JP2639917B2 - 燃焼器の制御回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は、設定時間後に点火タイマにより自動的に点
火及び燃焼させると共に一定時間後に燃焼を停止させる
ようにした燃焼器の制御回路に関する。

（ロ） 従来の技術 従来の此種制御回路は、特公昭59−52723号公報に示
されている。そして、この点火タイマを使用すると、設
定時間経過後に点火してこの点火後一定時間燃焼するこ
とになるが、この一定時間内に点火タイマのつまみを操
作して点火タイマによる燃焼から通常の燃焼に切換えら
れ連続して燃焼が行なえるものである。

また炎が電気的に高抵抗体であること及び整流作用が
あることを利用して、燃焼状態の良否を検出する炎電流
検出回路が、実公昭58−7330号公報に開示されている。
しかし、燃焼量と炎電流値とは必らずしも比例しないか
ら、特に室温と設定温度との差に応じて燃焼量をリニア
に制御するものにあっては、炎電流を検出して異常レベ
ルに到達した場合に燃焼を停止させようとすると各燃焼
状態における精度が区々となる。従って例えば、強燃焼
状態では正常燃焼と判断されても、すぐに移行した中燃
焼状態では異常燃焼と判断されることがあった。このた
めに一定時間毎に所定時間だけバーナの燃焼状態を所定
状態として、このときの炎電流値を炎電流検出回路で検
出し異常状態のときにバーナの燃焼を停止させることが
考えられる。

（ハ） 発明が解決しようとする問題点 しかし、点火タイマを用いて点火燃焼させ、設定時間
経過前に点火タイマによる燃焼から通常の燃焼に切換え
た場合に、この通常燃焼に移行してから一定時間毎に所
定時間だけバーナの燃焼状態を所定状態として炎電流検
出回路で炎電流値を検出しようとすると、前記点火タイ
マによる点火後から前記検出回路による検知時までに相
当の時間を要しているために、安全性に欠けることにな
る。

（ニ） 問題点を解決するための手段 このために本発明は実施例に示すように、設定時間後
に点火用タイマ回路（30）により自動的に点火及び燃焼
させると共に一定時間後に燃焼を停止させるようにした
燃焼器の制御回路に於いて、前記タイマ回路（30）によ
る燃焼中に通常の燃焼に切換えられたときに換気チェッ
ク信号を出力する燃焼制御回路（１）と、該制御回路
（１）からの換気チェック信号を受けたときに所定時間
だけチェック信号を出力すると共に前記換気チェック信
号を受けたときから一定時間毎に所定時間だけチェック
信号を出力するタイマ（23）と、該タイマ（23）からの
チェック信号を受けたときから前記所定時間バーナの燃
焼状態を強制的に所定状態に保持する保持回路（24）
と、この保持された燃焼状態に於ける炎電流値を検出す
る炎電流検出回路（９）と、該検出回路（９）による検
出値が燃焼異常状態のときには前記バーナ（５）の燃焼
を停止させる前記燃焼制御回路（１）とから構成したも
のである。

（ホ） 作用 設定時間が経過すると、点火用タイマ回路（30）は燃
焼開始信号を燃焼制御回路（１）に送る。該燃焼開始信
号を受けると燃焼制御回路（１）は燃焼運転に係る制御
を行ない、点火・燃焼を行なう。

そしてこの燃焼が行なわれ１時間が経過すると、タイ
マ回路（30）の燃焼開始信号の出力は停止し、燃焼制御
回路（１）はバーナモータ制御回路（４）及びポンプ制
御回路（７）に停止信号を送り燃焼が停止される。

しかし前述の１時間が経過する前に、設定つまみ（2
8）を「連続」位置にすると、タイマ時間セット回路（2
9）は低レベル出力を燃焼制御回路（１）に出力する。
すると燃焼制御回路（１）は換気チェック信号をタイマ
（23）に出力し、該タイマ（23）は保持回路（24）にチ
ェック信号を出力し、燃焼状態を中燃焼に保持し、この
ときの炎電流値を炎検出回路（９）により検出し燃焼続
行の可否が決定され、異常燃焼であれば前述の如く燃焼
を停止する。

