JP2641820B2 - 測距方法 - Google Patents

測距方法

Info

Publication number
JP2641820B2
JP2641820B2 JP29362291A JP29362291A JP2641820B2 JP 2641820 B2 JP2641820 B2 JP 2641820B2 JP 29362291 A JP29362291 A JP 29362291A JP 29362291 A JP29362291 A JP 29362291A JP 2641820 B2 JP2641820 B2 JP 2641820B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gain
distance
gain control
light
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29362291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH055621A (ja
Inventor
高秋 小谷
誠司 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP29362291A priority Critical patent/JP2641820B2/ja
Publication of JPH055621A publication Critical patent/JPH055621A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2641820B2 publication Critical patent/JP2641820B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Focusing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真カメラやスチルビ
デオカメラ等に用いられるアクティブタイプの測距方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のコンパクトカメラは、光学的三角
測量によって測距を行うアクティブタイプの測距装置が
多く用いられている。このアクティブタイプの測距装置
は、適当な基線長を保って投光部と受光部とを配置し、
この投光部から撮影シーンに向けて近赤外光を投光し、
被写体で反射した光を受光部で受光する。この受光部上
での反射光の入射位置は、被写体距離に応じて変化する
から、反射光の入射位置を電気的に調べることで被写体
距離を測定することができる。
【0003】前記投光部は、光源とこの光源からの測距
光をスポット光に変換するための投光レンズとから構成
され、また受光部は受光素子と受光レンズとから構成さ
れている。光源としては近赤外光を放出するLED(発
光ダイオード)が用いられ、受光素子としては半導体位
置検出器(PSD:Position Sensitive Detector )が
用いられている。PSDは2つの出力端子を備え、入射
光の強度と位置とに応じた2チャンネルの電流を出力す
る。この2チャンネルの電流、又はこれらに対応した2
つの電圧の比を求めることによって、反射光の入射位置
にのみ依存した信号を得ることができる。
【0004】前記反射光の強度は、被写体の距離や反射
率によって大きく変化するから、PSDの出力信号が大
き過ぎたり小さ過ぎたりすることがある。こうした場合
に、2チャンネルの出力信号の比を用いても、測定精度
を安定に保つことができなくなる。そこで、PSDから
の2チャンネルの出力信号のレベルを適切な範囲に収め
るために、一対のゲインコントロールアンプが用いられ
る。PSDの各チャンネルの出力信号の大きさに応じ
て、各ゲインコントロールアンプを共通な最適ゲインに
設定してから測距を行えば、PSDの信号が適切なレベ
ルに増減されるから、被写体の遠近や反射率の変化にか
かわらず、測距精度を安定に維持することが可能とな
る。
【0005】また、測距精度を更に向上させるために、
被写体に測距光を複数回投光し、各投光ごとにゲインコ
ントロールアンプの出力信号をマイクロコンピュータに
取り込み、これらの平均値から被写体距離を算出する方
法も知られている。更に、撮影シーン(撮影画面)内の
中央部だけでなく、その周辺部も含めた複数個所に測距
光を投光し、各測距点毎に被写体距離を測定するマルチ
ビームタイプのものがある。このマルチビームタイプで
は、各測距点毎に被写体距離が求まるから、予め決めた
優先順位に応じて1個の被写体距離を選択し、この被写
体距離に応じて撮影レンズをセットする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記ゲインコントロー
ルアンプは、ゲイン変更が行われた場合に、その出力信
号が安定するのに、1.5〜2msec程度の時間が必
要である。この安定化時間の経過前ではゲインが不安定
な状態となっているので、この状態のゲインコントロー
ルアンプの出力信号を用いると、測距精度が低下するこ
とになる。また、ゲインコントロールアンプのゲインの
決定時に、蛍光灯からの近赤外光がPSDに入射する
と、このノイズ光を考慮してゲインが決められてしま
う。この場合には、最適値よりも低い値にゲインが設定
されるため、良好な測距を行うことができない。
【0007】また、測距光を複数回投光するタイプの測
距装置では、この投光中にゲインコントロールアンプの
出力信号が所定範囲を越えて飽和(オーバーフロー)す
ることがあり、これは測距中に被写体に対する照明条件
が変化した場合に生じる。高精度の測距を行うには、ゲ
インコントロールアンプのゲインを再調整してから測距
をやり直すのが望ましいが、蛍光灯の照明下での測距等
では次のような問題が生じる。
【0008】周知のように、蛍光灯は商用周波数の2倍
の周波数で断続して点灯するが、商用周波数を60 HZ
とすると、図18の(A)に示した蛍光灯の点灯間隔F
1は、8.3msecとなる。そして、同図(B)に示
した測距光の投光間隔F2を1msecとし、18回の
投光で測距を行う場合には、そのうちの2回は必ず蛍光
灯の発光のピークに合致したタイミングで投光が行われ
ることになり、ゲインコントロールアンプからの出力信
号のレベルは所定範囲を越える結果となる。このため、
蛍光灯の照明下ではゲインの再調節−再測距を何回も繰
り返し、測距不能状態に陥ることになる。
【0009】本発明は、以上のような背景に鑑みてなさ
れたもので、ゲインコントロールアンプを適正な状態で
作動させることで、高精度の測距を行うことができる測
距方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明は、ゲインコントロールア
ンプのゲインの変更が行われた際には、それ以後に行わ
れる測距シーケンスを一定時間以上遅延させ、ゲインコ
ントロールアンプの安定化を待ってから測距シーケンス
を続行させるように構成したものである。請求項2に記
