JP2644846B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2644846B2
JP2644846B2 JP23611088A JP23611088A JP2644846B2 JP 2644846 B2 JP2644846 B2 JP 2644846B2 JP 23611088 A JP23611088 A JP 23611088A JP 23611088 A JP23611088 A JP 23611088A JP 2644846 B2 JP2644846 B2 JP 2644846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は車両の制動装置に用いられるアンチスキッ
ド制御装置に関する。
「従来の技術」 一般に走行中の車両を制動する場合に、車速をυ、車
輪周速をυwとすると、制動時のスリップ率Sは、 S=1−(υw/υ) ……(1) と定義される。そして、車輪と道路の摩擦係数を最大に
するためには、スリップ率Sを0.1〜0.3とすればよく、
この場合に制動が最も効果的に働き、車体停止に要する
時間を最短にすることができる。
アンチスキッド制御装置は車輪周速υwから車速υを
推定し、スリップ率Sが最適になるように、ブレーキキ
ャリパの油圧を制御する。
第12図は従来のアンチスキッド制御装置のシステム構
成の一例を示す図である。ブレーキペダルBPを踏むと、
マスタシリンダ1よりパイロット弁6を介してキャリパ
2へ油圧が伝達され、制動力が発生するが、この時、ア
ンチスキッド制御装置のコントローラ7から圧力緩め信
号Z1〜Z4が発せられると、それを受けて電磁弁3が作動
してキャリパ2内の圧油がリザーバ4へ放出され、キャ
リパ2の圧力は下げられ制動力が弱められる。リザーバ
4の油はポンプ5によりマスタシリンダ1側に戻され
る。また、ポンプ5がマスタシリンダ1に油を吐出し、
ポンプ5からの吐出圧力が発生している場合は、パイロ
ット弁6が作動して、マスタシリンダ1からキャリパ2
へ油が流入するのを防いでいる。この状態で圧力緩め信
号Z1〜Z4が停止されると電磁弁3は閉じ、リザーバ4に
油が無くなるまでキャリパ2の圧力は保持される。リザ
ーバ4に油が無くなると、再びパイロット弁6が開きキ
ャリパ2が加圧される。以後、このサイクルを繰り返
し、アンチスキッド制動が行われる。
第13図は従来のアンチスキッド制御装置の別の例を示
す図であり、第12図と異なる箇所を示したものである。
なお、この図では、車輪FRの制動制御に係る部分のみが
画かれており、他の車輪の制動制御に係る部分は省略さ
れている。また、第12図と対応する部分には同一の符号
が付けられている。このアンチスキッド制御装置では、
第12図におけるパイロット弁6の代わりに電磁弁6aが用
いられている。この電磁弁6aは、電磁弁6とは逆に、圧
力緩め信号Z1〜Z4が出力されている時は閉じ、圧力緩め
信号Z1〜Z4が停止している時は開くようになっている。
そして、このような電磁弁6aと電磁弁3とに圧力緩め信
号Z1〜Z4を供給することにより、第12図のアンチスキッ
ド制御装置と同様に、信号のON/OFFに合わせてキャリパ
2の減圧/加圧が制御されるようになっている。この
他、電磁弁6a、電磁弁3を同時に閉じた状態とする制御
モード、すなわち、キャリパ2の油圧を一定に保つモー
ドを制御に用いることができるのは勿論である。
次に、前述した圧力緩め信号Z1〜Z4を発するコントロ
ーラ7の説明を行う。まず、コントローラ7はアンチス
キッド制動を行うに際し、各車輪における車輪周速υw
と車体速υを得る必要がある。この内、車輪周速υwは
各車輪に設けられた第12図に示す車輪速センサ8より得
られる。一方、車体速υを測定するには非常に高価な検
出手段が必要であるから、通常のアンチスキッド制御装