（ヘ） 実施例 以下本発明の一実施例を図に基づき説明する。（１）
は運転スイッチ（２）の閉成によって予め定められたプ
ログラムに基いて室内開放型燃焼器の種々の燃焼運転に
係る制御を行なうマイクロコンピュータで構成される燃
焼制御回路、（３）は前記運転スイッチ（２）が閉成さ
れるとV_DD電源が発生し使用者が任意に設定した希望の
設定温度と現在の室温とを比較しその偏差に基いてバー
ナモータ制御回路（４）を制御する室温検出回路であ
る。

前記バーナモータ制御回路（４）は灯油気化式バーナ
（５）に燃焼用空気を供給するバーナモータ（６）の回
転数を制御するもので、該制御回路（４）により運転さ
れらバーナモータ（６）の回転数は該モータ（６）内の
ホール素子によって検出される。また該ホール素子の出
力するパルスは、ポンプ制御回路（７）に出力されてバ
ーナ（５）に燃料を供給する電磁ポンプ（８）による灯
油の供給量を決定すると共にバーナモータ（６）の回転
数が所定数に到達すると前記ポンプ（８）を駆動させ、
また炎電流検出回路（９）に出力されて炎電流値の検出
レベルを燃焼量に応じた基準値とする。そして、該炎電
流検出回路（９）によって炎電流値が「異常燃焼」と判
断されると、燃焼制御回路（１）へ異常燃焼信号が出力
され、該燃焼制御回路（１）はポンプ制御回路（７）及
びバーナモータ制御回路（４）へ停止信号を送り、燃焼
を停止させる。

次に前記バーナ（５）について第２図に基づき説明す
ると、前記バーンモータ（６）の回転軸（10）の一端に
は液体燃料を微粒化する回転霧化体（11）を設けると共
に他端には燃焼空気を供給するファン（12）を設けてい
る。（13）は前記回転霧化体（11）が微粒化した燃料を
気化する気化室（14）を内部に設けたバーナ本体で、該
バーナ本体（13）は鉄鋳物やアルミダイキャスト等にて
形成している。（15）は前記気化室（14）を燃料の気化
温度に上昇保持するための気化ヒータ、（16）は気化室
（14）の上部に配設した絞り板、（17）は燃焼炎（18）
を形成する炎口（19）を多数穿設したバーナヘッドで該
ヘッド（17）の上方には燃焼室が形成されている。
（８）は前記回転霧化体（11）に燃料を供給する電磁ポ
ンプ、（20）はバーナ本体（13）の温度を検知するバー
ナサーミスタ、（21）は前記炎口（19）に臨んだ点火プ
ラグ、（22）は炎電流検出回路（９）のセンサとしての
フレームロッドで前記燃焼炎（18）に臨んでいる。

また運転スイッチ（２）の閉成によりタイマ（23）が
通電され、このときから一定時間（例えば１時間）毎に
所定時間（例えば１分間）だけチェック信号を保持回路
（24）を介してバーナモータ制御回路（４）に出力す
る。前記保持回路（24）は切換回路（25）及び中燃焼設
定回路（26）から構成され、前記チェック信号により
「中燃焼」に相当する出力をバーナモータ制御回路
（４）に出力するものである。バーナモータ制御回路
（４）は、前記室温検出回路（３）からの出力が中燃焼
設定回路（26）からの出力に応じてバーナモータ（６）
の回転数を制御する。

尚燃焼量と炎電流値とは比例しないが、本実施例の中
燃焼時の前記炎電流検出回路（９）の基準レベルは、中
燃焼時の異常燃焼状態の実際の炎電流値と極めて近似さ
せている。また本実施例では中燃焼に固定するようにし
たが、これに限らず弱燃焼，強燃焼に固定するようにし
てもよい。

