JP2642383B2 - 溶接用トーチの通電ケーブル - Google Patents
溶接用トーチの通電ケーブルInfo
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Description
用トーチの通電ケーブルに係り、特に空冷ティグ溶接用
トーチのように通電ケーブルとして一般の溶接用低耐電
圧ケーブルを用いる場合に有効なものである。
母材2の間にアークを発生させ、アルゴンガス等の不活
性ガス雰囲気中で溶接を行う。電極1には非消耗性電極
であるタングステン電極が使用され、アークの起動に際
しては、電極1と母材2の間の数mmの空間に高周波高電
圧を印加して空間の絶縁を破り、主電源3によりアーク
を発生させる。高周波の発生は、火花ギャプ式の高周波
発生装置4により行うのが普通である。
ルの断面図である。10はケーブル導体、11は外被絶縁体
であり、大地に接している外被絶縁体11は誘電体として
働き、大地との間に静電容量を形成する。空冷ティグ溶
接用トーチの通電ケーブルとして使用されている一般溶
接用ケーブルは、外被絶縁体にクロロプレンゴムを用い
たものが多く、外被絶縁体の比誘電率は2〜8と比較的
大きい。
その長さが長い場合、大地との間の分布静電容量により
通電ケーブルから高周波もれ電流が生じ、このため電極
1と母材2の間に印加される高周波勢力が減少し、アー
クスタート不良を起こしやすかった。
ーブルが高価となって実用的ではなく、(3)、(4)
は溶接施工条件やアークスタート性、高周波発生装置の
動作特製などの点から制約がある。また、(5)は分布
静電容量を低減するには有効な手段であるが、ケーブル
を大地から浮かせるために特別な支持具を必要とした
り、手間がかかることから実行困難である。
低減し、高周波もれによるアークスタート不良を経済的
な手段により改善する溶接用トーチの通電ケーブルを提
供することにある。
誘電率が外被絶縁体の比誘電率と同等またはそれよりも
小さい材質の突起を前記通電ケーブルの軸回り方向に連
続的または間欠的に、かつ、軸方向に連続的または間欠
的に形成、例えば高さ2mm以上の突起を、ピッチ50mmを
越えない範囲でスパイラル状に連続して形成することに
より達成される。
成してもよいし、また別の帯状絶縁体を外被絶縁体に巻
付け接着して形成してもよい。
〜8mの長さのものが使用され、溶接時にその大部分が大
地と直接接している。母材は接地され大地と同一電位に
あるので、アーク起動時の高周波は、通電ケーブルから
ケーブルの外被絶縁体を誘電体とする分布静電容量を通
じ、もれ電流として大地にもれ、その結果、電極と母材
間に印加される高周波勢力は低下してしまう。その低下
の程度は分布静電容量に比例する。したがって、解決策
としては分布静電容量を小さくすることが必要である。
ラル状の突起を形成した部分だけが大地と接し、それ以
外の部分と大地との間には突起の高さに相当する空間が
生じる。突起を形成した部分では、外被絶縁体の厚さが
増した分だけ大地との間の静電容量が減少し、それ以外
の部分では空間の介在により大地との間の静電容量はさ
らに小さくなる。したがって、ケーブル−大地間の分布
静電容量は大幅に低減し、高周波もれによるアークスタ
ート不良を改善することができる。ここで、突起は通電
ケーブル(外被絶縁体)の外周の軸回り方向(円周方
向)にわたって形成してあり、溶接時に通電ケーブルが
大地面上にどのような向きで置かれても、また捩れても
常に上記空間を生じさせるように働く。なお、突起を外
被絶縁体より比誘電率の小さい材質とすればさらに効果
的である。
る。
図である。電極1はトーチボディ5の内部で通電ケーブ
ル6に接続されており、通電ケーブル6のもう一方の端
末は溶接電源8に接続されている。シールドガスはガス
ホース7を通して供給され、トーチノズル9より放流さ
れる。アーク起動時には、別に設けたスイッチからの信
号によりシールドガスが放流され、溶接電源8に内蔵さ
れた高周波発生装置より高周波が発生して、電極1と母
材2の間の空間の絶縁を破り、アークを発生させる。図
には簡略して示すが、通電ケーブル6の外被絶縁体11の
外周には、突起12がスパイラル状に連続して形成されて
いる。
大図で、(a)は通電ケーブル6の大地と接している状
態を示す側面図、(b)はそのA−A断面図である。本
実施例は、押出成形によりスパイラル状の突起12を外被
絶縁体11と一体に形成したものである。
拡大図で、(a)は通電ケーブル6の大地と接している
状態を示す側面図、(b)はそのB−B断面図である。
本実施例は、別の帯状絶縁体を外被絶縁体11の外周に巻
付け、接着剤13で接着してスパイラル状の突起12を形成
したものであり、この場合、突起12の材質はゴム系絶縁
物、プラスチック系絶縁物などから任意に選択できる。
形、半円形など任意でよい。
比誘電率が外被絶縁体11の比誘電率と同等またはそれよ
り小さい材質で、高さ(h)が2mm以上の突起12をスパ
イラル状に連続して形成することにより、外被絶縁体11
を全面にわたって大地と接触させず、突起12を形成した
部分以外は大地との間に2mm以上の空間をあけるように
