸漬させる
    工程、 を含むことを特徴とする空燃比制御用酸素センサの製造
    方法。
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