載した発明では、投光手段の作動を遅延させることで、
測距シーケンスの中断を行うようにしたものであり、こ
れは無駄な投光を防止する上で効果がある。
【0011】請求項3に記載した発明では、測距光をP
N回投光して1サイクルの測距を行う際に、ゲインコン
トロールアンプからの出力レベルが所定範囲外である回
数がCM回に達するまでの間は、ゲインコントロールア
ンプのゲインを変えずにそのまま測距を行うが、前記出
力レベルが所定範囲外になった回数がCM回に達すると
ゲインコントロールアンプのゲインを変更した後、再び
測距を繰り返すようにしたものである。ここで、CMの
値は、測距光の投光間隔をAT秒としたとき、CM≧A
T×PN×120から求まる。この式は、商用周波数6
0Hzの蛍光灯の点灯周期を考慮してCMの値を決めて
いるから、蛍光灯の断続的な点灯に鋭敏に反応して再測
距を繰り返し、測距不能状態に陥るという弊害をなくす
ことができる。
【0012】請求項4に記載した発明は、ゲインコント
ロールアンプの出力信号が所定レベルを越えたときに
は、1msec〜5msecの時間経過後に、再び同じ
ゲインの値で出力信号を取り込み、この際に再びゲイン
コントロールアンプの出力信号が所定レベルを越えた場
合には、ゲインコントロールアンプの出力信号に基づく
距離データの算出を中止するようにしたものである。
【0013】
【実施例】マルチビームタイプの測距装置の構成を示す
図1において、投光部2は光源部3と投光レンズ4とか
ら構成され、投光レンズ4の光軸4aは撮影レンズ5の
光軸5aとほぼ平行となっている。光源部3は、それぞ
れ近赤外光を発する3個のLED(発光ダイオード)3
a,3b,3cからなる。これらのLED3a〜3cは
水平に配列され、中央のLED3aは光軸4a上に、ま
たLED3b,3cはその左右にそれぞれ位置してお
り、撮影シーン内の3個所に向けて各々スポット状の測
距光を投光する。
【0014】受光部7は、受光レンズ8と、矩形状をし
たPSD9とから構成され、受光レンズ8の光軸8aは
撮影レンズ5の光軸5aとほぼ平行になっている。PS
D9は、その受光面に近赤外光だけを透過するフイルタ
10(図2参照)が貼ってあり、これを透過した入射光
の光量と、基線方向での入射位置に応じた信号を出力端
子9a,9bから出力する。被写体からの反射光は、被
写体距離が短いほど出力端子9b側に寄った位置に入射
する。
【0015】また、被写体距離が短いほど、反射光の強
度が大きくなり、出力端子9a,9bからの信号の絶対
値も大きくなるが、これらの信号の和と差の比を求める
ことで、反射光の強度に依存せずにその入射位置にのみ
対応した信号を得ることができる。なお、PSD9は水
平方向に関しては識別作用をもっておらず、垂直方向で
の入射高さが同じであれば、水平方向での入射位置が異
なっても出力端子9a,9bからの出力信号の比は等価
なものとなる。
【0016】LED3a〜3cは、オートフォーカスI
C12からの信号により、LEDドライバ11を介して
発光制御される。オートフォーカスIC12は、マイク
ロコンピュータ14からのコマンドにしたがって予め決
められた測距シーケンスを実行する。また、オートフォ
ーカスIC12は、PSD9の出力端子9a,9bから
の信号をそれぞれ増幅したり、サンプルホールド処理し
てマイクロコンピュータ14に送る。
【0017】前記マイクロコンピュータ14としては汎
用型が用いられ、PSD9の出力端子9a,9bからそ
れぞれ出力された第1,第2チャンネルの信号をもとに
演算を行ない、各LED3a〜3c毎に距離データを算
出する。マイクロコンピュータ14は、3個の距離デー
タの中から最適なものを選択し、選択した距離データに
応じた個数の駆動パルスをレンズ位置制御回路15に送
る。このレンズ位置制御回路15は、ステッピングモー
タ15aを駆動して、距離データに応じた位置に撮影レ
ンズ5をセットする。
【0018】図2に示すように、マイクロコンピュータ
14は、CPU20,ROM21,RAM22,シリア
ルI/Oポート23,A/Dコンバータ24からなる。
CPU20は周知のように各種レジスタ及び論理演算回
路を内蔵しており、ROM21に書き込まれたシーケン
スプログラムにしたがって撮影シーケンスを実行する。
RAM22は、撮影シーケンスの実行中に得られる各種
のデータやフラグ等を一時的に格納する。
【0019】オートフォーカスIC12はワンチップの
ICで構成され、ロジック回路26と、ゲインコントロ
ーラ27と、PSD9の出力端子9a,9bから出力さ
れる第1,第2チャンネルの電流を電圧に変換するプリ
アンプ28a,28bと、ゲインコントロールアンプ2
9a,29bと、サンプルホールド回路30a,30b
と、バッファアンプ31a,31b等を有する。
【0020】ゲインコントロールアンプ29a,29b
は、被写体が遠距離の場合に、PSD9に入射している
反射光の光量が低下し、出力端子9a,9bからの電流
の絶対値が小さくなることを考慮して設けられたもの
で、後述するゲインコントロール処理によって最適なゲ
インが与えられる。サンプルホールド回路30a,30
bは、ロジック回路26からのサンプリングパルスを受
けてゲインコントロールアンプ29a,29bで増幅さ
れた信号をサンプルホールドし、これらの信号をバッフ
ァアンプ31a,31bを介してマイクロコンピュータ
14のA/Dコンバータ24に送る。なお、ロジック回
路26は基本的にシリアルイン−パラレルアウトのシフ
トレジスタからなり、ゲインコントローラ27はそのシ
フトレジスタの所定ビット位置に設定されたゲインコン
トロールデータを読み出し、これに基づいてゲインコン
トロールアンプ29a,29bに共通な最適ゲインを設
定する。
【0021】シリアルI/Oポート23は、前述したよ
うにCPU20からのパラレルコマンドデータをシリア
ルデータパルス(AFSD)に変換してロジック回路2
6に供給するとともに、このシリアルデータをシフトレ
ジスタに転送するための転送パルス(AFSCK),シ
フトレジスタからのパラレルデータのラッチやLED3
a〜3cの発光タイミング等を決定する制御パルス(A
FLCK)を出力する。また、オートフォーカスIC1
2から出力されるアナログ信号は、A/Dコンバータ2
4によってその信号電圧レベルに対応した7ビットのデ
ジタル信号(十進数で0〜127を表す)に変換され
る。
【0022】図3は、ロジック回路26に用いられてい
る8ビットのシフトレジスタ33を概念的に示してい
る。「D0〜D4」の5ビットには、ゲインコントロー
ルデータ(GAIN)が、「D5〜D6」の2ビットに
はLED発光データ(LED)が、また「D7」のビッ
トにはLEDの発光/リセットの切換えデータ(SE
T)が割り当てられている。5ビットのゲインコントロ
ールデータは、「0」レベルから「31」レベルまでの
ゲインレベルを表すことができる。また、2ビットのL
ED発光データは、十進数で「0」,「1」,「2」,
「3」の4状態を表し、「0」のときにはLED3a〜
3cの全てを消灯し、「1」のときにはLED3aのみ
を発光し、「2」,「3」のときにはそれぞれLED3
