JPH04300379A - パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置 - Google Patents

パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置

Info

Publication number
JPH04300379A
JPH04300379A JP8284291A JP8284291A JPH04300379A JP H04300379 A JPH04300379 A JP H04300379A JP 8284291 A JP8284291 A JP 8284291A JP 8284291 A JP8284291 A JP 8284291A JP H04300379 A JPH04300379 A JP H04300379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
cooking
wood chips
chips
propionic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8284291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2644635B2 (ja
Inventor
Kazumitsu Shimizu
志水 一允
Kinji Shimada
島田 謹爾
Noriko Hayashi
徳子 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO KENKYUSHO
Original Assignee
NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO KENKYUSHO
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO KENKYUSHO filed Critical NORIN SUISANSYO SHINRIN SOGO KENKYUSHO
Priority to JP3082842A priority Critical patent/JP2644635B2/ja
Publication of JPH04300379A publication Critical patent/JPH04300379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2644635B2 publication Critical patent/JP2644635B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、グルコ−ス残基の一
部水酸基がエステル化されたセルロース誘導体を主成分
とするパルプとその製造方法および木材成分分別方法に
関し、詳しくは、広葉樹、針葉樹を問わず低廉なコスト
で得られる新規な物性を有するパルプとその製造方法お
よび有効木材成分の抽出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】木材は、再生産可能な素材
として古来より広く利用されているが、今日それは、物
理的利用、化学的利用の二面に大別される。前者は、主
として建築資材としての利用、後者は、木材から分離し
た繊維素すなわちセルロースからなる集合体としての化
学パルプの製造が主たるものとなっている。
【0003】現在の代表的な化学パルプであるクラフト
パルプおよびこれを利用した紙の製造は、概略、以下の
工程からなっている。蒸解工程:  加圧釜に、木材チ
ップ1トン、苛性ソーダ150〜190kg、硫化ソー
ダ40〜50kgを加え、液比を4〜5(水リットル/
チップkg)として、170℃で3〜4時間処理してパ
ルプ化する。
【0004】精選工程:  蒸解後のパルプを離解機に
かけて解繊後、スクリーンを通し粕分と精選パルプに分
離する。 漂白工程:  塩素処理ーアルカリ抽出ー二酸化塩素処
理ーアルカリ抽出ー二酸化塩素処理の5段漂白法がなさ
れるのが通例である。 抄紙工程:  精選パルプを一定フリーネスまで叩解し
、紙の用途に応じサイズ剤や填料をくわえ、シートマシ
ンを用いて紙を製造する。
【0005】薬品回収工程:  蒸解廃液中のリグニン
等を燃焼して蒸解時に使用した薬品を灰分として回収す
る。 このようにして、木材チップ1トンから約500kgの
漂白パルプを得ることができる。しかしながら、このよ
うな従来技術にあっては、次のような問題が発生する。
【0006】すなわち、硫化ソーダを用いるため、亜硫
酸ガスを始め、メルカプタン、硫化水素等の悪臭成分が
発生する。また、クラフトパルプは、難漂白性(パルプ
化工程でリグニンが変質するため)であるため、白色度
の高い紙を製造するためには塩素処理を含めた多段漂白
が必要であり、この過程で有機塩素化合物(ダイオキシ
ン類を含む)が生成されることとなり、いわゆる環境問
題を生じることになる。
【0007】さらにまた、上述のようにクラフトパルプ
化法では、著量の薬品を使用するため、これを蒸解廃液
中から回収する必要があり、廃液を濃縮、乾固してこれ
を焼却し灰分中から薬品を回収するようにしている(勿
論焼却時のエネルギーは、蒸解、濃縮、乾固に必要なエ
