JP2642614B2 - 帯域通過フィルタ装置 - Google Patents

帯域通過フィルタ装置

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JP2642614B2
JP2642614B2 JP20074195A JP20074195A JP2642614B2 JP 2642614 B2 JP2642614 B2 JP 2642614B2 JP 20074195 A JP20074195 A JP 20074195A JP 20074195 A JP20074195 A JP 20074195A JP 2642614 B2 JP2642614 B2 JP 2642614B2
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伸明 今井
裕 井田
久 澤田
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EI TEI AARU KODENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯域通過フィルタ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は、マイクロストリップラインを
用いた従来例の帯域通過フィルタ装置の構成を示す平面
図である。図17の従来例のフィルタ装置は、マイクロ
ストリップライン共振器MR101,MR102,MR
103と、入力用のマイクロストリップラインM100
と、出力用のマイクロストリップラインM200とから
なり、下面の全面に接地導体が形成された誘電体基板1
10の上面にストリップ導体100,101,102,
103,200が以下のように形成されて構成される。
【0003】誘電体基板110の上面にストリップ導体
100aとストリップ導体100bとからなるストリッ
プ導体100が形成される。これによって、マイクロス
トリップラインM100が形成される。次に、ストリッ
プ導体101aとストリップ導体101bとからなるス
トリップ導体101は、ストリップ導体101aがスト
リップ導体100bと互いに所定の間隔を隔てて対向す
るように形成される。これによって、マイクロストリッ
プライン共振器MR101が、マイクロストリップライ
ンM100と電磁的に結合するように形成される。
【0004】また、ストリップ導体102aとストリッ
プ導体102bとからなるストリップ導体102は、ス
トリップ導体102aがストリップ導体101bと互い
に所定の間隔を隔てて対向するように形成される。これ
によって、マイクロストリップライン共振器MR102
がマイクロストリップライン共振器MR101と電磁的
に結合するように形成される。さらに、ストリップ導体
103aとストリップ導体103bとからなるストリッ
プ導体103は、ストリップ導体103aがストリップ
導体102bと互いに所定の間隔を隔てて対向するよう
に形成される。これによって、マイクロストリップライ
ン共振器MR103がマイクロストリップライン共振器
MR102と電磁的に結合するように形成される。
【0005】ストリップ導体200aとストリップ導体
200bとからなるストリップ導体200は、ストリッ
プ導体200aがストリップ導体103bと互いに所定
の間隔を隔てて対向するように形成される。これによっ
て、マイクロストリップラインM200がマイクロスト
リップライン共振器MR103と電磁的に結合するよう
に形成される。以上のようにして構成された従来例の帯
域通過フィルタ装置は、ストリップ導体100b,10
1a,101b,102a,102b,103a,10
3b,200aの幅wと長さL10とを所定の値になる
ように設定し、かつマイクロストリップライン共振器M
R101とマイクロストリップライン共振器MR102
との間隔及びマイクロストリップライン共振器MR10
2とマイクロストリップライン共振器MR103との間
隔をそれぞれ所定の値に設定することにより、所望の周
波数範囲の信号を通過させるように構成することができ
る。
【0006】図18乃至図23は、上述のように形成さ
れた従来例の帯域通過フィルタ装置のシミュレーション
結果を示したグラフである。図18、図19、図20は
それぞれ、通過帯域の中心周波数f0に対する通過帯域
の周波数範囲△fの割合で定義される比帯域△f/f0
0.1,0.007,0.0056になるように各パラ
メータを設定した場合のシミュレーション結果を示した
グラフである。ここで、図18、図19、図20におい
て、通過帯域の中心周波数f0は略18GHzになるよ
うに設定した。また、図21、図22、図23はそれぞ
れ、比帯域△f/f0を0.033,0.02,0.01
になるように各パラメータを設定した場合のシミュレー
ション結果を示したグラフである。ここで、図21、図
22、図23において、通過帯域の中心周波数f0は略
3GHzになるように設定した。この従来例の帯域通過
フィルタ装置の設計方法は、例えばG.Matthaei,L.Youn
g,E.M.T.Jone,“Microwave Filters,Impedance-Matchin
g Networks,And Coupling Structures”,ARTECH HOUSE,
INC,pp472〜476,1964年に詳しく述べられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の帯域通過フィルタ装置では、通過帯域における損失を
小さくしようとすると、マイクロストリップライン共振
器MR101とマイクロストリップライン共振器MR1
02及びマイクロストリップライン共振器MR102と
マイクロストリップライン共振器MR103とを互いに
強く結合させ、かつマイクロストリップラインM100
とマイクロストリップライン共振器MR101及びマイ
クロストリップラインM200とマイクロストリップラ
イン共振器MR103とを強く結合させる必要がある。
その結果、比帯域が広くなり、阻止帯域における減衰量
を大きくできないという問題点があった。また、阻止帯
域における減衰量を大きくしようとすると、マイクロス
トリップライン共振器MR101とマイクロストリップ
ライン共振器MR102及びマイクロストリップライン
共振器MR102とマイクロストリップライン共振器M
R103とを互いに弱く結合させ、かつマイクロストリ
ップラインM100とマイクロストリップライン共振器
MR101及びマイクロストリップラインM100とマ
イクロストリップライン共振器MR101とを弱く結合
させる必要がある。その結果、比帯域が狭くなり、通過
帯域における損失が大きくなるという問題点があった。
【0008】本発明の目的は、以上の問題点を解決し
て、従来例に比較して、阻止帯域における減衰量を大き
くすることができる帯域通過フィルタ装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の帯域通過フィルタ装置は、信号反射手段と、入出力
分離手段とを備え、所定の通過帯域を有する帯域通過フ
ィルタ装置であって、上記信号反射手段は、各一端が互
いに対向し、各他端が互いに対向しかつ互いに分布結合
するように設けられた第1と第2の伝送線路とからなる
第1の方向性結合器と、上記第1の方向性結合器と第3
の伝送線路とを含む回路が所定の第1の共振周波数で共
振するように、上記第2の伝送線路の一端に接続された
第3の伝送線路と、各一端が互いに対向し、各他端が互
いに対向しかつ互いに分布結合するように設けられた第
4と第5の伝送線路とからなる第2の方向性結合器と、
上記第2の方向性結合器と第6の伝送線路とを含む回路
が所定の第2の共振周波数で共振するように、上記第5
の伝送線路の一端に接続された第6の伝送線路と、抵抗
の一端が上記第4の伝送線路の他端に接続された抵抗
と、上記第1の伝送線路の他端と上記抵抗の他端との間
に接続され、上記抵抗の他端から見た上記信号反射手段
の入力端反射係数が上記通過帯域内の所定の周波数にお
いて最大になるように設定された長さを有する第7の伝
送線路とを備え、上記信号反射手段は、その入力端から
入力された上記通過帯域内の信号を反射して上記入力端
に出力し、上記入出力分離手段は、第1と第2と第3の
端子を有し、上記第2の端子が上記抵抗の他端に接続さ
れ、上記第1の端子から入力された信号を上記第2の端
子に出力し、上記第2の端子から入力された信号を上記
第3の端子に出力することを特徴とする。
【0010】本発明に係る請求項1記載の帯域通過フィ
ルタ装置において、上記信号反射手段は、上記第1の方
向性結合器と上記第3の伝送線路とからなり所定の第1
の共振周波数で共振する回路と、上記第2の方向性結合
器と上記第6の伝送線路とからなり所定の第2の共振周
波数で共振する回路とが上記抵抗と上記第7の伝送線路
とを介して接続されて構成される。そして、上記第7の
伝送線路の長さは、上記抵抗の他端から見た上記信号反
射手段の入力端反射係数が上記第1の共振周波数と上記
第2の共振周波数とを含む上記通過帯域内の所定の周波
数において最大になるように設定される。これによっ
て、上記信号反射手段は、上記第1の伝送線路の他端と
上記抵抗の他端との間の接続点に入力される信号のうち
上記通過帯域内の周波数を有する信号を反射して当該接
続点から出力する。従って、上記入出力分離手段の第1
の端子に入力されて上記入出力分離手段の第2の端子か
ら出力される信号のうち上記通過帯域内の周波数を有す
る信号は、上記信号反射手段によって反射されて、上記
入出力分離手段の第2の端子に入力され、上記入出力分
離手段の第3の端子から出力される。以上のようにし
て、請求項1記載の帯域通過フィルタ装置は、上記入出
力分離手段の第1の端子から入力された信号のうちの上
記通過帯域内の周波数を有する信号を上記入出力分離手
段の第3の端子から出力する。
【0011】また、請求項2記載の帯域通過フィルタ装
置は、請求項1記載の帯域通過フィルタ装置においてさ