b,LED3cを発光させる。
【0023】基本的な測距シーケンスの手順を示す図4
において、オートフォーカスIC12のアンプ系のオフ
セット値を検出する処理、LED3a〜3cを順番に発
光させながら、そのときに得られるゲインコントロール
アンプ29a,29bの出力信号に応じて、そのゲイン
を最適値に決めるためのゲイン決定処理,このゲインの
もとで測定データを取り込み、各LED3a〜3c毎に
距離データを算出する測距処理,3個の距離データの中
から最適なものを選択する処理が順次に実行される。
【0024】次に、上記実施例の作用について図5ない
し図13を参照して説明する。図5に示すように、カメ
ラの電源スイッチが投入されると、RAM22内のデー
タ格納エリアが初期状態にリセットされる。次に、フイ
ルムの装填完了状態,レンズバリアの開放状態を表す各
種の外部データがRAM22内に読み込まれる。CPU
20は、これらの外部データに基づき、カメラが撮影待
機状態になっていると判定すると、シャッタボタンのロ
ックを解除する。
【0025】シャッタボタンを半押しすると、CPU2
0はオートフォーカスIC12に測距コマンドを出力す
る。オートフォーカスIC12は、投光部2を駆動して
スポット状の近赤外光を周期的に発生させ、これらを被
写体に向けて投光する。この被写体で反射された近赤外
光を受光部7で検出することにより、被写体距離が測定
される。この距離測定後に、CPU20は、測光コマン
ドを出力し、被写体輝度の測定を開始させる。得られた
被写体輝度と、フイルム感度信号とに基づいて露光演算
を行い、適正露光が得られる露出時間を算出し、RAM
22に格納する。露出演算後、CPU20はすでにRA
M22に格納されている距離データに対応した個数のク
ロックパルスをレンズ位置制御回路15に送る。これに
よりステッピングモータ15aが駆動され、撮影レンズ
5は距離データに応じたレンズ位置に繰り出される。
【0026】シャッタボタンが全押しされると、RAM
22から読み出された露出時間データに応じて、プログ
ラムシャッタ(図示せず)が作動される。1コマの撮影
が終了すると、CPU20は、フイルム移送コマンドを
発生し、フイルム移送機構(図示せず)を作動させてフ
イルムを1コマ送りする。1コマ分のフイルム移送が完
了すると、CPU20はレンズ位置制御回路15にリセ
ット信号を送り、撮影レンズ5を初期位置に戻して1回
の撮影シーケンスが完了する。
【0027】次に、測距シーケンスについて詳しく説明
する。測距シーケンスが開始されると、まず図6に示す
ように、オフセット値の検出処理が実行される。このオ
フセット値検出処理では、シフトレジスタ33の「D0
〜D7」の各ビットに、「01000000」がセット
される。これにより、「GAIN=8」,「LED=
0」,「SET=0」の各コマンドデータが設定され
る。このコマンドデータの設定は、図7のタイミングチ
ャートに示した時点P1、すなわち転送パルスAFSC
Kが8個のパルスを送出した後、制御パルスAFLCK
がローレベルになったタイミングで行われる。なお、シ
リアルデータパルスの転送は、転送パルスAFSCKの
立ち上がりによってシフトレジスタ33に順次に転送さ
れる。さらに上記コマンドデータの転送後には、CPU
20内の所定レジスタに「COUNT=8」がセットさ
れる。
【0028】シフトレジスタ33にセットされたコマン
ドデータのうち、「GAIN=8」のデータは、ゲイン
コントローラ27を介してゲインコントロールアンプ2
9a,29bに供給され、これらのゲインが初期値(最
低値)「8」に設定される。この実施例の測距装置で
は、増幅特性の直線性が保たれるように、「GAIN」
が「8」〜「31」の範囲内で使用しているが、この範
囲はカメラの仕様,LEDの発光量等によって適宜決め
られるものである。
【0029】前記シリアルデータの転送後、第1,第2
チャンネルからの出力信号をサンプルホールドし、これ
をA/D変換したデジタル信号AFD1,AFD2がマ
イクロコンピュータ14に読み込まれる。この読込み処
理の手順は、図7のタイミングチャート及び図8のフロ
ーチャートに示すように、まず制御パルスAFLCKが
期間ΔT1の間ローレベルにされる。この制御パルスA
FLCKがローレベルとなってから、期間ΔT7が経過
した時点P2において、コマンドデータで決められたい
ずれか1つのLEDが発光する。そして、期間ΔT2後
にAFSDがハイレベルになるタイミングで、サンプル
ホールド回路30a,30bがゲインコントロールアン
プ29a,29bの出力をサンプルホールドする。さら
に期間ΔT3後のローレベルになる時点P3でLEDの
発光が停止する。また、期間ΔT4後にAFSDがハイ
レベルになったときに、サンプルホールド処理が終了す
る。
【0030】図7において、制御パルスAFLCKが期
間ΔT1の間にローレベルになっているが、これはLE
Dを点灯させるときのもので、「LED=0」のコマン
ドで行われるオフセット値の検出処理では、AFLCK
はハイレベルに保たれる。したがって、オフセット値の
検出処理では、LEDが消灯しており、またゲインコン
トロールアンプ29a,29bが「GAIN=8」にセ
ットされている。この状態で、ゲインコントロールアン
プ29a,29bの出力信号がサンプルホールド回路3
0a,30bにサンプルホールドされる。
【0031】AFSDがローレベルになった時点P3か
ら時間ΔT6が経過すると、サンプルホールド回路30
a,30bの出力信号は、バッファアンプ31a,31
bを介してA/Dコンバータ24で7ビットのデジタル
信号に変換され、これらが第1,第2チャンネルの測定
データAFD1,AFD2としてCPU20に順次取り
込まれ、そしてRAM22内の所定アドレスに格納され
る。
【0032】他方、ゲイン決定処理及び測距処理では、
AFLCKがローレベルに維持されている期間ΔT1の
間で、指定されたLEDが1回点灯され、この点灯中に
ゲインコントロールアンプ29a,29bの出力信号
が、サンプルホールド回路30a,30bにサンプルホ
ールドされる。そして、LEDの点灯又は消灯にかかわ
らず、AFLCKのハイレベル期間ΔT5が経過した時
点で、1個の測定データの取込みサイクルが終了する。
【0033】オフセット値の検出処理では、測定データ
の取込みが8回行われ、測定データAFD1,AFD2
がそれぞれ8個ずつ得られる。これらの8個の測定デー
タはチャンネルごとに平均され、これらの平均値がオフ
セット値OF1,OF2として決定される。前述したよ
うに、オフセット値検出処理ではLEDが消灯している
から、オフセット値OF1,OF2は、PSD9に入射
する撮影シーンからのノイズ光,信号処理系のノイズ等
に起因している。
【0034】オフセット値検出処理の後は、ゲイン決定
処理及び測距処理が行われる。これらの処理はLED3
a〜3cについて個別に実行される。ゲイン決定処理は
図9のフローチャートにしたがって行われる。ゲイン決
定処理が開始されるときには、RAM22に設定された
「GFLAG」,「OVFLAG」,「GCOUNT」
が初期値「0」にセットされる。しかる後にシリアルポ