ネルギーとして使用される)。
【0008】ところで、乾固した廃液を燃焼させるとい
うことは、リグニンそのものを薬品回収、蒸解などの作
業のために単なる燃料代わりに燃焼してしまうことを意
味する。しかしながら、リグニンは、芳香族系の高分子
化合物で、化学工業原料(フェノール系化合物)として
潜在的に極めて高い価値を有しており、より付加価値の
高いものの原料として有効に利用する必要がある。
【0009】このようなクラフト法における問題点を解
決するために、近年、有機溶媒によるパルプ化の研究・
開発が盛んになされている。その目的は、もちろん上述
の従来技術の欠点と裏腹をなすものであり、第一は、硫
黄および塩素を使用しない木材等のパルプ化を開発して
環境問題を解決すること、第二は、従来のセルロース利
用中心のパルプ化から、木材主要成分の全てを総合的に
有効利用できるパルプ化法を開発して、省資源を図るこ
とにある。
【0010】すなわち、有機溶媒によるパルプ化の工程
またはその延長線において、木材主要成分であるセルロ
ース、ヘミセルロース、リグニンを分別し、分別したセ
ルロースはパルプ、紙あるいはグルコース等の原料とし
て、低分子リグニンはケミカルス、産業用資材として、
また、ヘミセルロースは甘味料、食品、発酵用糖として
利用するといった木材成分の総合的利用の推進である。
【0011】このような観点にたつ有機溶媒パルプ化の
研究の歴史は、1930年代に始まり、以来、アルコー
ル類、フェノール類、アミン類、有機酸類を中心に多く
の研究がなされてきている。これらのパルプ化の実用化
の成否は、選択的にリグニンを除去(可溶化)できるか
、収率が高いか、得られるリグニンが利用し易い性状を
持っているか等にかかっている。
【0012】すなわち、ここで要求される選択的脱リグ
ニン反応の条件とは、 a:セルロースの解重合が少ない b:ヘミセルロースの分解が少ない c:縮合の少ない反応性に富む低分子リグニンがえられ
る等である。
【0013】そしてまた、実用化にあたっては、作業性
の容易さも十分考慮に入れなければならない。このよう
な観点に立つと、これまでの有機溶媒パルプ化は実用化
のうえでは、不十分な点が多く、例えば、最近、研究開
発の盛んな蟻酸、酢酸によるパルプ化においても、針葉
樹材について脱リグニンが困難であるうえ、強酸である
ため、取扱いが容易でなく、ステンレス製の装置類をも
腐蝕してしまうといった問題が生じている。
【0014】
【発明の概要】この発明は、上記従来の問題点を解決す
るめになされたもので、一般式
【化1】で表わされるセルロースを有効成分とするパル
プあるいは水酸基の一部がプロピオニル基で置換された
セルロースを有効成分とするパルプとこれを製造するた
めに、
【0015】a:木材チップを、塩酸とプロピオン酸を
主成分とする蒸解液で所定時間蒸解する工程、b:蒸解
されたチップを洗浄する工程、c:洗浄したチップを解
繊後、スクリーニングして精選パルプを得る工程、から
なるパルプ製造方法と、
【0016】A:木材チップを
、塩酸を触媒として添加したプロピオン酸水溶液で所定
時間蒸解する工程、B:蒸解された木材チップを洗浄す
る工程、C:洗浄した木材チップを解繊後、スクリーニ
ングして粗セルロースを得る工程、 D:木材チップを蒸解した処理液を濃縮する工程、E:
濃縮された処理液を水中に注ぎ、沈殿するリグニン層液
中に溶解するヘミセルロース層のそれぞれに分離する工
程、からなる木材成分分別方法とを提供して、環境汚染
がなくしかも省エネルギーを図り得る木材主要成分の総
合的利用を実現しようとするものである。
【0017】
【発明の実施例】まず、本願発明に係るパルプの製造方
法を実験例により説明する。 1:木材チップの調製      チッパーで製造  
  絶乾    100g 2:試薬の調整      95%(v/v)プロピオ
ン酸溶液1リットル(プロピオン酸950  +  水
50)中に0。1%(w/v)塩酸を添加する(塩酸1
gを95%プロピオン酸溶液1リットルに加える)。 3:蒸解      図1に示すように、冷却器と温度
調節器を具えた2リットル容ガラス製容器(ステンレス
製でも可)1にチップ100gと95%プロピオン酸溶
液(0.1%塩酸触媒を含む)1リットルを加える。こ
れを、約115℃のオイルバス(油浴)2上にセットす
る。溶液が、沸騰を始めてから広葉樹チップで45分、
針葉樹チップで95分処理する。なお、図において、3
は蒸解薬液容器、4は蒸解薬液を容器1に供給するとと
もに蒸解処理液をフラクションコレクタ−5に送給する
ための定量ポンプである。 4:精選      処理後、溶液層をデカンテーショ
ンで分離する。一方、処理チップは、含水アセトン(9
0%)約3リットルにより加熱下で2回洗浄する。次い
で、蒸解、洗浄処理されたチップは、離解機で解繊後、
スクリーンを通して精選パルプを得る。この精選パルプ
の収率は、約55〜60%である。 5:その他      蒸解の際、加熱する前にあらか
じめ、50℃で1時間、チップを溶液中に浸漬処理して
から蒸解を行う。この実験の結果を従来の蟻酸、酢酸処
理による脱リグニンと比較すると次に示す表1のように
なる。
【0018】
【表1】
【0019】この表1から明らかなように、従来の蟻酸
、酢酸蒸解に比べて、プロピオン酸蒸解は、広葉樹、針