らに、上記第3の伝送線路の一端が上記第2の伝送線路
の一端に接続された上記第3の伝送線路の他端と、接地
端子との間に接続された第1の負性抵抗回路と、上記第
6の伝送線路の一端が上記第5の伝送線路の一端に接続
された上記第6の伝送線路の他端と、接地端子との間に
接続された第2の負性抵抗回路とを備えたことを特徴と
する。
【0012】これによって、請求項2記載の帯域通過フ
ィルタ装置において、上記抵抗の他端から見た上記信号
反射手段の入力端反射係数を、第1の負性抵抗回路と第
2の負性抵抗回路を備えていない帯域通過フィルタ装置
に比較して大きくできるので、上記帯域通過フィルタ装
置の通過帯域における損失を小さくできる。
【0013】本発明に係る請求項3記載の帯域通過フィ
ルタ装置は、信号反射手段と、入出力分離手段とを備
え、所定の通過帯域を有する帯域通過フィルタ装置であ
って、上記信号反射手段は、それぞれ各一端が互いに対
向し、各他端が互いに対向しかつ互いに分布結合するよ
うに設けられた第1と第2の伝送線路とからなり、かつ
上記各第1の伝送線路の他端が互いに接続された複数の
第1の方向性結合器と、上記各第1の方向性結合器と各
第3の伝送線路とを含む各回路がそれぞれ所定の共振周
波数で共振するように、それぞれ上記各第2の伝送線路
の一端に接続された複数の第3の伝送線路と、それぞれ
各一端が互いに対向し、各他端が互いに対向しかつ互い
に分布結合するように設けられた第4と第5の伝送線路
とからなり、かつ上記各第4の伝送線路の他端が互いに
接続された複数の第2の方向性結合器と、上記各第2の
方向性結合器と各第6の伝送線路とを含む各回路がそれ
ぞれ所定の共振周波数で共振するように、それぞれ上記
各第5の伝送線路の一端に接続された複数の第6の伝送
線路と、抵抗の一端が上記各第4の伝送線路の他端の接
続点に接続された抵抗と、上記各第1の伝送線路の他端
の接続点と上記抵抗の他端との間に接続され、上記抵抗
の他端から見た上記信号反射手段の入力端反射係数が上
記通過帯域内の所定の周波数において最大になるように
設定された長さを有する第7の伝送線路とを備え、上記
信号反射手段は、その入力端から入力された上記通過帯
域内の信号を反射して上記入力端に出力し、上記入出力
分離手段は、第1と第2と第3の端子を有し、上記第2
の端子が上記抵抗の他端の接続され、上記第1の端子か
ら入力された信号を上記第2の端子に出力し、上記第2
の端子から入力された信号を上記第3の端子に出力する
入出力分離手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】本発明に係る請求項3記載の帯域通過フィ
ルタ装置において、それぞれ上記第1の方向性結合器と
上記第3の伝送線路とからなりそれぞれ所定の第1の共
振周波数で共振する回路は、互いに上記各第1の伝送線
路の他端が接続される。また、それぞれ上記第2の方向
性結合器と上記第6の伝送線路とからなりそれぞれ所定
の第2の共振周波数で共振する回路は、互いに上記各第
4の伝送線路の他端が接続される。さらに、上記信号反
射手段は、上記各第1の伝送線路の他端の接続点と上記
各第4の伝送線路の他端との接続点とが上記抵抗と上記
第7の伝送線路とを介して接続されて構成される。そし
て、上記第7の伝送線路の長さは、上記抵抗の他端から
見た上記信号反射手段の入力端反射係数が上記第1の共
振周波数と上記第2の共振周波数とを含む上記通過帯域
内の所定の周波数において最大になるように設定され
る。これによって、上記信号反射手段は、上記第1の伝
送線路の他端と上記抵抗の他端との間の接続点に入力さ
れる信号のうち上記通過帯域内の周波数を有する信号を
反射して当該接続点から出力する。従って、上記入出力
分離手段の第1の端子に入力されて上記入出力分離手段
の第2の端子から出力される信号のうち上記通過帯域内
の周波数を有する信号は、上記信号反射手段によって反
射されて、上記入出力分離手段の第2の端子に入力さ
れ、上記入出力分離手段の第3の端子から出力される。
以上のようにして、請求項1記載の帯域通過フィルタ装
置は、上記入出力分離手段の第1の端子から入力された
信号のうちの上記通過帯域内の周波数を有する信号を上
記入出力分離手段の第3の端子から出力する。
【0015】また、請求項4記載の帯域通過フィルタ装
置は、請求項3記載の帯域通過フィルタ装置においてさ
らに、上記第3の伝送線路の各一端が上記第2の伝送線
路の各一端に接続された上記第3の伝送線路の各他端
と、接地端子との間にそれぞれ接続された複数の第1の
負性抵抗回路と、上記第6の伝送線路の各一端が上記第
5の伝送線路の各一端に接続された上記第6の伝送線路
の各他端と、接地端子との間にそれぞれ接続された複数
の第2の負性抵抗回路とを備えたことを特徴とする。
【0016】これによって、上記各第1の方向性結合器
と上記各第2の方向性結合器の反射係数を第1の負性抵
抗回路と第2の負性抵抗回路を備えていない帯域通過フ
ィルタ装置に比較して大きくできるので、帯域通過フィ
ルタ装置の通過帯域における損失を小さくできる。
【0017】さらに、請求項5記載の帯域通過フィルタ
装置は、請求項1、2、3又は4記載の帯域通過フィル
タ装置において、上記入出力分離手段は、サーキュレー
タであることを特徴とする。
【0018】請求項5記載の帯域通過フィルタ装置にお
いて、上記サーキュレータは、第1と第2と第3の端子
を有し、上記第1の端子から入力された信号を上記第2
の端子から出力し、上記第2の端子から入力された信号
を上記第3の端子から出力する。
【0019】またさらに、請求項6記載の帯域通過フィ
ルタ装置は、請求項1、2、3又は4記載の帯域通過フ
ィルタ装置において、上記入出力分離手段は、3dB方
向性結合器であることを特徴とする。
【0020】請求項6記載の帯域通過フィルタ装置にお
いて、上記3dB方向性結合器は、入力端子である第1
の端子と、分配端子である第2と第3の端子と、アイソ
レーション端子である第4の端子を有し、上記第1の端
子から入力された信号を上記第2及び第3の端子に出力
し、上記第1の端子から入力された信号を上記第4の端
子に出力する。
【0021】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>図1は、本発明に係る第1の実施形
態の帯域通過フィルタ装置F1の構成を示すブロック図
である。第1の実施形態の帯域通過フィルタ装置F1
は、反射回路71とサーキュレータ6と伝送線路2cと
によって構成され、反射回路71は、互いに分布結合す
る伝送線路1aと伝送線路2aとからなる方向性結合器
10と、互いに分布結合する伝送線路3aと伝送線路4
とからなる方向性結合器20と、方向性結合器10と方
向性結合器20とを接続する抵抗5とを備えて構成され
たことを特徴とする。
【0022】以下、図面を参照して第1の実施形態の帯
域通過フィルタ装置F1の構成について詳細に説明す
る。図1に示すように、伝送線路1は、伝送線路1aと
伝送線路1bとが直列に連結されてなり、伝送線路1の
一端は接地され、伝送線路1の他端は開放される。ここ
で、伝送線路1aは伝送線路1の他端から長手方向に所
定の長さの部分であり、伝送線路1bは伝送線路1の一
端から長手方向に所定の長さLの部分である。また、伝
送線路2は、伝送線路2aと伝送線路2bと伝送線路2
cとが直列に連結されてなる。伝送線路2の一端から所
定の長さの伝送線路2aは、伝送線路1aと分布結合す
るように所定の間隔を隔てて対向するように設けられ
る。これによって、各一端が互いに対向し、各他端が互
いに対向しかつ互いに分布結合する伝送線路1aと伝送
線路2aとによって方向性結合器10が構成される。
【0023】ここで、方向性結合器10の入出力端子T
12は、伝送線路1の他端に設けられて開放され、方向
性結合器10の入出力端子T14は、伝送線路2aの一
端すなわち伝送線路2の一端に設けられて開放される。
また、方向性結合器10の入出力端子T13は、伝送線
路1aと伝送線路1bとの境界に仮想的に設けられ、伝
送線路1bを介して接地される。伝送線路2bは、長手
方向の長さL1を有し、伝送線路2bの一端が伝送線路
2aの他端に直列に連結されて設けられる。伝送線路2
cは、伝送線路2bにL字型に連結されて設けられる。
方向性結合器10の入出力端子T11は、伝送線路2a
と伝送線路2bとの境界に仮想的に設けられる。
【0024】また、抵抗5は、伝送線路2bの他端と伝
送線路4の一端との間に接続される。ここで、伝送線路
4は、伝送線路4の一端が伝送線路2bの他端と所定の
間隔を隔てるように、かつ伝送線路4の他端が開放され
て設けられる。伝送線路3aと伝送線路3bとが直列に
連結されてなる伝送線路3は、伝送線路3の一端が開放
され、伝送線路3の他端が接地されて設けられる。伝送
線路3の一端から所定の長さの部分である伝送線路3a
は、伝送線路4と分布結合するように所定の間隔を隔て
て対向するように設けられる。ここで、伝送線路3bは
伝送線路3の他端から長さLの部分である。これによっ
て、各一端が互いに対向し、各他端が互いに対向しかつ
互いに分布結合する伝送線路3aと伝送線路4とによっ
て方向性結合器20が構成される。
【0025】ここで、方向性結合器20の入出力端子T
21は、伝送線路4の一端に設けられる。方向性結合器
20の入出力端子T22は、伝送線路3の一端に設けら
れ開放される。方向性結合器20の入出力端子T24
は、伝送線路4の他端に設けられて開放される。方向性
結合器20の入出力端子T23は、伝送線路3aと伝送
線路3bとの境界に仮想的に設けられ、伝送線路3bを
介して接地される。
【0026】反射回路71は、入出力端子T13が伝送
線路1bを介して接地された方向性結合器10と、入出
力端子T23が伝送線路3bを介して接地された方向性
結合器20と、方向性結合器10の入出力端子T11と
方向性結合器20の入出力端子T21の間に直列に接続
された伝送線路2bと抵抗5とを備えて構成される。こ
こで、反射回路71の入出力端子T71は、伝送線路2
bと伝送線路2cの境界に仮想的に設けられる。
