JP2649086B2 - 電子線測長装置および電子線偏向歪補正方法 - Google Patents

電子線測長装置および電子線偏向歪補正方法

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JP2649086B2 JP1177357A JP17735789A JP2649086B2 JP 2649086 B2 JP2649086 B2 JP 2649086B2 JP 1177357 A JP1177357 A JP 1177357A JP 17735789 A JP17735789 A JP 17735789A JP 2649086 B2 JP2649086 B2 JP 2649086B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、測長対象物の大きさに合わせて偏向振幅を
異ならせることが可能な電子線測長装置および該装置の
電子線の偏向歪を補正する方法に係り、特に、偏向振幅
にかかわらず、常に高精度の測長を可能にする電子線測
長装置および電子線偏向歪補正方法に関する。
(従来の技術) 電子線測長装置においては、従来から良くられている
ように電子線の偏向歪補正が必要不可欠である。
第7図は偏向歪によって測定値に誤差が生じる原因に
ついて説明するための図であり、実線はステージ座標
系、点線は偏向歪補正前の偏向座標系を示している。ま
た、偏向振幅W1で長さdの物体Dの測長を偏向歪が無い
状態で行った場合と、偏向歪が有る状態で行った場合
の、電子線が照射されて前記物体Dから発生する二次電
子の状態をそれぞれ(a)、(b)に示す。
なお、同図において説明を簡略化するために、X方向
の偏向歪のみを考えるものとする。
同図に示したように、偏向歪によってステージ座標系
と偏向座標系とがずれると、これに応じて電子線の照射
される位置がずれ、二次電子に基づいて求められる長さ
T0、T1が異なってしまう。
このような問題点を解決する方法としては、偏向振幅
を異ならせる機能を有しない電子線測長装置での偏向歪
補正方法、換言すれば、特定の偏向振幅における偏向歪
補正方法として、例えば特開昭55−102229号公報に記載
されている。
この従来技術では、特定の偏向振幅によって電子線が
照射可能な領域、すなわち偏向領域内の均一な格子点上
に分布した点に電子線を照射するときの電子線偏向系に
よって算出される座標(X,Y)と、そのときのステージ
位置の座標(x,y)とを求め、両者の各格子点での差が
最小となるときの電子線偏向歪係数を算出し、該係数に
基づいた補正信号を発生して偏向歪を補正する。
(発明が解決しようとする課題) 偏向振幅を異ならせる機能を有する電子線測長装置で
は、測長時における各振幅の偏向領域内の測定分割数は
振幅に拘らず一定になっているので、振幅が小さい場合
には測定分解能が高く、振幅が大きい場合には低くなる
という特質を有する。
すなわち、測定分割数が4096であり、指定できる振幅
が例えば2μm、5μm、10μmであるとすると、それ
ぞれの振幅での測定分解能は2/4096μm、5/4096μm、
10/4096μmとなる。そして、測定しようとする長さ
は、測定分解能で定義される測定ピッチが、その長さ内
にいくつ含まれるかによって算出される。
ところが、このような構成の電子線測長装置では、偏
向振幅が指定されても実際の振幅が指定通り正確に設定
されるとは限らず、たとえば10μmの振幅を指定して
も、固体差によってその振幅が8μmであったり12μm
であったりする場合が多い。
そして、偏向振幅の不正確さは、以下に説明するよう
に、偏向歪が補正されていても測定値の誤差となって表
れてしまう。
第7図(c)は、偏向歪が補正されている状態で、本
来の偏向振幅W1がΔWだけ長くなってしまった場合に前
記物体Dから発生する二次電子の状態を示している。
このように、偏向振幅が長くなってしまうと、パルス
間隔T0の振幅内に占める、測定分解能で定義される測定