置においては、車両の速度が所定の特性で低下して行く
との仮定の下に、模擬車速という概念が採用され、この
模擬車速を以て車体速υを近似している。ここで車輪周
速υwから模擬車速を求める手順について説明する。ア
ンチスキッド制動時の車輪周速υwの時間に対する変動
をグラフに描くと、第14図に示すようにυwは脈打ちな
がら次第に下降して行く。また、この時、減速度は車輪
周速υwの時間に対する勾配で与えられる。ところで、
車輪に制動が働くと車輪周速υwは徐々にその勾配を増
しながら下降してゆくが、車体の減速度は決して1G(G
は重力加速度)を越える事はない。従って、車輪周速変
動曲線上の下り勾配において勾配がある一定の傾き(通
常、−1Gに近い値が設定される)になった時点で第14図
に示すように曲線に接線lを引き、以後車速はこの接線
l上をたどって減速して行くものと考える。この操作を
車輪周速変動曲線の各下り勾配に適用すると、車輪周速
変動曲線の包絡線が得られる。この包絡線上の速度を以
て模擬車速υrとする。以上の手順で各車輪の周速度υ
から模擬車速υrが求められる。
さて、車両が4輪を有する場合、4通りの車輪周速υ
wi(i=1〜4)が得られ、それぞれから上述の方法で
模擬車速が計算できるので、結局、4通りの模擬車速υ
ri(i=1〜4)が得られる(ここで、添字1〜4は車
輪と対応する。)従来、アンチスキッド制御装置では車
輪のロックを極力避けるために、これらυr1〜υr4の中
の最大値すなわち υr=max{υr1,υr2,υr3,υr4} ……(2) を以て模擬車速としていた。
そして、その模擬車速υrに対して目標スリップ率S0
(0.1〜0.3)が得られるような車輪周速すなわち目標車
輪周速υsを前記(1)式から導かれる次の式により求
める。
υs=(1−S0)υr ……(3) そして車輪周速υwiと目標車輪周速υsと比較し、そ
の結果、車輪周速υwiが目標車輪周速υsを下回った場
合は、車輪iのスリップ率Sが最適値S0を越えたものと
見なし、圧力緩め信号Ziが発せされる。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、車体が旋回している場合には、車体の旋回
外側の方が内側よりも車速が大きく、上述の従来のアン
チスキッド制御装置では、旋回外側の車速が車体の車速
と見なされる。このため、旋回内側輪がスリップしてい
ないにも拘わらずスリップしていると見なされ、圧力緩
め信号が送られて油圧が抜け、制動が不足してしまう状
態が発生する。この対策として、例えば特公昭62−11に
開示されているように、通常は各車輪のスリップ率Sが
目標スリップ率S1となるように制動を制御し、キャリパ
の減圧が所定時間以上持続した場合、すなわち各車輪の
スリップ率Sが所定時間以上の間継続して目標スリップ
率S1以上となった場合は、目標スリップ率をS1より大き
なS2に変更して制動を制御する方法が知られている。し
かしながら、この方法では、旋回当初、目標スリップ率
S1に基づいて制動制御が行われるため、十分な車両減速
度が得られないという問題があった。また、制動の途中
から目標スリップ率が変更されるため、その切り換わり
時において車両減速度が変化し、車両の挙動に悪影響が
与えられる。このため、車両によっては突然オーバステ
アになったり、アンダステアになったりし、ドライバに
よるステアリング操作が制御不能となる恐れがあった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、車
体が旋回していても各車輪毎に最適な目標車輪周速を求
め、最適な制動が行われるアンチスキッド制御を提供す
ることを目的としている。
「課題を解決するための手段」 上記課題を解決するため、第1の発明は、複数の車輪
の車輪周速から車体の模擬車速を求め、この模擬車速に