【0027】そして、端子T6a,T6b,T6cを有
するサーキュレータ6は、サーキュレータ6の端子T6
bが伝送線路2cの他端に接続されて設けられる。すな
わち、サーキュレータ6の端子T6bは、伝送線路2c
を介して反射回路71の入出力端子T71に接続され
る。ここで、サーキュレータ6は、端子T6aから入力
される信号を端子T6bを介して入出力端子T71に出
力しかつ端子T6bから入力される信号を端子T6cを
介して出力する入出力分離素子である。
【0028】以上のようにして、第1の実施形態の帯域
通過フィルタF1は構成される。
【0029】次に、以上のように構成された第1の実施
形態の帯域通過フィルタ装置F1の動作を説明する。以
下の動作の説明では、まず、反射回路71を2つの共振
回路81,82に分けて、それぞれの共振回路81,8
2の構成と動作について説明し、次に共振回路81と共
振回路82とからなる反射回路71の動作を説明する。
【0030】図2は、図1の方向性結合器10の入出力
端子T13をインピーダンスZLの負荷7aで終端して
構成した共振回路81の回路図である。ここで、負荷7
aは、図1の伝送線路1bに対応し、入出力端子T1
2,T14は、図1の方向性結合器10と同様に開放端
になるように構成している。図2の共振回路81におい
て、伝送線路1aと伝送線路2aとの結合伝送線路であ
る方向性結合器10のZマトリックスの各要素は、当該
結合伝送線路の偶モードのインピーダンスZ0eと奇モー
ドのインピーダンスZ0oを用いて、次の数1乃至数4で
与えられる。ここで、当該結合伝送線路のZマトリック
スの各要素は、E.M.T.Jones and J.T.Bolljahn,“Coup
led-strip-transmission-line filters and directiona
l couplers”,IRE Transactions on Microwave Theory
and Techniques,MTT-4 No4,pp75〜81,1956年4月に
示された方法を用いて求めた。また、伝送線路1a,2
aの損失は、無いものと仮定した。
【0031】
【数1】 Z11=Z22=Z33=Z44=−j(1/2)(Z0e+Z0o)cotθ
【数2】 Z12=Z21=Z34=Z43=−j(1/2)(Z0e−Z0o)cotθ
【数3】Z13=Z31=Z24=Z42=−j(1/2)(Z0e−Z
0o)cosecθ
【数4】Z14=Z41=Z23=Z32=−j(1/2)(Z0e+Z
0o)cosecθ
【0032】ここで、数1乃至数4におけるθは、次の
数5で与えられる電気長である。また、数5におけるl
は方向性結合器10の物理長であり、kは位相定数であ
る。
【0033】
【数5】θ=kl
【0034】また、図2に示したように、入出力端子T
12,T14は開放端であり、入出力端子T13は、負
荷7aで終端されているので、入出力端子T11,T1
2,T13,T14におけるそれぞれの電圧V1,V2
3,V4は、入出力端子T11,T13におけるそれぞ
れの電流I1,I3と要素Z11,Z33,Z21,Z43
13,Z31,Z41,Z23とを用いて、次の数6乃至数9
で表わすことができる。
【0035】
【数6】V1=Z111+Z133
【数7】V2=Z211+Z233
【数8】V3=Z311+Z333=−ZL3
【数9】V4=Z411+Z433
【0036】以上のことから、入出力端子T11から方
向性結合器10を見たときのインピーダンスZ1は、次
の数10で表すことができる。
【0037】
【数10】 Z1 =V1/I1 =−j(Z0e+Z0o)(cotθ)/2 +{(1/4)(Z0e−Z0o)2cosec2θ}/{−j(1/2)(Z0e+Z0o)cotθ+ZL}
【0038】ここで、図1の第1の実施形態の帯域通過
フィルタ装置F1では、負荷7aは、一端を接地した伝
送線路1bで構成しているので、負荷7aのインピーダ
ンスZLは、次の数11で表わすことができる。また、
数10で表されるインピーダンスZ1は、数12で表わ
すことができる。ここで、Z0は伝送線路1bの特性イ
ンピーダンスであり、L2は伝送線路1bの長さであ
る。βは伝送線路1bの位相定数である。
【0039】
【数11】ZL=jZ0tan(βL2)
【数12】Z1=−j{(Z0e+Z0o)cotθ}/2+j{(1/4)
(Z0e−Z0o)2cosec2θ}/{(1/2)(Z0e+Z0o)cotθ−Z
0tan(βL2)}
【0040】従って、共振回路81は、数12の右辺の
第2項の分母が0になる共振周波数f0、すなわち数1
3を満足する共振周波数f0で共振する。言い換える
と、伝送線路1bの長さL2を所定の値に設定すること
によって、共振回路81の共振周波数f0を所定の値に
設定することができる。
【0041】
【数13】(1/2)(Z0e+Z00)cotθ=Z0tan(βL2)
【0042】図4は、インピーダンスZを示すスミス
チャートである。ここで、インピーダンスZ1は、長さ
L2を所定の値に設定し、かつ周波数を17GHzから
17.88GHzまで掃引して計算によって求めた。計
算の結果、共振周波数f0は、17.4GHzであっ
た。数12において、インピーダンスZ1は、伝送線路
1a,2aが無損失であると仮定したが、図4では、伝
送線路1a,2aが損失を有するものとして計算した。
その結果、インピーダンスZ1は、図4に示すように、
スミスチャート上でR=0の円の内側に軌跡を描く。そ
して、方向性結合器10の入出力端子T11に、共振周
波数f0における管内波長λgの1/4倍に設定された
長さL1を有する伝送線路2bの一端を接続すると、伝
送線路2bの他端から見たときの共振回路81のインピ
ーダンスZ1aは、図24に示すように、図4のインピー
ダンスZ1の軌跡をスミスチャート上で180度回転さ
せた軌跡を描く。すなわち、伝送線路2bを方向性結合
器10の入出力端子T11に接続することによって、伝
送線路2bの他端から見たときの共振回路81のインピ
ーダンスZ1aを、共振周波数f0において最小になるよ
うにし、共振周波数f0から離れた周波数f1,f2で大
きくなるように設定している。
【0043】次に、図3に示した共振回路82について
説明する。共振回路82は、方向性結合器20とインピ
ーダンスZLの負荷7bとからなる共振回路82aと、
特性インピーダンスZ0に等しい抵抗値を有する抵抗5
とによって構成される。ここで、共振回路82aは、共
振回路81と同様に構成され、抵抗5は方向性結合器2
0の入出力端子T21に接続される。また、抵抗5の抵
抗値すなわち特性インピーダンスZ0の値は、50オー
ムに設定される。負荷7bは、図1の伝送線路3bに対
応する。以上のように構成された共振回路82におい
て、上述のように、負荷7bのインピーダンスを負荷7
aのインピーダンスZLに等しく設定しているので、共
振回路82は、共振周波数f0で共振し、抵抗5を50
オームに設定しているので、抵抗5の端子T5から方向
性結合器20を見たときのインピーダンスZ2は、共振
周波数f0から離れた周波数では、略50オームにな
る。
【0044】図5は、インピーダンスZ2を示すスミス
チャートである。ここで、インピーダンスZ2は、イン
ピーダンスZ1と同様に、長さL3を所定の値に設定
し、かつ周波数を17GHzから17.88GHzまで
掃引して計算によって求めた。図5に示すように、周波
数f1=17.00GHz及び周波数f2=17.88G
HzにおけるインピーダンスZ2はそれぞれ、スミスチ
ャートの略中心部に位置し、周波数を17.00GHz
から17.88GHzまで掃引したときのインピーダン
スZ2の軌跡は円を描く。図6は、抵抗5の端子T5に
おける入力端反射係数S11と反射信号の位相φの周波数
特性を示したグラフである。
【0045】次に、端子T71から反射回路71を見た
ときのインピーダンスZ71について説明する。ここで、
反射回路71は、図1に示すように、共振回路81の伝
送線路2bの一端と共振回路82の抵抗5の端子T5と
が接続されて構成されているので、インピーダンスZ71
は、上述のインピーダンスZ2とインピーダンスZ1a
を用いて以下のように説明することができる。まず、共
振周波数f0=17.40GHz付近において、図5と
図24から明らかなように、共振回路82のインピーダ
ンスZ2の抵抗成分及びリアクタンス成分は、インピー
ダンスZ1aに比較して非常に高くなる。また、反射回路
71は、端子T71と接地端子との間に共振回路81と
共振回路82とが並列に接続された回路とみることがで
きるので、共振周波数f0付近における反射回路71の
インピーダンスZ71は、Z2≫Z1aだからインピーダン
スZ1aにほぼ等しい値になる。一方、共振周波数f0
ら離れた周波数f1及び周波数f2において、共振回路8
1のインピーダンスZ1aの抵抗成分とリアクタンス成分
は、インピーダンスZ2に比較して非常に高くなる。従
って、共振周波数f0から離れた周波数f1及び周波数f
2におけるインピーダンスZ71は、端子T5から見たと
きの共振回路82のインピーダンスZ2にほぼ等しい
値、すなわち、略50オームになる。この場合、端子T
71から見たときの反射回路71のインピーダンスZ71
は、図25に示すように、スミスチャート上に軌跡を描
く。図24に示すインピーダンスZ1aと図5に示すイン
ピーダンスZ2とを合成した反射回路71のインピーダ
ンスZ71は、共振周波数f0付近において、インピーダ
ンスZ1aにほぼ等しい値、すなわち、スミスチャート上
で、中心から離れた値をとり、共振周波数f0から離れ
た周波数においては、略50オーム、すなわちスミスチ
ャート上で略中心に位置する値をとる。従って、反射回
路71は、図1に示すように、共振回路81の伝送線路
2bの一端と共振回路82の抵抗5の端子T5とが接続
されて構成されているので、共振周波数f0付近におい
て、端子T71から反射回路71を見たときの入力端反
射係数S11を大きくでき、共振周波数f0から離れた周
波数において、端子T71から反射回路71を見たとき