ピッチの数が少なくなってしまう。そして、該測定ピッ
チがいくつ含まれるかに応じて長さを算出する処理装置
では、入力されたデータが正確な偏向振幅によって得ら
れたものとして処理するために、振幅が本来の設定値か
らずれていると、それが測定誤差となってしまう。
具体的に言えば、偏向振幅が本来の設定値より大きい
場合には測定値が小さくなり、偏向振幅が小さい場合に
は測定値が大きくなり、上記した例では、測定された長
さが実際よりも短く判断されてしまう。
このように、偏向振幅を異ならせる機能を有する電子
線測長装置では、各偏向振幅の固体差を考慮して、各偏
向振幅ごとに実際の振幅に応じた偏向歪補正を行わない
と、偏向振幅を変えて同一物体の長さを測定した場合に
測定値が変わってしまうという問題があった。
また、偏向振幅を異ならせる機能を有する電子線測長
装置において、第6図に示すような互いに幅の異なる2
つの物体C1、C2の距離LCを測定しようとする場合には、
初めに比較的短い振幅W1で物体C1両端部の偏向座標
C1R、C1Lを求め、該変更座標に基づいてその中間点の偏
向座標Z1を求める。
次に、比較的長い振幅W2で物体C2の偏向座標Z2を前記
と同様にして検出し、偏向座標Z1とZ2との距離が物体C
1、C2の距離LCとなる。
ところが、偏向歪補正の結果は、一般に偏向振幅に応
じて変わったものとなる。例えば第8図(a)のステー
ジ座標系80と偏向座標系81とのずれが偏向振幅W1の時に
生じたものとすると、その偏向歪補正結果は同図(b)
のようになり、一方、前記ずれが偏向振幅W2の時に生じ
たものとすると、その偏向歪補正結果は同図(c)のよ
うになる。
同図(b)、(c)を比較すれば明らかなように、各
偏向座標系は該偏向歪補正により各偏向振幅毎にステー
ジ座標系(基準座標系)から一定距離だけずれた形で補
正されるので、各々を独立させて考えれば、偏向歪は除
去されたことになる。
しかし、該補正された各偏向振幅に対応する偏向座標
系は、同図のように互いにずれているので、例えば同図
(b)の座標系で求められた1点の座標と、同図(c)
の座標系で求められた他の1点の座標を用いて該2点間
の距離を求めようとすると、両座標系は互いに独立した
座標系であるために正確な距離を求めることができなか
った。
換言すれば、それぞれの偏向振幅に応じて発生する偏
向歪を補正し、各偏向振幅での測長を正確に行っても、
各偏向振幅での歪補正後の偏向座標系が一致していない
と、物体C1、C2の距離LCには該偏向座標系のずれに応じ
た誤差が含まれてしまうことになる。
このように、偏向振幅を異ならせる機能を有する電子
線測長装置では、偏向振幅が正確に定まらなかったり、
あるいは各偏向振幅での歪補正後の偏向座標系が一致し
ていないことに起因した誤差が測定値に含まれてしまう
という問題がある。
本発明の目的は、以上に述べた問題点を解決し、偏向
振幅を異ならせる機能を有する電子線測長装置におい
て、偏向振幅に拘らず、常に正確な測長を可能にする電
子線測長装置および電子線偏向歪補正方法を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) 前記の問題点を解決するために、本発明は複数の偏向
振幅が設定可能な電子線測長装置において以下のような
手段を具備した点に特徴がある。
(1)電子線の偏向振幅を設定する手段と、偏向振幅に
応じた偏向信号を発生する手段と、偏向信号に応じた歪
補正信号を、各偏向振幅に応じて発生する手段と、偏向
信号と歪補正信号とを加算して加算信号を発生する手段
と、加算信号に応じて電子線を偏向する手段と、電子線
の照射によって測定点から発生する信号を検出する手段
と、前記信号に基づいて各偏向振幅の偏向座標系での測
定点の位置を検出すると共に、該位置に基づいて所望す
る部位の長さを算出する手段とを具備した。
さらに、本発明では上記した構成の電子線測長装置に
おいて電子線の偏向歪を補正する場合に、以下のような
方法を採用した点に特徴がある。
(2)偏向歪測定用パターンに各偏向振幅で電子線を照