対しスリップ率が最適値となる目標車輪周速を求め、こ
の目標車輪周速と実際の車輪周速とを比較し、後者が前
者を下回る時に制動装置の制動を緩めるアンチスキッド
制御装置において、各車輪の車輪周速から各車輪取り付
け部における第1の模擬車速を算出する模擬車速算出手
段と、前記各車輪取り付け部における第1の模擬車速
に、車体の旋回を補正する補正値を乗じ、その結果の中
で最大のものを以て着目している車輪取り付け部の第2
の模擬車速として出力する模擬車速補正手段を有する事
を特徴としている。
また、第2の発明は、第1の発明のアンチスキッド制
御装置において、模擬車速補正手段が、各車輪取り付け
部における第1の模擬車速に、車体が最大舵角で旋回す
る場合における各車輪取り付け部間の速度比を補正値と
して乗じ、その結果の中で最大のものを以て着目してい
る車輪取り付け部の第2の模擬車速として出力する事を
特徴としている。
また、第3の発明は、第1の発明のアンチスキッド制
御装置において、模擬車速補正手段が、車速から車体の
旋回可能最小半径を算出し、車体が該旋回可能最小半径
で旋回する場合における各車輪取り付け部間の速度比
を、該各車輪取り付け部における第1の模擬車速に対し
て補正値として乗じ、その結果の中で最大のものを以て
着目している車輪取り付け部の第2の模擬車速として出
力する事を特徴としている。
「作用」 第1の発明によれば、各車輪周速から求めた第1の模
擬車速に、車体旋回時の各車輪取り付け部における速度
比からなる補正値を乗じて、その結果得られるものの
内、最大のものを各車輪取り付け部における第2の模擬
車速とし、この第2の模擬車速に従ってアンチスキッド
制御が行われるので、旋回外側と旋回内側とで模擬車速
の真の車速に対する誤差が偏らず、車体が旋回している
場合でも各車輪に最適な制動が加えられる。
また、第2の発明によれば、模擬車速補正手段におけ
る補正値として、車体が最大舵角で旋回する場合におけ
る各車輪取り付け部間の速度比を用いるようにしたの
で、簡単な装置構成で上記第1の発明のアンチスキッド
制御装置を実現することができる。
また、第3の発明によれば、車速に対して妥当な旋回
半径における各車輪取り付け部間の速度比が補正値とし
て用いられるので、各速度において正確な模擬車速が得
られる。
「実施例」 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。
第1図はこの発明の第1の実施例によるアンチスキッ
ド制御装置におけるコントローラ7の構成図である。
車輪速センサ8からは車輪周速υw1〜υw4に比例した
周波数の信号が出力され、この出力信号は周波数電圧変
換器9に入力され、周波数電圧変換器9からは入力信号
周波数に比例した電圧Vw1〜Vw4が出力される。従って、
周波数電圧変換器2の出力電圧Vw1〜Vw4は車輪周速υw1
〜υw4に比例した値となる。なお、以下、電圧Vw1〜Vw4
を車輪周速電圧と呼ぶ。
そして、車輪周速電圧Vw1〜Vw4は模擬車速演算回路10
に入力される。この回路10は伝達関数 で表される時定数回路であり、入力電圧Vw1〜Vw4が下降
しようとする時に、その勾配が緩やかな場合は入力信号
に追従した信号が出力され、勾配が時定数Tで決まる限
界値よりも急勾配になると、出力電圧は入力信号波形に
追従できず、時定数Tに従って下降してゆく。その結
果、アンチスキッド制動時には、入力電圧Vw1〜Vw4が脈
打って下降するのに対して、出力電圧Vr1〜Vr4は概ねそ
の包絡線に従って下降してゆく。この際に、時定数Tを
適当に設定すれば、従来技術の項で説明したのと同じ
く、減速度が−1G付近に設定された限界値を越えようと
すると車速υが車輪周速υwの変動曲線の接線上をたど
って下降してゆく過程をこの時定数回路の入出力応答で
再現できる。従って、この模擬車速演算回路10の出力電
圧Vr1〜Vr4は各車輪取り付け部における模擬車速と等価