の入力端反射係数S11を小さくできる。
【0046】本発明者は、反射回路71の動作を確認す
るために、伝送線路2bの長さL1を共振周波数f0
おける管内波長λgの略1/4倍になるように設定し
て、反射回路71の端子T71における入力端反射係数
11と反射信号の位相φの周波数特性をシミュレーショ
ンすることによって求めた。その結果を図7に示す。図
7から明らかなように、共振周波数f0とその近傍の周
波数帯域である17.4GHzから17.52GHzの
間の周波数帯域において入力端反射係数S11は、他の周
波数における入力端反射係数S11に比較して大きく、か
つ平坦である。また、図7においては、伝送線路2bの
長さL1を、1650μm,1700μm,1740μ
mに設定したときのそれぞれのシミュレーション値を示
している。従って、伝送線路2bの長さL1をλg/4
を中心として±3%だけ変化させても、共振周波数f0
とその近傍における入力端反射係数S11が平坦になる周
波数帯域の幅、すなわち帯域通過フィルタ装置F1にお
ける通過帯域の幅は、ほとんど変化しないことがわか
る。
【0047】次に、伝送線路2bの長さL1をλg/4
から大きくずらした値に設定した場合の例として、伝送
線路2bの長さL1を0に設定した場合について考察す
る。この場合、反射回路71のインピーダンスZ71は、
端子T11から方向性結合器10を見たときのインピー
ダンスZ1と端子T5から見たときの共振回路82のイ
ンピーダンスZ2とを合成したインピーダンスになる。
すなわち、共振周波数f0から離れた周波数f1及び周波
数f2において、インピーダンスZ1は、インピーダンス
2に比較して十分小さい値をとっているので、インピ
ーダンスZ71は、50オームより十分小さいインピーダ
ンスZ1とほぼ等しい値になる。従って、伝送線路2b
の長さL1を0に設定した場合、共振周波数f0から離
れた周波数f1,f2においても、インピーダンスZ71
50オームより十分小さいインピーダンスZ1とほぼ等
しい値になるので、端子T71から見たときの反射回路
71の入力端反射係数S11は大きくなる。
【0048】以上の説明においては、互いに同一の共振
周波数f0で共振するように構成された共振回路81と
共振回路82とを用いて説明したが、本発明はこれに限
らず、共振回路81の共振周波数f0と共振回路82の
共振周波数f82は、互いに異なるように設定してもよ
い。すなわち、本発明において、共振回路81の共振周
波数f0と共振回路82の共振周波数f82とは、帯域通
過フィルタ装置F1の通過帯域を含む所定の周波数範囲
で、当該周波数範囲以外の周波数に比較して、端子T7
1から見たときの反射回路71の入力端反射係数S11
大きくかつ平坦になるように設定される。ここで、帯域
通過フィルタ装置F1においては、共振回路81の共振
周波数f0と共振回路82の共振周波数f82とを同一の
値に設定することにより、帯域通過フィルタ装置F1の
通過帯域を狭く設定することができる一方、共振回路8
1の共振周波数f0と共振回路82の共振周波数f82
を互いに異なる値に設定することにより帯域通過フィル
タ装置F1の通過帯域を広く設定できる。また、共振回
路81の共振周波数f0と共振回路82の共振周波数f
82とを異なる値に設定した場合には、その差│f0−f
82│を大きくする程、帯域通過フィルタ装置F1の通過
帯域を広くできる。ここで、本発明において、共振回路
81の共振周波数f0と共振回路82の共振周波数f82
とは、好ましくは互いに異なりかつ近接するように設定
される。これによって、通過帯域における反射回路71
の入力端反射係数S11を、共振周波数f0と共振周波数
82との差│f0−f82│を大きくした場合に比較し
て、大きくできかつより平坦にできるので、帯域通過フ
ィルタ装置F1の通過帯域における損失を小さくできか
つより平坦にできる。図26は、共振回路81の共振周
波数f0と共振回路82の共振周波数f82とを異なる値
に設定するために、伝送線路3bの長さL3を1550
μmに設定し、伝送線路1bの長さL2を、伝送線路3
bの長さL3に比べて短い1530μm,1515μ
m,1500μm,1480μmの各値に設定したとき
の端子T71から見たときの反射回路71の入力端反射
係数S11のシミュレーション結果を示している。図26
から明らかなように、伝送線路1bの長さL2と伝送線
路3bの長さL3とを互いに異なる値に設定しても、所
望の周波数範囲すなわち帯域通過フィルタ装置F1の通
過帯域における入力端反射係数S11を、他の周波数にお
ける入力端反射係数S11に比較して大きくすることがで
きる。そして、この場合、伝送線路1bの長さL2と伝
送線路3bの長さL3との差を大きくすることによっ
て、帯域通過フィルタ装置F1の通過帯域を広くするこ
とができる。
【0049】以上のように図1の反射回路71におい
て、伝送線路1bの長さL2は、方向性結合器10と伝
送線路1bとからなる共振回路81が所定の共振周波数
0で共振するように設定され、伝送線路3bの長さL
3は、方向性結合器20と伝送線路3bとからなる共振
回路82aが、共振周波数f0と略等しい共振周波数f
82で共振するように設定される。そして、伝送線路2b
の長さL1は、端子T71から反射回路71を見たとき
の入力端反射係数S11が、共振周波数f0の近傍の周波
数で最大値をとるように、共振周波数f0における管内
波長λgの略1/4倍の長さに設定される。これによっ
て、端子T71から見たときの反射回路71の入力端反
射係数S11を、共振回路81の共振周波数f0の近傍の
周波数帯域で他の周波数より大きく、かつ平坦にでき
る。
【0050】従って、図1に示すようにサーキュレータ
6の端子T6bを引き出し用の伝送線路2cを介して端
子T71に接続することにより帯域通過フィルタ装置F
1を構成することができる。すなわちサーキュレータ6
の端子T6aに入力された高周波信号は、端子T6bと
伝送線路2cとを介して反射回路71に入力される。反
射回路71は、入力された高周波信号のうちの所定の周
波数帯域すなわち共振周波数f0とその近傍の周波数帯
域を含む周波数帯域の高周波信号を反射して、伝送線路
2cと端子T6bとを介してサーキュレータ6に出力
し、端子T6bに入力された高周波信号は、サーキュレ
ータ6を介してサーキュレータ6の端子T6cから出力
される。
【0051】図8は、図1のブロック図に示した反射回
路71を、誘電体基板61を用いて形成した反射回路7
1cの平面図である。以下図面を参照して反射回路71
cの構成について説明する。反射回路71cにおいて、
ストリップ導体S1,S2,S3,S4は、誘電体基板
61の下面の全面に接地導体が形成された誘電体基板6
1の上面に以下のように形成される。まず、ストリップ
導体S1は、ストリップ導体S1aとストリップ導体S
1bとが直列に連結されてなる。これによって、誘電体
基板61を挟設するストリップ導体S1と接地導体とに
よってマイクロストリップラインM1が構成される。こ
こで、マイクロストリップラインM1は、誘電体基板6
1を挟設するストリップ導体S1aと接地導体とによっ
て構成されるマイクロストリップラインM1aと、誘電
体基板61を挟設するストリップ導体S1bと接地導体
とによって構成されるマイクロストリップラインM1b
とからなる。図面において、マイクロストリップライン
の符号は、ストリップ導体の符号の後ろの括弧内に付し
て示す。
【0052】ストリップ導体S2は、ストリップ導体S
2の一端から所定の長さのストリップ導体S2aと、ス
トリップ導体S2aから連続して形成されたL字型のス
トリップ導体S2bと、ストリップ導体S2bの先端部
分から直角にのびたストリップ導体S2cとが直列に連
結されてなる。ストリップ導体S2aは、ストリップ導
体S1aと分布結合するように所定の間隔を隔てて対向
するように形成される。一端がストリップ導体S2bに
連結されたストリップ導体S2cは、ストリップ導体S
2cの他端が誘電体基板61の縁端部に位置するように
形成される。
【0053】これによって、誘電体基板61を挟設する
ストリップ導体S2と接地導体とによってマイクロスト
リップラインM2が構成される。ここで、マイクロスト
リップラインM2は、誘電体基板61を挟設するストリ
ップ導体S2aと接地導体とによって構成されたマイク
ロストリップラインM2aと、誘電体基板61を挟設す
るストリップ導体S2bと接地導体とによって構成され
たマイクロストリップラインM2bと、誘電体基板61
を挟設するストリップ導体S2cと接地導体とによって
構成されたマイクロストリップラインM2cとからな
る。そして、以上のように構成されたマイクロストリッ
プラインM1aとマイクロストリップラインM2aとは
互いに分布結合して、方向性結合器10aを構成する。
また、反射回路71cの端子T71aは、ストリップ導
体S2cの他端に設けられる。
【0054】ストリップ導体S4は、ストリップ導体S
4の一端がストリップ導体S2bの一端と所定の間隔を
隔てて対向するように形成される。これによって、誘電
体基板61を挟設するストリップ導体S4と接地導体と
によってマイクロストリップラインM4が構成される。
ストリップ導体S3は、ストリップ導体S3の一端から
所定の長さのストリップ導体S3aと、ストリップ導体
S3のうちのストリップ導体S3aを除く部分であるス
トリップ導体S3bとが直列に連結されてなる。ストリ
ップ導体S3aは、ストリップ導体S4と分布結合する
ように所定の間隔を隔てて対向するように形成される。
これによって、誘電体基板61を挟設するストリップ導
体S3と接地導体とによってマイクロストリップライン
M3が構成される。ここで、マイクロストリップライン
M3は、誘電体基板61を挟設するストリップ導体S3
aと接地導体とによって構成されるマイクロストリップ
ラインM3aと、誘電体基板61を挟設するストリップ
導体S3bと接地導体とによって構成されるマイクロス
トリップラインM3bとからなる。以上のように構成さ