ート23からロジック回路26に新たなコマンドを表す
シリアルデータが転送され、AFLCKがローレベルに
なった時点P1で、シフトレジスタ33の各ビットには
「01000011」の2進データがセットされる。こ
れにより、「GAIN=8」,「LED=1」,「SE
T=1」のコマンドが設定され、LED3aのみが発光
可能状態になる。このコマンド設定後に、期間「ΔT2
+ΔT3」の間にLED3aを1回点灯させ、この点灯
中にサンプリング処理が行われる。その後、測定データ
AFD1,AFD2の読込み処理が行われる。なお、L
ED3a〜3cの点灯周期は、例えば1msである。
【0035】ここで、ゲインの初期値設定や、ゲイン変
更が行われた場合には、ゲインコントロールアンプ29
a,29bの作動が安定した後に、測定データAFD
1,AFD2の読込み処理を行うために、測距シーケン
スの開始を所定時間遅らせる。すなわち、時点P1にお
いて、シフトレジスタ33にコマンドデータがセットさ
れて、ゲインコントロールアンプ29a,29bのゲイ
ンが設定されるが、ゲインコントロールアンプ29a,
29bのゲインが安定するまでに、約1.5〜2mse
cの時間を要する。そこで、期間ΔT0として2mse
cを設定し、この期間経過後にLED3aの点灯を許容
し、安定状態となったゲインコントロールアンプ29
a,29bの出力をサンプリングする。なお、ゲインを
一定に保ったまま、測定データAFD1,AFD2の取
込みを行う場合には、図7に示すようにΔT0が「0」
である。
【0036】図1に示すように、LED3aからの測距
光が主要被写体S1に照射されると、その反射光は受光
レンズ8を通ってPSD9に入射する。そして、このと
きにPSD9の両端子9a,9bから出力される信号
は、PSD9に入射した光の強度及び入射位置の情報を
含んでいる。これらの信号は、A/Dコンバータ24で
各々デジタル変換された後、測定データAFD1,AF
D2として取り込まれる。
【0037】次に、CPU20は、測定データAFD
1,AFD2のいずれかが十進数で「127」に達して
いるか否かを判断する。AFD1,AFD2の値が「1
27」に達している場合には、そのいずれかが飽和状態
(オーバーフロー)であると判定される。この測定デー
タは極めて信頼性が薄いので、「GAIN=8」である
ことを確認した上で、「AFRESULTa←127」
(「AFRESULTa」については後述する)の処理
を行い、LED3aによる測距を終了する。この状態
は、画面中央の被写体がかなり接近した位置にあり、
「GAIN=8」でも反射光が強過ぎる場合である。
【0038】測定データAFD1,AFD2が飽和して
いない場合には、図10に示す手順で、各々の測定デー
タAFD1,AFD2から、加算測定データAFAD
D,減算測定データAFDIFの算出処理が行われる。
この処理では、ノイズ成分除去のために測定データAF
D1,AFD2に対してオフセット値OF1,OF2の
減算が行われる。また、オフセット値の減算処理の結果
が負の値になったときや、減算測定データAFDIFの
値が負の値になったときには、これらの値を「0」にし
て以後の演算を簡略化する。
【0039】次に、加算測定データAFADDについ
て、その値が「136」以上であるか否かが判断され
る。この値が「136」以上であるときには、測定デー
タAFD1,AFD2の各々の絶対値が以後の測距演算
を実行するのに適切な範囲にあると判定され、ゲインコ
ントロールアンプ29a,29bのゲインはそのときの
「GAIN」の値として決定される。そして、この「G
AIN」にセットしたままで、図11に示すように、L
ED3aによる測距処理が開始される。
【0040】一方、加算測定データAFADDの値が
「136」未満であるときには、そのときの「GAI
N」の値が不適切であったことを表す「GFLAG」が
「1」になっていないことを確認した上で、測定データ
AFD1,AFD2の絶対値を大きくするために、ゲイ
ンの変更が行われる。この変更後のゲインの値は、もと
の「GAIN」の値に、補正値「N」を加算したもので
あり、これがRAM22に書き込まれる。この補正値
「N」の値は、加算測定データAFADDの大きさに応
じて、次の表1に示すように設定されている。
【0041】
【表1】
【0042】「GAIN」の値を変更は、新しいゲイン
を含むコマンドデータをシフトレジスタ33にセットす
ることで行われるが、この際にシフトレジスタ33の
「D0」〜「D4」のビットのデータだけが変化し、他
のビットに割り当てられるデータはそのままとなってい
る。そして、ゲインコントローラ26は新たな「GAI
N」の値にしたがってゲインコントロールアンプ29
a,29bのゲインを調節し、引続き同様の処理を繰り
返す。この繰返し処理においても、ゲイン変更のための
コマンド設定の後にはΔT0の遅延が行われ、ゲインコ
ントロールアンプ29a,29bの作動が安定してか
ら、再び測定データの取込みが続行される。この繰返し
処理時において、「GAIN>8」でオーバーフローす
ることがあるが、この場合には「GFLAG」を「1」
にセットしてから、「GAIN」の値が「1」だけ低く
設定し直される。
【0043】「GAIN」の値が最大ゲインである「3
1」に達しても適切な絶対値を持った加算測定データA
FADDが得られないときには、被写体からの反射光が
極めて微弱、あるいはPSD9に戻ってきていない状態
である。この場合には被写体距離が極めて遠距離である
ことに対応しているから、後述する測距を行っても実益
がない。したがって、この場合には測距処理を行うこと
なく、「AFRESULTa←0」の処理が行われる。
【0044】また、このゲイン決定処理におけるゲイン
の設定し直し回数RNは、ゲインの初期値IG,ゲイン
の最大値GM,最大補正値NMとから求まる。 RN=(GM−IG)÷NM この実施例では、GM=31,IG=NM=8であるか
ら、RN=2.9≒3となる。したがって、ゲインの設
定し直し回数RNは3回に制限され、「GCOUNT=
3」に達した場合には、そのときの「GAIN」が選択
され、ゲイン決定処理が終了する。この制限により、例
え被写体からの反射光の強度が変化して、測定データA
FD1,AFD2の値が変動したとしても、ゲイン決定
処理に時間を要することがなくなり、迅速にゲインを決
めることができる。しかも、ゲインの調節幅「31−
8」を、最大補正値「8」で除してゲイン調節の回数の
上限を決めているから、AFADDの値が極めて小さい
ような場合でも、ゲインの値を最大値「31」まで調節
することが可能となる。
【0045】上述のゲイン決定処理が終了すると、LE
D3aによる測距処理が開始される。図11及び図12
はこの測距処理手順を表している。この測距処理は、各
種の初期データをRAM22にセットしてから、LED
3aを18回点灯させ、その都度、AFD1,AFD2
を読み込む。そして、毎回のAFD1,AFD2の読み
込み時には、そのいずれかが飽和しているか、もしくは
その値が「15」未満で測定データの絶対値として不充
分なものであるかが判定され、これらに該当するときに