（27）は点火タイマ設定装置で、使用者によってスラ
イド可能な設定つまみ（28）を「連続」位置にするとタ
イマ時間セット回路（29）は低レベルを燃焼制御回路
（１）に出力し、運転スイッチ（２）の閉成状態であれ
ば通常の連続燃焼を行なう。また前記つまみ（28）をタ
イマ時間設定範囲（０〜12時間）内に位置させると、タ
イマ時間セット回路（29）は高レベルを出力して燃焼制
御回路（１）を待機状態とすると共にタイマ回路（30）
に設定時間に相当する出力（例えばバイナリコードが抵
抗値）を出力する。そしてタイマ回路（30）は前記タイ
マ時間セット回路（29）からの高レベル出力を受けたと
きに発する燃焼制御回路（１）からの作動信号を受け
て、時間を計数し設定時間が経過すると燃焼開始信号を
燃焼制御回路（１）に送る。この燃焼開始信号を受ける
と燃焼制御回路（１）は、燃焼運転に係る制御を行ない
１時間だけ燃焼を行なわせる。またこの１時間内に前記
つまみ（28）を「連続」位置に移動させると、タイマ時
間セット回路（29）は低レベルを前記制御回路（１）に
出力し、このとき制御回路（１）は換気チェック信号を
タイマ（23）に出力する。すると該タイマ（23）は保持
回路（24）に前述の如くチェック信号を出力する構成で
ある。タイマ回路（30）は、一定時間、例えば１時間だ
け燃焼開始信号を出力する構成であり、この１時間が経
過すると燃焼制御回路（１）はバーナモータ制御回路
（４）及びポンプ制御回路（７）に停止信号を送り、バ
ーナモータ（６）及び電磁ポンプ（８）の運転を停止さ
せる構成である。

以上の構成により以下動作について説明する。先ず点
火タイマ設定装置（27）の設定つまみ（28）を「連続」
位置にしてある状態で、運転スイッチ（２）が閉成され
るとタイマ時間セット回路（29）は低レベルを燃焼制御
回路（１）に出力する。このため燃焼制御回路（１）に
より予め定められたプログラムに基づき種々の燃焼運転
に係る制御が行なわれ、図示しないバーナ温度制御回路
によりバーナ本体（13）を気化ヒータ（15）により加熱
し、気化温度に達したことが検知されるとバーナモータ
制御回路（４）及びポンプ制御回路（７）に開始信号を
出力し、バーナモータ（６）及び電磁ポンプ（８）を運
転させると共に点火プラグ（21）によって点火・燃焼さ
せる。

そして、室温検出回路（３）が設定温度と室温とを比
較しその偏差に基づいた出力をバーナモータ制御回路
（４）に出力するため、それに応じてバーナモータ
（６）は回転することになるがホール素子によりその回
転数が検知される。この回転数に応じたパルスを受ける
とポンプ制御回路（７）は、電磁ポンプ（８）の発振周
波数を決定し、バーナ本体（13）に所定の灯油を供給す
る。またこのとき、前記回転数に応じたパルスは炎電流
検出回路（９）にも出力され、検知の基準レベルをリニ
アに変化させる。このようにして燃焼が行なわれ、仮に
異常燃焼によって炎電流値が低くなって基準レベルより
下がると炎電流検出回路（９）は異常燃焼信号を燃焼制
御回路（１）に出力する。すると該制御回路（１）はバ
ーナモータ制御回路（４）及びポンプ制御回路（７）に
停止信号を送り、バーナモータ（６）及び電磁ポンプ
（８）の運転を停止させる。尚この炎電流検出回路
（９）からの異常燃焼信号を受けたときに直ちに燃焼を
停止させるようにしてもよいし、この異常燃焼信号を所
定時間（例えば30分間）受け続けたときに燃焼を停止さ
せるようにしてもよい。