となる。なお、以下、この電圧Vr1〜Vr4を第1の模擬車
速電圧と呼ぶ。
次に模擬車速補正回路11では、第1の模擬車速電圧Vr
1〜Vr4に対し補正演算を施し、第2の模擬車速電圧VR1
〜VR4を得る。この模擬車速補正回路11により、車体の
4輪の内いずれがスリップしているか分からず、また車
体が旋回している場合でも、各車輪取り付け部における
実際の車速に近い値が模擬車速として得られる。以下、
この模擬車速補正回路11について詳述する。
第3図は低速で左旋回している車両の各車輪の旋回半
径を示している。ここで、車両の後輪間隔をa1、前輪間
隔をa3(ただし、この例ではa3=a1とする)、舵角をθ
、前輪と後輪の間隔をl1とすると、各旋回半径r1,r2,
r3,r4となる。そして、車輪がスリップしていない場合の車輪
i(i=1〜4)の取り付け部における車体速υaiと車
輪j(j=1〜4)の取り付け部における車体速υajの
速度比は旋回半径の比ri/rjに等しい。換言すれば、各
車輪間の旋回半径の比ri/rjを補正係数kijとして車輪j
の取り付け部における車体速υajに乗ずる事で、車輪i
における車体速υaiの推定値を算出する事ができる。そ
して、この場合、車両のある一つの車輪取り付け部にお
ける車体速として、4通りの推定値が得られる。例え
ば、車輪1の取り付け部の車体速では の4通りの推定値が得られる。
さて、4個の車輪が各々どのようなスリップ状態であ
るか分からないような条件下においては、なるべく多く
の模擬車速の候補の中から代表値を選ぶのが最善であ
る。そこで、この実施例においては各車輪取り付け部毎
に4通りの車速推定値を求め、その中から1つを選び、
着目している車輪取り付け部における模擬車速とする方
法を採っている。そして、この実施例は、 上記4通りの車速推定値は、いずれもスリップしてい
るかもしれない車輪の車輪周速から算出されたものであ
る。
車輪がスリップしている場合、車輪周速から求めた車
速推定値は、恐らく真の車速以上にはならないであろ
う。
、によれば、着目している車輪取り付け部の車速
に関するどの推定値も真の車速よりは小さいであろう。
という考えに基づき、推定値の中の最大値を選択するこ
とで、その車輪取り付け部における真の車速に最も近い
模擬車速を得るものである。
ところで、旋回時における各車輪取り付け部間の速度
比ri/rjは、舵角θによって変化するので、全舵角範
囲における速度比ri/rjの中から代表値を選んで上記補
正係数kijを求める必要がある。第4図は、ある小型乗
用車が低速で左旋回している場合の車体速度比ri/rjを
求めたものであり、車体の舵角θが0から最大舵角θ
1maxまで変化させた場合について示されている。なお、
この図では、一部の車体速度比ri/rjが示されており、
他のものは省略されている。この実施例では、最大舵角
θ1max時の速度比ri/rjを代表として選び、係数kijとし
ている。そして、この速度比ri/rjが1を越える場合は
係数kijを1としている。このようにすることで、全舵
角範囲内において、車速推定値がこれと対応する車輪取
り付け部の真の車速を上回ることが防止される。このよ
うにして、第4図から、車輪jの取り付け部における模
擬車速υrjから車輪iの取り付け部における模擬車速υ
riを推定するために乗ずる係数kijが求められる。下記
の行列(7)は、このようにして求められた係数kijか
らなる左旋回時における模擬車速補正行列{kij}(i
=1〜4,j=1〜4)である。
なお、この例では、最大舵角θ1max時の速度比ri/rj
を係数kijとしたが、厳密に、舵角範囲内におけるri/rj
の最小値を以て係数kijとしてもよい。
模擬車速補正回路11では、以上のようにして求めた補
正行列の各要素kijが第1の模擬車速電圧Vrj(j=1〜