は不適切測距であることを表す「OVCOUNT」を
「1」ずつカウントアップしてゆく。この場合には、測
距光を再度投光して測定データの取込みをやり直す。
【0046】ここで、「OVCOUNT」の上限値につ
いて説明する。この「OVCOUNT」の上限値が小さ
すぎると、偶然かつ瞬間的に被写体の照明条件が変化し
たような場合にも「OVFLAG」がセットされやすく
なり、後述する表2の「M」の値により距離データが求
められることになり、正確さに欠けるきらいがある。照
明条件が変化する場合の殆どは蛍光灯であり、これは商
用電源で駆動されるから、その2倍である120Hzを
考慮して、「OVCOUNT」の上限値CMは次式から
定められる。ここで、ATは測距光の投光間隔であり,
PNは投光回数である。 CM≧AT×PN×120
【0047】この実施例では、測距光の投光間隔ATが
1msec、投光回数PNが18回であるから、これら
を上式に代入すると、次のようになる。 CM≧1×10-3×18×120=2.16 「OVCOUNT」は、整数であるから、上限値CMを
切り上げて「3」が得られる。この式から上限値CMを
設定すると、図23に示したように、測距光の投光のタ
イミングが蛍光灯の発光のピークと2回まで一致したと
しても、これに影響されずに測距を継続することができ
る。この場合には、1個の距離データを得るために、2
0回の投光が行われることになる。勿論、この「OVC
OUNT」となった2個の測定データは、測距演算に用
いられない。
【0048】「OVCOUNT」がカウントアップさ
れ、その結果「3」に達したときには、ゲイン決定処理
で決めたゲインの値が不適切であるものと判定し、「O
VFLAG」を「1」にセットした上で、「GAIN」
を「1」だけ低く再設定して最初から測距処理をやり直
す。この測距中でのゲイン変更は、前述したように、コ
マンドを再セットすることで行われるが、この場合にお
いてもLED3aの点灯前には時間ΔT0の遅延処理が
行われる。なお、複数の初期データをRAM22にセッ
トするための時間が、ΔT0以上の場合には、ΔT0タ
イマーによる遅延を省略することができる。
【0049】また、測距処理が何度も繰り返されること
を防止するために、一旦「OVFLAG」が「1」にセ
ットされた後に、再び「OVCOUNT」が「3」に達
したとき、すなわち「OVCOUNT」となった全回数
が「6」以上のときには、そのときの「GAIN」の値
に対応して「AFRESULTa」の値を「M」として
決定する。この決定時には、表2に示すテーブルが参照
される。
【0050】
【表2】
【0051】上記のように、「OVCOUNT」の値が
「3」未満である場合には、引続きそのままのゲインで
測距が継続されることになる。しかし、後段での処理に
おいて、測定データAFD1,AFD2の中の最大値,
最小値の除去及び複数の測定データの平均化が行われる
から、測定データ中に2個程度のオーバーフローによる
異常データがあっても、測距演算においてはその影響は
ほとんど現れることはない。
【0052】各測定データAFD1,AFD2の取込み
を行う過程で、その中の最小値と最大値とを識別した上
で、AFD1,ADF2は各々「SUM1」,「SUM
2」として合計されてゆく。そして、18回の投光で得
た合計値「SUM1」,「SUM2」から、平均値の信
頼性を高めるために、AFD1,AFD2の各々の最大
値,最小値を減算した後、平均値の算出が行われる。な
お、測距精度が低下するが、最大値,最小値を除かずに
平均値を算出してもよく、この場合には除数が「18」
となる。
【0053】こうしてチャンネルごとに得られた平均値
は、図10の処理にしたがって、オフセット値の補正の
後、加算測定データAFADD,減算測定データAFD
IFに変換される。そして、これらの比の値に「12
7」を乗じて、距離データ「AFRESULTa」を算
出し、LED3aによる測距処理が終了する。
【0054】引続き、LED3bを点灯させながら、ゲ
イン決定処理と測距処理とを行う。最後に、LED3c
のゲイン決定処理−距離測定処理を行う。これにより、
LED3b,LED3cに対して、「AFRESULT
b」,「AFRESULTc」の値がそれぞれ求められ
る。なお、平均値や距離データの算出では、割り算が行
われるが、この結果に対しては、切り捨て,切り上げ,
四捨五入等によって整数化される。
【0055】図13に示すように、LED3aは撮影シ
ーン(撮影画面)40の中央部に設定した測距点SP1
に測距光を投光し、LED3b,3cは撮影シーン40
の周辺部に設定した測距点SP2,SP3に測距光を投
光する。この撮影シーン40では、測距点SP1が主要
被写体S1上に位置し、測距点SP2が主要被写体S2
上に位置する。したがって、「AFRESULTa」が
主要被写体S1までの距離、「AFRESULTb」が
背景被写体S2までの距離に対応した値を示し、さらに
「AFRESULTc」は測距光が反射されてきていな
いことから「0」(図9図参照)となっている。
【0056】マイクロコンピュータ14は、ROM21
に格納してあるプログラムに従い、「AFRESULT
a」が至近距離から5mまでの被写体距離に対応した値
であるかを確認し、これに該当する場合には「AFRE
SULTa」を最適距離データとして決定し、また該当
しない場合には「AFRESULTa」,「AFRES
ULTb」,「AFRESULTc」の中で最も近い被
写体距離に対応したものを最適距離データとして決定
し、測距シーケンスが完了する。
【0057】こうして最適距離データが決定された後
は、レンズ位置制御回路15を介してステッピングモー
タ15aが駆動され、撮影レンズ5は最適距離データに
対応したレンズ位置にセットされる。なお、「AFRE
SULTa」,「AFRESULTb」,「AFRES
ULTc」の中から最適距離データを決定するためのア
ルゴリズムとしては、他に種々のものを選ぶことが可能
である。
【0058】以上の実施例では、ゲイン決定処理中に、
ゲインコントロールアンプ29a,29bの出力がほぼ
飽和している場合には、ゲインを「1」だけ下げて測定
をやりなおしている。室内撮影では、被写体が蛍光灯で
照明されていることが多いが、このようなシーンでは、
ゲインが適正であっても、蛍光灯のノイズ光によって、
ゲインコントロールアンプ29a,29bの出力が一時
的に飽和してしまうことがある。そこで、ゲイン決定処
理中に、ゲインコントロールアンプ29a,29bの出
力がほぼ飽和している場合には、「GAIN」を同じ値
のままで測定をやり直すとともに、このやり直しの際し
ては一定時間例えば1〜5msecだけ、測定データA
FD1,AFD2の取り込みを遅延させるのがよい。図
14〜図17は、この実施例を示すものである。なお、
この実施例では、測定データに8ビット(十進数で
「0」〜「255」)が割り当てられている。
【0059】図14に示すように、ゲイン決定処理が開
始されるときには、「GSNGフラグ」がリセットさ
れ、「GCOUNT」が初期値「0」にセットされる。
また、図9に示す実施例と同様に、ゲインコントロール