葉樹の両者に対する脱リグニン性が著しく良好である。 酢酸処理の1 /2 〜1 /3 の時間でパルプ化さ
れる。
【0020】上記のようなプロピオン酸蒸解(PSP)
により得られるパルプの性質を酢酸パルプ(ASP),
クラフトパルプ(KP)亜硫酸パルプ(SP)と比較し
た結果が次の表2および表3である。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】これらの表から明らかなように、プロピオ
ン酸蒸解によるパルプは、クラフトパルプと比較して高
密度であり、比引裂き強さが劣る他は、強度的特性は、
同等で、特に耐折強度が大きく、伸び率が小さい点に特
色がある。
【0024】さらに、調製された紙は、撥水性があり、
平衡含水率が高く、叩解性の良いことがあげられる。ま
た、紙の不透明度が低く、X線解析でセルロ−スの結晶
化度を測定した結果、クラフトパルプのセルロースが6
0.4%であったのに対し、プロピオン酸パルプでは5
2%と低くなっている。プロピオン酸パルプは、クラフ
トパルプに比較してより柔軟性を有し、叩解性、吸湿性
、化学反応性、染色性等の点でも良好な物性を有するこ
とが判明する。
【0025】そして、走査型電子顕微鏡で紙の表面およ
び断面を観察した結果、従来一般の紙には40〜50%
認められる繊維間の空隙が殆ど認められない構造を有し
ていることが明らかになった。このようなプロピオン酸
蒸解法により得られたセルロ−ス誘導体には、グルコ−
ス残基あたりプロピオニル基が0.3〜0.4個結合し
、その一般式は下記化1、また推定構造は下記化2のよ
うに現わされる。
【0026】
【化1】
【化2】
【0027】上記セルロ−ス誘導体の部分構造中の水酸
基(OH)にプロピオニル基がセルロ−スの単位(グル
コ−ス)当たり0.3〜0.4個置換する構造になって
いる。セルロースは、結晶領域と非結晶領域とからなる
が、プロピオニル基は結晶領域には入れず、非結晶領域
にのみ存在し、結晶化度は前述のように52%である。 ピラノース環中には水酸基が3個あるがエステル化位置
は、現在検索中である。
【0028】また、リグニンでは、その推定構造は下記
化3のように現わされる。
【化3】
【0029】上記リグニンの部分構造中の水酸基(OH
)にプロピオニル基がリグニン単位(フェニルプロパン
)当たり0.4〜0.6個置換する構造になる。
【0030】次に、本願発明に係る木材成分分別方法を
説明する。 1:木材チップの調製      チッパーで製造  
  絶乾    100g 2:試薬の調整      95%(v/v)プロピオ
ン酸溶液1リットル(プロピオン酸950+水50)中
に0.1%(w/v)塩酸を添加する(塩酸1gを95
%プロピオン酸溶液1リットルに加える)。 3:蒸解      図1に示すように、冷却器と温度
計を具えた2リットル容ガラス製容器(ステンレス製で
も可)にチップ100gと95%プロピオン酸溶液(0
.1%塩酸触媒を含む)1リットルを加える。これを、
約115℃のオイルバス(油浴)上にセットする。溶液
が、沸騰を始めてから広葉樹チップで45分、針葉樹チ
ップで95分処理する。 4:精選      処理後、溶液層をデカンテーショ
ンで分離する。処理チップは、含水アセトン(90%)
約3リットルにより加熱下で2回洗浄する。次いで、蒸
解、洗浄処理したチップは、離解機で解繊後、スクリー
ンを通して精選パルプを得る。この精選パルプの収率は
、約55〜60%である。 5:蒸解処理液の濃縮      セルロース採取後の
蒸解処理液を減圧下で1/10まで濃縮する。 6:リグニンおよびヘミセルロースの分離      
前記濃縮液を20倍量の水中に注ぐと、リグニンは沈澱
して分離され、ヘミセルロースは液中に溶解した状態で
分離される。
【0031】図2ないし図4は、上述の実験における諸
条件の相互関係を示すグラフで、図2は、蒸解時間とパ
ルプ収率との関係を示している。パルプ収率はブナで5
0%、スギで60%である。パルプ化終了の一応の目安
になる粕分がなくなるまでの時間は、ブナ材で45分、
スギ材で90分であった。
【0032】図3は、蒸解時間とパルプ中のリグニン量
との関係を示している。ブナ材の脱リグニンが速い。十
分にパルプ化された時点でも8〜10%のリグニンが残
るが、このリグニンは、含水アセトン、熱水等による洗
浄でも溶解除去できない。図4は、触媒としての塩酸添
加量と脱リグニン量との関係を示している。塩酸添加量
の増加は、脱リグニンに効果的であるが、パルプ繊維の
劣化を促進するマイナス面もある。
【0033】このような分別方法により分別した成分の
化学的性質の特徴点は、主成分のリグニン、ヘミセルロ
ース、セルロースがエステル化(プロピオニル化)を受
けることである。エステル基量は、セルロースでは前述
のようにぴラノース環あたり0.3〜0.4、リグニン
では、フェニルプロパン単位あたり0.4〜0.6であ
る。  このプロピオニル化を受けたリグニンの有機溶
媒に対する溶解度は、次の表4に示すように、アセチル
化を受けたリグニンの約2〜3倍である。
【0034】
【表4】
【0035】なお、エステル化を受けたセルロースは、
微生物分解に対して抵抗性があり、セルラーゼ等による
加水分解を受けにくい性質を有する。本願に係るプロピ
オン酸蒸解法が、従来の蟻酸、酢酸法と比べ脱リグニン