れたマイクロストリップラインM3aとマイクロストリ
ップラインM4とは互いに分布結合して、方向性結合器
20aを構成する。
【0055】そして、抵抗5は、ストリップ導体S2b
の一端とストリップ導体S4の一端との間に接続され
る。以上のようにして、方向性結合器10a,20aと
マイクロストリップラインM1b,M2b,M2c,M
3bと抵抗5とを備えた反射回路71cは構成される。
【0056】図9は、反射回路71cの端子T71aに
おける入力端反射係数S11の周波数特性を示すグラフで
ある。図9に示すように、端子T71aにおける入力端
反射係数S11は、3GHz付近の周波数で、最も大きく
なり、かつ平坦になっていることがわかる。すなわち、
反射回路71cの端子T71aにサーキュレータ6を接
続することにより、帯域通過フィルタ装置F1を構成す
ることができる。
【0057】以上のように構成された第1の実施形態の
帯域通過フィルタ装置F1は、通過帯域における入力端
反射係数S11に比べて阻止帯域における入力端反射係数
11が小さい反射回路71を備えて構成されている。当
該帯域通過フィルタ装置F1では、共振周波数f0から
離れた周波数において、サーキュレータ6の端子T6a
と反射回路71の端子T71との間で、インピーダンス
整合をとるように抵抗5を設けているので、第1の実施
形態の帯域通過フィルタ装置F1は従来例に比較して通
過帯域に対する阻止帯域の減衰量を大きくできる。
【0058】<第2の実施形態>図10は、本発明に係
る第2の実施形態の帯域通過フィルタ装置F2の構成を
示すブロック図である。第2の実施形態の帯域通過フィ
ルタ装置F2は、2つの反射回路71a,71bと90
度ハイブリッド回路40とを備え、反射回路71aは、
90度ハイブリッド回路40の入出力端子T402に接
続され、反射回路71bは、90度ハイブリッド回路4
0の入出力端子T403に接続されて構成される。ここ
で、反射回路71a,71bは、第1の実施形態の反射
回路71と同様に構成される。また、90度ハイブリッ
ド回路40は、所定の周波数範囲で3dB方向性結合器
として動作する入出力分離素子である。また、2つの反
射回路71a,71bは、同一の周波数を有する信号を
反射するように構成される。
【0059】以上のように構成された第2の実施形態の
帯域通過フィルタ装置F2において、90度ハイブリッ
ド回路40の入出力端子T401に入力された入力信号
Sg1は、信号Sg1aと信号Sg1bとに分配され
て、信号Sg1aは入出力端子T402を介して反射回
路71aに出力され、信号Sg1bは入出力端子T40
3を介して反射回路71bに出力される。ここで、信号
Sg1aは、信号Sg1bに比べてπ/2だけ位相が異
なる。従って、信号Sg1aと信号Sg1bはそれぞ
れ、次の数14と数15で表される。
【0060】
【数14】 Sg1a=√(1/2)・Sg1・e-i(π/2)
【数15】Sg1b=√(1/2)・Sg1・e-iπ
【0061】反射回路71aに入力された信号Sg1a
のうちの一部分の信号Sg2は、反射回路71aによっ
て反射されて反射回路71aから出力され、端子T40
2を介して90度ハイブリッド回路40に入力される。
信号Sg2は、反射回路71aによって反射されている
ので、信号Sg1aの振幅に係数rを乗じた振幅を有
し、かつ信号Sg1aに比較してφだけ移相された位相
を有する。ここで、係数rは、図7に示した入力端反射
係数S11によって決定される実数であり、位相φは図7
のグラフに示した値である。従って、信号Sg2は、次
の数16で表される。尚、数16における右辺の第2式
は、数16における右辺の第1式のSg1aに、数14
の右辺の式を代入して変形したものである。
【0062】
【数16】 Sg2 =r・Sg1a・e-iφ =r・√(1/2)Sg1・e-i{(π/2)+φ}
【0063】端子T402を介して90度ハイブリッド
回路40に入力された信号Sg2は、信号Sg2aと信
号Sg2bとに分配されて、信号Sg2aと信号Sg2
bはそれぞれ、入出力端子T401と入出力端子T40
4とから出力される。ここで、信号Sg2aは、信号S
g2bに比べてπ/2だけ位相が異なる。従って、信号
Sg2aと信号Sg2bはそれぞれ、次の数17と数1
8で表される。尚、数17における右辺の第2式は、数
17における右辺の第1式のSg2に、数16の右辺の
第2式を代入して変形したものであり、数18における
右辺の第2式は、数18における右辺の第1式のSg2
に、数16の右辺の第2式を代入して変形したものであ
る。
【0064】
【数17】 Sg2a =√(1/2)・Sg2・e-i(π/2) =r・(1/2)・Sg1・e-i(π+φ)
【数18】 Sg2b =√(1/2)・Sg2・e-iπ =r・(1/2)・Sg1・e-i{(3π/2)+φ}
【0065】反射回路71bに入力された信号Sg1b
のうちの一部分の信号Sg3は、反射回路71bによっ
て反射されて反射回路71bから出力され、信号Sg3
は端子T403を介して90度ハイブリッド回路40に
入力される。信号Sg3は、反射回路71bによって反
射されているので、信号Sg1bの振幅に係数rを乗じ
た振幅を有し、かつ信号Sg1bに比較してφだけ移相
された位相を有する。ここで、係数rは、図7に示した
入力端反射係数S11によって決定される実数であり、位
相φは図7のグラフに示した値である。従って、信号S
g3は、信号Sg1bを用いて次の数19で表される。
尚、数19における右辺の第2式は、数19における右
辺の第1式のSg1bに、数15の右辺の式を代入して
変形したものである。
【0066】
【数19】 Sg3 =r・Sg1b・e-iφ =r・√(1/2)・Sg1・e-i(π+φ)
【0067】端子T403を介して90度ハイブリッド
回路40に入力された信号Sg3は、信号Sg3aと信
号Sg3bとに分配されて、信号Sg3aと信号Sg3
bはそれぞれ、入出力端子T404と入出力端子T40
1とから出力される。ここで、信号Sg3aは、信号S
g3bに比べてπ/2だけ位相が異なる。従って、信号
Sg3aと信号Sg3bはそれぞれ、次の数20と数2
1で表される。尚、数20における右辺の第2式は、数
20における右辺の第1式のSg3に、数19の右辺の
第2式を代入して変形したものであり、数21における
右辺の第2式は、数21における右辺の第1式のSg3
に、数19の右辺の第2式を代入して変形したものであ
る。
【0068】
【数20】 Sg3a =√(1/2)・Sg3・e−i(π/2) =r・(1/2)・Sg1・e-i{(3π/2)+φ}
【数21】 Sg3b =√(1/2)・Sg3・e-iπ =r・(1/2)・Sg1・e-i{2π+φ}
【0069】ここで、数17と数21とから明らかなよ
うに、入出力端子T401から出力される信号Sg2a
と信号Sg3bとの間の位相差はπとなる。すなわち、
信号Sg2a,Sg3bは逆相で合成されるので、入出
力端子T401から出力される信号の合計は0となり、
入出力端子T401から信号は出力されない。これに対
して、数18と数20とから明らかなように、入出力端
子T404から出力される信号Sg2b,Sg3aは、
同一の位相を有する。従って、信号Sg2bと,信号S
g3aとは同相で合成されて、合成された信号が出力信
号Sg4として入出力端子T404から出力される。以
上のようにして、90度ハイブリッド回路40の入出力
端子T401から入力された信号のうち所定の周波数を
有する信号は、入出力端子T404から出力される。
【0070】図11は、図10の帯域通過フィルタ装置
F2において、90度ハイブリッド回路40として、2
段ブランチラインハイブリッド回路40aを用いた例で
ある。当該2段ブランチラインハイブリッド回路40a
は、図11に示すように7つの伝送線路41,42,4
3,44,45,46,47を備え、以下のように構成
される。伝送線路47は、入出力端子T401,T40
4の間に接続される。伝送線路45と伝送線路41は、
入出力端子T401,T402の間に直列に接続され
る。伝送線路46と伝送線路43は、入出力端子T40
3,T404の間に直列に接続される。伝送線路42
は、入出力端子T402,T403の間に接続される。
伝送線路44は、伝送線路41と伝送線路45との接続
点と、伝送線路43と伝送線路46との接続点との間に
接続される。
【0071】ここで、伝送線路41,43,44,4
5,46はそれぞれ、使用周波数における波長の1/4
の長さの電気長を有し、その特性インピーダンスは3
5.4オームに設定される。また、伝送線路42,47
はそれぞれ、使用周波数における波長の1/4の長さの
電気長を有し、その特性インピーダンスは120.8オ
ームに設定される。以上のように構成された2段ブラン
チラインハイブリッド回路40aは、図10の90度ハ
イブリッド回路40と同様に動作するとともに、1段で
構成されたブランチラインハイブリッド回路に比較する
と、3dB方向性結合器として動作する周波数帯域を広
くでき、かつ入出力端子T401と入出力端子T404
との間のアイソレーション及び入出力端子T402と入
出力端子T403との間のアイソレーションを大きくで
きる。従って、帯域通過フィルタ装置F2は、2段ブラ
ンチラインハイブリッド回路40aを用いることによっ
て、1段で構成されたブランチラインハイブリッド回路
を用いて構成した場合に比較して、阻止域での減衰量を
大きく設定することができる。
【0072】本発明者は、以上のように構成された図1
1のブロック図に示した回路に基づいてシミュレーショ
ンを行った。図12は、当該シミュレーションの結果を
示したグラフである。図12のグラフには、入力端子で
ある入出力端子T401における入力端反射係数S
11と、出力端子である入出力端子T404における出力
端伝送係数S21との周波数特性を示している。図12に
示すように、出力端伝送係数S21は、16.5GHzと
その近傍の周波数で、最も大きくでき、かつ平坦にでき
ることがわかる。また、入力端反射係数S11は、16.