アンプ29a,29bのゲインが初期値「8」にセット
され、また「LED=1」,「SET=1」の各コマン
ドの設定が行われ、LED3aのみが点灯可能状態とな
る。
【0060】上記コマンド設定の後、前述したように、
期間ΔT0後にLED3aを「ΔT2+ΔT3」の期間
点灯しながら測定し、測定データAFD1,AFD2を
読み込む。これらのいずれかが、飽和値例えば16進数
で「F0」(十進数では「240」)に達しているか否
かが判断される。もし、いずれか1つが飽和値「F0」
以上である場合に、このときのゲインの値が初期値
「8」であることが確認されると、「AFRESULT
a←127」の処理を行う。
【0061】また、ゲインの値が「9」以上のときに、
測定データAFD1,AFD2が飽和値になると、以前
に飽和状態になったことがないことを確認してから、G
SNGフラグをセットした後、2msecの時間遅延の
後に同じゲインの値のままで再度測定データAFD1,
AFD2の読み込みが実行される。そして、この測定デ
ータも飽和値に達している場合には、その時点のゲイン
の値から「1」を減算してゲインの値を決定し、ゲイン
決定処理を中止してそのまま測距処理に移行する。これ
により、ゲインコントロールアンプ29a,29bの飽
和状態の繰り返しに伴ってゲイン決定処理に時間がかか
るのを防ぐことができる。なお、ゲインの値が「9」以
上のときに、測定データADF1,AFD2の一方が飽
和値となるのは、ゲイン決定処理の最初ではなく、繰り
返しルーチンの中で発生する。
【0062】同じゲインのままで再度測定データAFD
1,AFD2を取り込む際には、上述のように2mse
cの時間遅延が実行される。その理由は、ゲインコント
ロールアンプ29a,29bに重畳される蛍光灯ノイズ
が図17に示したような波形を示し、測定データAFD
1,AFD2の読み込みタイミングと蛍光灯の点灯とが
t1の時点で一致したとすると、蛍光灯によるノイズ成
分はΔx(1.5〜2msec程度)で示した期間だけ
残存するからである。したがって、少なくとも1mse
cの遅延により、ノイズ成分がマイナス側で極大になる
タイミングt2からずらして次の測定データAFD1,
AFD2を取り込むことによって、ノイズの影響が少な
い測定データAFD1,AFD2を得ることができる。
この2msecは、ΔT0タイマーで確保してもよい。
なお、完全にノイズ成分の影響を取り除くために、5m
sec程度の遅延時間が望ましいので、実用上は1〜5
msecの範囲内で適宜設定される。
【0063】ゲインが初期値「8」の状態で測定データ
AFD1,AFD2が飽和値に達していない場合には、
これらの測定データに基づき、前述したように加算測定
データAFADD,減算測定データAFDIFの算出処
理が行われる。この加算測定データAFADDについ
て、その値が十進数の「136」以上であるか否かが判
断される。この値が「136」以上であるときには、加
算測定データAFADD1,AFADD2の値が以後の
測距演算の実行に適切なレベルにあると判定される。そ
して、ゲインコントロールアンプ29a,29bのゲイ
ンはそのときの「GAIN」の値(初期値「8」)とし
て決定され、引続きLED3aによる測距処理が実行さ
れることになる。
【0064】一方、加算測定データAFADDの値が
「136」未満である場合には、前述したように、「G
AIN」の値に「N」を加算し、またゲイン決定処理の
度数を表す「GCOUNT」を「1」アップして同様の
処理を繰り返す。この繰り返し処理時に「GAIN>
8」で飽和値に達することがあるが、「GSNGフラ
グ」がセット状態にあると「GAIN←GAIN−1」
によってゲインを決定してから、測距処理が実行され
る。
【0065】上記によれば、ゲインコントロールアンプ
29a,29bが初期ゲイン「8」の状態で、測定デー
タAFD1,AFD2が飽和値になると、即座に距離デ
ータが至近距離に対応した値に決定され、また飽和値に
達していない場合でも、加算測定データAFADDが適
切なレベルであるときには、ゲインコントロールアンプ
29a,29bのゲインを初期ゲイン「8」にして測距
処理が実行される。このように、「GCOUNT」の値
が「1」までの間、すなわちゲインコントロール29
a,29bのゲインが小さい状態のときにはノイズの影
響も少ないから、早めにゲインを決定して測距処理を行
うのが有利である。
【0066】一方、ゲイン決定の繰り返しルーチンを行
う間に「GCOUNT≧2」になり、ゲインの値がその
都度高く設定されてゆく場合には、図15に示したよう
に、「GCOUNT=6」に達するまで測定データAF
D1,AFD2を取り込み、これらを「SUM1」,
「SUM2」として順次に積算する。そして、「GCO
UNT=6」に達すると、積算された「SUM1」,
「SUM2」から各々のチャンネルの測定データAFD
1,AFD2の最大値を減算してから平均値が算出さ
れ、それぞれ「AFD1」,「AFD2」として置き換
えられる。
【0067】こうして得られた測定データAFD1,A
FD2については、図10に示すように、オフセット補
正処理の後、加算測定データAFADD,減算測定デー
タAFDIFが算出される。そして、「AFADD≧1
36」が満足される場合に、「GCOUNT=2」のと
きのゲインを最適ゲインと決定し、そのまま測距処理に
移行する。なお、「AFADD≧136」が満足され
ず、しかもゲインコントロールアンプ29a,29bの
ゲインが最大値「31」を越えたときには、PSD9に
反射光が殆ど入射しないような遠距離に被写体が位置し
ている場合であるから、撮影レンズ5を無限遠にセット
するための距離データ「AFRESULT=0」を得、
この時点でLED3aによる測距が終了する。他方、ゲ
インが最大値「31」を越えない場合には、ゲイン設定
のための測定をやり直すために、「GSNGフラグ」を
リセットし、「GCOUNT=0」にする。
【0068】このように、ゲインコントロールアンプ2
9a,29bのゲインが高く設定されるときには、測定
データAFD1,AFD2を複数個取り込み、これらの
平均値を考慮してゲインを決めることによって、ノイズ
の影響をほとんど受けずにゲイン設定を行うことができ
る。また、測定データAFD1,AFD2の積算値SU
M1,SUM2から平均値を算出する際には、AFD
1,AFD2の中の最大値を減算してある。したがっ
て、商用周波数の2倍の周波数で断続した発光を行う蛍
光灯の照明下で測定データAFD1,AFD2の取り込
みが行われ、図17に示したような周期的なノイズ成分
が測定データAFD1,AFD2に重畳されたとして
も、t=t1の時点で取り込まれた測定データAFD
1,AFD2については、これを平均値算出時に除くこ
とができ、適切なゲイン設定を行う上で非常に有効であ
る。もちろん、t=t2のようなアンダーシュートの時
点で取り込まれる測定データAFD1,AFD2も考慮
し、平均値を算出する前に測定データの最小値も積算値
SUM1,SUM2から減算しておくようにしてもよ
い。
【0069】以上の処理によって「GAIN」の値が決