反応が著しく速い理由は、これまでに得られた実験その
他の情報から検討すると以下のように考えられる。すな
わち、
【0036】(1)プロピオン酸による蒸解により、リ
グニンの主要結合であるβー0ー4結合が容易に分解さ
れ、リグニンは低分子化し溶出する(リグニンの平均分
子量は、2000〜3000である)。 (2)プロピオニル化誘導体は、有機溶媒に良く溶解す
る。 (3)リグニンと結合またはその周りをとり囲んでいる
炭水化物が加水分解され、可溶化する。 (4)リグニンの縮合反応が少なくなる。 ところで、上述の実験例では、プロピオン酸による木材
チップの蒸解は、いずれもいわゆるバッチ式によったが
、図5のブロック図に示すように蒸解工程において、順
次蒸解液を反応槽よりとりだして、所要成分を抽出後プ
ロピオン酸を回収してこれを連続的に反応槽に導くよう
にすれば、すなわち常に蒸解液を循環させるようにする
ことにより反応時間を短縮することが可能である。
【0037】ここで、もう一度、本発明に係るプロピオ
ニル化誘導体の特質について整理すると、a:リグニン
、ヘミセルロース、セルロースのそれぞれの水酸基(O
H− )がエステル化を受ける。 b:親水性の水酸基の一部が疎水性のプロピオニル基で
置換されるため、物性が変化する。例えば、紙は撥水性
を有するようになり、繊維は柔軟性を有するようになる
。 c:セルロースやリグニンは、分子間の水素結合が弱ま
ることやプロピオニル基の分子運動により、分子の流動
性が増し、熱可塑性を有するようになる。 d:リグニン、ヘミセルロースは、有機溶媒に可溶性と
なる。特にリグニンでは反応性が良くなるため、多種の
用途に変換しやすく、取扱いも容易になる。 e:本発明に係るパルプによる紙は、耐熱性、耐光性が
向上するとともに吸湿性、膨潤性が増大し、微生物、酵
素に対し耐朽性がある。 f:エステル基は、ケン化処理により容易に加水分解が
できる。 g:セルロースの結晶化度が低い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るパ
ルプ製造方法および木材成分分別方法にあっては、従来
技術に比較してエネルギー消費が少なくてすみ、また、
木材成分を効率的に利用することがを可能となる。環境
汚染を問題とすることなく、木材成分の総合的な活用を
図ることができる。すなわち、この発明にあって使用す
る溶媒は、安価で安全性の高い試薬であり、脱リグニン
も効率良く行なわれて反応時間も短く、従来のように薬
剤回収のためにリグニン等を焼却する必要がなく、あら
ゆる意味で今日の地球環境条件に適合できる新規な技術
を実現できる。さらに、この発明で得られるリグニン、
ヘミセルロース、セルロース等は、エステル化を受けた
誘導体であるため、溶解性が高い等化学的に活性で、機
能性素材としての利用可能性が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパルプ製造方法および木材成分
分別方法における実験装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】プロピオン酸による蒸解時間とパルプ収率との
関係を表わすグラフである。
【図3】プロピオン酸による蒸解時間とパルプ中のリグ
ニン量との関係を表わすグラフである。
【図4】プロピオン酸蒸解における触媒としての塩酸量
と脱リグニン量との関係を表わすグラフである。
【図5】この発明に係るパルプ製造方法および木材成分
分別方法において使用する装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1    容器 2    オイルバス 3    蒸解薬液容器 4    定量ポンプ 5    フラクションコレクタ−

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式化1で表わされるセルロース誘導体
    を有効成分とするパルプ。 【化1】
  2. 【請求項2】  水酸基の一部がプロピオニル基で置換
    され化2に示される構造を有するセルロース誘導体を有
    効成分とするパルプ。 【化2】
  3. 【請求項3】  前記セルロースは、結晶化度がおよそ
    52%以下であり、エステル基量はピラノース環当たり
    0。3〜0。4セルロ−ス誘導体を有効成分とするパル
    プ。
  4. 【請求項4】  以下の工程からなるパルプ製造方法。 a:木材チップを、塩酸とプロピオン酸を主成分とする
    蒸解液で所定時間蒸解する工程。 b:蒸解されたチップを洗浄する工程。 c:洗浄したチップを解繊後、スクリーニングして精選
    パルプを得る工程。
  5. 【請求項5】  前記蒸解液は、およそ80〜97%の
    濃度のプロピオン酸水溶液に少量の塩酸を添加して構成
    するとともに、蒸解温度は、ほぼ100〜130℃であ
    ることを特徴とする請求項4記載のパルプ製造方法。
  6. 【請求項6】  前記蒸解工程において、使用された蒸
    解液を蒸解釜より順次分離する一方、木材チップに対し
    て新たな蒸解液を継続的に供給するようにしたことを特
    徴とする請求項4記載のパルプ製造方法。
  7. 【請求項7】  木材チップの蒸解前に、木材チップを
    蒸解液中に浸漬する前処理工程を設けたことを特徴とす