射し、各偏向振幅ごとに、偏向領域内の複数の点におけ
る偏向座標系とステージ座標系とのずれを検出し、該ず
れに応じて各偏向振幅ごとの偏向領域内での歪補正量を
設定し、該歪補正量の基づく歪補正信号によって、各偏
向振幅ごとの電子線の偏向歪を補正するようにした。
(3)各偏向振幅での加算信号に応じた各偏向座標系
が、該偏向座標系の少なくとも任意の一点において互い
に一致するようにした。
(作用) 上記した構成によれば、以下のような作用効果が達成
される。
(1)複数の偏向振幅が設定可能な電子線測長装置にお
いて、各偏向振幅ごとに偏向信号に応じた歪補正信号を
発生するようにしたので、偏向振幅に拘らず偏向座標系
とステージ座標系とが一致し、正確な測長が可能にな
る。
(2)各偏向振幅での加算信号に応じた偏向座標系が任
意の一点で互いに一致するようにしたので、一つの測定
対象物を2以上の偏向振幅を利用して測長した場合であ
っても、正確な測長が可能になる。
(実施例) 以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例である電子線測長装置の偏
向歪補正制御系の主要部のブロック図であり、本実施例
では、特に3種類の偏向振幅W1,W2,W3(W1<W2<W3)が
設定可能な制御系を例にして説明する。
同図において、CPU1は電子線測長装置全体の制御を司
どり、その制御はROM18に予め登録された各種のプログ
ラムおよび登録データに従って行われる。X方向の偏向
歪を制御するX方向偏向歪制御系14はインターフェース
2を介して前記CPU1に接続され、その動作を予めROM18
に登録されたプログラムによって制御される。
X方向偏向歪制御系14は、偏向信号発生回路3、歪補
正信号発生回路12、加算器4、D/Aコンバータ5、偏向
アンプ6、偏向振幅切換用抵抗8−1〜8−3、および
抵抗選択回路17によって構成される。
偏向信号発生回路3の出力信号は、偏向振幅ごとの各
偏向領域内での偏向座標系とステージ座標系とのずれを
補正する偏向歪補正データが登録される第1〜第3の歪
補正信号発生回路12−1〜12−3、および加算器4の一
方の入力端子に入力され、第1〜第3の歪補正信号発生
回路12−1〜12−3の出力信号は前記加算器4の他方の
入力端子に入力される。
加算器4は偏向信号発生回路3から出力される偏向信
号と歪補正信号発生回路12から出力される歪補正信号と
を加算し、加算信号をD/Aコンバータ5に出力する。
D/Aコンバータ5でアナログ信号に変換された加算信
号は偏向アンプ6で増幅され、X方向偏向コイル7に入
力される。また、D/Aコンバータ5の出力信号は偏向振
幅切換用抵抗8−1〜8−3の一方の端子にも入力さ
れ、該抵抗の他方の端子は、CPU1によってインターフェ
ース2を介して制御される抵抗選択回路17に接続されて
いる。
一方、電子線15が照射されてX方向偏向歪測定用パタ
ーン10から発生する信号13は検出器9で検出され、該検
出信号はA/Dコンバータ11に入力される。A/Dコンバータ
11によってデジタル変換された検出信号はインターフェ
ース2を介してCPU1に取り込まれる。
第2図は前記X方向偏向歪測定パターン10の断面図で
あり、該X方向偏向歪測定パターン10は、中央部の溝パ
ターン10−1の幅Sが、その両側に設けられた溝パター
ン10−2〜10−7の幅Pと異なって、広く設定されてい
る点に特徴がある。
溝パターン10−5と10−2との間隔(La+Ra)は振幅
W1よりやや狭く、溝パターン10−6と10−3との間隔
(Lb+Rb)は振幅W2よりやや狭く、溝パターン10−7と
10−4との間隔(LC+RC)は振幅W3よりやや狭く設定さ
れている。
なお、前記X方向偏向歪測定パターン10は、第9図に
示したように試料ステージ90の側部に、Y方向偏向歪測
定パターン91に隣接して設置されている。Y方向偏向歪
測定パターン91の形態はX方向偏向歪測定パターン10と
同じであるが、形成された溝の方向が90゜だけ回転して
いる。