4)に各々乗ぜられ、その結果の最大値が第2の模擬車
速電圧として求められる。すなわち となり、車両が低速左旋回している場合は、上記式
(8)により各車輪取り付け部における模擬車速が得ら
れる。なお、第5図(a)は車両が低速左旋回している
場合の各車輪取り付け部の車速間の補正関係を図示した
ものである。
第2図(a)がこの模擬車速補正回路11の詳細を示す
構成図である。入力信号Vr1〜Vr4にそれぞれ補正係数ki
1〜ki4が乗ぜられ、上記式の通り乗算結果の内、各要素
の中の最大のものがVRiとして出力される。なお、ここ
で各ダイオードは、第2図(b)に示すような構成の理
想ダイオードを用い、出力電圧VR1〜VR4にダイオードの
順方向電圧分の誤差が生じないようにする事が望まし
い。
さて、車体が右旋回する場合についても上述と同様の
手順で次の補正行列が得られる。
システムが舵角センサや横加速度センサを有する場合
は旋回方向が判定できるため、左旋回ならば補正行列
(7)を、右旋回ならば補正行列(9)を第1の模擬車
速電圧Vr1〜Vr4に作用させる事で第2の模擬車速電圧VR
1〜VR4を得ることができる。しかし、この実施例による
アンチスキッド制御装置は、これらのセンサを有してい
ない。そこで、この実施例では、左旋回用補正行列
(7)と右旋回用補正行列(9)の各要素を比較して小
さい方を要素とする左旋回/右旋回両用の補正行列(1
0)を用意しておき、この補正行列(10)を第1の模擬
車速Vr1〜Vr4に作用させ、第2の模擬車速VR1〜VR4を得
るようにしている。
なお、第5図(b)は車両が左旋回しているしている
のか右旋回しているのか不明な場合の各車輪取り付け部
の車速間の補正関係を図示したものである。
次に、車両が高速で旋回している場合、すなわち車輪
に横滑りが生じている場合についてここで述べる。第6
図は実車試験で求めたヨーレートと舵角の関係を示すも
のである。さて、通常の旋回では、ヨーレート変化は約
1.75rad/s以下である。従って、各車輪における速度の
内、ヨーイングにより発生する成分は、回転の中心から
車軸までの距離を0.5〜1.5mとすると、9.5km/h以下であ
ると考えられる。この速度成分の内、車体速度方向への
寄与分は、スリップアングルが通常10゜以下である事か
ら、数km/hである事が分かる。従って、低速時における
補正行列はそのまま高速時に使用することもできる。
次に、第1図において、第2の模擬車速電圧VR1〜VR4
は目標車輪周速演算回路12に入力される。この目標車輪
周速演算回路12では、模擬車速に対しスリップ率Sが最
適値S0になるような車輪周速の目標値を計算する。すな
わち、第2の模擬車速電圧VR1〜VR4それぞれにゲインと
して K=1−S0(S0=0.1〜0.3) ……(11) が乗ぜられ、目標車輪周速電圧Vs1〜Vs4が出力される。
次に、周波数電圧変換回路9の出力電圧すなわち車輪
周速電圧Vw1〜Vw4と目標車輪周速電圧Vs1〜Vs4の比較が
比較器13で行われる。この結果、車輪周速電圧Vwiが目
標車輪周速電圧Vsiを下回った場合に、該当する車輪i
の油圧モジュレータ14に圧力緩め信号Ziが出力されアン
チスキッド制御が行われる。
次に、この発明の第2の実施例を第7図〜第9図を参
照して説明る。第7図はこの発明の第2の実施例による
アンチスキッド制御装置のシステム構成を示したもので
あり、コントローラ7aにGセンサ(加速度センサ)9が
接続されている。なお、他の部分の構成は前述した第12
図あるいは第13図と同じ構成となっている。第8図はG
センサ9の構成図である。G1、G2は各々容器であり、絶
縁性の液体で満たされており、その中に水銀Hgが封じ込
められている。そして、容器G1の端部には、一端が電源
5Vに他端が出力端T1に接続されたスイッチS1が取り付け
られており、容器G2の端部には、一端が電源5Vに他端が