    る請求項4記載のパルプ製造方法。
  8. 【請求項8】  前記前処理工程における浸漬時間は1
    〜3時間、蒸解液の温度は50〜70℃であることを特
    徴とする請求項7記載のパルプ製造方法。
  9. 【請求項9】  前記洗浄工程において、蒸解された木
    材チップは、含水アセトンにより加熱下で洗浄するよう
    にしたことを特徴とする請求項4記載のパルプ製造方法
  10. 【請求項10】  a:木材チップを、塩酸を触媒とし
    て添加したプロピオン酸水溶液で所定時間蒸解する工程
    。 b:蒸解された木材チップを洗浄する工程。 c:洗浄した木材チップを解繊後、スクリーニングして
    粗セルロースを得る工程。 d:木材チップを蒸解した処理液を濃縮する工程。 e:濃縮された処理液を水中に注ぎ、沈澱するリグニン
    層と液中に溶解するヘミセルロース層のそれぞれに分離
    する工程。以上の工程からなる木材成分分別方法。
JP3082842A 1991-03-25 1991-03-25 パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置 Expired - Lifetime JP2644635B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3082842A JP2644635B2 (ja) 1991-03-25 1991-03-25 パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3082842A JP2644635B2 (ja) 1991-03-25 1991-03-25 パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04300379A true JPH04300379A (ja) 1992-10-23
JP2644635B2 JP2644635B2 (ja) 1997-08-25

Family

ID=13785648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3082842A Expired - Lifetime JP2644635B2 (ja) 1991-03-25 1991-03-25 パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2644635B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111599A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Kansai Paint Co Ltd 防腐剤
JP2006111600A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Kansai Paint Co Ltd 防蟻剤
JP2010042604A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Nobuaki Oki 亜臨界状態による木材の繊維を線維固形分としての分離方法
JP2012532803A (ja) * 2009-07-07 2012-12-20 テトラ ラヴェル ホールディングス アンド ファイナンス ソシエテ アノニム 包装用積層体のための障壁層とそのような障壁層を備える包装用積層体

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01221586A (ja) * 1988-01-25 1989-09-05 Kunz Holding Gmbh & Co Kg 漂白されたパルプの製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01221586A (ja) * 1988-01-25 1989-09-05 Kunz Holding Gmbh & Co Kg 漂白されたパルプの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111599A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Kansai Paint Co Ltd 防腐剤
JP2006111600A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Kansai Paint Co Ltd 防蟻剤
JP2010042604A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Nobuaki Oki 亜臨界状態による木材の繊維を線維固形分としての分離方法
JP2012532803A (ja) * 2009-07-07 2012-12-20 テトラ ラヴェル ホールディングス アンド ファイナンス ソシエテ アノニム 包装用積層体のための障壁層とそのような障壁層を備える包装用積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2644635B2 (ja) 1997-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liu et al. Pulping and papermaking of non-wood fibers