また、第1図にはX方向への偏向を制御するX方向偏
向歪制御系14のブロック図のみを示したが、Y方向への
偏向を制御するY方向偏向歪制御系もこれと同じ構成で
あるので、その図示および説明は省略する。
このような構成の偏向歪制御系における偏向歪補正デ
ータの歪補正信号発生回路12への登録方法を第3図のフ
ローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明する
一連の動作を実行するためのプログラムおよびデータ
は、前記したように予めROM18に記憶されており、各偏
向振幅での偏向歪補正データの登録は、該プログラムに
したがって自動的に行われるものとする。
偏向歪補正データの登録が開始されると、ステップS1
では、初めにX方向の偏向歪補正が指示されてX方向偏
向歪制御系14が待機状態になり、電子線の走査方向がX
方向に設定される。
ステップS2では,図示しない駆動系が制御されて前記
試料ステージ90の端部に設置されたX方向偏向歪補正パ
ターン10(第9図参照)の中心位置がビーム直下に移動
される。
ステップS3では、偏向振幅W1を設定するための振幅情
報がROM18からCPU1に取り込まれる。CPU1は前記振幅情
報に基づいて偏向振幅をW1にするために、インターフェ
ース2を介して抵抗選択回路17を制御して抵抗8−1を
選択する。これによってX方向偏向コイル7に流れる電
流が制御され、電子線が振幅W1で走査されるようにな
る。
さらに、ステップS3では振幅W1に応じた偏向歪補正デ
ータを登録する歪補正信号発生回路として歪補正信号発
生回路12−1が選択される。なお歪補正信号発生回路12
−1〜3には、パターン測定開始前においては歪補正信
号が発生されないようなデータが、予めCPU1によって設
定されている。
ステップS4では、図示しないY方向偏向歪制御系が制
御され、まずY方向における偏向歪測定パターン10の中
心部(Y=Y0:第4図(a)参照)が走査されるように
設定される。本実施例では、以下に詳述するように、Y
方向に関してはY=Y0、Y=Y+、Y=Y-の3カ所におい
て歪補正データ生成のための測定、データ収集を行う
が、該測定等を行う位置、数、順序等はこれのみに限定
されるものではない。
ステップS5では、上記のようにして設定された位置
(Y=Y0)において電子線がX方向に走査され、ステッ
プS6では、電子線が照射されることによって偏向歪測定
パターン10から発生する二次電子が検出器9で検出さ
れ、検出信号はA/Dコンバータ11でデジタル変換された
後にインターフェース2を介してCPU1に入力される。
第4図(b)は、前記Y=Y0の位置において電子線を
振幅W1で走査したときに検出器9で検出される二次電子
信号を示した図であり、偏向歪測定パターン10の各エッ
ジ部分において突出したパルス数を有する信号が得られ
る。
なお、本実施例で用いる偏向歪測定パターン10では、
中央部の溝パターン10−1の幅Sが、その両側の設けら
れた溝パターン10−2〜10−7の幅Pと異なっているの
で、偏向歪が大きいためにパルスのシフト量が大きいよ
うな場合であっても、二次電子信号に基づいて溝パター
ン10−1の位置を容易に認識でき、誤認識による誤動作
を極めて少なくすることができるようになる。
ところで、本実施例では前記二次電子信号をA/D変換
して得られたデジタル信号に基づいて偏向歪測定パター
ン10の各部の長さが測定されるが、これ以後の説明にお
いては、Y方向の位置Y0、振幅W1で長さRaを測長したと
きの結果をRa10′Y方向の位置Y+、振幅W2で長さLa
測長したときの結果をLa2+、また、Y方向の位置Y-、振
幅W3で幅Sを測長したときの結果をS3−′そのときの
S3-の中心部をQ3-というようにして表すものとする。
ステップS7では、入力されたデジタル信号に基づいて
前記溝パターン10−1の幅に関する測定値S10、該測定
値S10から算出された中心部Q10と溝パターン10−2の中
心部との距離Ra10、中心部Q10と溝パターン10−5の中