定されると、前記実施例と同様に、LED3aによる測
距処理が実行される。この測距処理では、図16に示す
ように、「OVCOUNT」が「3」未満であり、かつ
測定データが適正範囲を外れている場合には、確認のた
めにゲインの値をそのままに維持し、2msecの遅延
時間の後、再度測定データAFD1,AFD2が読み込
まれる。これにより、測距シーケンス中の測定データA
FD1,AFD2の読み込みタイミングが蛍光灯の点灯
タイミングと合致し、測定データが飽和値に達しても、
次の読み込みで正しい測定データを得ることができる。
このようにして18個の測定データAFD1,AFD2
を取り込み、図10に示す手順でAFADD,AFDI
Fが算出され、そして図12に示す手順で距離データ
「AFRESULT」が算出される。
【0070】前記各実施例は、3個のLED3a〜3c
を用い、撮影シーン内の3個所を順次に測距するマルチ
ビームタイプであるが、測距点が1個のシングルビーム
タイプにも適用することができる。例えば、1個のLE
Dを用いて、スポット又は細長なスリット光を撮影シー
ンに投光してもよい。更には、この1個のLEDを1回
だけ発光させて測距を行ってもよい。
【0071】また、カメラ姿勢に応じて投光部の姿勢を
変換し、地面に対して常に平行な方向に沿った複数の測
距点に対して投光してもよい。受光素子としてはCCD
イメージセンサー等を使用することができ、また光源と
しては閃光放電管,ランプ等を使用することができる。
更に、マイクロコンピュータ以外のロジック回路により
各種の制御を行わせることも可能である。
【0072】更に、オフセット値検出処理を省略した
り、測距処理手順を部分的に変更することも可能であ
る。また、LEDの点滅による電源消耗が無視できる程
度であれば、ゲイン設定後にLEDの点灯を時間ΔT0
だけ遅らせる代わりに、遅延期間内での不要な測定デー
タを捨ててもよい。
【0073】また、上記実施例ではゲインが高い値に設
定される場合にのみ最大値を減算してから測定データの
平均値を算出しているが、ゲイン決定の最初の段階、す
なわち初期ゲインで測定データを読み込むときにも複数
個の測定データを得、これらの中の最大値及び最小値、
あるいはその一方を除去してから、測定データの平均値
を算出してもよい。
【0074】
【発明の効果】上述したように、請求項1に記載した発
明によれば、ゲインコントロールアンプのゲイン変更が
あった場合には、そのゲインが安定する時間だけ遅らせ
てから、測定データを取り込むようにしているから、不
安定なゲインのもとで出力されてくる不適正な測定デー
タを取り込むことがなく、したがって測距精度を向上さ
せることができる。また、投光部の作動を遅らせること
で測定を遅延させれば、投光部を無駄に作動させずに済
み、電源の浪費を防ぐことができるという利点がある。
【0075】また、請求項3に記載した発明では、複数
回の投光で得た複数個の測定データにより測距演算を行
う際に、不適正な値を持った測定データの個数が一定回
数未満であるときにはそのまま測距を継続し、一定回数
に達した際にはゲインコントロールアンプのゲインを変
更して再測距を行うようにするとともに、前記一定回数
を測距光の投光間隔,その投光回数並びに蛍光灯の点灯
周期を考慮して設定したから、被写体に対する照明条件
の変化に対応してゲインを変更することが可能となり、
しかも蛍光灯の照明下でも測距不能になることはない。
【0076】更に、請求項4に記載した発明では、ゲイ
ンコントロールアンプのゲイン決定時や測距シーケンス
中のゲイン変更時に、ゲインコントロールアンプからの
出力信号が飽和状態となっている場合には、ゲインコン
トロールアンプに重畳されるノイズ成分の影響が軽減さ
れる1〜5msecの時間遅延の後、同じゲインの値の
もとで再度測定し、前記飽和状態が瞬間的なノイズに起
因するか否かを判別する。もし、この測定においても、
飽和状態が生じている場合には、ノイズの影響によるも
のではなく、定常的に出力信号が高いレベルにあると判
断して、ゲインコントロールアンプからの出力信号に基
づいて測距演算を行う通常の測距シーケンスとは別に、
その時点で即座に至近距離あるいは無限遠の距離データ
に定めるから、ゲインの決定や変更のために徒に測距時
間を長くせずに済み、効率的な測距処理を行う上で非常
に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する測距装置の概略を示す
説明図である。
【図2】オートフォーカスICの構成を示すブロック図
である。
【図3】ロジック回路に用いられるシフトレジスタの概
念図である。
【図4】測距シーケンスの概略を示すフローチャートで
ある。
【図5】撮影シーケンスを示すフローチャートである。
【図6】オフセット値検出処理を示すフローチャートで
ある。
【図7】測定データの読込みタイミングを説明するタイ
ムチャートである。
【図8】測定データの読込み手順を示すフローチャート
である。
【図9】ゲイン決定処理を示すフローチャートである。
【図10】加算測定データ及び減算測定データの算出処
理手順を示すフローチャートである。
【図11】測距処理の前半を示すフローチャートであ
る。
【図12】測距処理の後半を示すフローチャートであ
る。
【図13】測距シーンの一例を示す説明図である。
【図14】ゲイン決定処理の別の実施例の前半を示すフ
ローチャートである。
【図15】ゲイン決定処理の後半を示すフローチャート
である。
【図16】測距処理の別の実施例を示すフローチャート
である。
【図17】蛍光灯の点滅に伴って測定データに重畳され
るノイズ成分を示す波形図である。
【図18】蛍光灯の点灯周期と測距光の投光間隔との相
関を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 投光部 3a〜3c LED 5 撮影レンズ 7 受光部 9 PSD 14 マイクロコンピュータ 28a,28b プリアンプ 29a,29b ゲインコントロールアンプ 30a,30b サンプルホールド回路 31a,31b バッファアンプ SP1〜SP3 測距点 40 撮影シーン

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に向けて測距光を投光する投光手
    段と、被写体から反射されてきた測距光を受光する受光
    手段と、この受光手段の出力信号を増幅するゲインコン
    トロールアンプと、このゲインコントロールアンプの出
    力信号から距離信号を算出する演算手段とを備えた測距
    装置において、前記ゲインコントロールアンプの出力信
    号のレベルを監視し、そのレベルが所定範囲外の場合に
    はゲインコントロールアンプのゲインを調整し、このゲ
    インの変更が行われたときには、測距シーケンスの開始
    を一定時間以上遅延させるようにしたことを特徴とする
    測距方法。
  2. 【請求項2】 被写体に向けて測距光を投光する投光手
    段と、被写体から反射されてきた測距光を受光する受光
    手段と、この受光手段の出力信号を増幅するゲインコン