出力端T2に接続されたスイッチS2が取り付けられてい
る。このGセンサ9は、車体の旋回により発生する横加
速度を検出する。横加速度が発生すると、それに応じて
水銀Hgが容器G1、G2内を移動する。この結果、表1に示
すように、車体の旋回方向に応じてスイッチS1あるいは
S2がON/OFF切り換えられる。
従って、Gセンサ9の出力端T1、T2の出力電圧より、
車体の旋回方向を判定することができる。なお、このG
センサ9は、車両が通常旋回する時に発生するヨーレイ
ト(=1.75rad/s)に応じた横加速度が検出可能な感度
に設計されている。
このアンチスキッド制御装置では、Gセンサ9による
旋回方向を判定し、判定結果に応じた補正行列を第1の
模擬車速電圧Vr1〜Vr4に作用させ、第2の模擬車速電圧
VR1〜VR4を得ている。第9図はコントローラ7a内の模擬
車速補正回路の回路図である。kijL(i=1〜4、j=
1〜4)は、入力信号Vr1〜Vr4に所定の係数を乗じて出
力する乗算器であり、各係数は前述した左旋回用補正行
列(7)の各要素と対応している。また、kiiR(i=1
〜4、j=1〜4)は前述した右旋回用補正行列(9)
と対応した乗算器である。SW1〜SW4は各々接点D、L、
Rを有するスイッチであり、Gセンサ9による旋回方向
判定結果に応じて切り換えられる。
この模擬車速補正回路では、車体が直進している時
は、スイッチSW1〜SW4は接点Dに切り換えられる。この
結果、第2の模擬車速電圧VR1〜VR4として、第1の模擬
車速度電圧Vr1〜Vr4がそのまま出力される。次に、車体
が左旋回している場合、スイッチSW1〜SW4は接点Lに切
り換えられる。この結果、第1の模擬車速電圧Vr1〜Vr4
に各々補正係数ki1L〜ki4Lが乗ぜられ、この結果最大の
ものが模擬車速電圧VRiとして出力される。次に、車体
が右旋回している場合、スイッチSW1〜SW4は接点Rに切
り換えられる。この結果、第1の模擬車速電圧Vr1〜Vr4
に各々補正係数ki1R〜ki4Rが乗ぜられ、この結果最大の
ものが模擬車速電圧VRiとして出力される。このよう
に、このアンチスキッド制御装置では、旋回方向に応じ
て作用させる補正行列が切り換えられ、模擬車速の補正
が行われる。
ところで、車両が低速走行している場合は、最大舵角
θ1maxでの旋回は可能であるが、高速になると、最大舵
角θ1maxでの旋回は不可能となる。これは車速υが大き
くなるに従い、車両が旋回可能な最小半径が大きくなる
ことによるものである。このことを以下、詳述する。第
3図において、Cは車両の重心、r0は重心Cの回転半
径、a2は重心Cと後輪との車幅方向の隔たり、a3は前輪
幅、l2は重心Cと後輪軸との距離、ωは車両の角速度を
示す。この状態において、車両はr0ωの大きさの遠心
加速度を受ける。車両が耐えうる横加速度を1.2G(Gは
重力加速度)とすると、 r0ω =r0(υ/r0≦1.2G ……(12) を満足せねばならない。この式(12)を変形することに
より、速度υで走行した場合にスピンすることなく旋回
することが可能な最小半径r0minが、次の通り導出され
る。
r0min=υ2/1.2G ……(13) そして、第3図における各車両寸法の幾何学的関係か
ら、上記r0minに対応する車輪の旋回半径r1、r2、r3、r
4が次の通り算出される。
以下に説明する第3の実施例は、車速υに応じて車両
の旋回可能最小半径が変わることに着目し、模擬車速補
正行列を低速用と高速用と別々に用意し、車速に応じた
ものを適用することで、模擬車速算出の精度を向上させ
るものである。すなわち、式(13)により任意の車速υ
における旋回可能最小半径r0minが算出され、また、式
(14)により同半径に対応する各車輪の旋回半径r1〜r4
が算出される。そして、旋回半径比ri/rjを求めること
により、任意の車速υと対応した旋回可能最小半径r0mi
nにおける模擬車速補正係数kijが算出される。そこで、
高速と低速の2条件において、この操作を行うことによ
り、低速用模擬車速補正行列{kijS}(i=1〜4、j
=1〜4)および高速用模擬車速補正行列{kijF}(i
=1〜4、j=1〜4)を予め得ておく。そして、車両
が低速走行している場合は低速用、車両が高速走行して
いる場合は高速用の模擬車速補正行列を切り換えて使用
する。
第10図は第3の実施例によるアンチスキッド制御装置
における模擬車速補正回路の回路図である。ダイオード
D1〜D4のカソードの共通接続点には、第1の模擬車速電
圧Vr1〜Vr4の中の最大値が電圧Vrmaxとして出力され
る。この電圧Vrmaxが判定回路21によってレベル判定さ
れる。そして、判定回路21は電圧Vrmaxが所定値以上で
あるか否か、すなわち、車速が所定速度以上であるか否
かを示す信号を切換回路22に出力する。切換回路22はこ
の信号に基づいてスイッチSW1a〜SW4aを切り換える。こ
の結果、車速が所定速度以下の場合はスイッチSW1a〜SW
4aは接点S側に切り換えられ、第1の模擬車速電圧Vr1
〜Vr4に補正行列{kijS}(i=1〜4、j=1〜4)
を乗じたものの内の最大値が第2の模擬車速電圧VR1〜V
R4として出力される。また、車速が所定速度以上の場合
はスイッチSW1a〜SW4aは接点F側に切り換えられ、第1
の模擬車速電圧Vr1〜Vr4に補正行列{kijF}(i=1〜
4、j=1〜4)を乗じたものの内の最大値が第2の模
擬車速電圧VR1〜VR4として出力される。
次に、第4の実施例を説明する。第3の実施例が低速
用/高速用の2段階に分けて模擬車速補正行列を使い分
けていたのに対し、この実施例は速度区分をさらに増や
し、各速度区分に応じた補正行列を適用するものであ
る。第11図はこの発明の第4の実施例によるアンチスキ
ッド制御装置における模擬車速補正回路の回路図であ
る。なお、この図では、第2の模擬車速電圧VR1に係る
部分のみが画かれており、他の部分は省略されている。
ダイオードD1〜D4によって検出された第1の模擬車速電
圧Vr1〜Vr4の最大値Vrmaxは、ウインドコンパレータWC1
〜WCnによってレベル判定される。ここで、ウインドコ
ンパレータWC1〜WCnは、入力電圧が各々、0V〜a1、a1
a2、…an-1〜an(ただし、0<a1<a2…<an)の範囲内
であるか否かを示す判定信号を出力する。これらのウイ
ンドコンパレータWC1〜WCnの判定信号によりスイッチKS
1〜KSnがON/OFF制御される。そして、スイッチKS1〜KSn
の内、第1の模擬車速電圧Vr1〜Vr4の最大値Vrmaxに応
じたスイッチがONとなる。この結果、第1の模擬車速電
圧Vr1〜Vr4に補正行列{kij1}、{kij2}、…、{kij
n}(i=1〜4、j=1〜4)を作用させた結果の
内、電圧値Vrmaxによって指定されたものが、第2の模
擬車速電圧VR1〜VR4として出力される。このようにし
て、車速に応じた模擬車速補正が行われる。
なお、上述した第3の実施例(第10図)および第4の
実施例(第11図)では、補正行列切り換え用電圧として
模擬車速電圧Vr1〜Vr4の最大値を使用しているが、模擬
車速電圧Vr1〜Vr4に対し、取り合えず、ある一定の車速
における補正行列を作用させ、次に、この結果得られる
各電圧値の中の最大値に基づいて補正行列を切り換え、
改めて模擬車速電圧Vr1〜Vr4に作用されるようにしても
良い。
また、以上説明した実施例ではコントローラを電子回
路で構成する場合を説明したが、マイクロコンピュータ
により構成してもよい。また、模擬車速補正の際の補正
行列の各係数を1つあるいは複数の代表値に固定した例
を説明したが、補正行列の各補正係数をマイクロコンピ
ュータで算出し、速度あるいは舵角に対して連続的に変
化させてもよい。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、路面の状況
や車両の運動に拘わらず、各車輪毎に適切な制動圧が加
えられ、適正なスリップ率が得られる。従って、最大の
制動力を発生しつつ、充分なコーナリングフォースが得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1の実施例によるアンチスキッド
制御装置のコントローラの構成図、第2図(a)は同実
施例のコントローラの中で使われている模擬車速補正回
路の構成図、第2図(b)は第2図(a)の模擬車速補
正回路の中で使われている理想ダイオードの構成図、第
3図は車両が低速左旋回している場合を示す図、第4図
は車体旋回時の舵角θに対する各車輪取り付け部間の
速度比を示す図、第5図(a)は車両が低速左旋回して
いる場合の各車輪取り付け部の車速間の補正関係を表す
図、第5図(b)は車両が左旋回しているのか右旋回し
ているのか不明な場合の各車輪取り付け部の車速間の補
正関係を表す図、第6図は実車試験で求めたヨーレート
と舵角との関係を示す図、第7図はこの発明の第2の実
施例によるアンチスキッド制御装置のシステム構成図、
第8図は同実施例におけるGセンサ9の構成図、第9図
は同実施例における模擬車速補正回路の回路図、第10図
はこの発明の第3の実施例によるアンチスキッド制御装
置における模擬車速補正回路の回路図、第11図はこの発
明の第4の実施例によるアンチスキッド制御装置におけ
る模擬車速補正回路の回路図、第12図は従来のアンチス
キッド制御装置のシステム構成図、第13図は従来のアン
チスキッド制御装置の他の例を示すシステム構成図、第
14図はアンチスキッド制動時の車輪周速と模擬車速の関
係を示す図である。 10……模擬車速演算回路、11……模擬車速補正回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の車輪の車輪周速から車体の模擬車速
    を求め、この模擬車速に対しスリップ率が最適値となる
    目標車輪周速を求め、この目標車輪周速と実際の車輪周
    速とを比較し、後者が前者を下回る時に制動装置の制動
    を緩めるアンチスキッド制御装置において、 各車輪の車輪周速から各車輪取り付け部における第1の
    模擬車速を算出する模擬車速算出手段と、 前記各車輪取り付け部における第1の模擬車速に、車体
    の旋回を補正する補正値を乗じ、その結果の中で最大の
    ものを以て着目している車輪取り付け部の第2の模擬車
    速として出力する模擬車速補正手段と を具備する事を特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】前記模擬車速補正手段が、各車輪取り付け
    部における第1の模擬車速に、車体が最大舵角で旋回す
    る場合における各車輪取り付け部間の速度比を補正値と
    して乗じ、その結果の中で最大のものを以て着目してい
    る車輪取り付け部の第2の模擬車速として出力する事を
    特徴とする請求項第1記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】前記模擬車速補正手段が、車速から車体の
    旋回可能最小半径を算出し、車体が該旋回可能最小半径
    で旋回する場合における各車輪取り付け部間の速度比
    を、該各車輪取り付け部における第1の模擬車速に対し
    て補正値として乗じ、その結果の中で最大のものを以て
    着目している車輪取り付け部の第2の模擬車速として出
    力する事を特徴とする請求項第1記載のアンチスキッド
    制御装置。
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