CA2368872C (en) Method for separating lignocellulose-containing biomass
Muurinen Organosolv pulping: A review and distillation study related to peroxyacid pulping
US7842161B2 (en) Pre-extraction and solvent pulping of lignocellulosic material
Sun et al. Isolation and characterisation of cellulose obtained by a two-stage treatment with organosolv and cyanamide activated hydrogen peroxide from wheat straw
US5676795A (en) Process for the production of viscose pulp
US7943009B2 (en) Process of treating a lignocellulosic material with an alkali metal borate pre-extraction step
US20140182582A1 (en) Processes for making cellulose with very low lignin content for glucose, high-purity cellulose, or cellulose derivatives
Balkissoon et al. Dissolving wood pulp production: a review
Leponiemi Non-wood pulping possibilities-a challenge for the chemical pulping industry
US5529663A (en) Delignification of lignocellulosic materials with peroxymonophosphoric acid
Behin et al. Dissolving pulp (alpha-cellulose) from corn stalk by kraft process
FI74750B (fi) Foerfarande foer framstaellning av blekt cellulosamassa utav ligninhaltigt raomaterial.
US20110073264A1 (en) Kraft-Pulping of Hot Water Extracted Woodchips
Bouiri et al. Production of dissolving grade pulp from alfa.
US5385641A (en) Delignification of cellulosic raw materials using acetic acid, nitric acid and ozone
JPH04300379A (ja) パルプとその製造方法および木材成分分別方法とその装置
Jahan et al. Sodium carbonate pre-extraction of bamboo prior to soda-anthraquinone pulping
Dafchahi et al. Evaluation of pre-hydrolyzed soda-AQ dissolving pulp from Populus deltoides using an ODED bleaching sequence.
Jahan et al. Alternative pulping process for producing dissolving pulp from jute
JPH04289285A (ja) パルプとその製造方法および木材成分分別方法
US3951734A (en) Ammonia-ketone pulping process
Abad et al. Totally chlorine‐free bleaching of Acetosolv pulps: a clean approach to dissolving pulp manufacture
Golestani Extraction of hemicelluloses from softwood and hardwood cellulosic fibers by enzymatic treatments
WO1999060027A1 (en) Process for preparing a high purity chemical-free microcrystalline cellulose from a chemically produced cellulose

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970415

EXPY Cancellation because of completion of term