したものである。このようにすれば、一般溶接用ケーブ
ルと同様に比誘電率の比較的大きいクロロプレンゴムを
外被絶縁体とする通電ケーブルを使用しても、高周波も
れによるアークスタート不良を防止できることが実験に
より確認された。ここで、突起12のピッチ(p)は、ケ
ーブルの自重による変形を防ぐため、50mmを越えない範
囲であればよいことが分かった。突起12の幅(b)は、
特に限定しないが、4mm程度でよい。
パイラル上のものとして説明したが、これに限ることな
く、通電ケーブル6(外被絶縁体11)の外周の軸方向に
所定の間隔をあけて配置され、各々通電ケーブル6の円
周を取り巻くように形成されたリング状の隆起体、また
は通電ケーブル6の軸方向に沿い、かつその軸回り方向
(円周方向)にわたって形成された棒状の突起、さらに
通電ケーブル6の外周の軸方向および軸回り方向に適当
な間隔をあけて散在するごとく形成された多数の小突起
でもよく、要するに外被絶縁体11を大地と接触させず、
且つケーブル導体10と大地との間に十分な絶縁間隔を有
するような構造であればよい。
く、ケーブル−大地間の分布静電容量を低減し、高周波
もれによるアークスタート不良を改善することができ
る。
ル状に形成すればよいので、材料費はわずかである。
金型を変えるだけで容易に製作できる。
着することにより、一般溶接用ケーブルを簡単に改造で
きるので、経済的であり、また突起を形成する絶縁体の
材質を任意に選択できる。
ルを大地から浮かせるための特別な支持具や作業工数を
必要としない。
必要のあるティグ溶接用延長ケーブルとしても有効であ
る。
略図、第2図は本発明による通電ケーブルの一実施例の
拡大図で、(a)はケーブルが大地と接している状態を
示す側面図、(b)はそのA−A断面図、第3図は本発
明による通電ケーブルの他の実施例の拡大図で、(a)
はケーブルが大地と接している状態を示す側面図、
(b)はそのB−B断面図、第4図(a)はティグ溶接
の原理説明図、第4図(b)は従来の通電ケーブルの断
面図である。 1……電極、5……トーチボディ、6……通電ケーブ
ル、10……導体、11……外被絶縁体、12……突起、13…
…接着剤。
Claims (1)
- 【請求項1】溶接用トーチに接続される通電ケーブルに
おいて、該通電ケーブルの外被絶縁体の外周に、比誘電
率が外被絶縁体の比誘電率と同等またはそれより小さい
材質の突起を前記通電ケーブルの軸回り方向に連続的ま
たは間欠的に、かつ、軸方向に連続的または間欠的に形
成したことを特徴とする溶接用トーチの通電ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63042313A JP2642383B2 (ja) | 1988-02-26 | 1988-02-26 | 溶接用トーチの通電ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63042313A JP2642383B2 (ja) | 1988-02-26 | 1988-02-26 | 溶接用トーチの通電ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01218773A JPH01218773A (ja) | 1989-08-31 |
JP2642383B2 true JP2642383B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=12632533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63042313A Expired - Fee Related JP2642383B2 (ja) | 1988-02-26 | 1988-02-26 | 溶接用トーチの通電ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2642383B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2553790Y2 (ja) * | 1990-12-28 | 1997-11-12 | 株式会社ダイヘン | アーク加工装置 |
JP2529052Y2 (ja) * | 1993-06-29 | 1997-03-12 | ナストーア株式会社 | Tig溶接機のアーク起動回路 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5243984A (en) * | 1975-10-02 | 1977-04-06 | Hiroyasu Uragami | Cable with operation wire |
-
1988
- 1988-02-26 JP JP63042313A patent/JP2642383B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01218773A (ja) | 1989-08-31 |
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