5GHzとその近傍の通過帯域内では−30dBであ
り、通過帯域外では−30dBより小さくなっている。
すなわち、入力端反射係数S11は、従来例の帯域通過フ
ィルタ装置にくらべて小さくできる。
【0073】以上のように構成された第2の実施形態の
帯域通過フィルタ装置F2は、第1の実施形態の帯域通
過フィルタ装置F1と同様に動作して同様の効果を有す
るとともに、第1の実施形態のサーキュレータ6に代え
て90度ハイブリッド回路40を用いているので、反射
回路71cが形成された誘電体基板61上に90度ハイ
ブリッド回路40を形成することができるので、安価に
製造することができる。
【0074】<第3の実施形態>図13は、本発明に係
る第3の実施形態の帯域通過フィルタ装置F3の構成を
示すブロック図である。当該帯域通過フィルタ装置F3
は、第1の実施形態の帯域通過フィルタ装置F1に比較
して、伝送線路1の一端と接地端子との間に負性抵抗回
路50aが設けられ、伝送線路3の他端と接地端子との
間に負性抵抗回路50bが設けられた点が異なる。
【0075】ここで、負性抵抗回路50aは、ベース端
子が伝送線路1の一端に接続されたトランジスタ51a
と、トランジスタ51aのエミッタ端子と接地端子との
間に接続された伝送線路52aとからなる。また、負性
抵抗回路50bは、ベース端子が伝送線路3の他端に接
続されたトランジスタ51bと、トランジスタ51bの
エミッタ端子と接地端子との間に接続された伝送線路5
2bとからなる。そして、伝送線路52a,52bの特
性インピーダンスと電気長とはそれぞれ、各負性抵抗回
路50a,50bが所定の周波数で負性抵抗を有するよ
うに設定される。ここで、負性抵抗回路50a,50b
が負性抵抗を有する周波数範囲は、少なくとも帯域通過
フィルタ装置F3の通過帯域を含むように設定される。
【0076】本発明者は、以上のように構成された帯域
通過フィルタ装置F3の動作を確認するために、反射回
路73の入出力端子T73における入力端反射係数S11
の周波数特性をシミュレーションをすることによって求
めた。図14は、シミュレーションによって求めた入力
端反射係数S11の周波数特性を示したグラフである。図
14から明らかなように、16.25GHzとその近傍
の周波数における入力端反射係数S11は、他の周波数に
おける入力端反射係数S11に比較して極めて大きい4d
B以上の値を示している。従って、反射回路73とサー
キュレータ6とを備えた第3の実施形態の帯域通過フィ
ルタ装置F3は、第1の実施形態の帯域通過フィルタ装
置F1と同様に、端子T6aから入力された入力信号の
うちの16.25GHzとその近傍の周波数を有する信
号を端子T6cから出力する。
【0077】また、反射回路73の入出力端子T73に
おける通過帯域での入力端反射係数S11は、上述したよ
うに4dBであり、第1の実施形態の反射回路71の入
出力端子T71における通過帯域での入力端反射係数S
11の−4dBに比較して極めて大きくできる。
【0078】以上詳述したように、第3の実施形態の帯
域通過フィルタ装置F3は、負性抵抗回路50a,50
bを備えて構成され、反射回路73の入力端反射係数S
11を大きくできるので、通過帯域における伝送損失を小
さくできる。
【0079】<第1の変形例>図15は、本発明に係る
第1の変形例の帯域通過フィルタ装置の反射回路74を
示す平面図である。図15の反射回路74が図8の反射
回路71cと比べて異なる所は、反射回路71cにおい
てさらに、方向性結合器10aと並列に設けられた方向
性結合器10bと、方向性結合器20aと並列に設けら
れた方向性結合器20bとを備えている点である。ここ
で、図15において、図8と同じものについては同じ符
号を付している。
【0080】反射回路74において、ストリップ導体S
11,S21,S31,S41は、誘電体基板61の上
面に以下のように形成される。ストリップ導体S21
は、ストリップ導体S21とストリップ導体S2aとの
角度が略45度になるようにかつストリップ導体S21
の一端がストリップ導体S2aとストリップ導体S2b
との境界付近に連結されて形成される。ここで、ストリ
ップ導体S21は、ストリップ導体S21の他端から所
定の長さの部分であるストリップ導体S21aと、スト
リップ導体S21のうちのストリップ導体S21aを除
く部分であるストリップ導体S21bとが直列に連結さ
れてなる。マイクロストリップラインM21は、誘電体
基板61を挟設するストリップ導体S21と接地導体と
によって構成される。ここで、マイクロストリップライ
ンM21は、誘電体基板61を挟設するストリップ導体
S21aと接地導体とによって構成されたマイクロスト
リップラインM21aと、誘電体基板61を挟設するス
トリップ導体S21bと接地導体とによって構成された
マイクロストリップラインM21bとからなる。
【0081】また、ストリップ導体S11は、ストリッ
プ導体S11の一端から所定の長さの部分であるストリ
ップ導体S11aと、ストリップ導体S11のうちのス
トリップ導体S11aを除く部分であるストリップ導体
S11bとが直列に連結されてなる。ストリップ導体S
11aはストリップ導体S21aと分布結合するように
所定の間隔を隔てて対向するように形成される。マイク
ロストリップラインM11は、誘電体基板61を挟設す
るストリップ導体S11と接地導体とによって構成され
る。ここで、マイクロストリップラインM11は、誘電
体基板61を挟設するストリップ導体S11aと接地導
体とによって構成されたマイクロストリップラインM1
1aと、誘電体基板61を挟設するストリップ導体S1
1bと接地導体とによって構成されたマイクロストリッ
プラインM11bとからなる。以上のように構成された
マイクロストリップラインM11aとマイクロストリッ
プラインM21aとは互いに分布結合して、方向性結合
器10bを構成する。
【0082】また、反射回路74において、ストリップ
導体S41は、ストリップ導体S41の一端から所定の
長さの部分であるストリップ導体S41aと、ストリッ
プ導体S41のうちのストリップ導体S41aを除く部
分であるストリップ導体S41bとが直列に連結されて
なる。ストリップ導体S41は、ストリップ導体S41
bとストリップ導体S4との角度が略45度になるよう
にストリップ導体S41の他端がストリップ導体S4の
一端付近に連結されて形成される。マイクロストリップ
ラインM41は、誘電体基板61を挟設するストリップ
導体S41と接地導体とによって構成される。ここで、
マイクロストリップラインM41は、誘電体基板61を
挟設するストリップ導体S41aと接地導体とによって
構成されたマイクロストリップラインM41aと、誘電
体基板61を挟設するストリップ導体S41bと接地導
体とによって構成されたマイクロストリップラインM4
1bとからなる。
【0083】また、ストリップ導体S31は、ストリッ
プ導体S31の一端から所定の長さの部分であるストリ
ップ導体S31aと、ストリップ導体S31のうちのス
トリップ導体S31aを除く部分であるストリップ導体
S31bとが直列に連結されてなる。ストリップ導体S
31aは、ストリップ導体S41aと分布結合するよう
に所定の間隔を隔てて対向するように形成される。マイ
クロストリップラインM31は、誘電体基板61を挟設
するストリップ導体S31と接地導体とによって構成さ
れる。ここで、マイクロストリップラインM31は、誘
電体基板61を挟設するストリップ導体S31aと接地
導体とによって構成されたマイクロストリップラインM
31aと、誘電体基板61を挟設するストリップ導体S
31bと接地導体とによって構成されたマイクロストリ
ップラインM31bとからなる。以上のように構成され
たマイクロストリップラインM31aとマイクロストリ
ップラインM41aとは互いに分布結合して、方向性結
合器20bを構成する。ここで、第1の変形例では、方
向性結合器10aとマイクロストリップラインM1bと
からなる共振回路の共振周波数f10aと、方向性結合器
10bとマイクロストリップラインM11bとからなる
共振回路の共振周波数f10bと、方向性結合器20aと
マイクロストリップラインM3bとからなる共振回路の
共振周波数f20aと、方向性結合器20bとマイクロス
トリップラインM31bとからなる共振回路の共振周波
数f20bとは、互いに同一になるように設定される。し
かしながら本発明はこれに限らず、共振周波数f10a
共振周波数f10bとは、互いに異なるように設定しても
よい。また、共振周波数f20aと共振周波数f20bとは、
互いに異なるように設定してもよい。さらに、共振周波
数f10a,f10bと共振周波数f20a,f20bとは、互いに
異なるように設定してもよい。すなわち、共振周波数f
10a、共振周波数f10b、共振周波数f20a及び共振周波
数f20bは、第1の変形例の帯域通過フィルタ装置の通
過帯域を含む所定の周波数範囲で、当該周波数範囲以外
の周波数に比較して、端子T71aから見たときの反射
回路74の入力端反射係数S11が大きくかつ平坦になる
ように設定される。本発明では、共振周波数f10a、共
振周波数f10b、共振周波数f20a及び共振周波数f20b
を、すべて同一の値に設定することにより、当該帯域通
過フィルタ装置の通過帯域を最も狭く設定することがで