心部との距離La10が算出される。
ステップS8では、Y方向に関して予め設定された全て
の位置での走査、検出信号の入力が終了したか否かが判
定される。すなわち、第4図(a)に示したY=Y+、Y
=Y-(ただし、Y+〜Y-=W1)の位置での電子線の走査お
よび検出信号の入力が終了したか否かが判定され、終了
していない場合にはステップS9において走査位置が例え
ばY=Y+となるように電子線が図示しないY方向偏向歪
制御系によって偏向され、その後前記ステップS5〜ステ
ップS7の処理を繰り返す。
第5図は、以上のようにして各部で測定されたデータ
を表した図であり、図中E1、E5、E9は、それぞれY=
Y+、Y=Y0、Y=Y-の位置での走査によって得られれる
データに基づいて求められた前記パターン溝10−5の中
心部を示す位置、同様に、E2とE3、E6とE7、E10とE
11は、それぞれY=Y+、Y=Y0、Y=Y-の位置での走査
によって得られた前記パターン溝10−1の両端部を示す
位置、同様に、E4、E8、E12は、それぞれY=Y+、Y=Y
0、Y=Y-の位置での走査によって得られた前記パター
ン溝10−2の中心部を示す位置である。
さらに、A点はY=Y+の位置での前記パターン溝0−
2の中心部の実際の位置、B点はY=Y-の位置での前記
パターン溝10−2の中心部の実際の位置である。
そして、以上の測定結果に基づいて、Y=Y+における
前記溝パターン10−1の幅に関する測定値S1+、該測定
値S1+から算出された中心部Q1+と溝パターン10−2の中
心部との距離Ra1+、中心部Q1+と溝パターン10−5の中
心部との距離La1+,およびY=Y-における前記溝パター
ン10−1の幅に関する測定値S1-、該測定値S1-から算出
された中心部Q1-と溝パターン10−2の中心部との距離R
a1-、中心部Q1-と溝パターン10−5の中心部との距離L
a1-が算出される。
一方、ステップS8で終了判定がなされると、ステップ
S10では前記測定値に基づいた歪補正データが以下のよ
うにして算出され、その値が前記第1の歪補正信号発生
回路12−1に登録される。
第5図において、図中Aとして表されたX=Q10
Ra、Y=Y+での偏向歪量ΔX1は(1)式のようになる。
ΔX1=(Q1++Ra1+)−(Q10+Ra) …(1) 同様に、図中Bとして表されたX=Q10+Ra、Y=Y-
での偏向歪量ΔX2は、 ΔX2=(Q1-+Ra1-)−(Q10+Ra) …(2) として算出される。
以下同様にして、偏向領域内でのいくつかの座標点に
おいて同様の計算を行い、各座標点(Xn、Yn)における
偏向歪量ΔXnから ΔXn=a1+a2Xn+a3Yn+a4XnYn …(3) なる関係式のΣΔXnが最小値を示す時の変数a11、a21
a31、a41が最小二乗法によって算出される。その後、こ
のようにして得られた変数a11〜a41に基づいて歪補正信
号発生回路12−1に登録される歪補正データが設定され
る。
ステップS11では全ての偏向振幅、すなわち振幅W2、W
3に応じた偏向歪補正データの登録が終了したか否かが
判定され、終了していない場合には、ステップS12にお
いて偏向振幅が偏向された後に当該処理はステップS4に
移行する。
以下、振幅W2の場合は溝パターン10−1の中心部と溝
パターン10−3の中心部との距離Rb、該中心部と溝パタ
ーン10−6の中心部との距離LbがY方向の各位置Y+
Y0、Y-、において算出され,さらには、これに基づいて
変数a12、a22、a32、a42が算出される。
同様に、振幅W3の場合は溝パターン10−1の中心と溝
パターン10−4の中心部との距離RC、該中心部と溝パタ
ーン10−4の中心部との距離LCがY方向の各位置Y+
Y0、Y-において算出され,さらには、これに基づいて変
数a13、a23、a33、a43が算出される。
そして、前記変数に基づいた振幅W2に関する歪補正デ
ータが歪補正信号発生回路12−2に、振幅W3に関する歪
