JP2645729B2 - ポットバーナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は灯油、軽油、Ａ重油等の液体燃料を燃焼させ
るポットバーナに関する。

（従来の技術） 従来壁面に空気孔を穿設したポット内で灯油、軽油等
の液体燃料を燃焼させるポットバーナは知られる。

このポットバーナの燃焼は該ポットの底部に供給され
る液体燃料に着火し、その燃焼熱で該燃料を気化させ、
これを空気孔から供給される空気と混合させて燃焼させ
るものであり、該燃料を気化させるためのポット底部の
温度は該ポット内で燃焼する燃焼炎からの放射熱の量
と、液体燃料が気化するときの潜熱の量と、ポットの周
囲から逃げる熱量とによって定まる。

（発明が解決しようとする課題） しかしこの温度は燃料の燃焼状態等によって大きく変
わり、該温度が高すぎると、ポット底部を傷め、低すぎ
ると該燃料に含まれる留出温度の高い成分がポット底部
に残り、該ポット底部での燃料の流れを妨げる等の不具
合を生じる。

即ち該ポット内に供給される液体燃料が少ないとき
は、気化した燃料と空気との混合が比較的速かに完了
し、第４図にａで示すごとくポット底部に近い高さ位置
で燃焼するため該底部は多くの放射熱を受けて恒温とな
り易く従ってかゝる状態で長期に亘って燃焼させるとポ
ット底部が傷み易く、又該液体燃料の供給が多いとき
は、気化するに必要とする潜熱も多く且つ気化した燃料
と空気との混合も時間を要する。このためポットの上部
でこれが完了する。即ち第５図にｂで示すごとくポット
底部から離れた高さ位置で燃焼するためポット部への放
射熱の量は該液体燃料が少ない場合に比べ少ない。

従って液体燃料に含まれる留出温度の高い成分が気化
しきれず、カーボン、タール等としてポット底部に生成
し、ポットの底部での燃料の流れを阻害しその気化を阻
止する結果を招く。この傾向は留出温度の高い液体燃料
ほどこの傾向が顕著である。

本発明はかゝる不具合のないポットバーナを得ること
をその目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明はかゝる目的を達成するため、ポットの底部に
接離自在に断熱体を設けると共に該底部の温度を検出す
る温度センサーを設け、該温度センサーに該底部の一定
温度以上を検知したとき該断熱体をポットの底部から離
反させるようにして成る。

（作用） 上記構成を備えるポットバーナにあっては、例えば検
知センサーに450℃を検出すると、該ポット底部に当接
する断熱体を離反させるように設定すれば、ポット底部
が450℃以下のときは該断熱体によってポット底部から
の熱の逃亡を防ぐ、このためポット底部は燃料の気化に
好ましい450℃に近づく。しかるに450℃以上になると該
ダンパはポット底部から離反し該底部からの熱の放出を
行わせる。このため該底部は450℃に近づく。従って前
述のような不具合を生じない。

（実施例） 本発明実施の１例を別紙図面につき説明する。

図面で１はポット、２は該ポット１の周壁に数段に設
けた多数の空気孔、３は該ポット１の周囲を囲繞するご
とく設けた空気室、４は該空気室３に通気ダクト５を介
して燃焼空気を供給する送風機を示し、これらの構成は
一般のポットバーナが備える構成と変るところはない。

本発明はかゝるものに於いて、該ポット１の底部1aに
接離自在に断熱体６を設けると共に該底部1aの温度を検
出する温度センサー７を設け、該温度センサー７に該底
部1aの一定温度以上を検知したとき該断熱体６を該底部
1aから離反させるようにしたもので、これを図示するも
のにつき更に詳細に説明すると、第１図に示すものでは
板状受枠6a上に耐熱性の断熱材6bを施した断熱体６をば
ね８で該底部1aに当接する側に弾発させると共に、該底
部1aと該断熱体６との間に形状記憶合金からなる例えば
450℃以下では縮んで弾発力がないが、450℃で伸びて弾
発力を生じるコイルスプリングを介在させ、該底部の温
度が450℃以下では該断熱体６を該底部1aにばね８のば
ね力で当接させ、450℃になると、該底部1aから離反さ
せるようにした。尚12には該底部1a側に空気の流れを誘
導するように設けた邪魔片を示す。

第２図に示すものは、かゝる断熱体６内に電気ヒータ
９を設け、該ポットバーナの断熱始めに該底部を加熱す
るようにした。尚、該底部1aの温度が上りすぎることが
懸念されるとき該断熱体６に第２図に示すごとく透孔11
を設けるときは、該断熱体６が該底部1aから離反した状
態のとき、該透孔11からも送風機４から供給される燃焼
空気が該空気室３に流入しこれによって該底部1aを離す
ことが出来、温度上昇を押え得る。

第３図に示すものは、前記温度センサー７としてサー
ミスタを用い、該サーミスタが該底部1aの一定温度以上
を検知したとき上部に空間を備える該断熱体６を該底部
1aから離反させるようにしたもので、更に詳述すれば、
該断熱体６をレバー13の１側に支持させると共に該レバ
ー13の他側に該レバー13に支持される該断熱体６を該底
部1a側に当接する方向即ちレバー13の一側を上方に押上
げる方向に働く引きばね14と、ソレノイドの励磁により
該レバー13の一側をばね14のばね力に抗して引下げる方
向に働く作動装置15とを設け、該作動装置15を前記温度
センサー７としてのサーミスタが該底部1aの一定温度以
上を検知したとき該作動装置14を作動させて該底部1aか
ら断熱体６を離反させるようにした。

尚同図に於いて16に制御部である。

（発明の効果） このように本発明によるときは、ポットの底部に接離
自在に断熱体を設けると共に、該底部の温度を検出する
温度センサーを設け、該温度センサーに該底部の一定温
度以上を検知したとき該断熱体をポットの底部から離反
させるようにしたので、ポットの底部が一定温度以下の
ときは、該断熱体によって、該底部からの放熱を防ぐこ
とが出来ると共に、一定温度以上になると該底部から該
断熱体が離反させるため該底部の温度を可及的に液体燃
料の気化に好ましい温度に保つことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施の１例を示す截断側面図、第２図並
びに第３図は他の実施例を示す截断側面図、第４図並び
に第５図にポットバーナの燃焼を説明する説明図であ
る。 １……ポット ６……断熱体 ７……温度センサー

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ポットの底部に接離自在に断熱体を設ける
   と共に該底部の温度を検出する温度センサーを設け、該
   温度センサーに該底部の一定温度以上を検知したとき該
   断熱体をポットの底部から離反させるようにして成るポ
   ットバーナ。