尚前述のような異常燃焼とならず、安定燃焼が継続し
た状態で、運転スイッチ（２）の閉成時から１時間が経
過すると、タイマ（23）よりチェック信号が出力され、
切換回路（25）が切換り中燃焼設定回路（26）により中
燃焼時の回転数に相当するパルスがバーナモータ制御回
路（４）に出力される。このためバーナモータ（６）を
中燃焼時の回転数となるように保持し、このときのホー
ル素子による回転数検知に基づいてポンプ制御回路
（７）は電磁ポンプ（８）の発振周波数を決定し、バー
ナ本体（13）に所定量の灯油を供給すると共に炎電流検
出回路（９）の基準レベルを変化させる。そして異常と
判断されれば前述の如く燃焼制御回路（１）は燃焼が停
止するが、異常でなければまた１時間経過後に前述のよ
うにタイマ（23）はチェック信号を１分間だけ出力して
同様に燃焼が異常か否かを判断するものである。

次に点火タイマによる動作について説明する。運転ス
イッチ（２）閉成状態下で、点火タイマ設定装置（27）
の設定つまみ（28）をタイマ時間設定範囲内に設定し、
例えば９時間に設定した場合について説明する。このと
きタイマ時間セット回路（29）は高レベルを出力して燃
焼制御回路（１）を待機状態とすると共にタイマ回路
（30）にタイマ時間に相当する出力を出力する。従って
タイマ回路（30）は前記セット回路（29）からの高レベ
ル出力を受けたときに発する燃焼制御回路（１）からの
作動信号を受けて、時間を計数し始める。そして９時間
が経過すると、タイマ回路（30）は燃焼開始信号を燃焼
制御回路（１）に送る。該燃焼開始信号を受けると燃焼
制御回路（１）は前述の如く燃焼運転に係る制御を行な
い、点火・燃焼を行なう。そしてこの燃焼が行なわれ１
時間が経過すると、タイマ回路（30）の燃焼開始信号の
出力は停止し、燃焼制御回路（１）はバーナモータ制御
回路（４）及びポンプ制御回路（７）に停止信号を送り
燃焼が停止される。

しかし前述の１時間が経過する前に、設定つまみ（2
8）を「連続」位置にすると、タイマ時間セット回路（2
9）は低レベル出力を燃焼制御回路（１）に出力する。
すると燃焼制御回路（１）は換気チェック信号をタイマ
（23）に出力し、該タイマ（23）は保持回路（24）に前
述の如くチェック信号を出力し、前述の如く中燃焼に保
持し、このときの炎電流値を検出して燃焼続行の可否が
決定される。以後は１時間経過毎に同様な動作が行なわ
れるものである。

（ト） 発明の効果 以上のように本発明は、点火タイマを用いて設定時間
後に点火燃焼させたときの燃焼中に、点火タイマによる
燃焼から通常の燃焼に切換えた際にも、バーナの燃焼状
態を所定状態として炎電流検出回路で炎電流値を検出
し、燃焼が異常であれば燃焼を停止させるようにしたか
ら、燃焼器の安全性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す制御ブロック図、第２
図はバーナの簡略縦断面図、第３図は本発明の動作説明
のためのフローチャート図を夫々示す。 （１）……燃焼制御回路、（５）……バーナ、（９）…
…炎電流検出回路、（23）……タイマ、（24）……保持
回路、（27）……点火タイマ設定装置、（29）……タイ
マ時間セット回路、（30）……タイマ回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】設定時間後に点火タイマにより自動的に点
   火及び燃焼させると共に一定時間後に燃焼を停止させる
   ようにした燃焼器の制御回路に於いて、前記点火タイマ
   による燃焼中に通常の燃焼に切換えられたときに換気チ
   ェック信号を出力する回路と、該出力回路からの換気チ
   ェック信号を受けたときに所定時間だけチェック信号を
   出力すると共に前記換気チェック信号を受けたときから
   一定時間毎に所定時間だけチェック信号を出力するタイ
   マと、該タイマからのチェック信号を受けたときから前
   記所定時間バーナの燃焼状態を強制的に所定状態に保持
   する回路と、この保持された燃焼状態に於ける炎電流値
   を検出する炎電流検出回路と、該検出回路による検出値
   が燃焼異常状態のときには前記バーナの燃焼を停止させ
   る燃焼制御回路とから成る燃焼器の制御回路。