JP2648482B2 - 被削性に優れた球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents

被削性に優れた球状黒鉛鋳鉄

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、被削性に優れた球状黒鉛鋳鉄に関する。
(従来の技術) 一般に、球状黒鉛鋳鉄は、他の鋳鉄に比べて引張強度
および伸び共に優れ強靭性を備えていることから、従来
より機械部品の素材としてよく用いられているが、自動
車等車両用エンジンのクランクシャフトやその軸受等を
球状黒鉛鋳鉄にて製造する場合、該クランクシャフト等
は強度が要求される部品であることから、上記球状黒鉛
鋳鉄の靭性および疲労強度等の物性をさらに向上させる
ことが望ましい。
そこで、例えば特公昭55−3422号公報に開示されてい
るように、オーステンパー処理することにより、金属組
織を残留オーステナイトとベイナイトとの混在組織に改
質し、靭性および疲労強度等の物性を向上させるように
した球状黒鉛鋳鉄が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、球状黒鉛鋳鉄を鋳込みを成形する場合、粒
子状の硬いMg系化合物が析出し易く、機械加工する際に
上記Mg系化合物の析出量が多いと加工性(被削性)が阻
害されることが最近判った。また、球状黒鉛鋳鉄は、通
常、スチールの廃材等を溶かして作られ、最近、このス
チールの廃材等には微量のTiが含まれていることから、
このTiが鋳込み成形時にCと反応してTiCという硬い粒
子状化合物が析出し、このTiC化合物の析出量が多いと
上記の場合と同様に球状黒鉛鋳鉄の加工性(被削性)に
阻害されることも判った。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、上述の如きMg系化合物やTiC等の
硬い非金属介在物の球状黒鉛鋳鉄中に占める割合を一定
の範囲内にコントロールすることにより、球状黒鉛鋳鉄
の機械加工の加工性(被削性)の向上を図らんとするこ
とにある。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明の解決手段は、球
状黒鉛鋳鉄を、残留オーステナイトとベイナイトとの混
在組織を有し、かつ球状黒鉛を分散して含有し、さら
に、粒径10μm以下の硬い粒子状非金属介在物が点状に
散在し、かつ該非金属介在物の含有量を100個/mm2以下
に規制せしめたことである。
(作用) 上記の構成により、本発明では、球状黒鉛鋳鉄の金属
組織中には、加工性(被削性)を阻害するMg系化合物や
TiC等の粒径10μm以下の硬い粒子状非金属介在物が点
状に散在し、かつ該非金属介在物の含有量が100個/mm2
以下に規制されていることから、球状黒鉛鋳鉄の機械加
工の加工性(被削性)の向上が図られることとなる。
(実施例) 以下、本発明の実施例に係る被削性に優れた球状黒鉛
鋳鉄について説明する。
本実施例の球状黒鉛鋳鉄は、C 2.5〜4.1重量%、Si
1.5〜3.5重量%、Mn 0.1〜1.0重量%、P 0.15重量
%以下、S 0.03重量%以下およびMg 0.025〜0.060重
量%に対し、Ni 0.1〜2.0重量%、Mo 0.03〜0.50重量
%およびCu 0.3〜1.5重量%を必要に応じて添加し、か
つ残部がFeよりなり、さらに、オーステンパー処理によ
り、残留オーステナイトとベイナイトとの混在組織を有
し、かつ球状黒鉛が分散して含有せしめられてなるもの
である。
上記組成中、Ni、MoおよびCuを必要に応じて添加する
のは、球状黒鉛鋳鉄の焼入性の向上を図り、その肉厚の
相違による焼入れ不良を防止するためである。そして、
上記球状黒鉛鋳鉄中、Niの含有量を0.1〜2.0重量%に設
定したのは、2.0重量%を越えると脆性破壊し易くなる
からである。また、Moの含有量を0.03〜0.50重量%に設
定したのは、0.50重量%を越えるとこれの偏析により伸
びが阻害されるからである。さらに、Cuの含有量を0.3
〜1.5重量%に設定したのは、1.5重量%を越えると黒鉛
球状化率が低下するからである。
そして、上記組成の球状黒鉛鋳鉄をオーステンパー処
理する処理条件は、下記の如くである。
すなわち、オーステナイト化温度および時間は、それ
ぞれ800〜950℃および5分以上に設定するのが好まし
く、かつそれに続く恒温変態処理温度および時間は、そ
れぞれ350〜420℃および20分〜4時間に設定するのが好
ましい。
上記オーステナイト化温度を800〜950℃に設定したの
は、800℃未満では合金元素が十分に固溶しないため均
一なオーステナイト化を達成することができなくなる一
方、950℃を越えるとオーステナイトの炭素固溶量が過
多となってベイナイト化変態速度が低下するからであ
る。また、オーステナイト化時間を5分以上に設定した
のは、このくらいあれば十分にオーステナイト化できる
からである。
また、上記恒温変態処理温度を350〜420℃に設定した
のは、350℃未満では残留オーステナイト量の減少によ
り硬さが上昇して機械加工が困難になる一方、420℃を
越えるとトルースタイトの析出により機械的性質が低下
するからである。また、恒温変態処理時間を20分〜4時
間に設定したのは、20分未満ではベイナイト化が不十分
なため残留オーステナイトの変態によりマルテンサイト
が析出して機械加工が困難になる一方、4時間を越える
と残留オーステナイトの分解により微細な炭化物が析出
して上記と同様に機械加工が困難になるからである。
さらに、本発明の特徴として、上記球状黒鉛鋳鉄は、
粒径10μm以下のMg系化合物やTiC等の硬い粒子状非金
属介在物が点状に散在し、かつ該非金属介在物の含有量
が100個/mm2以下に規制されている。この非金属介在物
は、球状黒鉛鋳鉄の金属組織を第2図(a)に示す如く
400倍に拡大した走査電子顕微鏡写真において球状の黒
い部分(カーボン)を除いた点状の黒い部分であり、こ
のことは、第2図(b)に示す如くEPMA法により400倍
に拡大したカーボン分布像(球状の白い部分がカーボ
ン)と比較して、上記点状の黒い部分が第2図(b)中
に現われていないことからも判る。このように、非金属
介在物の数を100個/mm2以下に規制したのは、後述のテ
ストデータより明らかな如く、非金属介在物の数が100
個/mm2を越えると球状黒鉛鋳鉄の機械加工の加工性(被
削性)が阻害されるからである。また、非金属介在物の
粒径を10μm以下を設定したのは、上述の如く球状黒鉛
鋳鉄の金属組織を400倍に拡大したときの非金属介在物
の粒径を計測する操作を40回行い、その計測データをま
とめた結果によるものである。その計測データを第3図
に示す。すなわち、実線にて示す非金属介在物は、破線
にて示す黒鉛と一部ラップすることろがあるものの、ほ
とんどが10μm以下であったことによるものである。
次に、本実施例の具体例を説明する。
まず、下記の表1に示す如き組成比に設定された具体
例I〜XVに係る球状黒鉛鋳鉄製テストピース(40×350
×25mm)を溶解鋳造する。その要領は、まず、球状黒鉛
鋳鉄を高周波炉で溶解し、次いで、該溶解した球状黒鉛
鋳鉄を取鍋内に入れてFe−Si−4%Mgを添加して球状化
処理し、その後、75%Fe−Siを0.4%添加して一次接種
する。しかる後、具体例I,II,XIVにあっては鋳込み成形
してテストピースを得る一方、他の具体例III〜XIII,XV
にあってはFe−Si−Al−Caを0.07%添加して注湯流接種
した後、鋳込み成形してテストピースを得る。なお、こ
の鋳物成形に際し、具体例XIII,XIV,XVにあっては成形
型の湯口に市販の多孔質セラミックフィルタを設け、析
出したMg系化合物やTiC化合物等の粒子状非金属介在物
をトラップし、他の具体例I〜XIIにあっては上記セラ
ミックフィルタを設けなかった。なお、表1中、Feの含
有量については省略した。また、各元素欄の数値の単位
は全て重量%である。
その後、上記各テストピースを下記の表2に示すオー
ステンパー処理条件の下でオーステンパー処理した後、
ドリルによる孔開け加工を下記の加工条件の下で行っ
た。
ドリル 直径5mm スタブドリルHSS−CO 切削速度 15m/min 送り 0.15mm/rev 加工孔数 120個 孔深さ 15mm 使用機器 マシニングセンタMC65 切削油 水溶性 そのときの非金属介在物の数と工具摩耗量との関係を
下記の表3および第1図に示す。なお、第1図中、○印
はセラミックフィルタを設けた具体例であることを、●
印はセラミックフィルタを設けなかった具体例であるこ
とをそれぞれ示す。
一方、上記の加工条件において、工具摩耗量の許容限
度は、コストおよび生産性等を考慮すると0.325mmとな
るので、このテストデータより明らかな如く、非金属介
在物の数が100個/mm2以下である具体例V,VIII,XII〜XV
の場合において、工具摩耗量が0.325mm以下となって機
械加工の加工性(被削性)の向上が図られていることが
判る。中でも、セラミックフィルタを用いた具体例XIII
〜XVの場合が非金属介在物の数が少なくなって加工性の
向上がより優れていることが判る。また、上記テストデ
ータより、両者の関係を重回帰式に表わすと下記の如く
である。
工具摩耗量(mm)=1.78×10-3 ×非金属介在物数(個/mm2)+0.165(r=0.83) なお、上記テストデータを有意差検定した結果、1%
有意であったので、統計的に見ても上記重回帰式に表わ
れる如き相関関係があるといえる。
このように、本実施例では、球状黒鉛鋳鉄の金属組織
中において、加工性(被削性)を阻害する粒径10μm以
下の硬い非金属介在物を点状に散在させ、かつ該非金属
介在物の数を100個/mm2以下に規制したことから、球状
黒鉛鋳鉄の機械加工の加工性(被削性)の向上を図るこ
とができる。
なお、上記実施例では、球状黒鉛鋳鉄の金属組織中に
おける非金属介在物の数を規制する手段として、セラミ
ックフィルタを用いて非金属介在物をトラップするよう
にしたが、これに限らず、例えば球状黒鉛鋳鉄の溶解材
の清浄度を高めることにより、非金属介在物の析出量を
100個/mm2以下に規制するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、残留オーステ
ナイトとベイナイトとの混在組織を有し、かつ球状黒鉛
を分散して含有する球状黒鉛鋳鉄において、その金属組
織中に含有される粒径10μm以下の硬い粒子状非金属介
在物が点状に散在し、かつ該非金属介在物の数を100個/
mm2以下に規制したので、球状黒鉛鋳鉄の機械加工の加
工性(被削性)の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る球状黒鉛鋳鉄の具体例に
おいて非金属介在物の数と工具摩耗量との関係を示すテ
ストデータ、第2図(a)および第2図(b)は球状黒
鉛鋳鉄の金属組織をそれぞれ400倍に拡大して示す走査
電子顕微鏡写真およびEPMA法によるカーボン分布像、第
3図は非金属介在物の粒径と個数の関係を示すテストデ
ータである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】残留オーステナイトとベイナイトとの混在
    組織を有し、かつ球状黒鉛を分散して含有し、さらに、
    粒径10μm以下の硬い粒子状非金属介在物が点状に散在
    し、かつ該非金属介在物の含有量を100個/mm2以下に規
    制してなることを特徴とする被削性に優れた球状黒鉛鋳
    鉄。
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