    トロールアンプと、このゲインコントロールアンプの出
    力信号から距離信号を算出する演算手段とを備えた測距
    装置において、前記ゲインコントロールアンプの出力信
    号のレベルを監視し、そのレベルが所定範囲外の場合に
    はゲインコントロールアンプのゲインを調整し、このゲ
    インの変更が行われたときには、前記投光手段の作動を
    許容するための信号の発生を一定時間以上遅延させるよ
    うにしたことを特徴とする測距方法。
  3. 【請求項3】 被写体に向けて測距光を投光する投光手
    段と、被写体から反射されてきた測距光を受光する受光
    手段と、この受光手段の出力信号を増幅するゲインコン
    トロールアンプと、このゲインコントロールアンプの出
    力信号から距離信号を算出する演算手段とを備えた測距
    装置において、測距時に投光手段を投光間隔AT秒でP
    N回発光させ、この測距中にゲインコントロールアンプ
    の出力信号を監視し、この出力信号が所定レベル範囲外
    となる回数がCM回に達したときには、ゲインコントロ
    ールアンプのゲインを調節してから測距をやり直すとと
    もに、前記CMの値を次式から定めたことを特徴とする
    測距方法。 CM≧AT×PN×120
  4. 【請求項4】 被写体に向けて測距光を投光する投光手
    段と、被写体から反射されてきた測距光を受光する受光
    手段と、この受光手段の出力信号を増幅するゲインコン
    トロールアンプと、このゲインコントロールアンプの出
    力信号から距離信号を算出する演算手段とを備えた測距
    装置において、前記ゲインコントロールアンプの出力信
    号が所定レベルを越えたときには、1msec〜5ms
    ecの時間経過後に、再び同じゲインの値で出力信号を
    取り込み、この際に再びゲインコントロールアンプの出
    力信号が所定レベルを越えた場合には、ゲインコントロ
    ールアンプの出力信号に基づく距離信号の算出を中止す
    ることを特徴とする測距方法。
JP29362291A 1990-10-20 1991-10-14 測距方法 Expired - Fee Related JP2641820B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29362291A JP2641820B2 (ja) 1990-10-20 1991-10-14 測距方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-282920 1990-10-20
JP28292090 1990-10-20
JP2-307976 1990-11-14
JP30797690 1990-11-14
JP2-410843 1990-12-14
JP41084390 1990-12-14
JP29362291A JP2641820B2 (ja) 1990-10-20 1991-10-14 測距方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH055621A JPH055621A (ja) 1993-01-14
JP2641820B2 true JP2641820B2 (ja) 1997-08-20

Family

ID=27479290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29362291A Expired - Fee Related JP2641820B2 (ja) 1990-10-20 1991-10-14 測距方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2641820B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3018959B2 (ja) * 1995-09-11 2000-03-13 日立建機株式会社 建設機械のワイパ作動制御装置
JP4993084B2 (ja) * 2007-03-20 2012-08-08 株式会社Ihi レーザ監視装置
JP4993087B2 (ja) * 2007-03-28 2012-08-08 株式会社Ihi レーザ監視装置
CN102472503B (zh) 2009-07-30 2014-07-02 夏普株式会社 加热烹调器
JP5974561B2 (ja) * 2012-03-15 2016-08-23 オムロン株式会社 光学式センサおよび感度調整制御のための設定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH055621A (ja) 1993-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001177763A (ja) ディジタル・カメラおよびその制御方法
US5148211A (en) Stabilized range finder for use with an electronically controlled camera
JP3900880B2 (ja) 画像撮像装置
KR100533344B1 (ko) 발광장치를 갖는 촬상장치, 발광장치를 제어하는 방법,촬상장치의 촬상방법 및 촬상장치 제어 프로그램을 저장한저장매체
US20040095504A1 (en) Automatic focus adjustment device and method using auxiliary light
JP2641820B2 (ja) 測距方法
JP3695380B2 (ja) カメラ
US5386263A (en) Method and apparatus for rangefinding
KR101044941B1 (ko) 광원을 이용한 자동 포커스 장치 및 방법
JP3090150B2 (ja) アクティブ式測距方法
JPH0690397A (ja) ビデオ・カメラおよびその合焦方法
JP2003114374A (ja) 画像撮像装置
JPH0698220A (ja) ビデオカメラ
JP3075362B2 (ja) アクティブ式測距方法
JP2753132B2 (ja) 測距装置
JP2006243189A (ja) カメラ
JP2934346B2 (ja) オートフォーカスカメラ及びその調整方法
JP3193504B2 (ja) ストロボ発光装置及びスチルビデオカメラ
JP3926897B2 (ja) ストロボ装置
JPH03126383A (ja) 電子スチルカメラ
JPH04216406A (ja) アクティブ式測距方法
KR100509362B1 (ko) 디지탈 카메라의 패시브 초점 조절 장치 및 그 방법
JPH03135716A (ja) 測距装置
JP2675671B2 (ja) アクティブ式測距方法
JP4237456B2 (ja) 赤目軽減機能付カメラ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees