JP2644635B2 - パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置 - Google Patents

パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置

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JP2644635B2
JP2644635B2 JP3082842A JP8284291A JP2644635B2 JP 2644635 B2 JP2644635 B2 JP 2644635B2 JP 3082842 A JP3082842 A JP 3082842A JP 8284291 A JP8284291 A JP 8284291A JP 2644635 B2 JP2644635 B2 JP 2644635B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、グルコース残基の一
部水酸基がエステル化されたセルロース誘導体を主成分
とするパルプとその製造方法および木材成分分別方法と
その装置に関し、詳しくは、広葉樹、針葉樹を問わず低
廉なコストで得られる新規な物性を有するパルプとその
製造方法およひ有効木材成分の抽出方法および装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】木材は、再生産可能な素材
として古来より広く利用されているが、今日それは、物
理的利用、化学的利用の二面に大別される。前者は、主
として建築資材としての利用、後者は、木材から分離し
た繊維素すなわちセルロースからなる集合体としての化
学パルプの製造が主たるものとなっている。
【0003】現在の代表的な化学パルプであるクラフト
パルプおよびこれを利用した紙の製造は、概略、以下の
工程からなっている。 蒸解工程: 加圧釜に、木材チップ1トン、苛性ソーダ
150〜190kg、硫化ソーダ40〜50kgを加
え、液比を4〜5(水リットル/チップkg)として、
170℃で3〜4時間処理してパルプ化する。
【0004】精選工程: 蒸解後のパルプを離解機にか
けて解繊後、スクリーンを通し粕分と精選パルプに分離
する。 漂白工程: 塩素処理−アルカリ抽出−二酸化塩素処理
−アルカリ抽出−二酸化塩素処理の5段漂白法がなされ
るのが通例である。 抄紙工程: 精選パルプを一定フリーネスまで叩解し、
紙の用途に応じサイズ剤や填料をくわえ、シートマシン
を用いて紙を製造する。
【0005】薬品回収工程: 蒸解廃液中のリグニン等
を燃焼して蒸解時に使用した薬品を灰分として回収す
る。このようにして、木材チッブ1トンから約500k
gの漂白パルプを得ることができる。しかしながら、こ
のような従来技術にあっては、次のような問題が発生す
る。
【0006】すなわち、硫化ソーダを用いるため、亜硫
酸ガスを始め、メルカプタン、硫化水素等の悪臭成分が
発生する。また、クラフトパルプは、難漂白性(パルプ
化工程でリグニンが変質するため)であるため、白色度
の高い紙を製造するためには塩素処理を含めた多段漂白
が必要であり、この過程で有機塩素化合物(ダイオキシ
ン類を含む)が生成されることとなり、いわゆる環境問
題を生じることになる。
【0007】さらにまた、上述のようにクラフトパルプ
化法では、著量の薬品を使用するため、これを蒸解廃液
中から回収する必要があり、廃液を濃縮、乾固してこれ
を焼却し灰分中から薬品を回取するようにしている(勿
論焼却時のエネルギーは、蒸解、濃縮、乾固に必要なエ
ネルギーとして使用される)。
【0008】ところで、乾固した廃液を燃焼させるとい
うことは、リグニンそのものを薬品回収、蒸解などの作
業のために単なる燃料代わりに燃焼してしまうことを意
味する。しかしながら、リグニンは、芳香族系の高分子
化合物で、化学工業原料(フェノール系化合物)として
潜在的に極めて高い価値を有しており、より付加価値の
高いものの原料として有効に利用する必要がある。
【0009】このようなクラフト法における問題点を解
決するために、近年、有機溶媒によるパルプ化の研究・
開発が盛んになされている。その目的は、もちろん上述
の従来技術の欠点と裏腹をなすものであり、第一は、硫
黄および塩素を使用しない木材等のパルプ化を開発して
環境問題を解決すること、第二は、従来のセルロース利
用中心のパルプ化から、木材主要成分の全てを総合的に
有効利用できるパルプ化法を開発して、省資源を図るこ
とにある。
【0010】すなわち、有機溶媒によるパルプ化の工程
またはその延長線において、木材主要成分であるセルロ
ース、ヘミセルロース、リグニンを分別し、分別したセ
ルロースはパルプ、紙あるいはグルコース等の原料とし
て、低分子リグニンはケミカルス、産業用資材として、
また、ヘミセルロースは甘味料、食品、発酵用糖として
利用するといった木材成分の総合的利用の推進である。
【0011】このような観点にたつ有機溶媒パルプ化の
研究の歴史は、1930年代に始まり、以来、アルコー
ル類、フェノール類、アミン類、有機酸類を中心に多く
の研究がなされてきている。これらのパルプ化の実用化
の成否は、選択的にリグニンを除去(可溶化)できる
か、収率が高いか、得られるリグニンが利用し易い性状
を持っているか等にかかっている。
【0012】すなわち、ここで要求される選択的脱リグ
ニン反応の条件とは、 a:セルロースの解重合が少ない b:ヘミセルロースの分解が少ない c:縮合の少ない反応牲に富む低分子リグニンがえられ
る等である。
【0013】そしてまた、実用化にあたっては、作業性
の容易さも十分考慮に入れなければならない。このよう
な観点に立つと、これまでの有機溶媒パルプ化は実用化
のうえでは、不十分な点が多く、例えば、最近、研究開
発の盛んな蟻酸、酢酸によるパルプ化においても、針葉
樹材について脱リグニンが困難であるうえ、強酸である
ため、取扱いが容易でなく、ステンレス製の装置類をも
腐蝕してしまうといった問題が生じている。
【0014】
【発明の概要】この発明は、上記従来の問題点を解決す
るめになされたもので、次の一般式化3で表わされるセ
ルロースを有効成分とするパルプあるいは水酸基の一部
がプロピオニル基で置換されたセルロースを有効成分と
するパルプとこれを製造するために、
【化3】
【0015】a:木材チップを、塩酸とプロピオン酸を
主成分とする蒸解液で所定時間蒸解する工程、 b:蒸解されたチップを洗浄する工程、 c:洗浄したチップを解繊後、スクリーニングして精選
パルプを得る工程、からなるパルプ製造方法と、
【0016】A:木材チップを、塩酸を触媒として添加
したプロピオン酸水溶液で所定時間蒸解する工程、 B:蒸解された木材チップを洗浄する工程、 C:洗浄した木材チップを解繊後、スクリーニングして
粗セルロースを得る工程、 D:木材チップを蒸解した処理液を濃縮する工程、 E:濃縮された処理液を水中に注ぎ、沈殿するリグニン
層液中に溶解するヘミセルロース層のそれぞれに分離す
る工程、 からなる木材成分分別方法とを提供して、環境汚染がな
くしかも省エネルギーを図り得る木材主要成分の総合的
利用を実現しようとするものである。
【0017】
【発明の実施例】まず、本願発明に係るパルプの製造方
法を実験例により説明する。 1:木材チップの調製 チッパーで製造 絶乾
100g 2:試薬の調整 95%(v/v)プロピオ
ン酸溶液1リットル(プロピオン酸950 +水50
)中に0。1%(w/v)塩酸を添加する(塩酸1
gを95%プロピオン酸溶液1リットルに加える)。 3:蒸解 図1に示すように、冷却器
と温度調節器を具えた2リットル容ガラス製容器(ステ
ンレス製でも可)1にチップ100gと95%プロピオ
ン酸溶液(0.1%塩酸触媒を含む)1リットルを加え
る。これを、約115℃のオイルバス(油浴)2上にセ
ットする。溶液が、沸騰を始めてから広葉樹チップで4
5分、針葉樹チップで95分処理する。なお、図におい
て、3は蒸解薬液容器、4は蒸解薬液を容器1に供給す
るとともに蒸解処理液をフラクションコレクター5に送
給するための定量ポンプである。 4:精選 処理後、溶液層をデカンテ
ーションで分離する。一方、処理チップは、含水アセト
ン(90%)約3リットルにより加熱下で2回洗浄す
る。次いで、蒸解、洗浄処理されたチップは、離解機で
解繊後、スクリーンを通して精選パルプを得る。この精
選パルプの収率は、約55〜60%である。 5:その他 蒸解の際、加熱する前にあ
らかじめ、50℃で1時間、チップを溶液中に浸漬処理
してから蒸解を行う。この実験の結果を従来の蟻酸、酢
酸処理による脱リグニンと比較すると次に示す表1のよ
うになる。
【0018】
【表1】
【0019】この表1から明らかなように、従来の蟻
酸、酢酸蒸解に比べて、プロピオン酸蒸解は、広葉樹、
針葉樹の両者に対する脱リグニン性が著しく良好であ
る。酢酸処理の1/2〜1/3の時間でパルプ化され
る。
【0020】上記のようなプロピオン酸蒸解(PSP)
により得られるパルプの性質を酢酸パルプ(ASP),
クラフトパルプ(KP)亜硫酸パルプ(SP)と比較し
た結果が次の表2および表3である。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】これらの表から明らかなように、プロピオ
ン酸蒸解によるパルプは、クラフトパルプと比較して高
密度であり、比引裂き強さが劣る他は、強度的特性は、
同等で、特に耐折強度が大きく、伸び率が小さい点に特
色がある。
【0024】さらに、調製された紙は、撥水性があり、
平衡含水率が高く、叩解性の良いことがあげられる。ま
た、紙の不透明度が低く、X線解析でセルロースの結晶
化度を測定した結果、クラフトパルプのセルロースが6
0.4%であったのに対し、プロピオン酸パルプでは5
2%と低くなっている。プロピオン酸パルプは、クラフ
トパルプに比較してより柔軟性を有し、叩解性、吸湿
性、化学反応性、染色性等の点でも良好な物性を有する
ことが判明する。
【0025】そして、走査型電子顕微鏡で紙の表面およ
び断面を観察した結果、従来一般の紙には40〜50%
認められる繊維間の空隙が殆ど認められない構造を有し
ていることが明らかになった。このようなプロピオン酸
蒸解法により得られたセルロース誘導体には、グルコー
ス残基あたりプロピオニル基が0.3〜0.4個結合
し、その推定構造は化4のように現わされる。
【0026】
【化4】
【0027】上記セルロース誘導体の部分構造中の水酸
基(OH)にプロピオニル基がセルロースの単位(グル
コース)当たり0.3〜0.4個置換する構造になって
いる。セルロースは、結晶領域と非結晶領域とからなる
が、プロピオニル基は結晶領域には入れず、非結晶領域
にのみ存在し、結晶化度は前述のように52%である。
ピラノース環中には水酸基が3個あるがエステル化位置
は、現在検索中である。
【0028】また、リグニンでは、その椎定構造は下記
化5のように現わされる。
【化5】
【0029】上記リグニンの部分構造中の水酸基(O
H)の単位にプロピオニル基がリグニン単位(フェニル
プロパン)当たり0.4〜0.6個置換する構造にな
る。
【0030】次に、本願発明に係る木材成分分別方法を
説明する。 1:木材チップの調製 チッパーで製造 絶乾
100g 2:試薬の調整 95%(v/v)プロピオン酸溶
液1リットル(プロピオン酸950+水50)中に0.
1%(w/v)塩酸を添加する(塩酸1gを95%プロ
ピオン酸溶液1リットルに加える)。 3:蒸解 図1に示すように、冷却器と温度計を具
えた2リットル容ガラス製容器(ステンレス製でも可)
にチップ100gと95%プロピオン酸溶液(0.1%
塩酸触媒を含む)1リットルを加える。これを、約11
5℃のオイルバス(油浴)上にセットする。溶液が、沸
騰を始めてから広葉樹チップで45分、針葉樹チップで
95分処理する。 4:精選 処理後、溶液層をデカンテーションで分
離する。処理チップは、含水アセトン(90%)約3リ
ットルにより加熱下で2回洗浄する。次いで、蒸解、洗
浄処理したチップは、離解機で解繊後、スクリーンを通
して精選パルプを得る。この精選パルプの収率は、約5
5〜60%である。 5:蒸解処理液の濃縮 セルロース採取後の蒸解処
理液を減圧下で1/10まで濃縮する。 6:リグニンおよびヘミセルロースの分離 前記濃
縮液を20倍量の水中に注ぐと、リグニンは沈澱して分
離され、ヘミセルロースは液中に溶解した状態で分離さ
れる。
【0031】図2ないし図4は、上述の実験における諸
条件の相互関係を示すグラフで、図2は、蒸解時間とパ
ルプ収率との関係を示している。パルプ収率はブナで5
0%、スギで60%である。パルプ化終了の一応の目安
になる粕分がなくなるまでの時間は、ブナ材で45分、
スギ材で90分であった。
【0032】図3は、蒸解時間とパルプ中のリグニン量
との関係を示している。ブナ材の脱リグニンが速い。十
分にパルプ化された時点でも8〜10%のリグニンが残
るが、このリグニンは、含水アセトン、熱水等による洗
浄でも溶解除去できない。図4は、触媒としての塩酸添
加量と脱リグニン量との関係を示している。塩酸添加量
の増加は、脱リグニンに効果的であるが、パルプ繊維の
劣化を促進するマイナス面もある。
【0033】このような分別方法により分別した成分の
化学的性質の特徴点は、主成分のリグニン、ヘミセルロ
ース、セルロースがエステル化(プロピオニル化)を受
けることである。エステル基量は、セルロースでは前述
のようにぴラノース環あたり0.3〜0.4、リグニン
では、フェニルプロパン単位あたり0.4〜0.6であ
る。 このプロピオニル化を受けたリグニンの有機溶媒
に対する溶解度は、次の表4に示すように、アセチル化
を受けたリグニンの約2〜3倍である。
【0034】
【表4】
【0035】なお、エステル化を受けたセルロースは、
微生物分解に対して抵抗性があり、セルラーゼ等による
加水分解を受けにくい性質を有する。本願に係るプロピ
オン酸蒸解法が、従来の蟻酸、酢酸法と比べ脱リグニン
反応が著しく速い理由は、これまでに得られた実験その
他の情報から検討すると以下のように考えられる。すな
わち、
【0036】(1)プロピオン酸による蒸解により、リ
グニンの主要結合であるβ−O−4結合が容易に分解さ
れ、リグニンは低分子化し溶出する(リグニンの平均分
子量は、2000〜3000である)。 (2)プロピオニル化誘導体は、有機溶媒に良く溶解す
る。 (3)リグニンと結合またはその周りをとり囲んでいる
炭水化物が加水分解され、可溶化する。 (4)リグニンの縮合反応が少なくなる。 ところで、上述の実験例では、プロピオン酸による木材
チップの蒸解は、いずれもいわゆるバッチ式によった
が、図5のブロック図に示すように蒸解工程において、
順次蒸解液を反応槽よりとりだして、所要成分を抽出後
プロピオン酸を回収してこれを連続的に反応槽に導くよ
うにすれば、すなわち常に蒸解液を循環させるようにす
ることにより反応時間を短縮することが可能である。
【0037】ここで、もう一度、本発明に係るプロピオ
ニル化誘導体の特質について整理すると、 a:リグニン、ヘミセルロース、セルロースのそれぞれ
の水酸基(OH−)がエステル化を受ける。 b:親水性の水酸基の一部が疎水性のプロピオニル基で
置換されるため、物性が変化する。例えば、紙は撥水性
を有するようになり、繊維は柔軟性を有するようにな
る。 c:セルロースやリグニンは、分子間の水素結合が弱ま
ることやプロピオニル基の分子運動により、分子の流動
性が増し、熱可塑性を有するようになる。 d:リグニン、ヘミセルロースは、有機溶媒に可溶性と
なる。特にリグニンでは反応性が良くなるため、多種の
用途に変換しやすく、取扱いも容易になる。 e:本発明に係るパルプによる紙は、耐熱性、耐光性が
向上するとともに吸湿性、膨潤性が増大し、微生物、酵
素に対し耐朽性がある。 f:エステル基は、ケン化処理により容易に加水分解が
できる。 g:セルロースの結晶化度が低い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るパ
ルプ製造方法および木材成分分別方法にあっては、従来
技術に比較してエネルギー消費が少なくてすみ、また、
木材成分を効率的に利用することがを可能となる。環境
汚染を問題とすることなく、木材成分の総合的な活用を
図ることができる。すなわち、この発明にあって使用す
る溶媒は、安価で安全性の高い試薬であり、脱リグニン
も効率良く行なわれて反応時間も短く、従来のように薬
剤回収のためにリグニン等を焼却する必要がなく、あら
ゆる意味で今日の地球環境条件に適合できる新規な技術
を実現できる。さらに、この発明で得られるリグニン、
ヘミセルロース、セルロース等は、エステル化を受けた
誘導体であるため、溶解性が高い等化学的に活性で、機
能性素材としての利用可能性が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパルプ製造方法および木材成分
分別方法における実験装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】プロピオン酸による蒸解時間とパルプ収率との
関係を表わすグラフである。
【図3】プロピオン酸による蒸解時間とパルプ中のリグ
ニン量との関係を表わすグラフである。
【図4】プロピオン酸蒸解における触媒としての塩酸量
と脱リグニン量との関係を表わすグラフである。
【図5】この発明に係るパルプ製造方法および木材成分
分別方法において使用する装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 容器 2 オイルバス 3 蒸解薬液容器 4 定量ポンプ 5 フラクションコレクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21C 3/22 D21C 3/22 11/00 11/00 Z

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式化1で表わされるセルロース
    誘導体を有効成分とするパルプ。 【化1】
  2. 【請求項2】 水酸基の一部がプロピオニル基で置換さ
    れ次の構造式化2に示される構造を有するセルロース誘
    導体を有効成分とするパルプ。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記セルロースは、結晶化度がおよそ5
    2%以下であり、エステル基量はピラノース環当たり
    0.3〜0.4個のセルロース誘導体を有効成分とする
    請求項1のパルプ。
  4. 【請求項4】 以下の工程からなるパルプ製造方法。 a:木材チップを、塩酸とプロピオン酸を主成分とする
    蒸解液が連続的に通過する蒸解釜中で所定時間蒸解し、
    セルロースをプロピオニル化する一方、リグニンおよび
    ヘミセルロースをプロピオニル化、低分子化して蒸解液
    中に溶解する工程 b:蒸解によりプロピオニル化されたセルロースを蒸解
    釜より取り出して、プロピオニル化されて残留するリグ
    ニンおよびヘミセルロースを含水アセトンにより洗浄し
    て残留する蒸解液を置換する工程、 c:含水アセトンで洗浄したセルロースを解繊後、スク
    リーニングしてプロピオニル化セルロースよりなる精選
    パルプを得る工程。
  5. 【請求項5】 前記蒸解液は、およそ80〜97%の濃
    度のプロピオン酸水溶液に少量の塩酸を添加して構成す
    るとともに、蒸解温度は、ほぼ100〜130℃である
    ことを特徴とする請求項4記載のパルプ製造方法。
  6. 【請求項6】a:木材チップを、塩酸とプロピオン酸を
    主成分とする蒸解液が連続的に通過する蒸解釜中で所定
    時間蒸解し、セルロースをプロピオニル化する一方、リ
    グニンおよびヘミセルロースをプロピオニル化、低分子
    化して蒸解液中に溶解する工程 b:蒸解によりプロピオニル化されたセルロースを蒸解
    釜より取り出してプロピオニル化されて残留するリグニ
    ンおよびヘミセルロースを含水アセトンにより洗浄して
    残留する蒸解液を置換する工程、 c:含水アセトンで洗浄したセルロースを解繊後、スク
    リーニングしてプロピオニル化セルロースよりなる精選
    パルプを得る工程、 d:木材チップを処理しプロピオニル化を受けたリグニ
    ンおよびヘミセルロースを含有する蒸解液を減圧下で濃
    縮する工程。 e:濃縮された前記蒸解液を水中に注ぎ、沈澱するリグ
    ニン層と液中に溶解するヘミセルロース層のそれぞれに
    分離する工程。以上の工程からなる木材成分分別方法。
  7. 【請求項7】塩酸とプロピオン酸を主成分とする蒸解液
    により木材チップを蒸解処理する蒸解手段と、この蒸解
    手段に常時連続的に前記蒸解液を供給する薬液調整手段
    と、蒸解手段においてプロピオニル化され回収されたセ
    ルロースを含水アセトンにより洗浄処理する洗浄手段
    と、前記木材チップを蒸解した後前記蒸解手段より連続
    的に排出される蒸解処理液中からプロピオン酸を分離・
    回収して前記薬液調整手段に供給する蒸留手段と、プロ
    ピオン酸が回収された前記蒸解処理液中からプロピオニ
    ル化されたリグニンおよびヘミセルロースを分離・瀘過
    する手段とを具えてなり、プロピオン酸は、木材チップ
    の蒸解中に前記蒸解手段、蒸留手段、薬液調整手段の間
    を循環して蒸解手段には常時新たな蒸解液が連続して供
    給される一方、木材チップを処理した蒸解液は順次蒸解
    手段から排出されてることにより、蒸解は常に新しい蒸
    解液でなされるようにしたことを特徴とする木材成分分
    別装置。
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JPH01221586A (ja) * 1988-01-25 1989-09-05 Kunz Holding Gmbh & Co Kg 漂白されたパルプの製造方法

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JPH04300379A (ja) 1992-10-23

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