きる一方、共振周波数f10a、共振周波数f10b、共振周
波数f20a及び共振周波数f20bを、互いに異なる値に設
定することにより当該帯域通過フィルタ装置の通過帯域
を広くできる。また、共振周波数f10a、共振周波数f
10b、共振周波数f20a及び共振周波数f20bを互いに異
なる値に設定した場合には、その差を大きくする程、当
該帯域通過フィルタ装置の通過帯域を広くできる。ここ
で、本発明において、好ましくは共振周波数f10a、共
振周波数f10b、共振周波数f20a及び共振周波数f20b
は、互いに異なりかつ近接するように設定される。これ
によって、通過帯域における反射回路71の入力端反射
係数S11を、共振周波数f10a,f10b,f20a,f20b
間の周波数差を大きく設定した場合に比較して大きくで
きかつより平坦にできるので、帯域通過フィルタ装置F
1の通過帯域における損失を小さくできかつより平坦に
できる。
【0084】以上のように構成された反射回路74に基
づいてシミュレーションを行った。図16は、反射回路
74の端子T71aにおける入力端反射係数S11の周波
数特性を示すグラフである。図16に示すように、端子
T71aにおける入力端反射係数S11は、3GHzとそ
の近傍の周波数で、最も大きくなり、かつ平坦になって
いる。また、図9に示した入力端反射係数S11に比較す
ると、通過帯域である3GHzとその近傍の周波数にお
ける入力端反射係数S11は小さいが、阻止帯域における
入力端反射係数S11はさらに小さくできる。すなわち、
反射回路74の端子T71aにサーキュレータ6を接続
することにより、帯域通過フィルタ装置を構成すること
ができ、第1の実施形態の帯域通過フィルタ装置F1に
比較して、阻止帯域における減衰量をさらに大きくする
ことができる。すなわち、第1の変形例の帯域通過フィ
ルタ装置は、選択性をよくすることができる。
【0085】<他の変形例>以上の第1と第2と第3の
実施形態においては、入出力分離手段としてサーキュレ
ータ6又は90度ハイブリッド回路40を用いて構成し
たが、本発明はこれに限らず、1/4波長分布結合型3
dB方向性結合器やランゲカップラー等の他の入出力分
離手段を用いて構成してもよい。以上のように構成して
も第1と第2と第3の実施形態と同様の動作をして同様
の効果を有する。
【0086】以上の第1と第2と第3の実施形態におい
て、抵抗5は伝送線路2bの他端と伝送線路4の一端と
の間に接続したが、本発明はこれに限らず、抵抗5を伝
送線路2aの他端と伝送線路4の一端との間に接続して
もよい。以上のように構成しても第1と第2と第3の実
施形態と同様の動作をして同様の効果を有する。
【0087】以上の第1と第3の実施形態において、サ
ーキュレータ6は伝送線路2cの他端に接続したが、本
発明はこれに限らず、サーキュレータ6を伝送線路2a
の他端に直接、接続するようにしてもよい。以上のよう
に構成しても第1と第3の実施形態と同様の動作をして
同様の効果を有する。
【0088】以上の第1の変形例では、反射回路71c
においてさらに、方向性結合器10aと並列に設けられ
た1つの方向性結合器10bと、方向性結合器20aと
並列に設けられた1つの方向性結合器20bとを備え
た。しかしながら本発明はこれに限らず、複数の方向性
結合器10bを方向性結合器10aと並列に接続し、か
つ複数の方向性結合器20bを方向性結合器20aと並
列に接続して構成してもよい。この場合、方向性結合器
10bとマイクロストリップラインM11bとからなる
複数の共振回路の共振周波数はそれぞれ、互いに同一に
なるように設定してもよいし、互いに異なるように設定
してもよい。また、方向性結合器20bとマイクロスト
リップラインM31bとからなる複数の共振回路の共振
周波数はそれぞれ、互いに同一になるように設定しても
よいし、互いに異なるように設定してもよい。以上のよ
うに構成しても第1と第2と第3の実施形態と同様の動
作をして同様の効果を有するとともに、第1の変形例に
比較してさらに、阻止帯域における減衰量を大きくでき
る。
【0089】以上の第1の実施形態では、伝送線路1b
の一端と伝送線路3bの一端はそれぞれ、接地して構成
したが、本発明はこれに限らず、伝送線路1bの一端と
伝送線路3bの一端とをそれぞれ開放端になるように構
成してもよい。この場合、数11,数12,数13はそ
れぞれ、次の数22,数23,数24のように表わすこ
とができる。
【0090】
【数22】ZL=−jZ0tan(βL2)
【数23】Z1=−j{(Z0e+Z0o)cotθ}/2+j{(1/4)
(Z0e−Z0o)2cosec2θ}/{(1/2)(Z0e+Z0o)cotθ+Z
0tan(βL2)}
【数24】 (1/2)(Z0e+Z00)cotθ=−Z0tan(βL2)
【0091】従って、共振回路81は、数23の右辺の
第2項の分母が0になる周波数、すなわち数24を満足
する共振周波数で共振して、第1の実施形態と同様に動
作して同様の効果を有する。
【0092】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の帯域通過フ
ィルタ装置において、上記信号反射手段は、上記第1の
方向性結合器と上記第3の伝送線路とからなる回路と、
上記第2の方向性結合器と上記第6の伝送線路とからな
る回路とが上記抵抗と上記第7の伝送線路とを介して接
続されて構成され、上記第7の伝送線路の長さは、上記
信号反射手段の入力端反射係数が上記第1の共振周波数
と上記第2の共振周波数とを含む上記通過帯域内の所定
の周波数において最大になるように設定される。また、
上記入出力分離手段は、第1と第2と第3の端子を有
し、上記第2の端子が上記抵抗の他端に接続され、上記
第1の端子から入力された信号を上記第2の端子に出力
し、上記第2の端子から入力された信号を上記第3の端
子に出力する。従って、上記信号反射手段と上記入出力
分離手段を備えた請求項1記載の帯域通過フィルタ装置
は、インピーダンス整合用の上記抵抗を備えているの
で、上記第1と第2の共振周波数から離れた周波数であ
る離調周波数において、上記第2の端子と上記抵抗の他
端との間でインピーダンス整合をとることができる。こ
れによって、上記信号反射手段の入力端反射係数を上記
離調周波数で小さくすることができるので、請求項1記
載の帯域通過フィルタ装置は、従来例に比較して阻止帯
域における減衰量を大きくすることができる。
【0093】また、請求項2記載の帯域通過フィルタ装
置は、上記第3の伝送線路の他端と接地端子との間に第
1の負性抵抗回路が接続され、かつ上記第6の伝送線路
の他端と接地端子との間に第2の負性抵抗回路が接続さ
れているので、上記第1と第2の負性抵抗回路を備えて
いない帯域通過フィルタ装置に比較して通過帯域におけ
る損失を小さくできる。
【0094】本発明に係る請求項3記載の帯域通過フィ
ルタ装置は、第1の方向性結合器と第3の伝送線路とか
らなる複数の回路と、第2の方向性結合器と第6の伝送
線路とからなる複数の回路を備えて構成されているの
で、請求項1記載の帯域通過フィルタ装置に比較して、
阻止帯域における減衰量をさらに大きくできる。
【0095】また、請求項4記載の帯域通過フィルタ装
置は、上記第3の伝送線路の各他端と接地端子との間に
それぞれ第1の負性抵抗回路が接続され、かつ上記第6
の伝送線路の各他端と接地端子との間にそれぞれ第2の
負性抵抗回路が接続されているので、上記第1と第2の
負性抵抗回路を備えていない帯域通過フィルタ装置に比
較して通過帯域における損失を小さくできる。
【0096】またさらに、請求項6記載の帯域通過フィ
ルタ装置は、3dB方向性結合器を備えて構成されてい
るので、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態の帯域通過フィ
ルタ装置F1のブロック図である。
【図2】 共振回路81のブロック図である。
【図3】 共振回路82のブロック図である。
【図4】 図2の共振回路81において、入出力端子T
11から方向性結合器10を見たときのインピーダンス
1を示すスミスチャートである。
【図5】 図3の共振回路82において、端子T5から
方向性結合器20を見たときのインピーダンスZ2を示
すスミスチャートである。
【図6】 図3の共振回路82の端子T5における入力
端反射係数S11と反射信号の位相φとの周波数特性を示
すグラフである。
【図7】 図1の端子T71における方向性結合器1
0,20側をみたときの入力端反射係数S11と反射信号
の位相φとの周波数特性を示すグラフである。
【図8】 第1の実施形態の帯域通過フィルタ装置F1
の反射回路71cの平面図である。
【図9】 図8の反射回路71cの端子T71aにおけ
る入力端反射係数S11の周波数特性を示すグラフであ
る。
【図10】 本発明に係る第2の実施形態の帯域通過フ
ィルタ装置F2のブロック図である。
【図11】 図10の90度ハイブリッド回路40とし
て2段ブランチラインハイブリッド回路40aを用いた
ときの帯域通過フィルタ装置F2のブロック図である。
【図12】 図11の帯域通過フィルタ装置F2の出力
端伝送係数S21と入力端反射係数S11の周波数特性を示
すグラフである。
【図13】 本発明に係る第3の実施形態の帯域通過フ
ィルタ装置F3のブロック図である。
【図14】 図13の反射回路73の端子T73におけ