補正データが歪補正信号発生回路12−3にそれぞれ登録
される。
ただし、偏向振幅W2、W3における偏向歪量の算出にあ
たっては、各振幅で走査したときのY=0における溝パ
ターン10−1の中心部での偏向歪量を0とは見なさず、
偏向振幅W1において得られた中心部Q10を基準点として
考える。
すなわち、偏向振幅W2で前記A点(ただし、該A点は
溝パターン10−3の中心部となるため、RaはRbとなる)
での変更歪を求める場合、前記(1)式を ΔX=(Q2++Rb2+)−(Q20+Rb) …(4) とせず、該変更振幅W2の場合の中心位置Q20を前記偏向
振幅W1の場合の中心位置Q10と一致させるために、それ
ぞれの偏向座標系の中心位置でのずれ量である(Q20−Q
10)を(4)式の右辺に加算し、 ΔX=(Q2++Rb2+)−(Q10+Rb) …(5) とする。
このようにすることによって、振幅W1、W2、W3での加
算信号に応じた偏向座標系が、その中心部において互い
に一致するようになるので、前記したように、一つの測
定対象物を2以上の偏向振幅を利用して測長した場合で
あっても、正確な測長が可能になる。
なお、各偏向振幅での偏向座標系を一致させるための
位置は中心部に限定されるものではなく、偏向領域内の
任意の位置であっても良い。ただし、中心位置に近い方
が偏向領域の全域にわたってほぼ均一にそれぞれの偏向
座標系が一致するようになる。
一方、全ての偏向振幅に関する歪補正データの登録が
終了すると、ステップS13において現在の走査方向がチ
ェックされ、これがY方向走査でないと、ステップS14
でY方向偏向系が選択される。さらに、図示しない駆動
系が制御されて試料ステージの端部に設置されたY方向
偏向歪測定パターンの中心位置Qがビーム直下に移動さ
れ、以下同様にしてY方向偏向系に関しても歪補正デー
タの登録が実行される。
このようにして歪補正データの登録が終了し、実際の
測長を行う場合には、CPU1から偏向制御系14に偏向振
幅、走査位置に関する情報が与えられ、該偏向制御系14
は与えられた振幅に対応した検出抵抗および歪補正信号
発生回路12を選択する。
X方向偏向歪制御系14およびY方向偏向歪制御系の歪
補正信号発生回路12は、それぞれX方向およびY方向の
デジタル偏向信号を発生させ、歪補正信号発生回路12で
は、発生したデジタル偏向信号に応じた歪補正信号を発
生させる。
この歪補正信号とデジタル偏向信号とは加算器4で加
算され、加算された信号はD/Aコンバータ5でアナログ
化された後に偏向アンプ6に入力される。偏向アンプ6
で増幅された信号は偏向コイル7に供給され、これによ
って電子線が試料上に照射される。
本実施例によれば、各偏向振幅ごとに歪補正データが
登録されているので、いずれの偏向振幅においても偏向
座標系とステージ座標系とが一致する。したがって、偏
向振幅にかかわらず正確な測長が可能になる。
さらに、歪補正データの登録時においては、中心部の
偏向座標をすべての振幅において一致させたので、各振
幅での偏向座標系が一致する。したがって、一つの測定
対象物を2以上の偏向振幅を利用して測長した場合であ
っても、正確な測長が可能になる。
たとえば、前記第6図において、互いに幅の異なる2
つの物体C1、C2の距離LCを測定しようとする場合、初め
に比較的短い振幅W1で物体C1両端部の変更座標C1R、C1L
を求め、次いで該変更座量C1R、C1Lに基づいてその中間
点の偏向座標Z1を求める。次に、比較的長い振幅W2で物
体C2の偏向座標Z2を前記と同様にして検出し、該偏向座
標Z1とZ2から物体C1、C2の距離LCを求めると、この距離
LCは従来技術で求めた値より大幅に正確な値になる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本によれば次のよう
な効果が達成される。
(1)複数の偏向振幅が設定可能な電子線測長装置にお
いて、各偏向振幅ごとに偏向信号に応じた歪補正信号を
発生するようにしたので、偏向振幅に拘らず偏向座標系
とステージ座標系とが一致し、正確な測長が可能にな