る入力端反射係数S11の周波数特性を示すグラフであ
る。
【図15】 本発明に係る第1の変形例の帯域通過フィ
ルタ装置における反射回路74の平面図である。
【図16】 図15の反射回路74の端子71aにおけ
る入力端反射係数S11の周波数特性を示すグラフであ
る。
【図17】 従来例の帯域通過フィルタ装置の平面図で
ある。
【図18】 従来例の帯域通過フィルタ装置において、
中心周波数f0を18GHz、比帯域Δf/f0を0.1
に設定したときの出力端伝送係数S21と入力端反射係数
11との周波数特性を示すグラフである。
【図19】 従来例の帯域通過フィルタ装置において、
中心周波数f0を18GHz、比帯域Δf/f0を0.0
07に設定したときの出力端伝送係数S21と入力端反射
係数S11との周波数特性を示すグラフである。
【図20】 従来例の帯域通過フィルタ装置において、
中心周波数f0を18GHz、比帯域Δf/f0を0.0
056に設定したときの出力端伝送係数S21と入力端反
射係数S11との周波数特性を示すグラフである。
【図21】 従来例の帯域通過フィルタ装置において、
中心周波数f0を3GHz、比帯域Δf/f0を0.03
3に設定したときの出力端伝送係数S21と入力端反射係
数S11との周波数特性を示すグラフである。
【図22】 従来例の帯域通過フィルタ装置において、
中心周波数f0を3GHz、比帯域Δf/f0を0.02
に設定したときの出力端伝送係数S21と入力端反射係数
11との周波数特性を示すグラフである。
【図23】 従来例の帯域通過フィルタ装置において、
中心周波数f0を3GHz、比帯域Δf/f0を0.01
に設定したときの出力端伝送係数S21と入力端反射係数
11との周波数特性を示すグラフである。
【図24】 伝送線路2bの他端から見たときの共振回
路81のインピーダンスZ1aを示すスミスチャートであ
る。
【図25】 端子T71から見たときの反射回路71の
インピーダンスZ71を示すスミスチャートである。
【図26】 伝送線路1bの長さL2を変化させたとき
の端子T71から見たときの反射回路71の入力端反射
係数S11の周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1a,1b,2,2a,2b,2c,3,3a,3
b,4,41,42,43,44,45,46,47,
52a,52b…伝送線路、 S1,S1a,S1b,S2,S2a,S2b,S2
c,S3,S3a,S3b,S4,S11,S11a,
S11b,S21,S21a,S21b,S31,S3
1a,S31b,S41,S41a,S41b…ストリ
ップ導体、 M1,M1a,M1b,M2,M2a,M2b,M2
c,M3,M3a,M3b,M4,M11,M11a,
M11b,M21,M21a,M21b,M31,M3
1a,M31b,M41,M41a,M41b…マイク
ロストリップライン、 F1,F2,F3…帯域通過フィルタ装置、 5…抵抗、 7a,7b…負荷、 10,10a,10b,20,20a,20b…方向性
結合器、 T11,T12,T13,T14,T21,T22,T
23,T24,T401,T402,T403,T40
4…入出力端子、 6…サーキュレータ、 T6a,T6b,T6c…端子、 40…90度ハイブリッド回路、 40a…2段ブランチラインハイブリッド回路、 50a,50b…負性抵抗回路、 51a,51b…トランジスタ、 71,71a,71b,71c,73,74…反射回
路、 81,82…共振回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 久 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール光 電波通信研究所内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号反射手段と、入出力分離手段とを備
    え、所定の通過帯域を有する帯域通過フィルタ装置であ
    って、 上記信号反射手段は、 各一端が互いに対向し、各他端が互いに対向しかつ互い
    に分布結合するように設けられた第1と第2の伝送線路
    とからなる第1の方向性結合器と、 上記第1の方向性結合器と第3の伝送線路とを含む回路
    が所定の第1の共振周波数で共振するように、上記第2
    の伝送線路の一端に接続された第3の伝送線路と、 各一端が互いに対向し、各他端が互いに対向しかつ互い
    に分布結合するように設けられた第4と第5の伝送線路
    とからなる第2の方向性結合器と、 上記第2の方向性結合器と第6の伝送線路とを含む回路
    が所定の第2の共振周波数で共振するように、上記第5
    の伝送線路の一端に接続された第6の伝送線路と、 抵抗の一端が上記第4の伝送線路の他端に接続された抵
    抗と、 上記第1の伝送線路の他端と上記抵抗の他端との間に接
    続され、上記抵抗の他端から見た上記信号反射手段の入
    力端反射係数が上記通過帯域内の所定の周波数において
    最大になるように設定された長さを有する第7の伝送線
    路とを備え、 上記信号反射手段は、その入力端から入力された上記通
    過帯域内の信号を反射して上記入力端に出力し、 上記入出力分離手段は、第1と第2と第3の端子を有
    し、上記第2の端子が上記抵抗の他端に接続され、上記
    第1の端子から入力された信号を上記第2の端子に出力
    し、上記第2の端子から入力された信号を上記第3の端
    子に出力することを特徴とする帯域通過フィルタ装置。
  2. 【請求項2】 上記帯域通過フィルタ装置はさらに、 上記第3の伝送線路の一端が上記第2の伝送線路の一端
    に接続された上記第3の伝送線路の他端と、接地端子と
    の間に接続された第1の負性抵抗回路と、 上記第6の伝送線路の一端が上記第5の伝送線路の一端
    に接続された上記第6の伝送線路の他端と、接地端子と
    の間に接続された第2の負性抵抗回路とを備えたことを
    特徴とする請求項1記載の帯域通過フィルタ装置。
  3. 【請求項3】 信号反射手段と、入出力分離手段とを備
    え、所定の通過帯域を有する帯域通過フィルタ装置であ
    って、 上記信号反射手段は、 それぞれ各一端が互いに対向し、各他端が互いに対向し
    かつ互いに分布結合するように設けられた第1と第2の
    伝送線路とからなり、かつ上記各第1の伝送線路の他端
    が互いに接続された複数の第1の方向性結合器と、 上記各第1の方向性結合器と各第3の伝送線路とを含む
    各回路がそれぞれ所定の共振周波数で共振するように、
    それぞれ上記各第2の伝送線路の一端に接続された複数
    の第3の伝送線路と、 それぞれ各一端が互いに対向し、各他端が互いに対向し
    かつ互いに分布結合するように設けられた第4と第5の
    伝送線路とからなり、かつ上記各第4の伝送線路の他端
    が互いに接続された複数の第2の方向性結合器と、 上記各第2の方向性結合器と各第6の伝送線路とを含む
    各回路がそれぞれ所定の共振周波数で共振するように、
    それぞれ上記各第5の伝送線路の一端に接続された複数
    の第6の伝送線路と、 抵抗の一端が上記各第4の伝送線路の他端の接続点に接
    続された抵抗と、 上記各第1の伝送線路の他端の接続点と上記抵抗の他端
    との間に接続され、上記抵抗の他端から見た上記信号反
    射手段の入力端反射係数が上記通過帯域内の所定の周波
    数において最大になるように設定された長さを有する第
    7の伝送線路とを備え、 上記信号反射手段は、その入力端から入力された上記通
    過帯域内の信号を反射して上記入力端に出力し、 上記入出力分離手段は、第1と第2と第3の端子を有
    し、上記第2の端子が上記抵抗の他端の接続され、上記
    第1の端子から入力された信号を上記第2の端子に出力
    し、上記第2の端子から入力された信号を上記第3の端
    子に出力する入出力分離手段とを備えたことを特徴とす
    る帯域通過フィルタ装置。
  4. 【請求項4】 上記帯域通過フィルタ装置はさらに、 上記第3の伝送線路の各一端が上記第2の伝送線路の各
    一端に接続された上記第3の伝送線路の各他端と、接地
    端子との間にそれぞれ接続された複数の第1の負性抵抗
    回路と、 上記第6の伝送線路の各一端が上記第5の伝送線路の各
    一端に接続された上記第6の伝送線路の各他端と、接地
    端子との間にそれぞれ接続された複数の第2の負性抵抗
    回路とを備えたことを特徴とする請求項3記載の帯域通
    過フィルタ装置。
  5. 【請求項5】 上記入出力分離手段は、サーキュレータ
    であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    帯域通過フィルタ装置。
  6. 【請求項6】 上記入出力分離手段は、3dB方向性結
    合器であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載の帯域通過フィルタ装置。
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