る。
(2)各偏向振幅の偏向座標系が任意の一点で一致する
ようにしたので、各偏向振幅の偏向座標系が一致する。
したがって、一つの測定対象物を2以上の偏向振幅を利
用して測長した場合であっても、正確な測長が可能にな
る。
(3)偏向歪測定用パターンの、中央部の溝幅と他の溝
幅とが異なるようにしたので、偏向歪が大きく、シフト
量が大きい場合であっても、中央部の溝と他の溝との区
別が容易になり、誤認識がなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である電子線測長装置の偏向
歪補正制御系の主要部のブロック図、第2図は偏向歪測
定パターン10の断面図、第3図は偏向歪補正データの登
録方法を示したフローチャート、第4図は偏向歪測定パ
ターンの部分平面図、第5図は偏向歪補正データの算出
方法を説明するための図、第6図は物体間の距離の測定
方法を示した図、第7図は偏向歪による測長誤差を説明
するための図、第8図は偏向歪の補正方法を説明するた
めの図、第9図は試料ステージの斜視図である。 1……CPU、2……インターフェース、3……偏向信号
発生回路、4……加算器、5……D/Aコンバータ、6…
…偏向アンプ、7……X方向偏向コイル、8−1〜8−
3……偏向振幅切換用検出抵抗、9……検出器、10……
偏向歪測定用パターン、11……A/Dコンバータ、12、12
−1〜12−3……歪補正信号発生回路、14……X方向偏
向歪制御系、15……電子線、17……抵抗選択回路、18…
…ROM、90……試料ステージ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線の偏向振幅を設定する手段と、 偏向振幅に応じた偏向信号を発生する手段と、 偏向信号に応じた歪補正信号を、各偏向振幅に応じて発
    生する手段と、 偏向信号と歪補正信号とを加算して加算信号を発生する
    手段と、 加算信号に応じて電子線を偏向する手段と、 電子線の照射によって測定点から発生する信号を検出す
    る手段と、 前記信号に基づいて各偏向振幅の偏向座標系での測定点
    の位置を検出する共に、該位置に基づいて所望する部位
    の長さを算出する手段とを具備したことを特徴とする電
    子線測長装置。
  2. 【請求項2】各偏向振幅での加算信号に応じた各偏向座
    標系は、該偏向座標系の少なくとも任意の一点において
    互いに一致していることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の電子線測長装置。
  3. 【請求項3】複数の偏向振幅が設定可能な電子線測長装
    置において、 偏向歪測定用パターンに、各偏向振幅で電子線を照射
    し、 各偏向振幅ごとに、偏向領域内の複数の点における偏向
    座標系とステージ座標系とのずれを検出し、 該ずれに応じて各偏向振幅ごとの偏向領域内での歪補正
    量を設定し、 該歪補正量の基づく歪補正信号によって、各偏向振幅ご
    との電子線の偏向歪を補正することを特徴とする電子線
    偏向歪補正方法。
  4. 【請求項4】各偏向振幅での加算信号に応じた各偏向座
    標系は、該偏向座標系の少なくとも任意の一点において
    互いに一致していることを特徴とする特許請求の範囲第
    3項記載の電子線偏向歪補正方法。
  5. 【請求項5】前記任意の一点は、各偏向振幅の偏向座標
    系の中心部であることを特徴とする特許請求の範囲第4
    項記載の電子線偏向歪補正方法。
  6. 【請求項6】前記偏向歪測定用パターンは、走査方向と
    直交する方向に互いに平行して延びた複数の溝であり、
    中央部の溝幅と他の溝幅とは異なることを特徴とする特
    許請求の範囲第3項ないし第5項のいずれかに記載の電
    子線偏向歪補正方法。
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